「私は自らの力で蘇るのではない。欲深な人間共によって蘇るのだ。力が唯一の正義なのだからな」
解説
ドラキュラ伯爵とは、悪魔城ドラキュラシリーズのほぼ全作品でラスボスとして登場し、ゲームクリアを目指すプレイヤーの最大の敵キャラである。
悪魔城の城主の魔王であり、数多の魔物を従える真祖ヴァンパイア。
人物
トランシルヴァニア地方で古くから言い伝えられ恐れられてきた存在でキリスト教の信仰力が弱まる100年に1度蘇る吸血鬼。邪悪な心の人間達の破滅を求める声に呼応して蘇るとされる。ただし、邪教徒達の儀式や戦争で死んだ人達の魂などによって倒されてから数年で復活する作品もある。作品数が増えるにしたがって復活する間隔が短くなっている。
古くからベルモンド家などゲーム主人公のヴァンパイアハンターと戦い続けており、何度も倒されているが、その都度蘇っている。神と両極に存在する者として完全に滅びる事はないとされる。
冷酷かつ残虐非道な性格。人間ではない威圧感・カリスマ性・気品・優雅さ・存在感を常に漂わせており、不死身の肉体と強大な暗黒魔力を持つ悪魔崇拝者で、魔術や錬金術にも精通している。コウモリなどへ変身することも出来、倒されても「我に力を」と叫び異形の化け物姿となり再び襲い掛かることが多い。なお、その力は復活する度に強くなるとされている。
容姿
容姿は黒髪又は金髪のオールバックで若めか、白髪又は黒髪の長髪とひげで老けているかのどちらかで、だいたい黒赤マント服。このゲームシリーズは多くの作品が出ており、ドラキュラのキャラ設定も作品ごとに変わることが多い。
ほとんどの作品において、操作キャラクターたちの2倍かそれ以上の長身(推定4m弱)を誇る巨人である。
家族
息子として『悪魔城伝説』以降数作ではアルカード(人間から吸血鬼化と、リサとの間の生まれつきダンピールの2通りの設定あり)、パラレル作品として『ぼくドラキュラくん』ではドラキュラくん(吸血鬼)、『ロードオブシャドウ』ではトレバー(人間から吸血鬼化)が登場している。
妻(人間)として『月下の夜想曲』ではリサ、『キャッスルヴァニア』ではエリザベータ、『ロードオブシャドウ』ではマリーが登場している。いずれも死別しており、彼女の死が闇に堕ちるきっかけになっている。
声優
なお、作品によって担当する声優が違う。詳細は下記の通り。
担当声優 | 登場作品 |
---|---|
石丸博也 | 血の輪廻 |
若本規夫 | 月下の夜想曲、ギャラリーオブラビリンス、Xクロニクル、奪われた刻印、Harmony of Despair、Grimoire of Souls |
スコット・マカロック | 黙示録 |
大場真人 | 闇の呪印 |
中田譲治 | ジャッジメント |
チャールズ・グラバー | THE ARCADE |
藤原啓治 / ロバート・カーライル | ロードオブシャドウシリーズ |
内田直哉 / グレアム・マクタヴィッシュ | アニメ「悪魔城ドラキュラ―キャッスルヴァニア―」 |
来歴
先述の通り、設定は作品ごとに変わることがある。
ドラキュラ始まりの話(ゲーム発売当時、発売順)
ドラキュラ伝説
元々は邪悪な呪術者であり狂的な悪魔崇拝者だったが、毎夜悪魔の儀式を行い永遠の命と魔力を身につけ魔王となった。
悪魔城伝説
トランシルヴァニアのヴラド・ツェペシュ公、別名ドラキュラは殺戮を喜びとし、禁忌の術で暗黒邪神崇拝を復活させ、邪神の力を借りて自分の領地を暗黒と殺戮の焦土とし、力を得るため悪魔に体と魂を売り渡して、悪魔そのものとなり人間でなくなった。
本名はドラキュラ・ヴラド・ツェペシュで、人間から転生をとげ、悪魔の力を手に入れ魔王となった。
キャッスルヴァニア
元は「マティアス・クロンクビスト」という名の天才戦術家の騎士で、同じ騎士のレオン・ベルモンドとは年の離れた親友だった(詳細は後述)。
1062年生まれ。32歳(キャッスルヴァニア時)。
「キャッスルヴァニア」の設定では、マティアスは神への信仰と平和を守るために異教徒と戦っていた。しかし、凱旋中に最愛の妻・エリザベータが死んでしまう。神のために戦った結果がコレであり、神に裏切られたと感じ失意のドン底にあったマティアスはヴァンパイアの力と呪いを封印した宝石を見つけ、暗黒の力を手に入れ神に復讐するべく暗躍する。
1094年、永遠の夜を封印した宝石を所持していた吸血鬼ヴァルター・ベルンハルトとレオンを戦わせ、ついに力を手に入れ人間をやめることに成功する。
同じような境遇になったレオン・ベルモンドも仲間に誘うが結局拒否され、腹心であるデスに倒すよう命じて撤退する。そしてデスを撃退したレオンがいずれ自分の子孫と鞭が魔王となったマティアスを討ち滅ぼすと誓い、ドラキュラとベルモンド家との因縁はここから始まった。
その後「闇の呪印」によると、数百年歴史の闇に潜伏しているうちに、いつのまにかワラキアの王となり、ヴラド・ツェペシュと名乗る。神を信仰している国や集団と戦いながら人間の女性・リサと結婚し、息子も産まれていた。また、自分を慕ってきたヘクターら錬金術師達に魔術や悪魔精錬術を教えていた。この頃は幸せな生活であり、人間としての心をほとんど取り戻していた。
しかし、狂気に陥った集団の魔女狩りによってリサが殺されてしまう。これにヴラドは怒り狂い人間と神に対する怒りと憎しみに囚われてしまう。この一件から吸血鬼としての正体を明かし、自らをドラキュラと称し、神と全人類へ宣戦布告した。
遥か昔に失われ禁忌とされていた魔術を蘇えらせて暗黒邪神崇拝を復活させ、お馴染みの魔物だけでなく邪神の力を借りて魔界から魔物を次々と世へ送り出していった。手始めにワラキアの人々を惨殺したり魔物に変えたりし、ワラキア全土を暗黒と殺戮の地獄絵図に変えたが、1476年に討伐に赴いたヴァンパイアハンターのラルフ・C・ベルモンドとサイファ・ヴェルナンデス、反攻民衆の一人グラント・ダナスティ、自身の息子であるアルカードに倒される。
だがすぐ3年後に復活を果たしたものの、離反した部下ヘクターに倒された。
その後も暗黒神官・シャフトやドラキュラの僕カーミラの儀式などで何度も蘇るが、その都度シモン・ベルモンドやリヒター・ベルモンドやジョナサン・モリスなどのベルモンド家の血縁者に野望を阻まれ倒されている。作品によってはベルモンド家とは関係ない人にまでボコされる。嘗ての部下や親戚を使って復活を試みたり、城を別の吸血鬼に乗っ取られたりすることもある。
『黙示録外伝』の世界線では、完全なる力を手に入れるためにコーネルの妹エイダを拐い、生け贄として力に加えようとしていたがコーネルにより阻止される。
だがそれこそドラキュラの思惑通りで、ドラキュラの本当の狙いはコーネルの狼の力であり、それを奪うことでその魔力により転生を果たし、その物語は『黙示録』に続く。
『暁月の円舞曲』によると、1999年の決戦でユリウス・ベルモンドやアルカード達に敗れ、ドラキュラの魂と魔力が切り離され完全に消滅し、何百年もの因縁に決着がつけられた。
魔力の象徴であった悪魔城は日食に封じられる。
パラレル
ロードオブシャドウシリーズ
本作はリブート作品で従来のシリーズと繋がりはなく、設定も明確に異なる。
以下、ネタバレ注意
ロードオブシャドウシリーズ1作目の主人公「ガブリエル・ベルモンド」。
燈光教団一高い戦闘能力の戦士だが、幼少時の記憶がなく名前も不明だったため拾われた燈光教団にそう名付けられ育てられていた。
死んだ妻マリー・ベルモンドを蘇生させるため、ロード・オブ・シャドウの力を得るが、彼女は蘇らずドラキュラと化してしまう。
続編ではドラキュラと化した後、自分を騙した燈光教団に対して宣戦布告する。
そのため、従来と家系図もかなり異なる。
ガブリエル(ドラキュラ) マリー
└──────────┬──────────┘
トレバー・ベルモンド(アルカード):子 サイファ
└───────────┬───────────┘
海外アニメ「悪魔城ドラキュラ―キャッスルヴァニア―」
設定は悪魔城伝説と月下の夜想曲をベースとしており、ドラキュラの内面やリサとの馴れ初めなどが掘り下げられている。外見は黒髪の長髪とひげの壮年。
ワラキアで永き時を生きる数多の吸血鬼の王。魔術・科学・医学といった数多くの知識や技術に精通しており、アニメの悪魔城は科学の力で空間転移する。
長き時を一人で孤独に生きてきたが、1455年に医学の知識を求めドラキュラの元を訪れた女性・リサと結ばれる。後に2人の間に息子が産まれるが、1475年に自分の不在時にリサが異端の魔女として火刑に処されてしまう。
妻を殺した人間への復讐と自らの永遠の命を終わらせる為、配下の吸血鬼軍団を操り人間世界の滅亡をもくろむ。
以下ネタバレ注意
第2シーズン終盤において、カーミラの叛逆を受け、直後に悪魔城へ乗り込んで来たアルカードとトレバー、サイファらとの死闘の末にアルカードの育った子供部屋で自らの所業の過ちに気づき、我に帰った所をアルカードの手によって心臓に杭を打たれ、灰となって死を迎えた。
死後は地獄の奥底にリサと共におり、シーズン4終盤ではリサと共に復活する。
ニコニコ動画では
TAS動画などでは若本規夫の声が一番浸透し親しまれている。
野望成就のために何度も復活しているが毎回変な姿勢や奇声を上げながら高速移動するヴァンパイアハンターに城を蹂躙され、悪魔な攻撃力と変態挙動の前になすすべなく叩きのめされている。挙句の果てにはラブホテル状態にされたりすることも。そのため、視聴者からは「伯爵逃げて」とコメントされたり、ラスボスなのに弱いため応援されることも多い。だが彼も2度目の転生後は変態の仲間になっていた。
THE ARCADEで衝撃(笑撃)の登場
ある条件を満たすと、伯爵との対面が通常と全く異なる超展開エンドに変化する。
突如画面がどこかで見たシルエット構成になり、何故か伝説の樹!?
その木陰からなんと伯爵が登場!!その開いた口から飛び出したのはなんと告白(!?)
もちろん、言い切る前に一撃でブッ飛ばされる伯爵であった・・・。
このゲーム一体なんだったっけ?
これだけでは終わらない。スタッフロールが「もっと!モット!ときめき」のアレンジである。
サイレントヒルのUFOエンディングに勝るとも劣らない公式が病気だった。
外部出演
オレカバトル
「我が名はドラキュラ。共に人間どもに復讐をしようぞ。」
モンスターの1体として登場している。
アルカードの進化形態扱いとなっており、レアアイテムとして持っている事がある「懐中時計」をLv10アルカードと合体させる事で入手可能。
大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL
ゲーム中では勝ちあがり乱闘のルイージ、パックマン、シモン、リヒタールートおよびアドベンチャーモード「灯火の星」におけるボスキャラの一体として出現する。
1戦目と2戦目が存在し、1戦目ではマントを広げての波動攻撃や複数の火柱、更にはコウモリ化などの技でファイターを攻撃して来る(第一形態でのコウモリ化はかっぺいやポリーンなどのシールド系や回避系のスピリット、飛び道具はサーナイトやダークマインドなどの反射系のスピリットやマリオ(スーパーマリオ)やフォックス、カービィやMr.ゲーム&ウォッチなど反射もしくは吸収する技を持つファイターで対策すべし)。この時は上半身側にしか攻撃が通らないようになっている為、空中攻撃などを駆使して攻撃する必要がある。
1戦目で勝利すると化け物の姿に変身して復活し、2戦目に突入する。その巨体から繰り出される攻撃はどれも強力だが、1戦目と違い今度は下半身側にも攻撃が通るようになっている。
凄いところは原作のドラキュラ戦を上手く再現しているのと、これを手掛けたのが『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』の開発であるバンダイナムコスタジオであるという事である。長年に渡りライバルであると目されてきたコナミの作品の再現をバンダイナムコが行うという、本当に凄い時代である。
むしろスマブラだからこそ出来たことなのだが。
「灯火の星」にて撃破するとドラキュラのスピリットが入手できる。超化可能で、超化すると第2形態の姿になる……と思いきや?
ドラキュラをモチーフにしたドラキュラボンバーが登場。
Dead Cells
DLC“Return to Castlevania”にて敵ボスとして登場。
ボス戦前にも悪魔城のステージギミックとして一定時間ごとに現れ、攻撃などの妨害してきたり、プレイヤーがショップにいる場合は店主を抹殺して利用できなくする。
ボス戦では奪われた刻印をベースにした攻撃や行動をとる。
また特定の悪魔城キャラのスキンや特定の武器で攻撃すると特殊な会話や台詞を言う。
Dead by Daylight
2024年8月28日実装のチャプター「Castlevania」にてキラーとして使用可能となる。キラー名は「ダークロード(The Dark Lord)」。
時系列は1999年のユリウス・ベルモンドとの決戦後に召喚された様子。
容姿は『月下の夜想曲』に準じている。スキンに『悪魔城年代記』や『悪魔城ドラキュラXX』の姿がある。悪魔城コラボ「学術書21-ドミナス」(シーズンパス)の報酬(課金)で『サークルオブザムーン』の第2形態姿が登場し、2種類の専用メメント・モリ(一撃必殺技)が実装された。
その身長の大きさ、攻撃の方法、メメント・モリ時の行動などで原作を上手く再現している他、ダークロードと対峙する場合はマップの背景にドラキュラ城が出現する。
吸血鬼、オオカミ、コウモリの3つの姿に変身でき、状況に応じた姿で生存者(サバイバー)を追い詰める。
- 吸血鬼の姿:通常の姿。窓枠や倒れた板などの低い障害物を貫通する炎の柱・ヘルファイアを繰り出し攻撃する。
- オオカミの姿:追跡に特化した姿。生存者が残す赤い傷マークや血痕をよりはっきりと視認でき、生存者が一定間隔で出すセントオーブで迅速効果を得る。2連続の飛びつき攻撃が可能。その姿はふわふわで可愛いと犬好きのプレイヤーにも好評。
- コウモリの姿:索敵に特化した姿。この姿のダークロードは生存者から探知不可となる。移動速度上昇、障害物無視、32メートル以内の飛び越え障害物にテレポートが可能。ただし生存者の姿が見えなくなるが、赤い傷マークは見える。
同チャプターでは生存者としてトレバー・ベルモンド(ラルフ・C・ベルモンド)も使用可能となる。
トレバーや彼のレジェンダリースキン・アルカードと来須蒼真に対して特殊な台詞を言う。
本作のドラキュラの声優であるクリスピン・フリーマンは、英語版「キャッスルヴァニア」のマティアス・クロンクビストや「闇の呪印」のヘクターを演じている。
また、闇の呪印のモーションアクターや「ギャラリーオブラビリンス」のADRディレクターなど悪魔城シリーズに多く関わった人物。
復活周期
現在は諸事情により公式サイトから年表が削除され、明確な年表がぼかされている。
ここでは削除される前に公式サイトに表記されていた本編世界観の年表を掲載。
正史でない物も含まれている。
1476年:悪魔城伝説【ラルフ・C・ベルモンド】
↓(1479年:闇の呪印【ヘクター】)
1576年:ドラキュラ伝説【クリストファー・ベルモンド】
1591年:ドラキュラ伝説Ⅱ【〃】
↓
1691年:悪魔城ドラキュラ【シモン・ベルモンド】
↓(1698年:ドラキュラⅡ 呪いの封印【〃】)
↓(1748年:白夜の協奏曲【ジュスト・ベルモンド】)
1792年:悪魔城ドラキュラX 血の輪廻、XX、Xクロニクル【リヒター・ベルモンド】
1797年:悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲【アルカード】
↓(1800年代:奪われた刻印【シャノア】)
↓(1820年:設定のみ。ネイサンの両親とモーリスによるドラキュラ封印。)
↓(1830年:サークル オブ ザ ムーン【ネイサン・グレーブズ】)
↓(1844年:黙示録外伝(コーネル編)【コーネル】)
↓(1852年:黙示録外伝(ヘンリー編)【ヘンリー】)
↓(1852年:黙示録【ラインハルト・シュナイダー】【キャリー・ヴェルナンデス】)
1897年:設定のみ。キンシー・モリスによるドラキュラ討伐。
↓(1917年:バンパイアキラー【ジョニー・モリス】【エリック・リカード】)
↓(1944年:ギャラリー オブ ラビリンス【ジョナサン・モリス】【シャーロット・オーリン】)
1999年:設定のみ。ユリウス・ベルモンドによるドラキュラ完全討伐。
関連イラスト
表記ゆれ
関連タグ
悪魔城ドラキュラシリーズ 悪魔城ドラキュラ 悪魔城 ヴァンパイア
デス様(死神):腹心
敵対者
以下、ネタバレ注意
ここから下は、『悪魔城ドラキュラ 黙示録』および『暁月の円舞曲』のネタバレ注意
ドラキュラは『黙示録外伝』にてマルスへと、1999年の戦い後に来須蒼真として転生している。
しかし大まかな相違点として、
マルスの場合
- コーネル編からたった7日後に転生
- コーネルから狼の力を奪って「転生の禁呪術」のエネルギーとしてそれを利用し転生
蒼真の場合
- 1999年から18年後に転生
- 城の魔力と切り離され、ユリウスに滅ぼされ魔王の宿命から解放された上で転生
と、違いが見受けられる。
蒼真は暁月の円舞曲にて混沌から流れてくる邪悪な意思を抑えている項を明らかにしていたが、
マルスはこの邪悪な意思とどう向き合っていたのかは不明。
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