本作に登場する主人公については「ボボボーボ・ボーボボ(キャラクター)」を参照。
概要
澤井啓夫の初連載漫画。2001年12号から2007年31号まで週刊少年ジャンプに連載された伝説のギャグ漫画で、不条理ギャグ漫画の代名詞。
単行本は、第1部「ボボボーボ・ボーボボ」は全21巻。第2部「真説ボボボーボ・ボーボボ」は全7巻。
仲間を増やしながら次々に襲いかかる強敵を打ち倒していくというバトル漫画の形式をとりながら、バトルが不条理ギャグの掛け合いで成立しているのが本作の特徴。
内容が不条理バトルで占められているため、大抵のバトル漫画では重要そうなフラグが「深い意味のないただの一発ネタ」として簡単に流されてしまうことも少なくない。(例:「ヘッポコ丸の先輩であるふんどし太郎がなぜ敵になったのか」「ボーボボ達毛の5兄弟の長兄バーババ」「真説終盤の敵B・Bの幹部・白幻死装徒」等…)。それがボーボボという作品である。
ちなみに企画当初は「ダンス」をテーマにした漫画という構想もあったらしく、作者の澤井が当時の担当編集者に「ダンスの漫画で行くか、鼻毛の漫画で行くか」と聞いてみた所、向こうに「鼻毛で行こう」と返されたことが本作の方向性を決定づけるきっかけになったという。
しばしば作者ですら理解不能の作品として語られているが、あまりの狂気と不条理ギャグっぷりから「人類が20年かけても理解出来ない漫画」とも、「この漫画がある限り人工知能が人類を超える事は無い」とも言われる。
なお、ギャグ漫画ではあるが世界観自体はかなりシリアスなもので、殺伐とした実力主義の闘争社会めいた過酷な環境にあり、戦う術を持たない者は苦しい立場を強いられやすい。
ストーリー
マルハーゲ帝国(アニメ版ではマルガリータ帝国)に支配された西暦300X年の未来の地球で、人類を丸坊主にするべく結成された毛狩り隊から、人類の髪の自由と平和を守るために、毛の王国の生き残りであり鼻毛真拳伝承者のボボボーボ・ボーボボが戦う。
毛狩り隊編 (奥義1~124)
G~L編 (奥義1~21)
西暦300X年、地球はツル・ツルリーナ4世を皇帝とするマルハーゲ帝国に支配される時代を迎えていた。そんな時代に毛の自由と平和を守るためマルハーゲ帝国に立ちむかう1人の男がいた。
その男の名はボボボーボ・ボーボボ!究極の拳法「鼻毛真拳」を操り、ビュティ、首領パッチらとともに毛狩り隊をブッ倒す旅に出る…!
天の助・軍艦編 (奥義22~49)
邁進し続けるボーボボ一行の前に立ちはだかるは毛狩り隊Aブロック隊長。その男の名はところ天の助。後に戦友となる彼は、ボーボボの鼻毛真拳に真っ向勝負を挑んでくる!
互角の戦いを繰り広げる最大の敵を前に最強の融合技がベールを脱ぐ!
天の助との戦いが終わった後にたたみかけるように襲い掛かるのはボーボボの旧友でマルハーゲ四天王の一人、軍艦!!邪悪な鼻毛真拳を操る彼にボーボボは立ち向かう!
田楽・ライス編 (奥義50~75)
マルハーゲ四天王の一人プルプーを倒し、勢いづくボーボボ一行の前に現れたのは、毛狩り隊Zブロック隊長・田楽マン。
強靭な心を持つ孤独なハジケリスト・田楽マンに対し、ボーボボは友情パワーを炸裂させる!
田楽マンを退けた一行がたどり着いた次なる舞台は最凶最大の地・ハジケブロック。そこには首領パッチの後輩で米真拳の使い手・ライスが待っていた。
キング・オブ・ハジケリストの称号を賭けて、戦いの決着はライスと首領パッチのハジケ勝負に託される!?
OVER・ハレクラニ・ギガ編 (奥義76~124)
マルハーゲ四天王の一人、OVERが立ちはだがる!!軍艦を容易く粛清する実力でボーボボ一行を追い詰める。
更にはOVERの変身能力が発動し、ボーボボの攻撃は尽く封殺されてしまう…!
OVERを苦心の末に退けることに成功したボーボボ。しかし、ボーボボ抹殺の命を受けて毛狩り隊としての活動を再開した四天王最強の男ハレクラニ、彼を打倒すべく活動拠点「ハレルヤランド」に乗り込む!
マルハーゲ四天王も全滅し、ツル・ツルリーナ4世はマルハーゲ帝国と肩を並べる凶悪な都市国家「サイバー都市」に助力を求める…。
サイバー都市の皇帝、ギガはツルリーナ4世と同格とされる暴君。彼は「真拳狩り」と称して真拳使いを次々と攫っており、ボーボボの仲間の一人、ヘッポコ丸までもが真拳狩りの魔の手にかかる!
ギガを倒しヘッポコ丸を救うべく、ボーボボたちは最終兵器の先生を呼び寄せる!
旧毛狩り隊編 (奥義125~161)
帝国の強力な配下、さらには同格であるギガさえ撃破され、追い詰められたツル・ツルリーナ4世。そんな最中、先代皇帝であるツル・ツルリーナ3世とその配下たちがコールドスリープの封印から目覚めてしまった!
今代を凌駕する力を持つ邪悪な「旧毛狩り隊」は、3世の意思の下に毛の王国の生き残りを捜索し始める。ボーボボ一行はそれぞれ新たな力を身につけ、旧毛狩り隊に立ち向かう!
裏毛狩り隊編 (奥義162~195)
新皇帝決定戦編 (奥義162~174)
マルハーゲ帝国では50年に一度、新皇帝決定戦と称して帝王の座を賭けた頂上大会が行われる。ボーボボ一行は参加資格のない者が資格を得るための討伐標的として設定されてしまった!
かつての強敵たちが続々と参戦を表明する中、ボーボボ一行は毛狩り隊が集まるこの大会を打倒マルハーゲ帝国の好機と捉え、殴り込みを行う!
闇皇帝編 (奥義175~195)
遥かな地下に存在するという闇の世界から、「裏マルハーゲ帝国」と名乗る集団が大会に潜り込んでいた。
裏マルハーゲ帝国の「闇皇帝」ハイドレートの目的は地上の人間の抹殺。大会に集う真拳使いのエネルギーを吸収し、帝国の拠点ごと地上世界への進攻を開始した!
カンチョー君の提案の下、ボーボボ一行は大会参加者との共闘を結び、ボーボボオールスターズv.s.闇との全面戦争が始まる!!
毛の王国編 (奥義196~230)
新皇帝決定戦の消滅、裏マルハーゲ帝国の壊滅、そして現皇帝ツル・ツルリーナ4世の逃走に伴い、マルハーゲ帝国は崩壊した。
時は満ちた…。ボーボボは自身の故郷「毛の王国」に戻り、兄との因縁を果たさねばならない。
一人では決して適わぬ兄との決着のため、ボーボボは仲間と共にハジケリストの契りを交わし、運命の戦いに身を投じる…!
全体的なあらすじを見ればわかりやすい王道のバトル漫画に見える。が……詳しい真相は後述する。
登場人物
本項ではメインキャラクターのみ記載。キャストはアニメ版準拠。
その他の登場キャラクターは「ボボボーボ・ボーボボの登場キャラクター一覧」を参照。
CV:子安武人
本作の主人公。7代目の鼻毛真拳伝承者。
CV:野中藍
本作のヒロイン。基本的に戦闘に参加せず、ツッコミを入れまくる。
CV:小野坂昌也
無軌道にボケるハジケリスト。
CV:進藤尚美
オナラ真拳の使い手で、バトルマニア。
CV:緑川光
見た目に反してイケボで紳士だが若干天然ボケ。
CV:園部啓一
毛狩り隊Aブロック隊長。基地の壊滅後ボーボボに10円でスカウト…もとい買われた。
CV:岸尾だいすけ
ボーボボと同じく毛の王国の生き残りで、首領パッチを慕っている。
CV:金田朋子
毛狩り隊Zブロック隊長。ボーボボに敗れ、後に仲間になるが我が身が一番かわいい。
CV:西川宏美
絶滅したといわれるボケ殺しの末裔。本作品のバランスブレイカー。
評価
ギャグ漫画やギャグアニメとしての人気は絶大的なものであり、原作終了から10年以上経過した今でもいくつもの本作由来のネタやパロディがpixivで描かれていたりするなど、今でも根強い人気を誇る。
また、アニメのBlu-ray化や無料公開を記念してTwitter上で人気投票が勝手に行われていたり(結果はお察しの通り)、ジャンプ+ではボゲーでおなじみ『おわりから』1話ずつ原作を配信するなど中の人がハジケていることもあり、業界の人々からも何故か愛されているのがうかがえる。
再評価の波?
2019年に放映されたミュージックステーションでゴールデンボンバーが『テレ朝の人気アニメ』としてゲスト参戦させ、twitterのトレンドに「ボーボボ」が入るという珍事が起こった。
2020年に入ってからはジャンプ+にて毎日一話無料公開され、公式サイトが何故か突然リニューアルされ、渋谷109でコラボイベントショップが開催され、とイベントが続発した。
そして2021年、連載開始から20年を記念して2月20日にニコニコ生放送で「ボボボーボ・ボーボボ 原作20周年オンラインイベント~「成人式」と書いて"ハジケ祭"と読ませたい~」が有料配信された。更にはとある人気ソーシャルゲームの4月1日企画としてコラボ相手に選ばれるなど、アニメの不調が嘘のように立て続けに露出が増えた。
連載終了から12年越しに起きた謎の人気再燃に当のファン達の理解が追い付かず、逆に不安の声を上げるという事態に。
また、とある中央省庁が「ところてんの日」に「ぬのハンカチ」を想起させる画像をツイートしたことで騒然となった。
少年マンガとしての評価
前項で述べたように、大元のストーリーがきわめて単純で分かりやすい。組織の刺客、四天王、皇帝との対決という王道を踏まえつつ、バトル描写がバリエーション豊かすぎるあまり、苦戦する理由がそれぞれ異なるという中だるみしがちな展開を避けていたり、敵の幹部との5vs5で早々に味方側が3人負けてしまうなどの思わず脱力してしまうギャグ要素、ストーリーとギャグが入り乱れる中で誰が、どこで、何をしているのかがややこしくない優れた構成力を再評価されている向きもある。
特にキャラクターヘイトの管理、コマの構図、キャラクターのデザインといった部分でのバランス感覚は高く評価されている。
また何気ないギャグ描写が、過去の描写やその後の言動と照らし合わせると、違った意味を持つシーンとして考察しうる例も存在する。(例えばボーボボが師匠に行った仕打ちなど)
キャラクターのセリフや行動についても大きな矛盾がなく一貫しており、「このキャラならこのような行動はとらない」といった違和感がない。
例えばボーボボは行動や言動こそ支離滅裂で滅茶苦茶なものであるが、女子供に対して無暗に手を上げることはなく、倒した敵が女だった場合はフォローすら入れる紳士的な側面がある。
ところ天の助はボーボボに買ってもらった恩のために同行しているためか、虐げられる民衆を前にしても義憤の感情を見せなかったり、マルハーゲ帝国の同窓会に(知らなかったとはいえ)出席するなど帝国に望んで敵対しているわけではない。一方で、スーパーで売られていたにもかかわらず長らく誰にも買ってもらえなかった過去を持っているため「食べられたい」という想いだけは強く、「食べられたくない」と主張するハンペンや、カキ氷に毒を盛った宇治金TOKIOに対しては特に敵愾心を燃やす。
バトルマンガとしての評価
この作品はギャグマンガであるが、OVER編あたりから敵にシリアスな実力者が増え始め、バトルマンガとしての一面をのぞかせるようになる。
ボーボボに脳を焼かれた考察勢の間では、ギャグ要素をバトル要素として昇華しているとして評価が進みつつある。
例えば「ボーボボが天の助や首領パッチへ向けて攻撃する(逆も然り)と、当然のように当たってリアクションを取る→そして無傷の2人がボーボボに反撃する」としよう。「ギャグにおけるフレンドリーファイアの表現は実質的なダメージにならない」というギャグマンガあるあるな描写である。(他のマンガでも「爆発に巻き込まれたキャラが黒焦げになり、かと思えば後のコマで何事もなく話に参加している」というようなもの)
これをバトル描写の中に挟み込む事で、戦闘を有利に進める事を可能にしている。
例を挙げると
・ボーボボが敵の攻撃を防ぐ際に天の助や首領パッチを盾にする「バカガード」という技がある。これは敵からの攻撃を「狙われてない筈の味方に無理矢理喰らわせるというギャグ」で、ボーボボは味方を盾にしているからノーダメージ、盾にされた二人のダメージは「無関係な自分を巻き込もうとするボーボボの敵対行為」として認識させ、その後の「盾にされた二人が仕返しにボーボボをボコボコにするというギャグ」まで含め3人ともギャグ補正で無傷…と、敵の「バトルマンガなら強そうな攻撃」を無効化する手段として活用する。
・味方への攻撃に敵を巻き込む事で「フレンドリーファイアに巻き込まれるかわいそうな敵」というギャグの構図にしてしまい、敵の「バトルマンガなら極めて厄介な防御能力」を無視してダメージを受けてしまう描写を作り出す(そして敵は真面目にやっているためギャグ補正を受けられず、同じダメージを受けていながら結果的にボーボボ側が有利)。
この様に何気ない「味方を巻き込んで双方が痛い目に合う」というギャグにも高度な戦略が隠されている…と考察されている。
「そーなの!?!?!?」
ハジケリスト
この漫画におけるおふざけは総じてハジケと称しており、常人には理解不能な言動の数々である。自らの精神を解放し、全力でハジケられる者を総称してハジケリストと呼ぶ。なお、ハジケリストという概念が何を指すのかは作中の誰もよくわかっておらず、ノリでなんとなく感じているらしい。
ハジケリスト同士の対決にも礼儀作法が存在したりしなかったりするらしく、テーマに沿って両者がボケを展開する対決があったり、俺のハジケはこれだ!とお互いやりたい放題やることもある。
当の首領パッチやボーボボもよく戦闘中にふざけているが、ボーボボの場合は戦闘の流れを掴む為に効果的なタイミングを狙って挟み込むタイプ、首領パッチはハジケリストとしてのプライドを持って、面白ければ不利になろうが有利になろうがボケ倒すタイプ…といったスタンスの違いも見られる。
とあるハジケリストは自分のハジケを積極的に戦術に組み込んでいながら、他人を巻き込む癖に自分は安全域に退避する、自分の性癖を押し付けるばかりで相手を見ていないといったつまらない、あるいは不愉快さゆえに作中の誰にもことごとく冷めた目で見られ、生粋のハジケリストである首領パッチすら不快さや怒りを全く隠さないという残念なパターンもある。
ボーボボの再評価と合わせてハジケリストという単語も外部で使われ始め、これまで意味不明な行動で暴れまわるタイプのキャラを「精神を解放し、全力でふざけた行動に出るキャラ」としてカテゴリー化するのに一役買っている。特にコイツは両作品に相乗効果が出る位まで恩恵を受けてしまった。
「ハジケ」における意味不明さを紐解くと実は法則性がある…という説があるらしく、数ある「ボーボボか○○か」という2択問題でも屈指の難しさを誇る「ボーボボかSCPかを当てるクイズ」でマークシート試験の解説ばりに論理的(?)な解説がなされている。どうやって見出だしたんだその法則性…
予言書?
2020年に入ってジャンプ+で無料公開が行われていたボーボボだが、公開された回に描かれたネタが何故かリアルタイムのアニメ・漫画界隈と一致すると言う奇妙な現象が起こった。
2020年10月16日に鬼滅の刃の無限列車編が公開されたところ、10月17日に列車の上で戦う回が、20日には武士のボーボボが悪夢を見せる敵を鬼ごっこでぶった斬るという回が公開されており、時を超えたネタ被りと言う奇跡を起こした。
2021年の1月23日には当初、シン・エヴァンゲリオンの公開が予定されていたが、その日はガネメ補完計画の回が公開されており、新型コロナウイルスによって公開延期が決定されたため、未遂に終わった。
改めて公開が3月8日に決まったのだが、その日は真説ボボボーボ・ボーボボの、第8回が公開され、サブタイトルが今週もサービスサービスであった。
リアルタイムではないが2019年にはプリキュアシリーズにおいてプルンスというゼリーのキャラクターが登場したのだが、児童書で公開された際のポージングや、その材質(天の助にはゼリーが混ざっている)、色、薄さに至るまで「頭の形以外天の助にしか見えない」とネタにされた。なお反応は当然「天下のプリキュアが天の助如きをパクるとは思えない」=「天の助がパクリ」→「殺してやるぞ天の助」「謝れよ天の助」と散々に言われていた。なお本放送では違う外見になっていたため、「天の助の圧力のせいだ(→殺してやるぞ天の助)」とされたのは言うまでもない。
一応言っておくと、これを可能にするのは1ページに3つはネタを仕込むという作者のこだわりが詰まったギャグの密度とネタの豊富さであり、これだけ色々やってればどれか当たってもおかしくない、という異様なまでの受け皿の広さがなせる業である。だから本気にするのはほどほどに。
アニメ
東映アニメーションによってアニメが制作され、2003年11月8日から2005年10月29日までテレビ朝日で放送された。全76話。
放送コードの都合上で「マルハーゲ帝国」が「マルガリータ帝国」に変えられているほか、ソフトンの頭の色および「ウンコ」描写、「死ね」や「殺す」発言、流血や残虐や反社会的な描写もカットないし変更されている。
シリーズディレクター(SD、監督)は芝田浩樹、シリーズ構成は浦沢義雄、キャラクターデザインは大西陽一、音楽は亀山耕一郎、東映側制作プロデューサーは梅澤淳稔(のち52話から吉沢孝男に引き継ぎ)が担当した。梅澤にとってはプロデューサーとしてのデビュー作となる。
監督・シリーズ構成・プロデューサー各位の辣腕に加え、レギュラーから果てはゲストまであまりにもキャスティングが豪華な為、「声優の無駄遣いアニメ」とも呼ばれている。
収録現場に至ってはレギュラー陣が「自分が一番目立ってやる」と言う意気込みだった為に全員が常に本気でふざけており、アフレコ中の笑いを堪えるのが一番の試練だったと言う。小野坂昌也(首領パッチ役)によれば、雰囲気を掴むために原作コミックスが現場に持ち込まれており、それを確認しながら笑ってしまうこともあったという。
小野坂昌也は「これ台本いらないんじゃない?」と言ってしまうほどボーボボの世界観と首領パッチを理解し、子安武人(ボーボボ役)からも「小野ちゃんは首領パッチをやるために生まれてきたんだね」とお褒め?の言葉をいただいている。
更にゲストの声優達も隙あらば「レギュラー陣を食ってやろう」と言う勢いでアフレコに臨んでいたので、当時のスタジオ内はカオスな熱気に包まれていたとの事。そんな中に放り込まれた当時新人の野中藍(ビュティ役)のように現場の空気に揉まれて実力がついた例や、1話限りの使い捨てキャラをノリノリで演じきった中井和哉や神谷浩史といった実力派声優も少なくない。
テレビマンにとって逆に名誉ある賞とされているPTA「子供に見せたくない番組」のランキングにもランクインした(ちなみに同じ系列局の『クレヨンしんちゃん』は同ランキングで3位に入っていたが、当時すでに下ネタは減少傾向だった上、ファミリー向けとして受け入れられたため今でも続いている)。
ちなみにこの件に関してPTAから寄せられた苦情について、どうせお決まりの「教育に悪いから」であろう、という予想を裏切り「こんなアニメを見ていたら頭がおかしくなる」というものであった…という噂が知れ渡るや、当のファンからも「ごもっとも」と納得せざるを得なかったという伝説が残っていることでも有名である(これらの件に関しては先述のオンラインイベントでも自虐気味に語られた)。
元々はテレビ朝日系列(フルネット)24局で放送されていた。
この頃ニチアサキッズタイムの成功に気を良くしたのか、ドラえもんやクレヨンしんちゃん以外にもテレ朝ゴールデンタイムアニメ枠が復活していた時期であった。ただゴールデン枠としては最高視聴率10.4、平均視聴率は7.0%と視聴率は芳しくなく元々視聴率が良くなかった釣りバカ日誌から更に数字が落ち込み、放送開始から約1年でほとんどの系列局に打ち切られてしまう。
(今から見ると高い数字に見えるが当時のゴールデン枠アニメとしてみると低い上、平日ゴールデン枠のテニスの王子様やNARUTOなど他ジャンプアニメと比較しても低い数字だった)
その後はゴールデンタイムから土曜の朝に時間帯を移して細々と放映を続け、北海道や九州のローカル局で再び放映が復活したりといった状況があったものの、2005年3月には放映を継続していた系列局も(製作局であったテレビ朝日を除いて)軒並み打ち切り、最後の半年は関東地区ローカル・ノンスポンサー放送(CMは全て局の番組宣伝か公共広告機構、つまりゲームを発売していたコナミやDVDの発売元であるエイベックスもスポンサーから撤退していた)という有様だった。
なお、この苦境をともに乗り越えた声優同士の絆が深まり「ボ組」なる結束が生まれ、原作漫画終了後、原作者と共に完結おめでとうを祝うといったことも起こっていたという。
映像ディスクとしてDVDが発売されている。そして、DVD最終巻が2006年に出てから12年後の2018年、まさかの全話収録Blu-ray BOXも発売。かと思えば2021年に傑作選DVDがなんと3枚同時発売。
ちなみにこのアニメ、なんと英訳されアメリカでも放送されていた。
一部アメリカの文化に合わせて多少変更が加えられているが、これを翻訳した人の心境は如何に。
ちなみにDVD化されるにあたって海外アニメの例に違わず「吹き替え版」「日本語音声+字幕版」が収録された「Complete series」として世に出される予定だった…が、大人の事情で字幕がつかず、吹き替え版のみになったという事情がある。後年Blu-Ray版で「日本語音声+字幕版」もきっちりついた「Complete "Seriously!" series(「マジで」完全版)」が発売された。
2022年4月にはJCOMの『アニおび』枠で放送される事になった。去年にはカブトボーグを放送していた中で、まさかの展開が起こったと言わざるを得ない。
主題歌
オープニングテーマ
- WILD CHALLENGER(第1話 - 第32話)
- 作詞 - 永田雅規、宮下昌也 / 作曲・編曲 - 宮下昌也 / 歌 - JINDOU
- ギャグ漫画のOPとは思えない位熱いノリと歌詞が特徴で、ファンからの人気は非常に高い。第13話にて挿入歌として使用。作中では珍しく真面目なバトルを繰り広げ、サビのシーンもかなりカッコいい……のだが曲の歌い始めは遊園地のアトラクションのトンネルから巨大な赤ちゃんが出て来るシーンだった。
- 作詞 - 永田雅規、宮下昌也 / 作曲・編曲 - 宮下昌也 / 歌 - JINDOU
- バカサバイバー(総集編 - 最終話)
エンディングテーマ
- 幸せ(第1話 - 第19話)
- 作詞・作曲 - はるよピ / 編曲・歌 - マニ★ラバ
- OPと同じくギャグ漫画のEDとは思えない程爽やかな曲だが、大人になってから聞くとかなり深い歌詞だったりする事から、こちらもファンからの人気は高い。映像内ではボケキャラ全員が殆どフザけないのが特徴で、特にフザけてないボーボボの横顔はかなりイケメンである。劇中では第19話でゲストの相撲取りが歌っていた。
- 作詞・作曲 - はるよピ / 編曲・歌 - マニ★ラバ
- キライチューン(第20話 - 第32話)
- 作詞・作曲・歌 - FREENOTE
- こちらもED1と同じくかなり爽やかな曲。劇中では第31話でボーボボ達や敵が歌っていた。
- 作詞・作曲・歌 - FREENOTE
- H.P.S.J.(総集編 - 最終話)
- 作詞 - hiroko and mitsuyuki miyake / 作曲・編曲 - mitsuyuki miyake / 歌 - mihimaruGT
挿入歌
- マジカル☆ガール 田ボちゃんのテーマ(第48話)
- 作詞 - 澤井啓夫、桑原永江 / 作曲・編曲 - 亀山耕一郎 / 歌 - 田ボちゃん
- 作中では作詞・作曲ともに武田信玄という設定だった。
- 作詞 - 澤井啓夫、桑原永江 / 作曲・編曲 - 亀山耕一郎 / 歌 - 田ボちゃん
ゲーム版
いずれもハドソンより発売し、サブタイトルの最初にボボボーボ・ボーボボがつく。
公式での略称として、「ボゲー」と呼ばれる。「ボボボーボ・ボーボボのゲーム」だから略して「ボゲー」。
奥義87.5(ハナゲー)爆烈鼻毛真拳
2002年12月19日発売。機種はGBA。ストーリーで集めたワードを戦闘中にスロットマシンで組み合わせ、鼻毛真拳を発動させて戦うRPG。オリジナルキャラを募集したほか、澤井描き下ろしのキャラの名前や設定も募集していた。
ストーリーは軍艦編まで。
ストーリーモードに「おわりから」という項目があり、Any%glitchlessのRTAは誇張抜きに世界記録が優に5秒を切る。
ハジけ祭
2003年3月20日発売。機種はPS2。アナログスティックで鼻毛を操作し、襲い来る敵を倒す。
アニメ版とは一部を除いて違う声優が起用されている。1作目の没キャラの一部を流用。
マジで!!?真拳勝負(しんけんバトル)
2003年8月7日発売。機種はGBA。1作目に近いシステム。
ハレルヤランドが舞台。
9極戦士ギャグ融合
2004年3月25日発売。機種はGBA。以降の作品はアニメ版を根拠としている。
フィールドはトップビューで、町やダンジョンはサイドビュー。
読者キャラ募集は本作が最後となった。
ストーリーは最初からハレクラニ編まで。
爆闘ハジケ対戦
2004年8月26日発売。機種はGBA。対戦アクションゲーム。
集まれ!!体感ボーボボ
2004年12月16日発売。機種はPS2。EyeToy専用で、様々なミニゲームが収録。
脱出!!ハジケ・ロワイヤル
2005年3月17日発売。機種はGC。ベーゴマよろしく敵をフィールドから吹っ飛ばして倒すアドベンチャーゲーム。
オリジナルストーリーだが、これまでのボゲーに登場したキャラ達が多数参戦する。
舞台化
詳細はこっち⇒舞台「超ハジケステージ☆ボボボーボ・ボーボボ」
文化庁より『子供舞台芸術鑑賞体験支援事業』に採択されており、18歳以下を対象とした無料チケットの受付が9月28日より開始される。
なお、この発表を受けてファンからは「文化庁にハジケリストがいる」と驚かれ、『陰ボーボボ論』というパワーワードがトレンド入りした。
原作一話から最終話までやりました。
通常版、限定予約版のいずれも価格は税込9900円。2025年3月12日発売。
受け継がれるハジケの意思
ギャグマンガ界のオーパーツと呼ばれ、もはや当の作者すら同じ物は描けないだろうと囁かれる作品であるが、その唯一無二の個性から多くのコラボやフォロワーを生み出している。
その影響か、不条理だったりシュールだったりで話題になった作品が「○○界のボーボボ」なんて表現をされることも。
以下はその一例。他にもあったら追記求む。
クレヨンしんちゃん:放送当時、多くの地域で『ボーボボ』前に放送されていたアニメ。掛け合いのみだが、TVスペシャルで野原しんのすけと共演しており、ソーシャルゲーム以外で他社のマンガと共演した希有な作品となっている。
絶体絶命でんぢゃらすじーさん:同時期コロコロコミックで連載開始した不条理ギャグマンガ。作者もボーボボの予想のつかないギャグに「天才のアレ」として言及していた。
人造昆虫カブトボーグVxV:唐突な展開と理解不能な描写のライブ感は他の追随を許さないギャグアニメ。ボーボボとは正反対にストーリーはあってないようなものである。
ヘボット!:高いテンションでボケを乱射するタイプのギャグマンガ。アニメ化もされており、ボーボボとは放送局が同じ。
ポプテピピック:ありとあらゆる方面のパロディを詰め込んだ4コマギャグマンガ。というか自称クソ4コママンガ。24年3月11日にボーボボもパロディされている。
機界戦隊ゼンカイジャー、暴太郎戦隊ドンブラザーズ:特撮界のボーボボと言われており、ストッパーがないので視聴者が逆に戸惑うという有様。放送局も同じ。
君のことが大大大大大好きな100人の彼女:ヤングジャンプ連載のラブコメマンガ。ぶっ飛んだキャラクター達と展開から「ラブコメ界のボーボボ」という有難いんだか有難くないんだか分からない評価を得ている。
しかのこのこのここしたんたん:不条理かつ意味不明な内容のアニメ。「令和のボーボボ」のありがたーい異名を持つ。
ウマ娘ピスピス☆スピスピゴルシちゃん:ウマ娘シリーズの漫画で、元々のゴルシの破天荒さにさらなる磨きがかかった「コロコロ版ボボボーボ・ボーボボ」として名を上げている。
からめる:twitterやYoutubeにシュール系ギャグアニメを投稿している、自称クソ動画クリエイター。
はじめまして松尾です:シュール系ギャグアニメ、およびそれを製作するクリエイター名。
追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する:原作は至って普通のなろう系小説なのだが、コミカライズ版がこの作品のノリへと魔改造された異例の作品。ぶっ飛んでいるようで王道の面白さを押さえているところもポイントが高い。
コットンキャンディえいえいおー!:ラブライブ!サンシャイン!!のキャラクター黒澤ルビィの楽曲。MVの作風がポプテピピックに似ており「高熱のときに見る夢」として知れ渡っている。
マッシュル-MASHLE-:本作に多大な影響を受けた魔法(物理)なファンタジー漫画。
呪術廻戦:「洗剤ありますよ」「ゾウ落下!」などのパロディを含ませているほか、242話で「バカサバイバー!!~舞い上がれ~」とサブタイトルと内容でオマージュしていることを明らかにしている。
関連イラスト
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週刊少年ジャンプ/週刊少年ジャンプ連載終了作品の一覧 澤井啓夫