基礎データ
全国図鑑 | No.0800 |
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分類 | プリズムポケモン |
タイプ | エスパー / ゴースト |
高さ | 4.2m |
重さ | 350.0kg |
特性 | プリズムアーマー |
Zワザ | ムーンライトブラスター |
他言語版の名称
英語 | Dawn Wings Necrozma |
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概要
光に飢えた黒き存在・ネクロズマが、月の使者と呼ばれるルナアーラを飲み込み一体化してしまった姿。通称「月食ネクロズマ」。
かつてのキュレムを彷彿とさせる吸収合体のポケモンであるが、その容姿は両者が混ざり合ったブラック/ホワイトキュレムのものとは異なり、ルナアーラの身体にバラバラになったネクロズマが強化アーマーのような形で食い込んだフォルムとなっている。
胸部から出現した元々の大きな腕によって、前肢の翼がまるで背中から生えているかのような姿となり、背面からは二つに割れた元・後頭部が加速ブースターとして飛び出している。
発光しているその姿はルナアーラの「フルムーンフェーズ」にも似、彼女の専用技である「シャドーレイ」と『ムーンライトブラスター』も使用可能。
しかし、その性質は「融合」と言うより「寄生」に近く、身体こそルナアーラをベースとしているが、主導権はほぼ完全にネクロズマが握っている。
ネクロズマがパワーを得るために肉体は常に発光させられ、その身体に溜め続けた光エネルギーを吸収して飢えを満たし続けている状態にある。
一方、合体によってルナアーラ単独よりも高い破壊力を持つと公式サイトなどでは宣伝されており、実際の攻撃力も高め。
色違いは変わらずネクロズマ部分が青みがかっているが、ルナアーラもそちら側の色違いである真っ赤なボディが光ったピンクのストロベリームーンとなる。
融合したルナアーラが通常色であってもお構いなしに色違いカラーとなるが、逆にネクロズマが通常色だった場合、色違いのルナアーラと融合しても通常色となる不思議仕様。
性能
形態 | H | A | B | C | D | S | T |
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月食ネクロズマ | 97 | 113 | 109 | 157 | 127 | 77 | 680 |
ネクロズマ | 97 | 107 | 101 | 127 | 89 | 79 | 600 |
ルナアーラ | 137 | 113 | 89 | 137 | 107 | 97 | 680 |
能力差 | -40 | ±0 | +20 | +20 | +20 | -20 | ±0 |
伝説のポケモンらしく、HP・素早さを除く全能力が100以上で、特に特攻に関しては157とポケモン全体でもかなりの高水準。
一方でネクロズマが被さった分重いのか、素早さは77と伝説ワーストクラス。素ネクロズマよりも下がってしまっている。
公式サイトには加速装置により敵に急接近するとあるが、ゲーム内で使用する様子は見られない。
もっとも、ステータスの都合上遠距離からビーム等を放っている事が多いので、近接戦闘を仕掛けるためのこの能力はあまり必要無かったりもする。
HPや特性もネクロズマのままで、ルナアーラがHP満タンの時にあらゆる攻撃を0.5にするファントムガードなのに比べ、こちらは効果抜群の時にのみダメージを0.75にするプリズムアーマーなので、耐久力はルナアーラの時より下がっている。
合体系のポケモンに漏れず、技は元となるネクロズマ依存。
前述の通り「シャドーレイ」を新たに習得できるようになっており、合体時にちゃんと習得するかを聞かれるので、2世代前のアレみたいに勝手に技が置き換わる不都合は無いためご安心を。
しかし逆に言えば分離する度に技を忘れてしまうと言う裏返しにもなるためポイントアップを使う場合は都合が悪いと言う欠点でもある。ロトムと違いゲーム上に一体までしか作れないのでこの点は非常に不便。
最大の特徴はその高い特攻であり、特に一貫性の高いゴースト技をシャドーレイ、Zワザと合わせて非常に高い火力で撃つ事が出来るのが魅力的。
フォトンゲイザーによってまともに高い威力のエスパー技も持ち合わせるため威力不足で伸び悩むと言う事はほぼ起こらない。
更にゴーストタイプを持つためねこだましで妨害される事なく安心してトリックルームを貼れる。その上自身とも相性が抜群なのでトリックルームを主体とした戦術を展開したい。
採用率が高いガルーラにはきもったまでねこだましを撃たれるので要注意。
耐久面においては上述の通り極めて優秀な特性を持つルナアーラと大きく差をつけられており、耐性的に月食ネクロズマへの弱点攻撃は4倍弱点しか無い為、プリズムアーマー込みでも3倍弱点となってしまうので、特性が焼け石に水になってしまう局面もある。
耐性の数も多いとは言えず、ノーマル・かくとうを無効する以外では、エスパーとどくを半減するのみで、数にして4つしかない。
耐性も多く、1.5倍弱点しか持たない日食ネクロズマと比較しても不安定である。
ただし、弱点であるあく・ゴーストは技威力が低く、耐久に少しでも努力値を割いた個体であれば、とくこう種族値194を誇るメガミュウツーYの3倍シャドーボールでも確定で耐える(耐久無振りでも運が良ければ生き残る事が出来る)のに加え、HPに努力値を割くだけで一般ポケモンのタイプ一致ゴースト・あく技を耐えたりもする。
ただし、キリキザンの様に素の攻撃力が高い上にステータス配分上攻撃の高い性格が採用されやすいものはHP振りだけでは危うい。
特性で技威力を補ってくるイベルタルの攻撃を耐えるのもかなり難しいので、基本的に相性が悪い相手と体面しないよう慎重な立ち回りを要求される。
技範囲がルナアーラに比べて狭いのもかなり痛い。特にルナアーラで有用だったムーンフォースは覚えず、ルナアーラが持て余し気味だったれいとうビームすら覚えない。
おまけにきあいだまも習得しないため結果的に悪タイプには一切抵抗出来ずネクロズマの弱い面が完全に足を引っ張ってしまっている。
代わりに「だいちのちから」や「パワージェム」を習得でき、これは本来エスパー技が通らないはがねポケモンや、苦手な相手であるガオガエン等に刺さるのだが、前述の通りルナアーラはこれより威力が高くはがね・あくに刺さるきあいだまを習得できてしまう。
また、後者はイベルタルに抜群を取れるが、S操作をしても尚即死級のふいうちで縛ってくるのを相手取らなければいけないという状況自体、本来は避けるべきである。
補助技も元がルナアーラではない為かゴースト由来とも言えるおにび、さいみんじゅつを習得出来ず、生来生え備わっていた翼でないためか教え技のおいかぜも習得不可能。勿論ワイドガードも習得不能。
高速回復技に関しては同じくあさのひざし、つきのひかりを覚えられるのが救いか。
とはいえその火力面には凄まじい物があり、トリックルームとの相性やめいそうを積んでからの重い一撃を高い一貫性で撃つ事が出来るのは間違いなく評価に値する物があると言えよう。
また、攻撃種族値は113と十分あるので二刀流型に育てられる場面も見られる。専用技「フォトンゲイザー」の仕様と噛み合っており、ハピナスのような特殊受けが出てきた際は「りゅうのまい」や「つるぎのまい」で物理アタッカーに切り替える事が出来るのは珍しい個性である。
ゴーストタイプを軽減できるポケモンは無効のノーマル、半減のあくのみであり、それ以外のタイプのポケモンには容赦なく超火力の専用Z技を浴びせる事ができるのである。
耐性面でもねこだましが無効で敵からの妨害を受けにくいのは明確な利点であり、いのちがけにより道連れを狙う事もあるビクティニの存在も考えると、耐性の数こそ少なくとも耐性自体は無駄ではない。
禁止級伝説は意外とHPがビクティニ以下であるものも多く、それは他フォルムのネクロズマも例外ではない為、いのちがけを無効にできるというのは個性として誇って良い。
役割対象となるミュウツーのメインウェポンを半減できるのも嬉しい。
素早さもかなり低いとは言え性格補正にこだわりスカーフがあれば130族は抜ける範囲なのでいっそ奇襲と言うのも無しではないと型に幅は持たせられるレベルはあるのでルナアーラとはまた違った方向性、ルナアーラ以上の長所を上手く活かせるようにしたい。
おいかぜ込みであればほんの僅かに素早さを伸ばすだけで敵の130を抜ける為、トリックルーム以外の素早さ操作を受けて戦う事もある。
世代毎の変遷
第七世代では対エスパー用として、ウルトラネクロズマの「シャドーレイ」習得用の姿として選出される事が多かった。
第八世代ではウルトラネクロズマが廃止され、本格的にこの形態だけで戦う事が求められるように。ただ、冠の雪原にて同じ禁止級に同タイプでより高い素早さと特攻を持ったバドレックス(こくばじょうのすがた)が登場。技範囲等で差別化は可能だが、汎用性はあちらの方が高いのは明らかである。
シリーズ8の使用率でも、あちらが上位30位前後で奮闘している中、こちらは開始直後ギリギリ150位圏内、そしてすぐに使用率圏外へと追いやられてしまった。
第九世代でも似たような状況だが、PJCS2024にて上位入賞した構築に入っており、禁止伝説の威厳を見せつけた。
番外作品
『ポケモンGO』
2024年6月のPokemon GO Festのリアルイベントで先行実装され、7月のグローバルイベントで本実装される。
本作ではネクロプラスソルの代わりに「ムーンエナジー」が必要であり、入手方法は今のところスペシャルリサーチ(1回分)、公式が配布した専用コードの報酬、グローバルイベントで実施されたあかつきのつばさの★5レイドの報酬のみ。合体解除は無償でできるが、再び合体するには新しくエナジーを要求されるので注意(しかも、メガエナジーやゲンシエナジーとは異なり逐次補充する手段が存在しないため、合体するタイミングはよく考える必要がある)。
合体することでレガシー技「シャドーレイ」を習得できる。ジム・レイドでの威力がフルゲージ230、トレーナーバトルでは威力135・必要量65というハイスペックであり、ゴースト技のDPSのランキングを無理矢理更新するに至っている。通常技に「シャドークロー」を覚えているため、ゴースト技の統一が可能。
トレーナーバトルに於いては、ゲージを溜めやすい「シャドークロー」「サイコカッター」による起点作りから、「あくのはどう」、「げきりん」、「みらいよち」、「アイアンヘッド」、「シャドーレイ」の5種類のタイプの技を使いこなせる。
しかしながら現環境で頻繁に飛び交うドラゴン技、フェアリー技等に対する耐性が無く、かといってこちらの技で抜群を突きやすい対面も日食と比べると少ないのが難点。その代わり軽減されるタイプが多い「メテオドライブ」に比べ「シャドーレイ」は現環境で通りにくい相手があくタイプであるイベルタル、ザルードと数えるほどしかおらず、ダメージの通りが安定しやすいのが月食ネクロズマの強み。
尚、GOロケット団戦で使用する場合、間違ってもゴーストタイプ相手に出してはいけない。相手の異常な攻撃力に自身の二重弱点が相まってあっという間に嬲り殺しに遭うからである。幸い、エスパータイプに対しては通常技を軽減しやすいので投入する余地はある(キリンリキは例外)。
こうしたこともあり、耐久が売りの日食と比べ、月食は攻めに特化できるポケモンと言えるだろう。
アニメ版
『アニポケ・サトシの旅シリーズ』
- サン&ムーン88話
- ネクロズマが執拗にルナアーラを追いかけ、ルナアーラのウルトラオーラを吸収して取り込み、「あかつきのつばさ」となる。しかし、ロケット団の特殊部隊「マトリ・マトリックス」と駆けつけたソルガレオに阻まれた事であかつきのつばさからルナアーラと分離し海に落ちる。その直後に浮上したネクロズマは……
『Pokémon Evolutions』
第2話「ジ・エクリプス」ではウルトラムーンを軸にしたアニメとなっており、ほしぐもちゃんが進化した姿であるルナアーラを吸収しこの姿となっている。
漫画版
『ポケットモンスターSPECIAL』
14章で登場。ウルトラメガロポリスでソルガレオと分離した後、ルナアーラ(ほしぐもちゃん)を取り込んで「あかつきのつばさ」の姿へと変わる。
エネルギーを食い尽くした際に、ウツロイドに寄生されたルザミーネ(マザービースト)に狙われたため、アローラへの出口を開けてウルトラスペースを脱出しラナキラマウンテンへ帰還してルナアーラを解放している。
余談
あかつきのつばさの体重は、ルナアーラの体重(120.0kg)とネクロズマの体重(230.0kg)の合計になっている。
関連イラスト
関連タグ
【図鑑番号順】
0799.アクジキング→0800.ネクロズマ/たそがれのたてがみ/あかつきのつばさ/ウルトラネクロズマ→0801.マギアナ
【第3伝説】
6:ジガルデ(10%・50%・パーフェクトフォルム)←
関連ポケモン等
同複合タイプ
ウルトラビースト
No | UB | No | UB | No | UB |
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0789 | コスモッグ | 0790 | コスモウム | 0791 | ソルガレオ |
0792 | ルナアーラ | ||||
0793 | ウツロイド | - | - | - | - |
0794 | マッシブーン | - | - | - | - |
0795 | フェローチェ | - | - | - | - |
0796 | デンジュモク | - | - | - | - |
0797 | テッカグヤ | - | - | - | - |
0798 | カミツルギ | - | - | - | - |
0799 | アクジキング | - | - | - | - |
0800 | ネクロズマ | 日食/月食 | ウルトラ | ||
0803 | ベベノム | 0804 | アーゴヨン | - | - |
0805 | ツンデツンデ | - | - | - | - |
0806 | ズガドーン | - | - | - | - |
合体関連
- たそがれのたてがみ:ソルガレオを取り込んだ姿
- キュレム+レシラム+いでんしのくさび=ホワイトキュレム
- キュレム+ゼクロム+いでんしのくさび=ブラックキュレム
- バドレックス+ブリザポス+キズナのタヅナ=はくばじょうのすがた
- バドレックス+レイスポス=こくばじょうのすがた
体を乗っ取り、乗っ取られているポケモン達
他ポケモン関連
- ガチグマ(アカツキ):こちらも名前に「あかつき」の名が含まれており、同じく皆既月食がモチーフとなっているのも共通している。