概要
JR東日本が運行するミニ新幹線(新幹線直通特急)であり、1992年(平成4年)7月1日に福島駅から山形駅間が日本初のミニ新幹線として開業した。列車名は上野駅・福島駅〜山形駅・新庄駅・秋田駅間で運行されていた在来線特急「つばさ」の名を引き継いだ。
その後、1999年(平成11年)12月4日に山形駅~新庄駅間が開業し、現在に至る。
福島以南は東北新幹線経由で東京駅まで直通し、福島駅で「やまびこ」と連結・切り離しを行う場合が多い。
全区間が軌間を狭軌(1,067mm)から標準軌(1,435mm)に改軌した在来線であり、正式な路線名は奥羽本線。狭義ではこちらの区間を指して「山形新幹線」と呼称する場合が多い。
軌間を改軌しただけなので、最高速度(130km/h)などは在来線と変わらない。保安システムにはATCではなくATSが使用され、踏切や単線区間も存在する。なお、同区間の普通列車については「山形線」の愛称が用いられている。
山形新幹線の開業当初、東北新幹線区間における最高速度は240km/hであった。
2012年にE3系への置き換え及び連結相手の変更(E4系→E2系)により一部列車で最高速度が275km/hに向上し、同年9月29日には全列車の最高速度が275km/hに統一された。
2024年(令和6年)3月16日からは連結相手がE5系に変更され、同時に一部列車で新型のE8系が投入され、E8系使用列車は最高速度が300km/hに引き上げられた。
駅一覧
東北新幹線区間も記載。奥羽本線区間は停車駅のみ記載。
●:停車 ○:一部通過 レ:通過
駅名 | つばさ | 乗換路線 | 備考 |
---|---|---|---|
東京 | ● | ※ | |
上野 | ○ | ※ | |
↑東京都/↓埼玉県 | |||
大宮 | ● | ※ | |
(鷲宮信号場) | レ | ||
↑埼玉県/↓茨城県 | |||
↑茨城県/↓栃木県 | |||
(小山) | レ | ||
宇都宮 | ○ |
| |
(那須塩原) | レ | 宇都宮線 | |
↑栃木県/↓福島県 | |||
(新白河) | レ | 東北本線 | |
郡山 | ○ | ||
福島 | ● | ||
↑東北新幹線/↓奥羽本線 | ↑福島県/↓山形県 | ||
米沢 | ● |
| |
高畠 | ○ | 山形線 | |
赤湯 | ○ |
| |
かみのやま温泉 | ○ | 山形線 | |
山形 | ● | ||
天童 | ● | 山形線 | |
さくらんぼ東根 | ● | 山形線 | |
村山 | ● | 山形線 | |
大石田 | ● | 山形線 | |
新庄 | ● |
※:在来線の駅に3レターコードが設定されている駅
東京:TYO 上野:UEN 大宮:OMY
使用車両
現在
E3系2000番台:2008年12月20日~
E8系:2024年3月16日~
過去
E3系1000番台:1999年12月4日~2024年3月15日
E3系700番台:2014年7月19日〜2022年3月27日
今後の予定
- 2024年よりE8系が順次投入されており、2026年度末までに統一される予定。
- 福島駅の新幹線用ホームは新幹線(東北新幹線)と在来線(奥羽本線)を接続するアプローチ線が下り線の1本のみ(上下線共用)であり、山形新幹線の列車(および連結する東北新幹線の列車)が発着できるホームが下り線の1本(14番線)しかない。このため、上り列車は福島駅への発着時に東北新幹線の下り本線を平面交差する必要があり、ダイヤ上のネックとなっている。この平面交差を解消し、輸送障害時のダイヤ復旧時間短縮を目的として、上り線のホーム(11番線)に接続する上り専用のアプローチ線を新設し、従来のアプローチ線を下り専用にするための工事が行われており、2026年度末に完成する予定。
機能強化案
- 酒田駅(陸羽西線経由)と大曲駅(奥羽本線経由)への延伸要望が出ている。しかし、かつて新庄延伸の際に使われた軌道連続更新機(愛称:ビッグワンダー)をJR東日本が海外へ売却してしまったため、実現は難しいと思われる。
- 福島駅~米沢駅間は板谷峠を超えるため速度が出せず、自然災害による運休が多い。そのため板谷峠区間に21.9kmのトンネルを掘って短絡路線を新設する計画がある。
余談
計画当初は仙台駅から分岐し、仙山線経由で山形駅に向かう予定だった。しかし、地元の要望や新庄方面への延伸に配慮するため、現在の形になった。