「魔法の火が使えるなら、この位やってみやがれ!」
「不死身のオレをナメんじゃねェぞ!!」
概要
ワイズマンの配下である上級ファントムの1人。フェニックスらしく炎の攻撃を得意とし、赤を基調とした格好は怪人というよりもヒーローのような印象を与える。
普段は派手な風貌の青年に擬態し、「ユウゴ」と名乗っているが、彼は元々花屋で働く「藤田雄吾」というごく普通の人間で、真面目で花好きな好青年だったという(ちなみに雄吾本人は既に死亡しており、フェニックスは宿主として彼の姿を真似ているに過ぎない)。
好戦的な性格で仲間のファントムを増やすよりも破壊衝動の方が強いが仲間意識は一応ある。加えて第8話では同格にあたるメデューサの「破壊衝動に任せるあまり貴重なゲートを殺したら困る」という旨の苦言に「今度は上手くやる」と反抗しているため、過去に最低でも一回はファントムを誕生させる前にゲートを殺していると思われる。そのためにメデューサには無闇矢鱈に行動しないよう釘を刺されていた。
戦闘力もメデューサには劣るらしいが、それでも幹部ポジだけあってウィザードを余裕で圧倒する程の強さを誇る。
第8話でワイズマンに直談判して許可をもらい、新たなゲートを絶望させるべく自ら出撃。ゲートの少年・伊藤洋樹の両親を殺して洋樹を絶望させるという卑劣な手段に出るが、幸いにも洋樹の両親は一命を取り留め、続く第9話でドラゴンの力を得たウィザードの前に敗れ去った。
しかし彼は倒される度により強くなって復活するという特性を有しているため滅するには至らず、第16話では別のゲートの不良青年・達郎が施設に贈る予定だったクリスマスプレゼントを全焼させて絶望に追い込み、ヘカトンケイルを誕生させようとする。だがこれも失敗に終わり、今度はウォータードラゴンによって凍らされて粉々に砕かれた。
そして第21話の終盤でワイズマンを裏切り、単独行動を取るようになる。この時にはメデューサの石化能力を破る程の力となっている。
外見
身長:2.46メートル(246.0cm)、体重:162キロ(162.0kg)(出典:「全仮面ライダー オール怪人スーパー大図鑑 平成・令和編 増補改訂」(講談社)P263より)。
フェニックスをモチーフとする赤色の怪人だが、顔に両翼を広げたフェニックスの意図が見られる程度であり、風貌はヒーロー然としている。
尖った両肩は嘴もしくは爪のイメージか金色で、眼の色は水色。胸には他のファントムと同様にカラータイマーのような物が付いている。
虹色の背中には翼が折り畳まれているが、その翼は何故か昆虫の羽のようなデザイン。
能力
身体から強力な火炎(本人曰く「地獄の業火」)を発して敵を圧倒する。この炎はウォータースタイルの能力でも防げない。
また、自らの炎から生成した大剣「カタストロフ」を振り回す剣戟も得意。余談だが、第8話でウィザードにとどめをさした炎をまとったカタストロフの一撃は、炎の形状含めウィザードが使う「スラッシュストライク」に非常に似たものだった。
炎の怪人なのでフレイムスタイルの攻撃も効かず、これを軽くあしらっている。
原典のフェニックスのように不死身で倒されてもやがて炎と共に復活してしまうという特性も持つ。そして復活する度に強くなる特性を有し、一度は倒されたフレイムドラゴンの必殺技を、二度目の対決のときには難なく耐えてみせた。
唯一の欠点として「復活してからしばらくは魔力不足で弱体化する」ため、完全に復活するまで大人しくしていなければならないが、この状態でも初期4フォームを圧倒する実力を持っている。
オマケに3回目の再生後はこの欠点も克服してしまい、即座にパワーアップ再生ができるように。
ライダーシリーズの再生怪人は、「弱体化する」「回数制限がある」「能力を失う」など何らかのリスクを背負うものが多いため、コイツは結果的にノーリスクで再生できるというラスボス級のぶっ壊れ。元々死なないアンデッドを除けば非常に稀有なタイプである。
三度目の対決の時には、背中から巨大な炎の翼を出現させて敵を攻撃したり空中を飛行出来るようになったが、最終的にオールドラゴンにより太陽まで蹴り飛ばされ、焼かれては再生を繰り返すという倒されるより惨い形で決着をつけられた。
「やるじゃねェか!だが気を付けろよ…オレはまた蘇るぜ……!」
「お前を倒す気はない」
「何!?」
「不死の体を呪うんだな……永遠に死と再生を繰り返せ」
「バカな……この、オレが……この……!!」
「お前にフィナーレはない……」
ネット版『イン マジか!?ランド』のコヨミの占いによると太陽に勝って戻ってくるには100万年かかるらしい。身体が再生と破壊の無限ループに耐えられず風化する場合もあるため、果たしてフェニックスと太陽、どちらが勝つのだろうか。
ちなみに同時期に放送されていた「ジョジョの奇妙な冒険」第二期のラスボス、カーズの末路と似ていたため、ちょっとした話題となった。
異世界のフェニックス
inマジックランド
メドゥーサ、グレムリンと共にシイナが変身する仮面ライダーメイジを袋叩きにした。
ウィザードのドラゴンブレスとドラゴンソニックを浴びて敗れた(特に魔力を食われるシーンも復活するシーンもなし)。
ファイナルステージのフェニックス
魔宝石の世界における仮面ライダーソーサラーの配下。
性格は相変わらず荒っぽいが、本編とは違ってソーサラーに対する忠誠心がしっかりあるし、協調性もある。
一度はフレイムスラッシュストライクに敗れるが、やはりというか復活。最期はビーストハイパーに敗れて魔力を吸収された。
派生作品
『スーパーヒーロー大戦GP』ではなぜかヘッドハンティングされたショッカー幹部として登場。裏モチーフがショッカーエンブレムなので気に入られたのかもしれない。グレムリンとかの方がショッカーに合いそうな気もするが……。
ただグレムリンだと恭順してくれそうにないからコイツに白羽の矢が立ったのかもしれない。(ちなみに前年の映画は、グレムリンが昭和仮面ライダーシリーズの組織の配下として登場していた)。
最終決戦ではウィザードと戦うが、最後はストライクウィザードを受けて倒された(その後は特に復活はしていない)。
『仮面ライダージオウ』第8話でも少しだけ登場。2012年の時代(ウィザード第16話)でウォータードラゴンに凍らされて粉砕されようとした瞬間、タイムジャッカーのウールがアナザーウィザードを誕生させた事でウィザードの変身が解除され、同時にフェニックスの存在も消失した。
歴史改変の影響でファントムの存在が消失している可能性もあるため、フェニックスのゲートだった藤田雄吾も改変後の世界では普通の人間として幸せに生きているのかもしれない。
ゲームでは
『バトライド・ウォーⅡ』では敵キャラとして登場。
『仮面ライダーサモンライド!』では炎の世界「エンデルガス」の大ボスとして登場。本作の怪人は仮面ライダーに倒された者の怨念がクリスタルに宿って復活するという設定なのだが、不死身のはずのフェニックスも何故かガンダムほどのサイズに巨大化して登場。下半身がマグマに埋もれた状態で出現し、途轍もない強さでプレイヤーを苦しめる。
『ガンバライジング』ではゲキレツグランプリ1弾に参戦。タイリョクは4900とかなりお高め。
必殺技は翼で敵を包み込んで焼き尽くす「バーニングカタストロフィ」、バースト必殺技はカタストロフを振り回して火炎弾を放つ「絶望の業火」。
これにより、オーディン、ビルド、ファルシオンと不死鳥関連でチームを組むことも可能になった。
『ロストヒーローズ2』でも幹部ファントムとして登場。マウンテン・キューブでの戦いでヒーロー達に撃破されるが、ウィズダム・キューブでオールドラゴンの力に覚醒したストライクドラゴンで太陽に叩き込まれた。弱点は水属性ではあるものの、厄介な事に食らった攻撃と同じ属性の技の耐性を得ていく特性を持つ。
ヒーローショーでは
よみうりランドで開催されていたヒーローショー『歴代仮面ライダー超集合!!スペシャルライブショー』では、太陽から自力で脱出し、隕石に乗って地球に帰ってきたという設定で復活した。100万年どころか数年も経ってないじゃないかコヨミ。
幾度となく死と再生を繰り返したため戦闘力は桁違いに上がり、ウィザードとビースト、フォーゼをあっさり蹴散らしてしまうほど高い。
更に太陽でとんでもないものを入手し、十面鬼ユム・キミル、ウヴァ、超銀河王、テラー・ドーパント、サジタリウス・ゾディアーツらを生き返らせてしまった。
また、2015年のハロウィン企画でひらかたパークで行われた仮面ライダーゴーストショーでも(劇オリジナルファントム「ウィルウィプス」により太陽から連れ返され)復活したが、こちらはウィザードフレイムドラゴンに倒された直後、仮面ライダーキバがキャッスルドランに死体を食わせてライフエナジーを壁の中に封印するという強引な方法で調伏していた。滅ぼせないなら封印するしかないから仕方ないね。
立体化
ファントムの中でもヒロイックなデザインのためか、度々立体化の対象となっている。
商品名は他の作品との被りを避けるためか、「フェニックスファントム」といかにもライダー怪人らしいネーミングとなっている。
- 「ライダーファントムシリーズ」(2013年1月19日発売)
- プレミアムバンダイでは「ライダーファントムシリーズEX フェニックスファントム&メデューサファントム 重塗装版」として重塗装版も販売された。
- 「S.H.Figuarts」(2013年01月25日予約開始)
- 「仮面ライダーシリーズ ワールドコレクタブルフィギュア vol.16」
備考
第8話で凄まじい強さを見せつけていたが、直後に放送されたアニメの話の中で、ヒロインの一人が蒸気した炎をまとった剣を使用したことが原因で、pixivではこのことに因んだネタ絵も投稿されている。
裏モチーフは朱雀、また肩はショッカーのエンブレムの鷲である。
ちなみに第23話で太陽に飛ばされて決着がついたが、2月23日にてNASAの「太陽観測衛星」が謎の物体を激写。しかもそれが手塚治虫の『火の鳥』を彷彿させる事で「フェニックスさんが帰ってきた!!」的なちょっとした祭り状態になった。
ネタ半分にも1週間で復活したも同然なのであの虫の復活速度をも超えた。
なお、「ファントムフェニックス」というと某ロボットの必殺技になってしまうので注意。
関連タグ
ガンバライダーアクート:アクートが使ってくる武器にカタストロフがある。
メンドーサ:フェニックスと同じような末路をたどった悪役。
ドーラアンタイオス、臨獣オーストリッチ拳チョウダ:こちらも倒される度に強くなって復活する特性を持った戦隊怪人。
龍戦士サイマ獣リザーデス:同じく太陽に放り込まれる末路をたどった戦隊怪人。
アリエス・ゾディアーツ:前作における強化形態に初めて倒された敵幹部怪人。
デェムシュ:次作に登場する敵幹部で、赤色かつ炎を使う、好戦的で何度も主役側に立ちはだかる点や退場直前には話し合いしようとした相手を無視して街で暴れだす点が共通する。
ロン(獣拳戦隊ゲキレンジャー):こちらも倒されても何度も復活する不死身であり、最後は封印されるという形で倒されるという、ある意味フェニックスと同じ末路を迎えた。