キャラクターとしてのミラーマンについてはこちらで。
最高の特撮技術を駆使したSF映画の決定版!
(番宣ポスターより)
概要
沖縄に帰郷した脚本家・金城哲夫の遺した原案を元に企画された巨大ヒーロー番組。
同時制作されていた『帰ってきたウルトラマン』との差別化を計り、ダークで硬派な雰囲気のドラマ作りがコンセプトとなっている。しかし、裏番組シルバー仮面との視聴率競争を受け、戦闘機やカラータイマーの導入など、多少の路線変更が行われた。
映像としては光学合成を多用する、夜間シーンを増やすといった特徴がある。
SGMも科学特捜隊同様に青ブレザーを普段は着用しており、後半は減少したものの科学者集団という位置づけにしてウルトラシリーズ防衛チームとの差別化を図った。
円谷プロは在京5局系列局に売り込むも、TBS、NET(現・テレビ朝日)、東京12チャンネル(現・テレビ東京)とは不成立に終わり、「巨人の星」の次番組として読売テレビホスト局、日本テレビ系での放送を目指すも不成立に終わる。
最終的に製作中止となった東京ムービー製作予定だった「長靴下のピッピ」の放送予定枠の穴埋めでフジテレビ系に落ち着く。
なお、東京12チャンネルは後に再編集番組「ミラーファイト」を放送し、読売テレビとは7年後の1978年に「宇宙の勇者スターウルフ」の放送で手を組んだ。
小学館の児童誌によるプロトタイプのまんが連載が行われた事でも有名であり、その流れは「ジャンボーグA」に、デザインラインはミラーナイトに引き継がれている。
レギュラーの敵が存在する作品は円谷プロとしてはマイティジャック以来だが、本作の敵インベーダーは仮面ライダーのブームを受けてかショッカー戦闘員的に変身前の京太郎やSGMと戦ったりしている。他方同時期の「ウルトラマンA」に登場したヤプール人以上に非道な作戦を図るなど、より高年齢層を意識した脚本も目立つ。
また日本の特撮番組において、キスシーンを描いた(最終回)最初の作品ともいわれている。
円谷プロがウルトラマン以外に初めて制作したヒーローものである為、円谷ヒーローの代表格として度々挙げられる。
あらすじ
1980年代― 私たちの地球は重大な危機に直面している、何とも説明の付かない異常な事件がこの地球の各地で続発した。
新聞社のカメラマン鏡京太郎は、巨大竜巻の被害現場を取材中、目に見えない何かに遭遇、命を落としかけるが、鏡の光によって助けられる。
帰宅した京太郎がフィルムを現像すると、そこには目に映らない謎の怪人が映りこんでいた。
宇宙物理学の権威で、調査組織「S,G,M」のブレーン、そして京太郎の育ての親でもある御手洗健一博士は、その日、京太郎の出生の秘密を語る。
京太郎の実父は、この地球を守るために二次元の世界からやってきたミラーマンであること、宇宙から襲来したインベーダーとの戦いで命を落としたこと、京太郎がミラーマンと地球人の混血児(ハーフ)であること、京太郎に危険が及ぶことを恐れた母親が御手洗博士に京太郎を預けたこと。
自らの宿命に苦悩する京太郎。鏡の中からは「ミラーマンに変身するのだ」と、父の声が語りかける。
その日の夜、街に多面体構成の宇宙船が飛来、時を同じくして御手洗邸にインベーダーが侵入し、機密資料を盗み出し逃亡。インベーダーは宇宙船の光を浴び、巨大怪獣に変身して暴れ回った。
地球を守るため、父の仇を討つため、京太郎はミラーマンに変身する。
放映リストと登場する怪獣
劇場版
いずれも東宝チャンピオンまつりの一プログラムとして上映された。
『ミラーマン』
『ミラーマン 生きかえった恐竜アロザ』
1972年7月22日公開。本編18話の再編集版。脚本を手掛けた安藤豊弘は、プロデューサーの淡豊昭が本話を気に入っており、出来が良かったため劇場に流したと述べている。
スタッフ
プロデューサー | 淡 豊昭、満田かずほ、塚原正弘(円谷プロダクション)、春日 東(旭通信社)、別所孝治、八百板勉(フジテレビ) |
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脚本 | 若槻文三、藤川桂介、山浦弘靖、田口成光、安藤豊弘、太田昭和 |
音楽 | 冬木透 |
撮影 | 後藤武士、町田敏行、永井仙吉 |
照明 | 小林和夫 |
美術 | 菊地 昭 |
助監督 | 志村 広、北村武司、中島俊彦 |
特殊撮影(後半は「特撮部カメラ」とクレジット) | 古市勝嗣、君塚邦彦、永井仙吉 |
照明(特撮) | 髙椋康夫 |
美術(特撮) | 大沢哲三 |
助監督(特撮) | 吉村善之、大橋和男、松本清孝 |
合成技術 | 中野 稔、飯塚定雄 |
光学撮影 | 木村金男、宮重道久、兵頭文造、松本和男 |
操演 | 小川昭二、小笠原亀 |
機電 | 倉方茂雄 |
操演効果 | 小川昭二、塚本貞重、中代文雄、白熊栄次、小笠原亀 |
操演助手 | 岸浦秀一 |
記録 | 黒岩美穂子、鈴木桂子、松丸春代、矢口良江、神谷摂津子 |
編集 | 柳川善博 |
効果 | 原 清康 |
制作主任 | 塚原正弘、設楽正之 |
進行 | 宇根本工、岩坪優、小久保輝吉 |
録音 | セントラル録音 |
現像 | 東京現像所 |
特殊技術 | 高野宏一、矢島信男、真野田陽一、佐川和夫、大木 淳 |
監督 | 本多猪四郎、鈴木俊継、黒田義之、満田かずほ、東條昭平、志村 弘、大木 淳 |
監修 | 円谷一 |
制作 | 円谷プロダクション |
漫画1969年版
『怪奇大作戦』の後番組として企画されたが諸事情で製作中止となった。そのため小学館の学習雑誌で漫画連載のみの展開となった。ミラーマンのキャラクターデザインは森藤よしひろ。
よいこ
1969年11月号~1970年3月号 作画:杵渕やすお
幼稚園
1969年9月号~1970年3月号 作画:森藤よしひろ
小学一年生
1969年9月号~1970年3月号 作画:中城けんたろう
小学二年生
1969年9月号~1970年3月号、1970年9月増刊号 作画:久松文雄
小学三年生
1969年9月号~1970年3月号 作画:久松文雄
パイロット版
のちに裏番組『シルバー仮面』の主演俳優となる柴俊夫が鏡京太郎役を演じた。
『ミラーマン兄弟』
『ミラーマン』の後番組として企画されたが諸事情で製作中止。ミラーマンの弟ミラーレッドが登場する予定だった。
小説版
『ミラーマン 鏡の黙示録』と題して1994年に小学館スーパークエスト文庫から発売。
ミラーマンから7年後を描く。時系列としては続編であるジャンボーグA完結後に相当する。
派生作品
『ミラーファイト』
1974年4月1日から6月28日まで、東京12チャンネル(現・テレビ東京)で放映された帯番組。全65話。
かつて放映されていた『ウルトラファイト』のミラーマン版。
第1話のタイトルから「怪獣は死ね!」など本家に負けず劣らずカオスである
『ミラーマンREFLEX』
敵がインベーダーではなく、鏡の向こうの世界から来た邪仙(じゃせん)と呼ばれる魔物だったり、ミラーマン自体も『帰神(きしん)の儀』によって変身し、原典と異なり伸縮自在である。『鏡の武神』だったりと、根本的な設定が違っている。
『ミラーマン2D』
2021年7月30日から連載されるweb漫画。『ミラーマン』のリブート作品。
横浜を舞台に、二人の青年がインベーダーに立ち向かう。
『ジャンボーグA』
もとはミラーマンとは繋がりのない作品だったが、中盤にて本作から村上隊員と野村隊員が登場し、村上はPATの隊長に、そして彼の勧めで安田隊員もレギュラー化するなど、ミラーマンの事実上の続編となった。
50周年記念配信
2021年6月7日より、生誕50周年を記念してYoutubeのウルトラチャンネルにて公式配信が開始。
過去に第1話が配信されたことが何度かあったが、全話配信されるのは初となる。
しかし、第1話の配信はエンドロールを付け忘れるというミスがあり、当日中にアップロードし直す事態になった。
関連動画
「中井正広のブラックバラエティ」でBGMとして使われている。
関連イラスト
関連タグ
ジャンボーグA:続編的位置付けで、一部世界観が繋がっている。TV放映前にプロトタイプのまんがが連載されているのも共通する。
帰ってきたウルトラマン:同時期に放送された姉妹作。当作で登場したダークロンはこの作品で没になった星人の着ぐるみの流用。
ウルトラマンA:同時期に放送された姉妹作。
ウルトラマンタロウ:作中に登場したゴルゴザウルスの関連種としてゴルゴザウルス二世が登場。
ウルトラマンレオ:劇伴の一部を流用。
レッドマン:ほぼ同時期に放映されていた短編特撮。サウンドエフェクトの大部分が流用されているほか、戦闘時のBGMは『ミラーマン』の未使用音源が使用されている。また、ダークロンが第1話に登場している。
ブースカ!ブースカ!!:作中劇のヒーロー・ミラクルミラーキングとしてミラーマンを流用。
ミラーナイト:『ウルトラマンゼロ THE MOVIE』に登場するミラーマンのリメイクキャラクター。
アタックNo.1:本作の前番組。
マジンガーZ:本作の後番組。
ダン・オブ・サーズデイ:アニメ『ガン×ソード』に登場する巨大ロボット。ミラーマンがモデル。
千葉繁:本作でアクターを担当しており、「つり橋の上でバク転をさせられた際は肝が冷えた」(おそらく第37話)と後に語っている。
逸見政孝:本作第12話にテレビのアナウンサー役で出演。(当時フジテレビの局アナ)
仮面ライダーキバ:同じく異種族と人間のハーフが主人公の作品。
林家たい平:ミラーマンの大ファンであり、24時間テレビ39「愛は地球を救う」でチャリティランナーを務めた彼へのご褒美として「行列のできる法律相談所」にゲスト出演。扇子をプレゼントした。