エクシーズモンスターは、エクシーズ召喚によって呼び出されるモンスターの総称である。
エクシーズ召喚という召喚方法は『遊戯王ZEXAL』で初登場した。
英語名
公式の英語名は「Xyz」で、これで「イクシーズ」と発音する。
英語には「超越する」という意味を持つ「exceed」という言葉があるのだが、その意味に加え、関連性のない全く違うカード同士を組み合わせるという意味合いを込めて、代数として頻繁に用いられるX・Y・Zを使ったものと考えられる。
概要
黒いカード(流星群らしきものがデザインされている)。自分フィールド上の同じレベルを持つモンスター2体ないし3体を重ねて下に置く事でエクストラデッキから特殊召喚できるモンスター。シンクロ召喚に必要なチューナー、融合モンスターにおける『融合』・『フュージョン』魔法カードや融合効果モンスターのようなモンスターは存在しないので、どのようなデッキでも同レベルのモンスターさえそろえれば対応するエクシーズモンスターを召喚できる。
カードを重ねる必要があるため、シンクロや融合召喚には使用できるトークンをエクシーズ召喚に使用することは出来ない。(トークンは厳密にはカードではないため)
効果を持つモンスターの多くは、エクシーズ素材に関する何らかのモンスター効果を持ち、基本的にエクシーズ素材をいくつか取り除いて墓地に送ることで効果を発動する。
すなわち、効果を使用できる回数に制限があり、多くが無制限だったシンクロモンスターと違ってバランス調整が図られている。
いや、図られていた。
昨今では、インフレしているので毎ターン使えるとしても1度使えれば実は大した差がないと言える場合が増えている上に、効果自体も強力を通り越して壊れなものも多くなった。
何より、エクシーズモンスターの効果の代償の多くは、『エクシーズ素材を墓地に送る』だけなので、回数制限があると言ってもほぼ攻撃権が残る。
しかも、エクシーズモンスターは相手のモンスターを破壊するのはもちろんのこと、破壊以外の除去手段も多い上に、相手モンスターとバトルするなら心許なくとも低レベルモンスターとのバトルやダイレクトアタックなら十分なレベルのアタッカークラスである場合が多い。
これは、他のモンスターの場合は、効果の使用には何らかの制限がかかるので、コストの面で見ればむしろ優遇されていると言ってもいい。コストがない場合は、召喚する難度自体が高かったりするために、手間暇かけて超強力なシンクロモンスター1体を呼ぶくらいなら、エクシーズ2体に費やした方が効率が良い場合も少なくない。
エクシーズの場合、相手に何らかの効果耐性があっても別の耐性がない効果に簡単に切り替えてしまえばいい上に、除去してからもモンスターの攻撃権自体は残っているので簡単にダイレクトアタック出来るからだ。
その上、相手ターンにも効果を発動して相手に発動出来る効果に対し、能動的なフリーチェーンの効果を持つモンスターも他方面に比べて優遇されている。
端的に言えば、『回数制限がある』と言ってもインフレすればするほどコストパフォーマンスが、極端に優遇されている。
一応、使用したエクシーズ素材を元に戻す効果・強制的に墓地に送る効果、エクシーズ素材の代用品にできる効果を持つカードも存在する。
しかし、他カテゴリーに比べてエクシーズ素材に干渉する効果がメインのカードは案外とデッキの枠を消費する傾向からあまり使われず、後述のランクの関係でロックをすり抜けるので色々と使い勝手が良い、悪く言えば優遇され過ぎているモンスターとなる。
(もっとも、エクシーズモンスター自体はレベルを持たないものの、エクシーズ素材として用意されたモンスターはレベル変動カードの影響を受けやすいため、「デビリアンソング」や「妖怪のいたずら」などの妨害策を張られても、ある程度動けるよう、エクシーズ特化カテゴリーにシンクロや融合ギミックなどを添えたデッキが使われたこともあった。)
一部のエクシーズモンスターには「ナンバーズ」と呼ばれるカードが存在し、カード名に「No.○○」のように番号が振られているのが特徴として挙げられる。詳細はナンバーズ(遊戯王)を参照。
エクシーズ召喚
- エクシーズモンスターによって、素材として指定されているモンスターを自分フィールド上に表側表示で存在するように準備。素材となるモンスターは表側表示であれば、攻撃表示でも守備表示でも構わない。
- 特殊召喚したいエクシーズモンスターに書かれた、素材となるモンスターをモンスターカードゾーン上に縦向きで重ねるように置く。
- 重ねたモンスターを素材とするエクシーズモンスターをエクストラデッキから取り出し、素材としたモンスターの上にさらに重ねる。
なお、エクストラデッキから特殊召喚する事になるエクシーズモンスターは、表側攻撃表示か表側守備表示であれば、どちらの表示形式で重ねても構わない。
裏側表示モンスターとトークンはエクシーズ素材として使用することができない。罠モンスターは重ねて置けるため、使用可能である。(裏側表示モンスターはレベルが不明で条件を満たしているかどうかが判定できないため。)
CNo.39希望皇ホープレイなど一部のエクシーズモンスターは、エクシーズモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚でき、これも正規のエクシーズ召喚扱いとなる。
また、《RUM》というカテゴリの魔法カードを使用することで、条件に合ったより高ランクのエクシーズモンスターを上に重ねることもできる。
ランク
エクシーズモンスターはレベルを持たず、代わりにランクという表記(黒い星)がある。レベルを持たないので「レベル制限B地区」などのレベルに関する効果を受けなかったり、レベルがないので儀式のリリースやシンクロ素材に出来ないなど、これまでのモンスターと比べてかなり異質な存在である。上記の様に、レベルを基準にするロックや防御をすり抜け、コントロール奪取されても、レベルがないせいで特殊召喚の素材に使えなかったりと意外に抜け穴を潜り抜けていく。ただし、融合召喚やアドバンス召喚の素材にされる可能性は拭えず、近年では、リンク召喚に利用されるリスクも増えている。
例えば、レベル4のモンスターを素材に召喚するエクシーズモンスターはランク4となる。ランク5以上のモンスターは同じレベルの上級モンスター2~3体を利用するため、召喚難度が一気に上昇する。レベルを調整する効果や融合、シンクロ召喚などを利用すれば出しやすくなる。
中には特定のランクのエクシーズモンスターの召喚に長けたカテゴリも存在するのでランクが5以上だからと言って難易度が高いと一概には言えない。寧ろ、素材数が3体以上必要なエクシーズモンスターの場合は揃え易いレベルが限られるので難易度が高くなる。
こう言った点から、ランクが高い=ランクが低いモンスターより優れていると言う法則が全く当てはまらないものとなっている。
エクシーズ素材
フィールド上ではカードとしての扱いにならない。そのため、エクシーズ素材となったモンスターは、召喚が無効になった場合も含め、「フィールド上から墓地へ送られた時」の効果を一切使用できない。
エクシーズ素材を取り除く場合、どれを取り除くかは任意で決められる。
エクシーズモンスターがフィールドから離れる際、それが破壊であろうと除外であろうと戻されようと素材は墓地に送られる。扱いとしては魔力カウンターなどのカウンターに近いが、エクシーズモンスターが裏側表示になっても取り除かれない(表向きのまま)点が大きく異なる。
アニメ・漫画作品での扱い
エクシーズ召喚は、遊戯王ZEXALの世界ではごく当たり前のように用いられる召喚方法である。また、先に述べたように、ナンバーズと呼ばれる特殊なエクシーズモンスターが存在し、これが物語の設定・世界観に大きく関係してくる。
エクシーズモンスターのことを作中では一貫して「モンスター・エクシーズ」と呼び、同じレベルのモンスターを素材として使用することは「オーバーレイ」、エクシーズ素材の事は「オーバーレイ・ユニット」と呼ぶ。
例えばランク4の希望皇ホープのエクシーズ召喚を行う際には、「レベル4の(モンスター名)と(モンスター名)をオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚! 現れろ、No.39希望皇ホープ!」という表現をする。
初期の頃はシンクロ召喚と違い、口上が固定されていたが、それを寂しいと感じる視聴者が多かったからか、主要人物の切り札を中心に独自の口上を付けるようになった。
例
- CNo.39希望皇ホープレイ:「カオス・エクシーズ・チェンジ! 今こそ現れろ、混沌を光に変える使者!CNo.39 希望皇ホープレイ!!」
- 超銀河眼の光子龍:「逆巻く銀河よ、今こそ怒涛の光となりて姿を現すがいい!降臨せよ、我が魂!超銀河眼の光子龍!!」
アニメでは、エクシーズ素材はエクシーズモンスターの周囲を回る光球として表現され、効果によってエクシーズ素材が取り除かれる時にはモンスターに吸収される。
また、エクシーズ素材を取り除いて効果を発動する際は「オーバーレイ・ユニットを1つ使い」といった表現をする。
カオスモンスター・エクシーズ
遊戯王ZEXALⅡにて登場した、モンスター・エクシーズの上位種と思われる特殊なモンスター・エクシーズで、通称カオスエクシーズ。バリアン世界の使者に洗脳された人々が使用する、対ナンバーズ用のモンスター。ルール上は普通のモンスター・エクシーズと同じ存在のようである。カオスエクシーズの特徴は以下の通り。
- カード名に「CX(カオスエクシーズ)」または「CNo.(カオスナンバーズ)」と付いている。CXは普通のエクシーズが、CNo.はナンバーズが進化したものである。
- CXと一部のCNo.は体の一部に赤く発光する部位を持つ。
- 「RUM(ランクアップマジック)」と名のつく魔法カードを使うことで、特定のモンスター・エクシーズの上に重ねてエクシーズ召喚できる。(カオス・エクシーズ・チェンジ。アニメのカードテキストではこの方法を「ランクアップ」と表現している)
- ランクが元々のモンスター・エクシーズから1つ上がり、ステータスも強化される。(属性が変化する場合もある)
- 普通のエクシーズ召喚も可能だが、指定されたモンスター・エクシーズに重ねてエクシーズ召喚した場合にのみ使用できるモンスター効果を持つ。
- カオスエクシーズのエクシーズ素材は「カオス・オーバーレイ・ユニット」と呼ばれる、赤く光った菱形の物体である。(色は属性関係なく固定、CXとCNo.では細部のデザインが異なる)
- モンスター効果を使用するときはカオス・オーバーレイ・ユニットを取り除いて発動する。
カオスエクシーズは「RUM-バリアンズ・フォース」の効果でエクシーズ召喚した際には、自身と戦闘を行う相手モンスターの戦闘破壊耐性を無効にする効果を得るため、結果的にナンバーズを戦闘破壊できる(なおこれは異世界のカードは異世界のカードでのみ戦闘破壊できるという作中設定に合わせたもの)。OCG版のバリアンズ・フォースではNo.の戦闘破壊耐性が無くなっているためこの効果は無くなっている。
カオスエクシーズという用語はⅡからの登場であるが、カオスナンバーズは遊戯王ZEXAL(無印)で、前述したホープレイとCNo.32海咬龍シャーク・ドレイク・バイスがすでに登場していた。これらは「ランクが進化前後で変化しない」「普通のエクシーズ同様オーバーレイ・ユニットを持つ」「自身の効果で重ねてエクシーズ召喚できる」など、Ⅱ以降のカオスエクシーズとは性質が異なる。
また、バリアン世界由来の力でない「RUM-ヌメロン・フォース」でランクアップしたCNo.39希望皇ホープレイ・ヴィクトリーは普通のモンスター・エクシーズ同様のオーバーレイ・ユニットを持ち、CX特有の発光部位が無い。
カオスエクシーズの召喚時は、「オーバーレイ・ネットワークを再構築」という表現が用いられる。
なお、遊戯王OCGで実際にデュエルをする時には、エクシーズ召喚は「2体のモンスターを素材にしてエクシーズ召喚」、モンスター効果を使用する際は「エクシーズ素材を1つ取り除き効果発動」で構わない。(別にアニメ風の口上でも構いはしないが、大会で使用した場合ジャッジキルされかねないので注意。)
後続作品での扱い
アニメの続編にあたる遊戯王ARC-Vでは作中の認識が前作と異なり、一般には普及しておらず、LDSの中でも一部のエリート生徒が受ける専門のクラスでのみ学ぶことのできる戦術とされていたが、後にZEXALでの世界観同様にエクシーズモンスターが広く普及した世界であるエクシーズ次元と呼ばれる異次元が存在している事が判明した。
主要人物ではユートや黒咲隼といったエクシーズ次元の出身者がエクシーズ召喚を中心とした戦術を披露している他、LDSにおける上記のクラスの優等生である志島北斗がセイクリッドを使用してセイクリッド・プレアデスやセイクリッド・トレミスM7の召喚に繋げるというOCGにも通用する戦術を披露したりしている。
呼び方は「エクシーズモンスター」へと変更されたが、「オーバーレイ」「オーバーレイ・ユニット」といった語句や召喚・効果発動時のエフェクト等はそのまま使用されている。
エクシーズモンスターの一覧
OCG化が確定し、かつ公式で使用可能なものを記載
ランク12
ランク11
ランク10
CNo.92偽骸虚龍Heart-eartHChaosDragon
ランク9
ランク8
ランク7
ランク6
ランク5
ランク4
ランク3
ランク2
ランク1
ランク0
FNo.0未来皇ホープ(ルール上はランク1として扱う)
SNo.0ホープ・ゼアル(ルール上はランク1として扱う)
関連タグ
遊戯王 遊戯王ZEXAL 遊戯王OCG ナンバーズ(遊戯王)