概要
特撮版
「来たな…息の根を止めてやる」
仮面ライダー第1話「怪奇蜘蛛男」にて登場した怪人第1号。身長198㎝、体重96㎏。
脱走者の本郷猛を始末するためにショッカーから送り込まれ、裏切り者の緑川博士を毒殺した後、緑川ルリ子を誘拐した。博士が殺されたのを目の当たりにしたルリ子は犯人が本郷だと誤解し、その誤解が解けるのはまだ先の話である。
武器は伸縮自在のクモの糸で、相手を縛り上げることが出来る。また強力な毒針の持ち主でもあり、人間程度なら跡形もなく簡単に溶解してしまう。
格闘は不得意で、仮面ライダー1号と格闘戦の果てにライダーキックを浴びて、赤い液体と化し倒された。
倉庫の屋根からルリ子を連れて瞬間移動するかのような動きを見せているが、これは本来撮影カメラを移動させて撮るつもりが移動させる機材が本作の撮影所「生田スタジオ」にはなかったが故の苦肉の策だった。しかし、これが怪人の奇怪さを演出するという思いがけない効果につながった。
再生怪人としての活躍
第13話において、仮面ライダーのために一向に進まない日本占領を一気に加速化させるために行う「原子力研究所襲撃作戦」の人員確保のため、破損個所を修理し復活を遂げる。
そして強力なバーリアに守られた研究所のバーリアを破壊するため、「バーリア破壊ボール」を扱うことが出来る改造人間作成のために必要な人材「野本健」拉致のため、死神カメレオンが取り逃した健を襲撃し、彼の拉致に貢献している。
その後、彼を元に制作させた新怪人トカゲロンの指揮の元、他の再生怪人達と共にライダーに襲いかかるが、最後はトカゲロンの爆死の余波に巻き込まれ絶命してしまった。
また、劇場映画『仮面ライダーVSショッカー』にも再生怪人軍団の一員として姿が確認でき、PS2専用ゲームソフト『仮面ライダー 正義の系譜』にて邪眼により再生されたショッカー怪人軍団の一員として登場している。(ただし条件次第でアルマジロングと分岐、さらに本郷猛ではなく一文字隼人と対決する)
PS版仮面ライダーにて最強怪人として改造された時の姿は目以外の部分がモノクロになっているのが特徴。
仮面ライダー2号編2~3クールのOPナレーションやEDにも登場。EDでの2号との戦いで川に一緒に落ちるシーンは新1号編に移行しても使用されている。
漫画版
萬画版では4本の腕を生やした怪人として登場、緑川博士を絞め殺し、仮面ライダーに挑むもライダーチョップで腕を全て切断され、海に投げ込まれてしまう。しかしうつぼ男によって助け出され、「もう一度だけチャンスを与える」と首領に釘を刺されながらも義手を移植され、再びライダーに挑む。
途中で蝙蝠男がライダーと戦っていることを知ると「畜生、この汚名は必ず挽回してやるからな!」と頭の悪いセリフを吐いて遮二無二にライダーを攻撃。ライダーブレイクでまたも腕を潰され、敵わぬと見るや毒針で自分の口を噛んで自殺した。
小説版
本作では少なくとも十数体が存在し、(蜘蛛男に限った話では無いが)個々の知能が削り取られて文字通りショッカーの操り人形となっている。
車のタイヤを動けなくするほどの強靭な糸を吐き出す能力があり、この能力を利用して本郷猛を拉致したが、この時に一体が本郷による必死の抵抗に遭い死亡している。
緑川博士が改造人間となった本郷を連れて脱出した際にも二人を生け捕りにするために駆り出されたが誤って緑川博士を殺害してしまい、その後本郷により全滅した。
OVA版『仮面ライダーSD』
グランショッカー八鬼衆の一人、ジャーク将軍配下の怪人として登場。CVは佐藤正治。
外見はかなりでっぷりとしており、萬漫画版同様に腕が4本生えている。また、触角の先から電撃を放ったり、人間を怪人化して操ったりする能力がある。
その蜘蛛糸を使って世界各国のアスリートを誘拐し、改造人間の素体にしようと目論んだ。RXの通っているスポーツジムの美人インストラクター・ミチルさんを攫い、怪人化させてRXを痛めつけるが、駆けつけたV3にバイクで跳ね飛ばされてダメージを負い、更にスーパー1のエレキハンドで触角を破壊され、洗脳を解かれてしまう。
最後はV3・X・スーパー1の三人にバイクで踏み潰された挙句、RXのリボルケインを口の中にぶち込まれて木端微塵に吹っ飛んだ。
映画「仮面ライダーTheFirst」
演:板尾創路
スパイダーという名のリメイク怪人として登場。全身が黒一色なのは原作通りだが、顔は髑髏のように白く、仮面ライダーのようなクラッシャーが存在する…ぶっちゃけ原型はない。
強力な糸を吐き出す能力を持ち、それを駆使した暗殺を得意とする。その反面、他の怪人と比べると肉弾戦は得意ではない様子が見られる。
ショッカーによって邪魔者と判断された人物の暗殺が主な任務であるが、ホッパーに改造されたばかりの本郷猛を監督したり、晴彦と美代子という若いカップルを怪人コブラ・スネーク(TVドラマ版に登場するコブラ男と漫画版に登場する蛇姫メドウサが元ネタである)の素体として勧誘するなどその活動はこの映画に登場する怪人の中でも多岐にわたる。
その正体はタクシーの運転手であり、自分が運転するタクシーが客に汚されることを異常に嫌っていて、(客の態度が悪かった事も理由であるが)客が車内でくしゃみをしたことに激昂するほどであった。
最期はショッカーに反旗を翻したホッパーこと本郷によって、サイクロンによる体当たりとバッタの跳躍力を活かした跳び蹴りの合わせ技の前に敗れ去った。
なお、演じた板尾氏は後に仮面ライダーフィフティーンも演じている。
漫画『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』
暴力団員雲田が変身する怪人。ヒマラヤの雪男のような毛むくじゃらの外見をしており、天井につっかえるほどの巨体を有する。主な武器は毒針と粘着弾。
仮面ライダーがテレビの中の絵空事とされている本作の世界においては、正体がバレた末端戦闘員を始末することを主な活動としている。
密輸現場を襲撃した強盗に正体がばれたため即座に全員抹殺、その現場に居合わせた取引相手のヤクザ・中尾八郎にもとどめを刺すが、死の間際に「オレをショッカーにしてくれ」と言われたため、彼に何かの処置を施し、ショッカー戦闘員として蘇らせた。
またOVA版同様に優れた体力を持つ者の拉致も行っている。
基本的には残忍であるが、吐血しながらも東島とタイマンを張ろうとする蝙蝠男の根性を汲んで一葉たちの乱入を阻み、敗北した蝙蝠男を抱えてアジトに帰還するなど義理堅い人物としての面も持つ。表の顔が暴力団員なだけに「仁義」の概念があるのだろうか?
ある日、ヤクザに踏みつけられた元・アイドルの瀬田セナを家に送り届け、セナに厨二病だと勘違いされて気に入られ、ライブ配信を見るうちに彼女の家を度々訪れるようになった。
自分の姿が行方不明の彼氏である八極八郎にそっくりだった事を知って、彼のように銀髪に染めるが、偶然本物と遭遇してしまい…?
島本版『スカルマン』
島本版スカルマンにおける最初の敵。しかし、デザインはどちらかというとゴルゴムのクモ怪人に近い。
体液から粘着質の糸を作り出す能力を持ち、水などの液体と混ぜ合わせて対象を絡め取る事が可能。
また、普段は普通の人間と同じ4足だが、状況に応じて多腕に変化させるなど漫画版蜘蛛男の要素も併せ持つ。
任務に失敗したラスプーチン配下の超能力者マリアの粛清に現れるが、突如乱入してきたスカルマンと交戦、糸で絡め取るも、発火能力で火達磨になるが傷を癒し、マリアと組んでスカルマンの本拠地に乗り込む。
しかし、スカルマンの配下であるガロがワニ男から蝙蝠男の姿に変身。配下の蝙蝠を操って糸を攻略し、腕を切断された所にスカルマンの発火能力を食らって焼き尽くされた。
その後の活躍
知名度が高いため、仮面ライダーのゲームではほぼ皆勤賞に近い出席率を持つ。
漫画『仮面ライダー11戦記』では南光太郎を襲撃し、糸で縛り上げて溶鉱炉に投げ落とそうとするも、光太郎がバイオライダーに変身したせいでアッサリ脱出されてしまい、自分だけ溶鉱炉に落ちて死ぬという[最期を遂げた。
映画『スーパーヒーロー大戦Z』では、スペースショッカーの怪人に彼を再改造したスペース蜘蛛男が採用された。
ライダーレボリューション
敵キャラとして初代蜘蛛男が登場。ライダー怪人第1号その人という設定。しかし、仮面ライダーに敗れたトラウマ故か、ビーストに食われそう(本編を視聴済みの皆さんならわかる通り、本人は魔力を欲していただけなのだが。決してこんな意味やあんな意味ではない。)になると情けない声を上げながら、そそくさとネヴァンズライダーと化したクウガを差し向けたり、(クウガを差し向けるのはこのゲームではほぼテンプレ。)キバーラを女という理由で侮ったり、THEFIRST版2号を本郷猛と間違えたりと間が抜けた若干小物臭い性格に描かれている。しかし、NEXT版V3と対峙するやいなや、デストロン怪人の仇討ちを挑もうとするなど義理堅い面も持ち合わせる。(このV3が原作で敵対した組織はデストロンではなく、ショッカーである。つまるところ、彼は原典のV3と勘違いしているわけである。)
余談
2014年に開催された『僕たちの好きな「仮面ライダー」怪人ランキング』では4位の座に輝いたが、残念ながら2位はショッカー戦闘員だった。トホホ。
そして意外にも映像作品で客演した事はあまりない。
原点回帰を唄った「仮面ライダーアマゾン」では、最初の怪人としてクモ獣人が登場する。その他にもZX、BLACK、クウガ、龍騎、響鬼、カブト、キバでも最初の怪人は蜘蛛ベースであり、今なお「ライダーの最初の敵は蜘蛛だよね」という印象は強い。「クモ、コウモリ、サソリ」の項目も参照のこと。
MOVIE大戦COREでは仮面ライダースカルが最初に戦ったドーパントのモチーフが蜘蛛と蝙蝠であった事が判明するエピソードがあり、映画パンフレットによるとこれも初代における蜘蛛男と蝙蝠男がモチーフとの事。
仮面ライダードライブに登場するクモ型ロイミュードのモデルも、もちろんこの蜘蛛男である。ちなみに、下級ロイミュードには他にコウモリ型とコブラ型がいるが、これらも仮面ライダーに登場した蝙蝠男とコブラ男へのオマージュとなっている。
なお第一話に登場させたのは、海外のヒーロースパイダーマンへの対抗心からだとする説がある(2話目はバットマン)。
関連項目
スパイダー・ドーパント 上記の通りこの記事にある蜘蛛男がモデルと公式に明言されている。
蜘蛛怪人
太字表記は幹部怪人
昭和ライダー
ドクモンド クモライオン ドクバリグモ クモナポレオン クモ獣人 クモ奇械人 クモンジン スパイダーババン クモロイド クモ怪人 クモ女
平成一期
ズ・グムン・バ ディスパイダー ソロスパイダー ミスパイダー レスパイダー 澤田亜希/スパイダーオルフェノク スパイダーアンデッド 嶋昇/タランチュラアンデッド ツチグモ ヨロイツチグモ カエングモ アラクネアワーム ブラキペルマワーム タランテスワーム スパイダーイマジン 糸矢僚/スパイダーファンガイア
平成二期
スパイダー・ドーパント スペース蜘蛛男 アラクネ ロイミュード(スパイダー型)※ クモアマゾン ショッカー首領三世/大蜘蛛大首領
令和ライダー
蜘蛛ライダー
始まりはクモ 彼が先駆者となる。
クモ、コウモリ、サソリ 当記事の怪人をふくむ第1作の3体が原点となった、ライダーシリーズ序盤の定番キャラ。