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WBC第5回大会の編集履歴

2023-04-23 04:18:27 バージョン

WBC第5回大会

でんせつのたいかい

野球の世界大会であるWBCの第5回大会。2023年3月8月から、同年同月の21日まで開かれた。侍ジャパン(日本代表)の快進撃をはじめとする数々の劇的な展開が生まれたことから、世界中で大きな盛り上がりを見せた大会となった。

「世界で最高の試合だった。あんなドラマを作れるスポーツは他にない。」

野球はその点では完璧だと思う。」

                ロサンゼルス・エンゼルス監督 フィル・ネビン



概要

WBCの第5回大会。


この大会は過去に開かれたWBCの中でも、様々な波乱に満ちた大会となった。

元々は2020年に開催されるはずだったが、前年より世界に猛威を振るったパンデミックであるコロナ禍により第5回大会は無期限延長となり、間にプレミア12は開かれたものの、最終的には開催が2023年3月までずれ込んだ。


参加国は過去最多の20カ国となる。


そして開催されると、前年に開かれた2022年FIFAワールドカップカタール大会に匹敵するほどの大変な盛り上がりを見せることとなった。

特に大谷翔平を擁する日本代表侍ジャパン)は、フィクション顔負けのドラマチックな展開を繰り返して、並み居る強豪国を次々に打破して3大会振り3度目の優勝を果たし、世界中で大きな話題を呼ぶこととなった。


主な代表チーム

  • 日本代表(侍ジャパン)

世界一奪還成る

歴代最強との呼び声も高い日本代表チーム


かつて北海道日本ハムファイターズで多くの人材を育て上げてきた栗山英樹監督を務め、言わずと知れた二刀流である大谷翔平は元より、打撃陣は前年度史上最年少で三冠王に輝いた村神様こと村上宗隆をはじめとして、吉田正尚牧秀悟岡本和真山川穂高といった優れたパワーヒッターを擁し、機動面においては出塁率において圧倒的な安定感を誇る近藤健介、世界大会において必ず活躍する頼れるトリプルスリー山田哲人競馬好きのチームメイトをして「アーモンドアイより速い」と言わしめる韋駄天の周東佑京を招集。一方、守備でも“甲斐キャノン”の異名を持つ強肩を誇る正捕手甲斐拓也、「源田たまらん」とファンをうならせる鉄壁の守備職人源田壮亮といった攻防全てにおいて隙のない、それどころか控え選手ですら交代要員ではなく必要な場面で役割を持てる最高の戦力が揃う。

しかし、センターだけは有力候補が高齢化していたり、選出を期待されていた鈴木誠也がケガで辞退することになり、国内の有識者達も「最適解が見当たらない」と悩ませるポジションとなっていた。

そこで栗山は一度アメリカを視察し、メジャー挑戦日本人の通訳として活躍する水原一平の尽力で、史上初となる日系アメリカ人メジャーリーガーである、ラーズ・ヌートバーを招聘。巧みな守備と日本人以上に闘志を見せるキャラクター性から大会中不動の1番バッターとして2番打者の近藤と共に高い出塁率をマークし、第1次ラウンドから準々決勝まで打線が大量得点を重ねることのできた要因の1つとなった。地元のアメリカでも唯一ネイティブ英語でインタビューしやすい選手だったため、広告塔として注目してもらえる副次的な効果が得られた。


しかし、何よりも世界を震撼させたのは、投手陣の層の厚さであろう。今大会の日本の投手陣は参加各国が舌を巻くほどの実力者揃いであり、大谷翔平に加えて、2009年大会で胴上げ投手となり、今ではもうベテランとなったダルビッシュ有を筆頭に、前年に完全試合を達成した佐々木朗希、同じく前年にノーヒットノーランを達成し、今や日本最強のピッチャーとの呼び声も高い山本由伸など、世代を問わずに数多くのピッチャーが躍動。それ以外にも戸郷翔征高橋宏斗宮城大弥大勢といったまだ22歳以下の若手投手が大舞台でその才能を世界に見せつけた。決勝戦では“銀河系打線”とも称された後述のMLBトップクラスの打者陣をわずか2得点に抑え込み、日本の勝利に大きく貢献した。


このように投打が見事に噛み合った結果、前哨戦に当たる第一次ラウンドより、(大半のチームが格下であったという事情もあったとはいえ)大差をつけての圧勝を繰り返した末に準決勝、決勝ではギリギリの接戦を制しての勝利をもぎ取った。

第4話『WBC 日本対中国(大谷さん以外ハイライト)』

とはいえ、全体的に見ると4番の村上が1次ラウンドで終始不調だったり、チーム全体で満塁のチャンスを何度も逃したり、ダルビッシュが韓国戦でホームランを浴びて3失点の先制を許すなど意外と暗雲の立ち込めていた試合展開も多く、何かがかみ合わなければどの試合でも敗北する可能性があった

しかし、そんな度重なる逆境を跳ね返すことができたのは、ここぞというところでの勝負にめっぽう強い精神力チームの団結力、優秀な人材を適材適所で用いた栗山監督の采配、そして勝利への強い執念であった。これによりメキシコ戦での大谷の気迫の2塁打から始める最後の劇的なサヨナラ勝ち、韓国戦でのヌートバーのファインプレー、戸郷や大勢のピンチに強い投球、岡本や吉田の希望を繋いだホームランなどドラマ性の多い試合がひしめいており、全編通して漫画ですら描けないような展開が続くことになったのである。


日本と対戦したチーム

1次ラウンド・プールB

未だ発展途上ではあるものの、野球選手養成アカデミーや海外からの優秀な育成スタッフなどを呼び込み、大きく強化に努めるも1次ラウンドでは全敗となった。


しかし、元ソフトバンクの「ミギータ」こと真砂勇介(父が中華人民共和国籍)や、東海大菅生高校に所属していた梁培など日本野球をルーツに持つ選手たちを迎え入れた打線は日本相手に奮戦し、試合後大谷も「中盤まで勝てるかわからなかった」と彼らを高く評価した。真砂は試合前、チームメイトだった侍ジャパンメンバーと再会して談笑する姿もあり、ファンを喜ばせた。


また、日本戦に途中登板した王唯一投手や孫海竜投手は名前がポケモン関連ワードを彷彿させたため、ポケモン界隈の間で話題になった。王唯一選手は日本の強力打線を失点2、孫海竜もピンチを迎えながら失点なしでまだ逆転できる点差に抑えた勝負強さを見せ、日本でも称賛の声が上がっている。


第1回、第2回大会では日本と激しい優勝争いを繰り広げ、日本の最大の宿敵とも言われるアジアの強豪国。当然、今大会においても1次ラウンド最大の山場になるであろうと目されていたが…。


今大会では、日本のヌートバーと同じくアメリカ系出身(しかも、所属チームもヌートバーと同じカージナルス)であるトミー・エドマンを加え、メジャーリーグで活躍するキム・ハソンや「韓国のイチロー」と評される爽やかイケメン外野手イ・ジョンフを中心に迎え撃った。

投手も2009年WBCで出場経験のある日本キラーのキム・グァンヒョンが先発し、日本打線を苦しめ、更には打線もダルビッシュから3回に3点を奪って一時は日本に予選敗退の危機すら感じさせた。

しかし、直前のオーストラリア戦で主力投手の殆どを使ってしまったことが響いて(しかも7回裏でオーストラリア公式にも載せられる凡ミスプレイhttps://twitter.com/TeamAusBaseball/status/1633704818287185920?t=CXLxcUrINWItu8r6WOq-lw&s=19

動画版https://youtu.be/_eQ6TfePxJE、問題シーンは5:40から)中盤から投手層の薄さが露呈、最終的に侍ジャパンに4-13とコールド負け一歩手前の点差をつけられ惨敗した。

チームも最初の2試合を落としてしまったことが響いて、3大会連続の1次ラウンド敗退という屈辱を味わわされることとなった。


当然韓国メディアは代表を大きく非難し、日本に対しても棘のある言葉を続けた(少し前から日本と韓国は政治的にもギスギスした関係が続いていたのも一因)が、今回の敗北や日本のWBC優勝を見届けると韓国も一転「野球と書いて大谷と読む」と絶賛、イ・ジョンフも「もう一度、僕らが飛躍する姿を見せるしかない」と奮起するコメントをし、韓国野球界も強化のために日本との交流戦を提案する動きを見せるなど良いライバル精神が芽生えようとしており、これには韓国に対して対抗心を持つ日本の野球ファンからも好意的な反応が多い。


第6話『チェコ戦(Aルート)』第7話『チェコ戦(Bルート)』

今大会、初出場となる代表チーム。

第一ラウンドで日本と戦い、代表選手の強烈なキャラクター性から話題になった。

というのも、チェコでは野球はまだプロチームが成立しておらず、代表に選ばれた選手も殆どが本業を持ちながら野球をプレイしているアマチュアたちだったからである(その様子を日本メディアでは「二刀流選手の国」と評した)。

そんな中、チェコ代表の先発ピッチャー、オンドジェイ・サトリア投手は120kmほどのスピードしかないが高い制球力を誇るストレートとチェンジアップで大谷翔平やヌートバーといったメジャーリーガーを三振に取るなどの活躍を見せ、バッターも日本国内最強のピッチャーと名高い先発佐々木朗希相手に2ベース→エラーで先制して日本の野球ファンを騒然とさせた。

最終的には2-10で日本に敗れたが、一時的とはいえ日本を翻弄したポテンシャルの高さや、スポーツマンシップの高さ等が日本の野球ファンから高く評価された。

また、チェコ代表に加わった元メジャーリーガーであるエリック・ソガードのバックストーリー、先発登板した佐々木朗希のデッドボールに端を発した両チームの選手同士の心温まる交流など、数多くのドラマ性から、試合終了後も対戦相手である日本で人気と話題を集めることとなった。


韓国やチャイニーズ・タイペイ程ではないが、度々日本を苦戦させているアジア(厳密にはオセアニア)の強豪。

監督は現役時代に野茂英雄とバッテリーを組み、中日ドラゴンズで『ディンゴ』の名でプレーしたデーブ・ニルソン

初戦で韓国を破り、グループリーグ突破に大きく前進。日本には1-7で敗れたものの2位で決勝トーナメントに進出した(オーストリアとしては大会史上初のベスト8進出)。

第10話『オーストラリア戦』

また、日本の完全なホーム故に他国の応援団は非常に少なかった中で、代表のティム・ケネリー選手の娘フローレンスちゃんの応援する姿が「小さな応援団長」と注目を集め、オーストラリアの試合を応援する日本人観客も徐々に増えていった。「レッツゴー!ジョージ!!

また、練習の合間にユニホーム姿でコンビニへ買い物に行く選手たちの姿が「パワプロ君みたいだ」と少し話題になった。


決勝ラウンド

欧州野球の隠れた実力者であるイタリア代表は、エンゼルスで大谷のチームメイトであるデビッド・フレッチャー(弟のドミニク・フレッチャーも代表入り)を始め、ニッキー・ロペスやビニー・パスカンティーノ等多くのメジャー経験者を主力とする強豪国である。監督は現役時代に野茂英雄とバッテリーを組み、メジャー殿堂入りも果たしているマイク・ピアッツァ(ピアザ)で、試合前の入場時には東京ドームでも大きな声援が送られた。


今大会のイタリアは相手チームのデータを分析し、それを基に緻密に計算されたプレイをすることで死のグループとも言われたプールAを勝ち上がった。チームごと・選手ごとに用意された多彩な守備シフトはまるでイタリアサッカーの堅い守備を思わせるような堅牢さを誇り、相手打線を苦しめた。

当然日本打線も序盤は苦戦を強いられ、大谷もこの守備シフトに捕まるが、2打席目でサードがガラ空きだったことに気付いた彼は、なんとバントを敢行。完全に虚を突かれた形となったイタリアは投手が守備で送球ミスをしてしまい、ここがターニングポイントとなって一気に形勢が日本に傾き、3-9で敗戦となった。


なお、控え投手がボッキニットーリと日本語でネタになりそうな名前だったことも話題になった(ボッキ選手は「ボッチ」という表記も可能だが、どっちにせよ話題にされることは避けられなかったと思われる)。

また、イタリアベンチにはエスプレッソマシンが常備されており、こちらも話題となった。


大谷翔平、トラウトと同じくエンゼルスに所属するして名ピッチャーパトリック・サンドバルと、レフトの守備を担当していた外野手のランディ・アロザレーナが活躍した。

特に、アロザレーナは過去にキューバからの亡命歴がある選手であり、日本でも一躍脚光を浴びる選手となった。

また、監督を務めたベンジー・ギル氏は大谷やトラウトの所属するエンゼルスの1塁走塁コーチを務めており、日本の野球ファンにも馴染み深い人物だったりする。


リーグ戦である第一ラウンドでは唯一アメリカに勝利し、準決勝では日本と戦った。

日本戦では、アロザレーナの守備により、本来ならホームランになる打球が悉くフライに取られており、アロザレーナ自身もヒットを連発し、日本代表を最後まで大いに苦しめることとなった。

しかし、5-4で迎えた9回裏、勝利を目前に日本打線の怒涛の猛反撃を受け、最後はこれまで不振に喘いでいた村上の執念のサヨナラタイムリー2ベースを浴びて5-6で逆転負け。初の決勝進出は果たせなかった。また、そこまでの試合の流れが変わるシーンの一つとして、機械レベルでないと判定が覆らなかったであろう源田のタッチアウト判定があり、昨年のサッカーW杯で物議を醸した三笘の1mmになぞらえて源田の1ミリと呼ばれた。


野球発祥の国で、言わずと知れた世界のスーパースターチーム。また、前回のWBC優勝国でもある。


今大会では、史上最高打者の呼び声高いマイク・トラウトキャプテンに、魔球とも称された変化球であるエアベンダーを使いこなすデビン・ウィリアムズや、5本塁打11打点の大暴れを見せたトレイ・ターナー等の活躍が目立った。

野手は実力者揃いであったが、一方で投手力の低さが目立ち(一応、トラウトはクレイトン・カーショウジャスティン・バーランダー等の実力者にも声をかけていたが出場を辞退されてしまった)、これが祟って第1次ラウンドではメキシコに敗れるなど苦戦を強いられ、あわや敗退一歩手前のギリギリのところまで追いつめられることとなった。後述の決勝戦でも投手力の差が明暗を分けたと言われている。


今大会では日本の決勝戦の相手であり、WBC初となる日米戦による最終決戦が繰り広げられた。

また、普段は大谷とともにエンゼルスでプレイしているトラウトが、最終回にて直接対決(しかも走者なしの完全な一騎打ち)を繰り広げ、フルカウントまでもつれ込んだ熱戦が特に漫画のような展開として話題になった。なお、両者は決勝戦を告知するフライヤーを飾り、入場行進でも共にチームの旗手を務めるという、これまた漫画のようなお膳立てもなされている。


その他

プールA

日本のプロ野球でもなじみ深い選手たちの奮闘が話題に。

中日フランク・アルバレス(育成)、ジャリエル・ロドリゲスライデル・マルティネス、ソフトバンクのリバン・モイネロ投手日本ハムアリエル・マルティネス捕手(昨年まで中日でプレー)、フリーエージェントのアルフレド・デスパイネ外野手(元ロッテ・ソフトバンク)、ジュリスベル・グラシアル外野手兼内野手(元ソフトバンク)等の“NPB組”が参加。

WBC終了後、NBP開幕前にジャリエル・ロドリゲスが予定の飛行機に乗っておらず、行方不明ことからことから亡命報道が流れた。




台湾チアのリンシャンを二次元にキュートにしてみた


プールC

巨人でセットアッパーとして活躍したスコット・マシソンが現役復帰して参加しており、コロンビア打線を9回無失点に抑えた。


  • イギリス代表
    • クリケットの母国。野球への挑戦。日本がペッパーミルでパフォーマンスしているなら、こちらも負けじとカップを持ったようなティータイムパフォーマンスや、王冠とマントをそろえて戴冠式パフォーマンスといった豪華なパフォーマンスを披露した。

  • コロンビア代表
  • G.スニガ投手がメキシコ戦で球速100マイル(約160km前後)以上のストレートを連発して三振を奪い、汗もかかずに剛速球を投げるその姿に「試合後ドーピングテスト」という冗談がささやかれる程だった。

プールD

  • ベネズエラ代表
    • 躍動した南米の雄。準々決勝ではアメリカ相手に大量得点を挙げ、アメリカも終盤T.ターナーの満塁ホームランがなければ敗退していた可能性のあるダークホースぶりだった。

  • プエルトリコ代表
    • 国内の盛り上がりは日本以上だったとも言われ、国内視聴率は60%以上を記録した試合もあった。
    • 準々決勝のドミニカ共和国戦後、強豪打線を討ち取ったエドウィン・ディアス投手がアクシデントで右足を負傷。診断結果は右膝蓋腱断裂でメジャーシーズンも絶望的に。兄の悲劇で人目もはばからずに号泣した弟A・ディアスは兄の思いを引き継ごうと次の準決勝に登板して奮起するが、アウトを一つも取れず無念の降板となった。ディアス兄弟の悲劇は日本にも伝わり、切なさに同情する声も上がった。

  • ドミニカ代表
    • 優勝候補と目されながらも、最終決戦に散る。

決して前評判は良くなかったものの、ニカラグア相手に逆転勝利し、初勝利を挙げる。


悲願の初出場を果たした中央アメリカの国。

1次リーグ最下位で大会を終えたものの、まだ21歳と若く無名だったデュケ・エベルト投手がかつて日本をも破った強豪国ドミニカのメジャー打線を3奪三振で抑え、これに注目したメジャーのデトロイト・タイガースが即座に彼とマイナー契約を結ぶというアメリカンドリームが見られた。


総評

大会の試合日程や選手の選出、そして大会ルールの不平等さだけでなく、世界全体(しかも本場のアメリカ国内)での注目度の面では未だに多くの課題を抱える大会ではあるが、集客は第1次ラウンド全体で100万人超と前回大会から2倍近く伸びており、関連グッズ売り上げも第1次ラウンドの時点で過去大会の記録を上回っているという大きな躍進を遂げた。

また、上記のニカラグアのデュケ・エベルト投手のようにサッカーのFIFAワールドカップで見られるような世界の選手市場としての側面や、日本対チェコ戦のような敵味方関係なく試合後選手へ拍手を送るスポーツマンシップの体現が見られたように、選手たちが参加してよかったと思える大会へと成長する兆しを見せ、低迷が危惧されていた野球界全体には大きな活力を与えたと思われる。


日本においても大谷翔平の活躍を再び日本で見れたことや、ラーズ・ヌートバーの活躍でグローバルに野球を楽しむ視点(ヌートバーはその後森永製菓ZoffからCM契約を得ている)、漫画やハリウッドを超えたとも言われる優勝までのドラマチックな展開と、選手・ファンを含めて多くの貴重な経験を得ることが出来、これからの野球史において未来永劫語り継がれる大会となることは間違いないであろう。


最後に、今大会の決勝を見届けたメキシコ代表のベンジー・ギル監督が残したコメントを残しておく。


「日本が勝った。しかし、今夜の試合は野球界そのものの勝利だ」


余談

  • エンゼルスの呪い

準決勝のメキシコvs日本、決勝のアメリカvs日本には大谷翔平、マイク・トラウト、パトリック・サンドバルなどの強力な選手が出場しているが、彼らはいずれもロサンゼルス・エンゼルスの所属である。

ただ、肝心のエンゼルスは数々の優秀なスター選手を擁する一方、メジャーリーグ屈指の弱小チームとしても有名であり、それをネタに「大谷・トラウト・サンドバル・フレッチャーがアナハイム刑務所(Angels Prison)から仮釈放」「エンゼルスのスターたちが娑婆の野球を楽しむ」等と日米の野球ファンからいじられることになった。

ただし、エンゼルスは他球団と比較して国際大会に主力選手を各国代表に貸し出してくれることに協力的なチームであり、彼らが選手の代表選抜に加わる事を許したことで今大会が過去にない盛り上がりを見せたとも言えることを追記しておく。

一部報道では、大谷のWBC参加に際し、エンゼルスからは「決勝は(メジャーシーズン調整のため)大谷に投げさせないでほしい」という要望もあったとされているが、試合前にエンゼルスのネビン監督が「世界最高の選手2人が出場する試合を見たくない者などいるだろうか?」と期待に胸を躍らせていたのも事実である。


  • 真の世界最強チーム?

第3話 『バンテリンドームにつめかけた~ぼくらをじぃ~んと

第一ラウンドから圧倒的な強さを見せ、見事全勝優勝を果たした日本代表だが、練習試合にて中日ドラゴンズとの戦いで2-7の大敗を喫している。今大会のメンバーは、練習試合を含めて中日以外のチームにはすべて勝利している為、日本が優勝したことで更にこの勝利が思いがけない注目を浴びることとなった。

これ故に、真の世界最強チームは中日とまで言われることに

ただ、この段階では投手も野手も調整中の段階であったこと、大谷・ダルビッシュ・ヌートバーといったメジャーリーガーがまだ試合に出場していなかったこと等も留意する必要はある。もしも侍ジャパンの選手が万全な状態かつメジャーリーガーの合流した状態であれば勝敗の行方は違っていたかもしれない。


日本のプロ野球選手たちも世界規模では優れた選手が揃うが、その彼らですら大谷の打撃には目を惹かれるほどで、子供が憧れのプロ野球選手を見るような目で彼の打撃を見ているシーンは印象的であった。あまりに彼に釘付けになる選手が多かったために、壮行試合で対戦した監督の中には、「(気持ちはわかるが)試合に勝とうという貪欲さが足りない」と苦言を呈する者まで出る有様だった。

また、他の国も試合中、大谷と塁で対面すると笑顔を見せたりする場面があったり、チェコ代表ので日本と戦ったサトリア投手は試合後大谷から三振を奪ったボールにサインを求め、応じてもらったことに感激していた(曰く、「このボールは一生の宝物にする」とのこと)。


  • 高橋宏斗、シャンパンファイトの悲劇

わずか20歳で世界を相手に好投した高橋宏斗投手だったが、優勝後のシャンパンファイトはアメリカの法律で満21以上でないと飲酒できないため、参加できないという悲劇に見舞われた(しかも本人がそれを知ったのは開始1分前)。それでも侍メンバーは彼を放っておかず、シャンパンが切れた後には水をかけて労ったという。また、帰国後には出元である中日ドラゴンズ立浪監督からドンペリを贈られ、二宮和也氏からもシャンパンをプレゼントされるサプライズがあった。


  • #そろそろ打てや村上

出場選手全員がほぼ役割を果たしたと言える大活躍をしている陰で、一人今大会4番を任されながらなかなか活躍できなかった村上を心配する声は国内中に広がり、栗山の采配に対しても「村上と心中する気か」という批判が出たり、本人も能力・メンタルともに絶不調に陥っていた。そこで、参加辞退となっていた鈴木誠也は村上の不調を気にかけ、インスタグラムで彼を弄るような動画を投稿してエールを送り、SNSでも村上が鈴木のインスタへのリプライで自身を奮起させるために提案した「#そろそろ打てや村上」のハッシュタグがトレンド入りした。村上はそれを見て奮起したのか準決勝、決勝で勝敗を決する一打を放つ完全復活を遂げた。

    • 過去には2006年の第一回大会で福留孝介も強打者でありながら不調でチームの不安材料となってしまったが、危機迫った第二ラウンドで代打決勝ホームランを決め(「生き返れ福留」として知られるシーン)、スランプを打ち破った過去があり、福留自身も村上の事を自分の事ように気にかけていたという。なお、試合で完全復活を遂げた村上はその夜福留にLineで連絡を取っており、気になる内容はというと「ルームサービスの注文の仕方教えてください」だったという。



関連タグ

野球 事実は小説より奇なり

ペッパーミル・パフォーマンス:本大会で侍ジャパンが見せたチームセレブレーション。元はカージナルスで行われていたもので、ヌートバーがチームに持ち込んだことがきっかけで日本で一大ブームとなった。


中居正広:前年度の体調不良で一時出演そのものも危ぶまれたが、奇跡的な復活で今大会の侍ジャパン公認サポートキャプテンに選ばれる。語彙力にさらに磨きがかかっており、決勝戦で彼が大谷の姿を評して言った泥だらけのストッパーは大会屈指の名言となった。


杉谷拳士:前年引退した野球の上手い芸人無職

現役時代の恩師だった栗山監督を含め、昨年の引退試合では多くの侍ジャパンメンバーからも胴上げされた。今回はテレビ局から声がかかり、大会前から選手たちを取材したり、準決勝以降はTBSに応援レポーターとして派遣された。優勝後会見ではかつてチームメイトだった大谷に「僕のこと覚えてますか?」と質問するも「まぁ、なんとなく」と軽くあしらわれる弄りを受けた


石橋貴明:自身のYouTubeチャンネルで決勝戦前に「アメリカと日本が戦い、最後に大谷が登板し、トラウトから三振奪って世界一に」と半ば希望のような予言が全て的中し、試合後には本人曰く「『北の国から』の最終回以来」の大号泣をしてしまったという。彼の他にも爆笑問題田中裕二がほぼ同じ内容の予言をしている。


津田篤宏(ダイアン)、中岡創一(ロッチ):試合中に観戦している様子が一瞬映った。


前田健太:現役でメジャーで活躍する選手だが、メキシコ戦にて千賀滉大選手と共に観戦に来ていた様子が移された。


鈴木誠也:当初はメンバー入りを打診されるもケガにより断念。しかし彼が使用する予定だったユニフォームは球場に持ち込まれ、優勝メダル授与式でもメダルをかけられる。一方で、顔写真を貼られたり。負傷箇所に絆創膏を張られたりして遊ばれたりもしていた。しかもユニフォームの背番号が51でSUZUKIだったせいで、アメリカではイチローのものと勘違いされていたらしい。


千鳥:大会開催前に持ち番組の「テレビ千鳥」の中で侍ジャパン野球盤で遊んだ際に、ノブが「大谷にバントをさせる」と発言(イラストも用意された)。その後、イタリア戦で本当に大谷がバントを敢行したためネット上で大きな話題となった。ちなみに大谷のバントは本人の独断だったという。


黄瀬涼太:黒子のバスケの登場人物。決勝前、大谷翔平がチームメンバーを鼓舞する際に、今日だけは憧れるのをやめましょう。と、劇中での彼の名セリフである憧れるのはもうやめる。と似たスピーチをしたことで話題になった。


森保一:昨年のサッカー日本代表で監督を務めこちらも劇的な快挙を成し遂げた。大会前に栗山監督と何度か対談しており、その中で代表チームにおけるコミュニケーションのつくり方等を伝授したという。

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