園田真理
そのだまり
概要
『仮面ライダー555』のヒロイン。年齢は16歳で、(コハナなどの特例を除けば)仮面ライダーシリーズのメインヒロインでは最年少クラスの年齢。第7話で一瞬映った履歴書によれば、生年月日は昭和62年(1987年)9月13日。(パラダイス・リゲインドでは11月29日と表記されていた。)
幼い頃からの夢として美容師を志している。一人称は「私」。
幼い頃ビル火災により両親を失い、たった一人生き残った「九死に一生を得た子供」として流星塾に引き取られた。
流星塾解散後は新しい養父母に引き取られ九州で暮らしていた(上述の履歴書には熊本市の記述あり)が、東京の美容室でアルバイトすることが決まった矢先花形からファイズギアとオートバジンを送られたことで、育ての父の真意を確かめようと東京へ向かう。そこで偶然乾巧と出会い、紆余曲折の末菊池啓太郎の実家であるクリーニング店「西洋洗濯舗 菊池」で、巧、啓太郎と3人で同居することになった(後に草加雅人も加わる)。
アルバイトを経てそのまま東京で美容師として自立しようと考えていたため、(生い立ちもあって)美容室のアルバイトをしながらクリーニング店の手伝いも嫌がることなくやる働き者。
依存心も無く、他ライダー作品の同年代キャラと比べても、自立度は高くしっかりしている。
人物
気が強く、勝気且つ行動的で思ったことはハッキリ口にする為、初期は巧との口論が絶えず、加えて食い意地も張っているのか第1話で蕎麦定食を食べる際は手掴みしたり、強引に頬張るなどかなり汚い食べ方をしていた(巧はかなりドン引きしたような表情をしていた)。
そのため、巧役の半田健人氏も「初期は特にきつい性格」と評していた。
料理が得意で、「西洋洗濯舗 菊地」での炊事は彼女が担当している。巧が猫舌であることを承知の上ですき焼きや鍋焼きうどんを作ったり、草加が気に食わない巧を揶揄する意味でお子様ランチを用意するなど手の込んだ嫌がらせをしたことも多い。ただし、仮面ライダー913の第3巻おまけ漫画にて「カノム・カイ・ノックカター」(うずらの卵型のお菓子)を作ろうとした際に分量が多すぎて巧と草加が真理に見つからぬように草加がサポートしなんとか上手く完成したものの巧と草加はヘトヘトになっていた他、第5巻のおまけ漫画では草加が取ってきていた寿司に「そのお寿司…!!どこにあったの!!?私も貰ってくる!」という感じでかなり食いついていたため、本編よりも食い意地が張っている模様。ちなみに前述に真理の料理を口にした巧は36時間、昏睡状態になってしまったらしいため料理が得意なのは主に本編のみでのことだろう。
木場勇治に淡い憧れを抱いていたが、彼の正体については最終決戦で目の当たりにするまで知らなかった模様。
(歪んだ好意を持つ)草加雅人や海堂直也に好意を寄せられていることについては悪い気はしていなかったものの応えることは無く、アプローチがしつこい海堂に至っては激しく拒否していた。澤田亜希からも好意を寄せられており結構モテる。
血縁者がいない彼女にとって流星塾生同士の絆は何より大切。
親しい者には思いやりがあり、澤田を庇おうとカイザのゴルドスマッシュの前に飛び出したり、草加の危機に阿部里奈と共に救援に向かい無理を承知で仮面ライダーファイズへの変身を試みるなど仲間のために時に無謀とも取れる勇敢さを見せるが、言葉の裏や心の機微を読むことには長けておらずそのせいで一度は澤田の手で殺害されることに。それでも最後まで彼を説得し信じ続けた。
逆に全てを知りながら真理を傷付けまいと何も語らない草加の心の内を慮ることは最後まで出来ず、嫌いではないものの巧に厳しい態度を取る草加に辛辣な言葉を投げ付けたことも。
流星塾の創設者である花形のことは実の父親のように思っており、巧と共にスマートブレインの本社ビルを訪れるほどに彼との再会を強く望んでいたが、TV本編と劇場版でそれが果たされることは遂に無かった。
澤田に殺害された後、巧が医師から特別な手術を受けた形跡があることを知り、草加からスマートブレインの技術で命が助かったことを知ったことから、巧のラッキークローバー入りを条件に蘇生されることになる。
その後に巧の正体がウルフオルフェノクだと知った際には、その性格とオルフェノク故に激しく動揺、恐怖しかなり怯えた上に一時的に巧と離別してしまった。
真理との離別が原因で巧がファイズとして戦えなくなったことで、ファイズギアを預かった木場が一時的にファイズに変身して戦っていたが、第38話の終盤、木場が変身したファイズを圧倒し変身解除に追い込んだ北崎/ドラゴンオルフェノクの姿を目撃したことで、真理の脳裏にとある記憶がフラッシュバックする。
【CAUTION】以下、ネタバレ注意!!
実は過去の流星塾の同窓会に出席していた真理は、一度他の元流星塾生達と共に塾生の中でオルフェノクとなっていた青沼やドラゴンオルフェノクに殺害された後、「オルフェノクの記号」を埋め込まれた上で事件の記憶を改竄し無かったことにされて蘇生されていたのだ(つまり彼女は2度死んだことになる)。
巧はオルフェノクとしての正体がバレる恐怖に加えて、村上峡児の策略により流星塾生を襲撃した犯人と誤解されてしまっていたが、友情と信頼がそれに勝り、更に「巧を助けてやってくれ」と電話で告げた澤田の最期を巧と共に看取った真理は再び啓太郎と共に彼を迎え、お互いに絆と決意を確認し合うことになる。
その一方で、巧を敵視する態度を崩さず仇敵として殺そうとした草加に対しては一度は幻滅していたものの、第48話ではラッキークローバーとの戦いで瀕死の状態に陥った草加を必死に探し回り、続く第49話で巧の口から草加の死を聞かされた際には啓太郎と共にショックを受けていた。
最終回である第50話では、長田結花の死によって人間を見限りオルフェノクの世界を創ることを決めた木場によって囚われの身となった巧を、啓太郎や海堂と共に助け出す。
その後、鈴木照夫を喰い破って覚醒したオルフェノクの王との最終決戦では、巧ことファイズと三原ことデルタ、再び人間として戦うことを決めた木場ことカイザの戦いを、啓太郎や里奈と共に見届けている。
最終決戦の後、巧や啓太郎と一緒に何処かの土手に寝そべりながら、巧が遂に見つけた「世界中の洗濯物が真っ白になるみたいに、みんなが幸せになりますように」という夢を啓太郎と共に聞いている。
客演・続編
劇場版『仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』
TV本編のパラレルワールドが舞台の本作では、人間解放軍の象徴的存在。強気な性格は変わらないものの、オルフェノクとの共存を願っているため、戦い合おうとはしない。
本編開始前にライオトルーパーの大軍との戦いで行方不明となった巧=ファイズが帰って来ると信じて、「闇を切り裂き、光を齎す救世主」としてファイズの存在を広める。
その後、記憶を取り戻した巧に安心するも、レオ/仮面ライダーサイガに攫われてしまう。
本作ではTV本編開始前に起きた流星塾の同窓会での悲劇を思い出していないが、本人は無意識ながらオルフェノクに対して恐怖感や嫌悪感を抱いており、それが表出したことで戸惑いを見せており、ファイズと木場勇治/仮面ライダーオーガの決戦で巧の正体を知った際も愕然としていた。それでも巧を信じることを選び、巧の決意を後押しした。
「出来るよ巧、巧なら!!だって…巧は巧だから…」
ブラスターフォームに変身したファイズがオーガを破った後、エラスモテリウムオルフェノク激情態に捕食されそうになるが、ファイズとの戦いと真理の言葉で真実を悟ったオーガによって庇われる。
その際、エラスモテリウムオルフェノクの毒針を受けて致命傷を負ってしまったオーガに対して悲痛な叫びを上げていた。
戦いが終結した後、人間解放軍のもとには戻らず、巧と手を繋ぎながら何処かへと去って行った。
「巧、何処へ行くの?」
巧「さぁな。 行けるところまで、行くさ」
小説『仮面ライダー555 正伝 ―異形の花々―』
基本的な設定はTV本編と余り変わらず、寧ろ実質的な主人公となっている。
TV本編同様、美容師になることを夢見ている。
一つ大きく異なる点として、幼少期に両親を亡くした火災事故で彼女を助けたのは消防隊員ではなく現場にいたとある少年であり、彼女もその事を記憶している。尚、その少年は真理を助けた代わりに命を落としてしまった模様。
流星塾卒業後はアルバイト生活を経て、その中で菊池啓太郎や乾巧と出会い、やがて「西洋洗濯舗 菊池」に居候する様になる。例によって巧とは口喧嘩が絶えない。
「西洋洗濯舗 菊池」に訪れた木場勇治と惹かれ合い、彼と付き合うようになる。しかし、木場が自身の素性を明かせないことや真理の心情の食い違いから、少しずつ疎遠になってしまう。
やがて、ふとしたことから再会した草加雅人に強引に求められる形で処女を奪われ、その後も彼の内なる救いを求める声に逆らえず、何度も身体を重ねることとなってしまう。
最終的には草加を拒もうとするが、それによって逆上した草加の策略により、木場の正体を知る羽目になってしまう。
「小説 仮面ライダー555」で加筆された『五年後』では、巧と海堂は消息不明となり、啓太郎はアフリカの片田舎に向かったことから、海堂の息子である勇介と二人で暮らしている。
政府によってオルフェノクの存在が全世界に公表されたことから、世間ではオルフェノク対策委員会のカイザ達によって、中世の魔女狩り染みた方法でオルフェノクが特定・虐殺されているため、人間とオルフェノクのハーフである勇介の身に危険が迫ることを恐れた真理は彼に外出と他者との交流を禁じていた。
しかしある日、真理はエレファントオルフェノクに襲われてしまう。
勇介は彼女の前で光る人に変身して、エレファントオルフェノクを倒したが、真理は彼の前から逃げ出してしまった。
その翌日にやって来た政府のエージェントの引き渡し要求に勇介は応じて真理のもとを去ったが、真理は考えを改め連れ戻すためにやって来たため勇介は再び光る人に変身し、3人のカイザを撃退した。
しかし、勇介との再会を喜ぶ間もなく、真理は本物の悪魔に変わり果てた草加に攫われ、オルフェノクの巣窟と化した森に連れ込まれてしまう。
だが、自分の父が啓太郎であることを知った勇介が助けに現れ、更に勇介と真理を助けに来た巧が変身したファイズによって草加は倒された。
巧が勇介にファイズギアを託した後、彼と共に森の外へ向かうのだった。
『仮面ライダーアウトサイダーズ』
充電切れに陥った檀黎斗を助け、スマートブレインとオルフェノクの脅威を伝えた。また、黎斗に「なぜ、スマートクイーンと同じ顔をしている!?」と問われた際、「私の姿を利用した悪い奴がいるのよ!」と返している。
『仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド』
「巧は信じてたじゃない!オルフェノクと人間の共存を!オルフェノクと人間の可能性を!」
本編の20年後を描く本作にも登場。
海堂や草加とともに「オルフェノクと人類の共存」という目的のため3人で協力しヒサオ、コウタ、ケイのような若いオルフェノクを庇護しながらスマートブレインに抵抗している。
だが、数年前に姿を消したはずの巧が新たなファイズとなって敵対し、牙を剥いたことで困惑することに。
『仮面ライダー555殺人事件』
パラダイス・リゲインドの更にパラレルワールドにあたる本作でも巧、草加、啓太郎の甥の条太郎と共に西洋洗濯舗菊池で働いている。買い物の帰りに金魚のキンを拾い、ペットとして飼うことに。36歳だが若々しいため、客からもナンパされていた。また、その客が自分を気に入って10000円札をチップ代わりに渡した時は最初こそ断っていたが、その客がトイレを借りようと店の奥に入った途端にポケットにしまうなどちゃっかりした一面を見せている。
その他
巧が登場する『仮面ライダー大戦』では真理自身は登場しないものの、回想シーンで草加が巧に怨嗟の言葉を残す際に草加が「自分にとっての守るべき者」=真理の存在を仄めかしている。
尚、「マリ」という名前の少女が登場する。
余談
第1話ではファイズに変身しようとするもベルトのエラーにより弾き飛ばされてしまうシーンがあるが、新番組予告は何の予備知識も無しに見た人に対してミスリードを狙ったものにしている。
いかにも彼女が変身して戦っている様に編集されたため、ネットや児童雑誌「てれびくん」及び「テレビマガジン」を閲覧せず予備知識も無く見た人は、主人公が彼女であると勘違いした人が多かった模様。
後にデルタに変身可能だった阿部里奈と共にもう一度ファイズの変身を試みたが、同じくエラーにより失敗している。
上述の「オルフェノクの記号」がある者がベルトの適合者となるが、何故か真理だけは蘇生後でもベルトの使用には適合しなかった。
この謎に関しては、正統続編であるパラダイス・リゲインドにおいて「既に埋め込まれていたが本編中においては記号が活性化していなかった」という形で明らかにされた。
『仮面ライダージオウ』の第6話では、当時の映像の流用シーンで登場している。
当時芳賀氏は草加について登場した途端、雰囲気が暗くなったのと演技とはいえあんなに言い寄られることには15歳としては気持ち悪かったので嫌っていたらしく、2人のシーンを撮る際には拒絶反応を示しており、その度に村上氏が監督に慰められていたという。
20年後のパラダイス・リゲインドの撮影には流石に大人になったのでスムーズに進んだかと思いきや、言い寄られるシーンで声が出なくなったというアクシデントが発生した。
演じた芳賀優里亜は後に『仮面ライダーキバ』の鈴木深央役、『仮面ライダーディケイド』でユウキ役、『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』でマヤ・ヤング役(吹き替え)を演じるなどライダーシリーズの名ありの女性役では最多の出演数を誇っているのだが、マヤ以外は最後に死亡してしまう結末であり、ファイズ劇中で死亡した回数を含めれば死亡回数4回という芳賀の出演自体が死亡フラグと化している(仮面ライダー以外でも、とある特撮作品にて……)。
因みに『キバ』の出演が縁なのか、中の人ネタとしてディケイドのキバの世界では草加雅人役の村上幸平がカイザを演じた。真理あるところに草加あるというべきか。
そして、『555』との世界観の繋がりを匂わせる『仮面ライダーゲンムズ スマートブレインと1000%のクライシス』ではスマートクイーン役も演じていた。配信当初は真理との関連性は不明だったが、その後配信されたメイキング映像では真理本人だと言われていたが、正確にはオルフェノクの力が覚醒した真理のクローンだった模様。
また、幼少時の真理を演じた八武崎碧についてもネタは多い。彼女は後に声優としてブレイクする悠木碧の子役時代の姿なのである。
悠木の代表作の『魔法少女まどか☆マギカ』にライダーネタが多かったせいか鹿目まどかで中の人ネタとしてファイズネタを絡める人が多く、まどかは母親になってくれるかもしれない女なんだよと案の定草加ネタが流行した。
また、鹿目まどかの弟である鹿目タツヤは愛称が「たっくん」であり、最終回での展開も相まって彼の方でもファイズネタが定番となった。
因みに悠木は後に「音楽が作品に関わり鎧を身に着けて戦う」という、芳賀が出演した『キバ』と共通点が多い『戦姫絶唱シンフォギア』で立花響を演じたが、イメージカラーがカイザのフォトンブラッドと同じ黄色で設定誕生日が9月13日でありカイザの日とここでも草加が絡んでいる。最早ここまで来ると草加からは逃げられないかもしれない…(フォローしておくと、上述した通り、9月13日は真理自身の誕生日でもあるため、如何にシンフォギアシリーズの原作者が特撮ファンとはいえ、カイザの日のみを意識しての設定とは断言出来ない)。
そして更に戦姫絶唱シンフォギアXDの「ファイズ」コラボイベント「アナザー・テスタメント」で響がカイザモチーフのギアを纏うことが判明した。
尚、悠木は当作から11年後の『仮面ライダーゴースト』で主人公のバディポジションとなるユルセンの声優を務めることになる。
関連タグ
仮面ライダー555 仮面ライダーファイズ 西洋洗濯舗菊池 流星塾
乾巧 草加雅人 菊池啓太郎 木場勇治 長田結花 海堂直也 三原修二 阿部里奈 木村沙耶 澤田亜希
巧真理:カップリングタグ
関連・類似キャラクター
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- 鈴木深央:脚本家が同じ作品のライダーヒロインの後輩、「優しい性格」「年齢が10代」「アルバイトをしている」「主人公と偶然出会い、主人公の人生を大きく変える」「サブライダーから一方的な思いを寄せられている」「物語終盤で主人公が怪人である事を知り、葛藤する」「敵幹部の手によって死亡した事がある」「芳賀優里亜女史が演じる」など共通点が多い。ただし、彼女は気弱な性格の少女。
- 園田紗理奈:平成二期第3作に登場した同姓の人物。
- 高司舞:メインヒロインの後輩、「気が強く、勝気かつ行動的で自分の意見をはっきりと口にする性格」「年齢が10代で当時の女優の年齢も10代」「幼少期からの夢を持つ」「仲間達との絆を大切にしている」「アルバイトをしている」「大企業によって人生を狂わされた過去を持つ」「主役ライダーの変身ベルトを使用して主役ライダーに変身しようとするが、変身できなかった」「主人公に何かと突っかかる」「2号ライダーとは昔馴染の関係にある」「物語終盤で闇堕ちして敵勢力についてしまった仲間に拉致されてしまう」「敵対する人物の手によって死亡した事がある」といった多くの共通点がある。
- 詩島霧子、西馬ニコ、五十嵐さくら:仮面ライダーシリーズの変身失敗お姉さんの系譜。後者2名は変身成功お姉さんに昇進した。霧子とさくらはメインヒロイン。ニコとさくらは年齢が10代で勝気な性格も共通している。
- 緑川ルリ子(シン):主人公と行動を共にし他人にズバズバものを言う勝気な性格のヒロイン。