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聖闘士」は聖闘士星矢シリーズに登場する「聖衣」を装備して戦う戦士たちの総称。

ギリシャ神話の女神アテナの軍に属する。


概要編集

聖闘士には、最高位の黄金聖闘士が12人、その次の位の白銀聖闘士が24人、最も低い位である青銅聖闘士が48人(エピソードGの設定では52人)、それらに該当しない聖闘士が4人(真紅の少年伝説の設定ではうち3人がアテナの兄である太陽神アベルに従うコロナの聖闘士)いるとされる。

しかし、その構成員には常に欠員があり88人すべてが揃ったことは無い。そもそも一輝より前に鳳凰座の聖衣を纏えた者は居ないと言うし。

(実は現在の88星座の約半数はギリシャ神話と関係無く、人類史的には最近に作られた星座が多いのは秘密。南十字座に至ってはキリスト教徒の為の星座である)


他にも、悪行の限りを尽くしアテナから見放された悪党暗黒聖闘士、そして聖域の警備にあたる雑兵がいる。

アニメの前半の時期ではさらにバラエティ豊かなものがあり、邪神エリスによって蘇った亡霊聖闘士シャイナさんの妹分ガイスト率いるカリブの海賊幽霊聖闘士、グラード財団の科学者が開発した人工聖衣鋼鉄聖闘士、その他星座すら不明の怪しげな炎熱聖闘士水晶聖闘士などの種類がある。これらの聖闘士は亡霊聖闘士以外、星座をモチーフとしていない。


また、設定上88人いるとされているが、実際は現在使われていない星座をモチーフとした聖闘士も多く、実際の総数は88人を超えているので星座マニアホイホイなキャラクター群となっている。(ケルベルス座やとなかい座などの聖闘士が確認されている)。

ちなみに蓮座のアゴラなど正式な聖闘士であっても星座モチーフでないものもチラホラ…。(蓮座は仏像の部位の名前であって星座ではない。)


また、彼らが使う技は主に星座の逸話やモチーフに由来したものである事が多いが、明らかに星座モチーフと関係ないだろという技を持った聖闘士も少なくない。むしろそれが聖闘士星矢の魅力とも言えるわけだが。(大半の黄金聖闘士やミスティやアステリオンなど一部の白銀聖闘士が該当する。)


基本的には強さと階級が比例しており、原作の場合は

黄金聖闘士>>(何百人でも敵わない壁)>>白銀聖闘士>(束になっても敵わない壁)>青銅聖闘士≧暗黒聖闘士>>(何百人でも敵わない壁)>>雑兵

となっている。下級の聖闘士が上級の聖闘士に勝つには、小宇宙をそのレベルまで高める必要がある。例えば黄金聖闘士と互角に戦いたければ、セブンセンシズに覚醒するのが最低条件である。


また、マルチメディア展開から、同じ星座モチーフであっても作品によって別の扱いを受け、守護星座の読みや階級が異なる事が多々ある。

例えば矢座の聖衣は、最初の劇場版で亡霊聖闘士矢座サジッタの魔矢として登場し、原作とTVアニメでは白銀聖闘士矢座サジッタのトレミーとして登場。

琴座の聖衣は、魔矢と同じく劇場版で亡霊聖闘士琴座ライラのオルフェウスとして登場し、その後原作漫画でアレンジされ白銀聖闘士琴座ライラのオルフェとして登場する(その前にTVシリーズでも神闘士η星ベネトナーシュのミーメとしてアレンジされ出自こそ違う物のほぼ同じ言動・展開で登場、海皇再起でもテレプシコア憑衣は形状が略同一)。

髪の毛座の聖衣は、真紅の少年伝説ではコロナの聖闘士として髪の毛座コーマのベレニケが登場するが、ギガントマキアでの髪の毛座の盟黄金白銀青銅のいずれにも該当しない聖衣であるとされている。


通常、聖闘士は「聖衣」を装備して戦うが、まれに神の血液(主にアテナの霊血)によって修復された「神聖衣」を装備して戦う者が現れる。

場合によっては別勢力の鎧を装着する事があり、星矢やアイオリアはアスガルドに伝わる「オーディーンローブ」を、過去にポセイドンを利用しようと目論んだカノンは「海龍(シードラゴン)の鱗衣」を、ハーデスに寝返ったふりをしていた黄金聖闘士や白銀聖闘士は「冥衣」を装着していた(他媒体に目を向ければ『アルティメットコスモ』では光牙らがトリトンの鱗衣を装着している)。

また、敵対勢力が聖衣を装着して聖闘士として戦う事例もあり、この場合は火星士であったソニア海闘士であったクラーケンのアイザックが該当する。


聖闘士業界の文化編集

フルネームを名乗る事は殆どなく、守護星座のみで呼んだり、「○○座の××」もしくは下の名などのみで呼び合うことが殆どである。

また蟹座のデスマスクのようにニックネームをそのまま名乗りにしたり、六分儀座のユーリのように主義に基づいて別の名前を自分で付けるなど名乗っている名が本名でない者もいる。

パライストラでも殆ど生徒教員は「先生」などのように下の名のみで呼び合っている。

フルネームの設定が明確になっている者はかなり少数で、原作の城戸光政の子供たちも父親の城戸姓なのかそれぞれの母方姓なのかは明言されておらず、派生作品でも「城戸盟」「森隠栄斗」「アリシア・美衣・ベネトール」「星暁鈴

の4名のみが明らかになっている。


仲間入りに当たり身元や国籍はほとんど問われないようで、出身地は本拠地ギリシャやその近辺の南欧のみならず、アジアやアフリカ、中東から中南米など広域に及び18世紀の時点で既に東洋人黄金聖闘士もいるなど出世にあたってもほとんど関係ないようである。原作で多いのはギリシャ人(黄金聖闘士に5人もいる)、イタリア人だが城戸光政の子供達が多数送り込まれたことにより日本人・日系人の割合が妙に増えるという事態になっている。

(原作初期に描かれたように、個人的に人種差別意識を持つ者もいるが)

しかし身元チェックに無頓着すぎる故か、保護者の意に反して家出してきた子供敵ボスの息子、はては敵ボスそのものが入ってきてしまっていたこともある。


主に聖闘士同士の会話では「○○聖闘士」を「○○聖衣」と呼び変えることも多い。

例:「おのれ、青銅聖衣の分際で」「ついに黄金聖衣をうちやぶったぞ」


原作当初は倒したことを示す「聖闘士カード」なる名刺のようなものを置く設定があったが作者がすぐに忘れたのか、使い辛い設定だったのかその後は一切登場しておらず、無かったかのようになっている(但し単行本等の修正はされていない)。


掟について編集


聖闘士は「女神アテナに仕える闘士」である事から、様々な「宗教的戒律(劇中では『掟』と呼称)」に縛られての活動を余儀なくされている。実際に掟が無ければ避けられた殉職者が、時代を問わず大勢いるので、他勢力との戦争を何度も繰り返している組織にとってはナンセンス極まりないものである。

ただし、その掟を破ってもあまり咎められてない者もいるので、アテナ本人は実はたいして気にしていない事もあるのかもしれない…と言うより掟の制定された当時と現在とでは時代背景や事情が異なり、しかもアテナが聖戦の時期が近付くまで不在の時期が多く、改正を求めたくてもアテナがいないせいで出来ないと言った方が正しい(『エピソードG.A』や『Ω』では、グラード財団の経済的バックアップを受け、時代の変遷に適応する姿勢を見せている)のかもしれない。

加えて、状況によって破らざるを得ないケースがこの作品では日常茶飯事なので気にしたら負けである。


治療技術編集

敵勢力との戦闘ではどうしても負傷する場合が多々ある。応急処置として血止めの心央点や、急所と言うべき星命点が存在。喪われた技術として小宇宙を回復させる起死回星が有った。


武器使用の禁止編集

本編冒頭でも語られた、聖闘士の『掟』の中でも代表的なもののひとつ。

…なのだが、どう見ても武器以外の何者にも見えない攻撃をする者達が少なからずいる。(例:アンドロメダ瞬のアンドロメダチェーン、カメレオン座のジュネの鞭、射手座の星矢の弓矢、御者座のカペラの円盤、海蛇座の市のメロウポイズンなど)

一応設定的にはこれらの装備品はあくまでも補助装備であって、メイン武器ではないと言う事らしい。実際アンドロメダの最強技は素手で繰り出すネビュラストームで、チェーンを使っている間は「手加減している」状態と(後付け)された。

逆にアンドロメダ以外の青銅一軍もカラス(実は烏座のお伴)を叩き落すのに聖闘士カードや龍星座の盾を投げつけている。

魚座の黄金聖闘士は明らかに聖衣の部品ですらない魔宮薔薇を武器にしているが、気にしたら負けである。


なお、後代の狼座の聖闘士である栄斗はクナイや手裏剣、果ては爆薬まで使用する無法っぷりを見せており、恐らくは一番この掟に背いているであろうキャラクターである。

爆薬はともかく、刃物の類は己の属性である『土』を媒介に作り上げたものと考えれば、他の聖闘士で言う火炎や冷気などの自然現象系の必殺技と同じような扱いを受けているのかもしれない。


例外事項として、天秤座の聖衣のパーツの一部である三節棍双節棍トンファー(それぞれ二つずつ存在)は、

アテナもしくは天秤座の聖闘士が許可した場合のみ他の聖闘士も使う事が出来る。

このため天秤座担当の黄金聖闘士は聖闘士の善悪を判断する要の役目を持っているとされ、他の黄金聖闘士以上に高い人格を要求される。

(但し、本編では、十二宮編での氷河を封じたフリージング・コフィンの破壊や海皇編に於ける七つの大海を支える柱の破壊など、半ばツルハシ代わりとして使われた印象の方が強い)


また、武器の使用が望ましい状況下であれば武器の使用に対して特にお咎めがない場合もある

例えばアスガルド編ではポラリスのヒルダの持つニーベルンゲンリングの魔力を絶つ為に星矢がオーディーンローブの武装であるバルムングの剣を使っている(ゲーム『聖闘士星矢戦記』では当たり前のように武器として奮っている)他、黄金魂ではロキにダメージを与えるべくアイオリアがナックルダスター型の武器『ドラウプニル』を装備しており、劇場版では射手座の弓矢が神々に決定打を与える武装として活躍するなどの描写がある。

いかに武器を嫌うアテナも恐らくそこまで鬼ではない(というのもアテナこと沙織本人も聖衣装着状態ではニケの杖を武器にしていたりする)。

流儀に固執しすぎて地上の平和を守れないのでは本末転倒だからだろうか。


黄金聖闘士三人掛かり禁止編集

聖闘士の頂点に立つ黄金聖闘士が三人揃って使用する、アテナ・エクスクラメーションと呼ばれる戦法(「影の闘法」と呼ばれている)が存在する。

この戦法は女神によって固く禁じられており、使用したものは一生後ろ指を刺され逆賊と罵られ生きてゆかなければいけないほど罪深いらしい。

本編では内乱(のフリ)のために黄金聖闘士三人対黄金聖闘士三人の戦いで二組とも使用し、黄金聖闘士の半数が該当してしまっているが、やはり誰も気にしていない。

実際、アテナ・エクスクラメーションをポンポン使われたら、守るべき人々や土地を巻き込み地図の図面や国境が毎回変わりかねず、本末転倒と言って差し支えないので禁止もやむを得ない。


仮面の掟編集

もともと聖闘士は基本的に男子のみがなるものだったため、女聖闘士は「女である事を捨て去る」意味で仮面を着用する。

その仮面の下の素顔を見られる事は屈辱とされ、見られた相手を殺すか愛するしかないという。

がこれを逆手に取ってなのか告白に使った娘や逆に宣戦布告として使った娘もいたりする。

結構な人数の相手に見られてしまった人もいたが、最初の一回を除きもはや誰も気にしていない。また、正体を探る目的でに仮面を割られた事をアテナに直接謝罪するもいた。


自分の主義で仮面を取ってしまった娘愛を司る聖闘士だからという理由で自ら仮面を外した女もいるが、周囲に驚かれつつも結局そんなに咎められておらず普通にやってるので、そのうち形骸化していきそうな感じでもある。


仮面の着用時期については、ジュネは訓練中からつけていたが、アクィラのユナは師匠のパブリーンの元にいるときは付けておらずパライストラ入学直前に着用させられている。

(前者は師匠が男性、後者は女性師匠であるが)

男装していたシナトや修行中の羅喜も着用しておらず、訓練期間中に関しては師匠の判断なのかもしれない。


またセインティア翔に登場する、アテナに仕える侍女としての特別枠「聖闘少女」は逆に元々女子採用枠故に「女であることを捨てる」必要が皆無でこの掟が適用されない。

『翔』より古い作品である『エピソードG』でもアイオリアの侍女のリトスも仮面を着けなかったので、アテナ軍関係者であろうと正規の聖闘士で無い非戦闘職員は仮面の掟は存在しない模様。

鋼鉄聖闘士も正規の聖闘士ではないという事からか、やはり掟が存在しない。


さらに最近になって、アテナはこの様な言葉を述べている。

「仮面は女としての心を覆い隠す為のもの。揺ぎ無き信念と、覚悟を持っている者には、隠さなければならないものなど無いでしょう」

それは、アテナ自身が時代の流れを感じた事で、仮面の掟に拘泥していなかった事を認めたものである。


この他、原作をリメイクした『Knights of the Zodiac』では、男女平等という時代背景を反映してか、最初から仮面の掟が存在していない。このため、女聖闘士も男聖闘士同様に素顔で活動している。


私闘の禁止編集

聖闘士の戦いは飽くまでも「地上の愛と正義に準じ、女神アテナの為に拳を振るうべき」と云う理由から、「自身の為の戦い」は厳しく禁じられている。

(大雑把な基準としては、『自身や近しい者達を守る為に戦う』のはOKで『武術大会などへの出場』はNG。なので一般人への見世物も同然であった『銀河戦争』は聖域的には地雷中の地雷案件だったわけだ。)

その掟の厳しさは海難事故で死亡した母の弔いのためと言う「人として責めるに忍びない理由」で聖闘士を志した少年に対してその師匠は余り良い顔をせず、同じ師匠に師事していた兄弟子も激怒して激しい鉄拳制裁を喰らわせた事からも窺い知る事が出来よう。

とはいえ、事故にあった少女を助けるなどの理由で聖闘士の力を行使するのは問題ないらしい。


本編では当のアテナ本人である城戸沙織(というか生前の城戸光政)が聖域に蔓延る邪悪を表舞台に引きずり出す理由で世界中に聖闘士が現在も存在し続けるプロパガンダを流布して私闘させてしまう。


パライストラでは教員の立ち会いの下での決闘は許可という、わかりやすいルールが整備されている。


無論、敵側に寝返った聖闘士相手に戦う、後輩や弟子の性根を叩き直すなどの状況下ではこの掟は適用されない。


『ソルジャーズ・ソウル』ではゲームのジャンル上、聖闘士同士が戦うことは当たり前であるため、無視されがちな設定である(これらの作品では聖闘士同士の戦いは組み手のようなもの扱いなのだろうか?)。


組織について編集

トップはアテナであるが、本作品のアテナは聖戦が起きる前に人間の肉体をもって降誕してくるので、アテナが不在の時も結構長期間ある。

その際は黄金聖闘士の中から選ばれた教皇が組織を統括しており、黄金聖闘士への昇格など人事権も担う。

教皇は基本的に先代教皇がその時代に在籍する黄金聖闘士の中から心技体に優れたと見なした者を指名するが、ロストキャンバスでは教皇の殉職により一時的に黄金並みの力量を持つ白銀聖闘士が教皇を代行、後任をアテナが自ら指名している。


本部的存在はギリシアにある聖域であるが、結界に覆われ一般人は立ち入りはもちろん知覚すら出来ない。

ただ、黄金聖闘士であっても戦闘や仕事などで呼び出しがない限り、プライベートでは世界中好きな所にいてもいいようであり何もないときは故郷に帰る者、修行地にそのまま住みついている者もいる。


原作の13年前に次のハーデス軍との聖戦に向けて準備をしていたが、次期教皇の座を逃した双子座の黄金聖闘士サガが反乱を起こし教皇シオンを暗殺。側近的な聖闘少女も巻き込みアテナ抹殺も企んだが間一髪の所で射手座のアイオロスに妨害された為、彼に全ての罪をなすりつけ教皇に成り代わり聖域の実権を握った。当時は他の黄金聖闘士が10歳以下の子どもばかりであったことも事態の長期化に拍車をかけた。

サガは教皇としての執務はしっかりと行なっていたが、裏では素顔を目撃した聖域職員の殺害、自分に反抗的な聖闘士の粛清などを続けており、少なからず不信を抱くものが増えていく。

真のアテナである沙織が表舞台に出てきたことにより、粛清の為に向かわせた白銀聖闘士の大半が殉職(聖域に常駐していたメンバーは生存者僅か2名)、十二宮での戦いで黄金聖闘士も半数近くが死亡して組織の弱体化を招く。


この為か海皇ポセイドン率いる海闘士が活動し始めた際は、ハーデス軍が復活寸前で有ることも重なり、黄金聖闘士が聖域から離れられず、青銅一軍に事態解決を任せざるを得ない状態であった。


ハーデス十二宮編開始時点の聖域では、本来最前線で敵を迎え撃つ白銀聖闘士がシャイナ魔鈴のみ(しかも魔鈴は途中まで聖域を離れていた)、青銅聖闘士青銅二軍の5人のみ、後は雑兵が多数いるのみという状態での開戦で、いきなり十二宮への冥闘士の侵入を許す。最終的にハーデス軍に勝利はしたものの、嘆きの壁で黄金聖闘士が全滅し、指導者層やベテラン聖闘士の激減など壊滅的打撃を被る事態に陥り、冥王打破の功労者である星矢も魔剣の呪縛で廃人同然にされ、沙織も解呪を求め月の姉アルテミスの下へ援助を進言し前聖戦の時代まで遡り介入した理由から、大神ゼウスの怒りに触れるも同然と兄太陽神アポロンの逆鱗を買い周囲の者の記憶を忘却の彼方に捨て去り現代の聖闘士の歴史すら衰退させる結果になる(この機に乗じ様々な邪悪の勢力が地上制覇に乗り出すリスクが多分に有るのにもかかわらず)。


聖闘士星矢Ωの時代には、引退した聖闘士の再雇用や新人の促成栽培+集団指導による組織の再生をおこなっていた様であるが、アテナである沙織や彼女の信頼が厚く戦力の要であった青銅一軍魔傷で隠遁したことにより、メディアの指揮による内部工作を受けイオニアなどマルスに寝返る聖闘士が多数発生し、また同時に旧世代を知る白銀聖闘士の暗殺や事態の不審に気づける才覚のある若手聖闘士の暗殺が多発、組織そのものが乗っ取られ本部である聖域も黄金十二宮を除いて破壊される(おまけにこの頃には青銅二軍も過半数が引退している始末であった)。

マルス軍及びアプスの撃破には成功したが、10数年かけて再編した聖闘士達も、黄金は6名(シラー、ミケーネ、ソニア、イオニア、時貞、アモール)が死亡、また1名(パラドクス)は聖衣ごと行方不明、白銀も大半が死亡か生死不明という有様で、再び組織は壊滅に近い状態に追い込まれた。

破壊された聖域やパライストラの施設は復旧できたが、死亡した聖闘士の後継者は育成中であり、苦肉の策としてそれまでの雑兵に変わり、グラード財団のバックアップの元に鋼鉄聖闘士を大量に投入した直後に、新たな敵パラサイトとの開戦を迎える事になった。

なお、マルス側に就いていた白銀聖闘士の一部は改心し、真の意味でアテナの聖闘士として戦っているようだ。


また18世紀頃のネクストディメンションの時代でもハーデス陣営による工作で教皇と数人の黄金聖闘士の寝返りによる混乱が発生。

一方でパラレルに相当するLCではメフィストフェレスの杳馬の介入で聖域の腐敗は深刻ではなくなっている。


育成について編集

原作およびLC、無印アニメ等では、基本的に黄金聖闘士白銀聖闘士などの上級聖闘士や引退済みの聖闘士などへの内弟子入りでのマンツーマン指導で、体術や座学の指導も一括して師匠が行う。弟子を取る基準は様々であるが、偶然遭遇した孤児や浮浪少年少女で見所のあるものを引き取って指導しているケースも複数描写されている。

修行の土地は本拠地のギリシア聖域のみならず、世界各地に及ぶ。

修行自体は命がけのハードなものだが、才覚さえあれば年齢は全く問われないようで原作の青銅聖闘士達は7〜9歳で修行に入っていたが、もっと早いうちから入る子どもたちもいる。

当然途中でドロップアウトしたり事故死したりする者も少なくないが、ドロップアウトしても後に他神勢力の戦士になったり、なんらかの事情で正規の聖闘士となれる者も少数ながらいる。

10歳未満、下手をするとほとんど幼稚園児の年齢でも黄金聖闘士になる者もおり修業期間も数年に及ぶ者から短期間まで才覚などによりまちまちなようである。

また、稀に成人してから小宇宙に覚醒しスカウトを受けたりして聖闘士になるケースもある。



故に弟子を取る年齢も若い者はとことん若く、魔鈴やシャイナなどは既に10歳でさほど年齢の離れていない弟子を取っており、まさに子供が子供の面倒を見ている状態であり、中学生程の年齢から複数の弟子を同時に数年間面倒を見ていた水瓶座のカミュ(14〜20歳)やケフェウス星座のダイダロス(13〜19歳)のような例もある。

ジャンプ漫画にありがちなインフレの一つとして、前聖戦からの生き残りが師匠という聖闘士もそれなりにおり、代表格は童虎を師匠に持つ紫龍やシオンを師匠に持つムウである。

外伝作品だとシュラの師匠は山羊座の以蔵(『エピソードGアサシン』より。修了後は以蔵を介錯)となっている(同作ではデストールがデスマスクの師匠なのだが、デストールはなんと死人である)。


ただし聖闘士星矢Ωではそれまでの聖戦で上級聖闘士が戦死しまくって指導層の人材が払底したせいか、元青銅聖闘士も指導者に起用しパライストラという若手青銅聖闘士の訓練施設が設立されており、師匠の元での修業期間を短めにして座学やスキルアップの訓練をそちらで一括しているようである。またセインティア翔でも聖域がサガに乗っ取られていたため別枠で「聖・アカデミー」という聖闘少女養成専門機関があったがデスマスクの襲撃で壊滅している。

ただし師匠につくことは必ずしも絶対条件でもないらしく、師匠は一応いても殆どまともに指導されておらず独学に近かった者聖衣だけを先に入手し独自に修行した者独力で能力に覚醒し後でスカウトされた者もいる。

聖衣は師匠が管理してスキルが基準に達したと判断すれば与えられる場合もあるが、なにがしかの試練を受けたり、もしくは聖域が管理している聖衣を他の師匠が育成した候補生と争う場合もある。これで聖闘士になりそこなった者は聖域で雑兵として簡易な装備で警備に当たる者もいる。また素行が悪く聖闘士の資格を剥奪されたり、なりそこなった者の中には暗黒聖闘士となって悪の道に走るものもいる。「Ω」二期においては、力量が不十分で正規の聖闘士になれない者の受け皿としても鋼鉄聖闘士の枠が機能している。

また、TVアニメ版前半では「実力があっても守護星座の導きが無かった」非正規の星座以外の聖衣をまとう聖闘士の設定もされている。


キャリア編集

ずっと位が変わらない者も多数いるが、下位の聖闘士から上位の聖闘士に出世する者もいる。

然程例としては多くないものの、青銅聖闘士から黄金聖闘士、さらにその上の教皇に昇格したシオンのような出世コースもある。

ただし、相当の力量や実績があっても様々な事情や個人的な価値観で青銅聖闘士、白銀聖闘士にあえて留まりつづける者も少なくない。

Ωでは青銅同士の試合で優勝したものを守護星座や聖衣の変更なしに白銀に昇格させている。


定年が特にあるわけではないようだが、戦いがあると当然若くして死亡する者も多く派生作品を含めても老人、壮年は少数派なようである。

また比較的若くても能力が何らかの理由で消失減退したり、その他それぞれの事情や意志で引退を決める者、聖衣を持ったまま前線から距離を置き事実上の引退状態になる者もいる。

引退した者は一般社会に戻る者もおり、聖闘士業界に留まり後進の指導等にあたっているケースもあるが、引退後もまれにアテナの要請で現役復帰してくる者もいる。


女性聖闘士は上記の「仮面の掟」はあるもののその他は男子と同様の扱いを受けており地位にも殆ど影響は無く、白銀には複数の女性が存在する。但し、黄金になった者は各派生を含めても現在双子座のパラドクス双子座のインテグラ及び蠍座のソニアの3人のみであり、彼女らは経緯がややイレギュラーなため(特にソニアは元々敵方ボスの娘であり戦況で急遽任命されている)、同作もしくは原作での時間軸でそれ以前に正規の体制で黄金・教皇昇格を成し遂げた女性がいたかは不明である。但し、原作ともアニメ版ともLCとも時間軸や設定の異なるLoSには1人女性が存在する。なお、パラドクスは現在唯一アテナから聖衣の剥奪処分を受けたことが判明している聖闘士である。


一般社会との関わり編集

聖域など関連施設が結界に覆われて隠されており、一般社会とは基本的に一線を引き他のいかなる国家や組織などにも基本的に与せず、神かそれに準ずる人外との戦いで活躍することが中心のようである。ただしエピソードG等で、業界関係者が表舞台で秘密裏に処理しきれない悪事を働いた場合や、一般人の生活圏で太古の怪物が復活する等の事件が発生した際には、ギリシャ政府や関係組織に依頼して現場地域を立ち入り禁止にし、逆に政府から事件解決を依頼され、表舞台への影響力が全く無いわけではない。

よって聖闘士の存在を知らない者も多いが、一方で社会に溶け込み聖闘士として地元の顔役的存在として受け入れられている者もおり、教皇も聖域近辺の村を巡回して面倒を見ることもある。

本拠地のギリシャ近辺以外でも、半ば伝説のような形で存在を知る者も少なからずいる。

ただし原作ではアテナがなりゆき上「城戸沙織」として人間社会で巨大財閥「グラード財団」の当主となり、そちらの資金や人員も活用しているようである。


アニメだとここら辺の設定はかなりカオスであり、アーレス教皇が自分の意に沿わない国にテロリストを差し向けたり、水晶聖闘士を洗脳して氷のピラミッドを作らせようとしたりしていた。


関連タグ編集

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