ジョゼフ・キャンベルの神話類型
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じょせふきゃんべるのしんわるいけい
物語論のひとつ。ジョセフ・キャンベルは神話や英雄叙事詩には共通した物語構造について研究し、これをまとめた。
物語論のひとつ。ジョセフ・キャンベルは神話や英雄叙事詩には共通した物語構造について研究し、これをまとめた。現代の創作物にもこの類型に沿ったものは多く、有名なところではジョージ・ルーカスによるスターウォーズが挙げられる。
以下の該当例は各神話体系の他にもフィクションにおけるものも含む。
1.出立
冒険への召命
未成熟な主人公は欠損によって、冒険へ出る動機を与えられる。
- ディオニュソースはヘラによって家族を失って旅に出た(ギリシャ神話)
- 少年を庇って事故に遭い、霊界探偵となった浦飯幽助(幽☆遊☆白書)
- 主人公が死んだ事が冒険のきっかけとなった例。幽☆遊☆白書や『仮面ライダーゴースト』など生き返る事を目的としている作品もあるが、異世界転生ものの場合は転生した状態からスタートするケースが多く、冒険へ出る動機は別にある事も珍しくない。
- 改造人間にされてしまい、ショッカーとの戦いに身を投じる本郷猛(仮面ライダー)
- 外的要員などで人ならざる者になってしまったというケース。過ぎた力では日常生活を送る事もままならず、非日常の世界へ身を投じざるを得ない。
- 前科持ちのレッテルを貼られ、自由への更生へと挑む主人公(ペルソナ5)
- 主人公は亡者になりかけた騎士から鐘を鳴らす任を託される(ダークソウル)
召命の辞退
冒険の旅を拒む。主人公自身が、あるいは周囲の人間が引き留めようとする。
超自然的なるものの援助
非日常的な存在、アイテムによって主人公の旅立ちを後押しする。
最初の境界の越境
日常と非日常世界の境を越える。境は壁、あるいは橋などの通路で表される。
2.イニシエーション
試練への道
主人公は成長、あるいは報酬を得るための試練を与えられる。
父親との一体化
最後の敵との対峙。この敵は父親、あるいは自らより強いか年長者。主人公の成長が目に見える形で表れる。
3.帰還
帰還の拒絶
非日常の世界からの帰還を拒む存在(追跡者、門番、タブー等)が待ち構えている。報酬を日常世界へ持ち込むことができない。
- オルフェウスは帰還の際、振り返ってしまい妻を生き返らせることはできなくなった(ギリシャ神話)
- 日本神話のイザナギの冥界下りもこのパターン。
- 聖杯を神殿の外に持ち出そうとすると崩壊が始まった(インディ・ジョーンズ/最後の聖戦)
- ギルガメシュは不死の霊草を見つけるも、蛇に奪われてしまう(ギルガメッシュ叙事詩)
呪的逃走
何らかの行為(アイテムの使用、代償を払う等)によって帰還を阻む存在を打ち倒す、あるいは回避する。
- 黄泉醜女相手に様々な物品で注意を逸らすイザナギ(日本神話)
- ジェニファーはシザーマンから逃げるために様々なギミックを使う(クロックタワー)
- ビフを肥やしを積んだ車にぶつける。(バック・トゥ・ザ・フューチャー)
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