虫とは
- 主に陸生の無脊椎動物。多くは昆虫のことを指す。本項で記述。
- 秋の季語。美しい声で鳴く昆虫の総称。マツムシ・スズムシなど。
- 人に害を与える小動物。人の体内にすむ寄生虫や、ノミ・シラミ・シミなど。
- 人間の体内にあり、さまざまな考えや感情を起こすもとになると考えられていたもの（腹の虫、浮気の虫など）。
- 一つの事に熱中する人（本の虫、勉強の虫など）。
- ある特定の性向をもっている人。他の語と複合して用い、その人をあざけっていう（泣き虫など）。
このタグは1.およびそれをモチーフにしたキャラクターに付けられるタグである。
定義
現代における「虫」の定義は曖昧である。
現代では通常、陸上（地中を含む）や淡水に棲む無脊椎動物（多くは節足動物）を指す。海棲の昆虫はごく僅か（ウミアメンボなど）なため昆虫はおおむね「虫」と呼んで良いと思われるが、節足動物でも昆虫以外の分類群では陸上・淡水・海にまたがって生息するものがあり呼び分けられる。例えば甲殻類では陸上棲のワラジムシやダンゴムシ、淡水棲のカブトエビなどは「虫」と呼ばれるが、海水棲のものが多いエビやカニは（淡水棲のものも含めて）「虫」とは呼ばない。
では、海産の動物は全く「虫」と呼ばないかというとそういうこともなく、釣り餌として使われる環形動物のゴカイを「虫エサ」と呼んだり、刺胞動物門ヒドロ虫綱の動物を「ヒドロ虫」と呼んだりする。さらに、動物ですらない一部の微生物も虫と呼ばれることがある（ゾウリムシ、ミドリムシなど）。
古くは「人・獣・鳥・魚・貝以外の動物」とされ、すなわち爬虫類や両生類も「虫」に含んでいた。
漢字
漢字の「虫」の字は本来、単に生き物を指す文字であった。哺乳類は「毛虫」（もうちゅう）、鳥類は「羽虫」（うちゅう）、魚類や爬虫類は「鱗虫」（りんちゅう）、カメや甲殻類などの節足動物は「甲虫」（こうちゅう）、そしてヒトは「裸虫」（らちゅう）と呼ばれていた。
獣である蝙蝠、貝である蜊、蛤も虫偏である。貝偏は本来、お金に関する漢字である。は虫類である「蜥蜴」も虫偏であり、しばしば虫として扱われる（昆虫ではない）。水中に生息する生き物である蛸、蛙、蝦、蟹も虫として扱われ、蛇も「長虫」といわれている。そのため、蛇や竜によく似た「虹」にも虫偏がついている。
人間との関わり
虫と呼ばれる動物たちは地球上のあらゆる生物圏に多数が棲息するため、人類も必然的に彼らとは密接な関係にある。過去には虫を食用にする（昆虫食）文化が広く存在し、またノミなどの寄生虫は人類にとって身近なものであった。
古来の日本人は蝉や鈴虫の声、空を行き交うトンボに四季の移り変わりを感じ、戦前の日本では蚕を育てて絹を生産する「養蚕」が盛んであった。
ところが、現代のコンクリートやアスファルトで覆われた大都市では小動物が激減しており、季語となっている「虫の声」も聞かれなくなった。「夏の風物詩」であった蝉の声もなじみがなく、「うるさい」として嫌う人が増えている有様である。日常生活で目にする虫はハエ、ゴキブリ、蚊、ダニなどの「衛生害虫」「不快害虫」に限られがちになっている。そういった虫は発見するやいなや殺されてしまう事が多い。それでも種多様性が高く比較的見栄えのする蝶や甲虫などを中心に、野山での昆虫採集などを愛好する人々もいる。
一方で、農業の世界では、現代に至るまで人類と虫たちとの密接な共生関係が続いている。まずあげられるのは、蜂や蝶などの受粉昆虫との関わりで、蜂蜜を生産するミツバチを家畜として飼育する「養蜂」という営みもある。またミミズや線虫の多く棲息する土は、良質な作物を育む。もちろん葉や植物の汁を食べてしまう芋虫やアブラムシなどの害虫もいるが、こういった害虫を食べてくれるトンボやカマキリなどは「益虫」として農家にありがたがられる。
虫を「主題」とした版権作品
昆虫
節足動物門・六脚亜門・昆虫綱に分類される動物群。「昆虫」とは分類の名称であり、広義に「虫」を指す呼び名ではない。
また、虫の関連タグとして昆虫タグがあるが、虫タグと併用されて付けられる場合が多く、爬虫類などの虫を含んでしまうキーワードと区別できる。
虫と呼ばれるもの
「虫」とされる節足動物
- 昆虫全般：当該記事を参照
- 鋏角類：ウミグモ（別名ユメムシ）、クモガタ類全般（クモ サソリ ダニ ザトウムシ ヒヨケムシ ウデムシ サソリモドキ カニムシ）
- 多足類全般：ムカデ（ゲジ含む） ヤスデ
- ごく一部の甲殻類や等脚類全般（ダンゴムシ ワラジムシ フナムシ グソクムシ）
- 三葉虫
