概要
JR九州在来線の主幹をなす路線である。門司港駅から鹿児島駅までの300㎞ほどの間に、北九州市・福岡市・久留米市・熊本市・鹿児島市といった九州の主要都市をつぎつぎと通過していく。
2004年3月13日の九州新幹線先行開業の際、八代駅~川内駅間(116.9km)が第三セクターの肥薩おれんじ鉄道に転換され、現在は門司港駅~八代駅間(232.3km)、川内駅~鹿児島駅間(49.3km)に分断されている。全線交流60Hz・20000v電化。
また、香椎駅(実際は千早駅~箱崎駅間にある千早操車場から分岐)~福岡貨物ターミナル駅間の貨物支線(3.7㎞。こちらも交流60Hz・20000v電化)も存在する。こちらはJR貨物が運営している。
九州新幹線開業前は西鹿児島駅(現・鹿児島中央駅)が鹿児島市の中心駅で、また特急有明やつばめ、ブルートレインのはやぶさ、富士などの終着駅として知られていたので間違われやすいが、正式の終点は日豊本線からの列車の系統分離駅の鹿児島中央駅ではなく、隣の鹿児島駅である。そのため門司港から鹿児島まで全線を通して走る列車は少なくとも1980年代には存在していなかったが、実質的には2004年の九州新幹線開業時の第三セクター化で分断されたことで、全線を通して走る列車はなくなったとみなされている。
九州新幹線が全通するまでは、博多駅から鳥栖駅までは当線の特急「リレーつばめ」・「有明」が毎時3本ペースで運行されていたほか、長崎本線/佐世保線方面に直通する特急「かもめ」・「みどり」/「ハウステンボス」、久留米駅から久大本線に入る特急「ゆふ」・「ゆふDX」・「ゆふいんの森」も加わり毎時5~6本の特急が行き交う状態となっており、このため、特に普通列車は複数の駅で退避のための停車時間が増える事態となっていた。
2011年3月12日に九州新幹線が全通した際のダイヤ改正で上記のうち「リレーつばめ」が全廃、「有明」は朝夜のみの設定になり、「かもめ」と「みどり」の併結が解消されたため、昼間の特急は差引で毎時3~4本となり、快速列車の増発などが図られた。
2023年秋頃より、銀水~大牟田と、長洲~玉名~木葉が全国でも珍しい複線特殊自動閉塞に変換された。
主な駅
門司港駅 門司駅 小倉駅 博多駅 鳥栖駅 久留米駅 筑後船小屋駅 大牟田駅 荒尾駅 玉名駅 熊本駅 新八代駅 八代駅
駅一覧
●:停車、|:通過、▲:一部列車が停車、▼:快速区間・各停区間によって通過・停車は列車ごとに異なる
※鹿児島県のみ単線区間あり、優等列車はなし
門司港駅 ~ 荒尾駅
駅名 | 特急 | 区間快速 | 快速 | 乗り換え路線 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
門司港 | ● | ● | ● | 平成筑豊鉄道門司港レトロ観光線 | 駅舎が重要文化財に指定。ここから折尾駅まで特定都区市内制度における北九州市内駅 |
小森江 | | | ● | ● | ||
門司 | ● | ● | ● | 山陽本線 | 門司機関区所在 |
北九州貨物ターミナル | | | | | | | ||
東小倉(貨物) | | | | | | | 北九州貨物ターミナル駅開業により2002年より営業休止。小倉総合車両センター【旧・小倉工場】移転候補地とされている。 | |
小倉 | ● | ● | ● | ||
紫川信号場 | | | | | | | 紫川橋梁架け替えに工事より暫定的に開設されたが、架け替え工事完了に伴い2015年に廃止 | |
西小倉 | | | ● | ● | 日田彦山線は日豊本線城野駅で分岐 | |
浜小倉(貨物) | | | | | | | 2002年に発着列車は廃止されたが、一部列車の退避が設定されている。駅用地の一部が映画館やパチンコ屋などの複合施設にされた | |
九州工大前 | | | ▼ | | | ||
戸畑 | ● | ● | ● | 若戸渡船 | |
枝光 | | | ▼ | | | ||
スペースワールド | | | ▼ | | | ||
八幡 | ● | ● | ● | ||
黒崎 | ● | ● | ● | 貨物取扱駅 | |
東折尾信号場 | | | | | | | ||
陣原 | | | ▼ | | | 福北ゆたか線 | 福北ゆたか線直通快速は停車 |
折尾 | ● | ● | ● | 筑豊本線(福北ゆたか線・若松線) | かしわめしが有名 立ち売りも |
水巻 | | | ▼ | | | ||
遠賀川 | | | ▼ | | | 遠賀郡遠賀町で唯一の鉄道駅。かつては室木線と芦屋線が分岐していた | |
海老津 | | | ▼ | ▲ | 8:30から18:30までの時間帯は快速は通過 | |
教育大前 | | | ▼ | | | ||
赤間 | ● | ● | ● | ||
東郷 | ● | ● | ● | ||
東福間 | | | ▼ | | | ||
福間 | ● | ● | ● | 26両編成の貨物列車を退避させるため、一部の待避線有効長が非常に長い | |
千鳥 | | | ▼ | | | ||
古賀 | | | ● | ● | ||
ししぶ | | | ▼ | | | ||
新宮中央 | | | ▼ | | | 糟屋郡新宮町で唯一の鉄道駅 | |
福工大前 | | | ● | ● | ここから南福岡駅まで特定都区市内制度における福岡市内駅 | |
九産大前 | | | ▼ | | | ||
香椎 | ● | ● | ● | 香椎線 | 西鉄貝塚線西鉄香椎駅が近接。貨物支線起点駅 |
千早 | | | ● | ● | 西鉄貝塚線 | |
千早操車場(貨物) | | | | | | | 貨物支線分岐 | |
箱崎 | | | ▼ | | | 福岡市営地下鉄箱崎線箱崎宮前駅が近接 | |
吉塚 | ▲ | ● | ● | 篠栗線(福北ゆたか線) | 特急は一部通過。福岡県庁最寄り駅。福岡市営地下鉄箱崎線馬出九大病院前駅が近接 |
博多 | ● | ● | ● |
| かつては筑肥線が分岐していた |
竹下 | | | ▼ | ▲ | 博多運転区所在。かつては福岡空港(旧米軍板付飛行場)まで専用線が延びていた | |
笹原 | | | ▼ | ▲ | 西鉄天神大牟田線井尻駅が近接。福岡市南区で唯一のJR駅 | |
南福岡 | | | ● | ● | 南福岡車両区所在 | |
春日 | | | ▼ | | | 西鉄天神大牟田線春日原駅が近接 | |
大野城 | | | ● | ● | 西鉄天神大牟田線白木原駅が近接 | |
水城 | | | ▼ | | | 西鉄天神大牟田線下大利駅が近接 | |
太宰府信号場 | | | | | | | 4線化されており、上下列車とも退避および追い抜きが可能 | |
都府楼南 | | | ▼ | | | 太宰府市で唯一のJR駅 | |
二日市 | ● | ● | ● | 西鉄天神大牟田線紫駅が近接。かつて佐藤栄作元首相が駅長として勤務していた | |
天拝山 | | | ▼ | | | 西鉄天神大牟田線朝倉街道駅が近接 | |
原田 | | | ● | ● | 筑豊本線(原田線) | |
けやき台 | | | ▼ | | | ここから肥前旭駅まで佐賀県 | |
基山 | | | ● | ● | 甘木鉄道 | |
弥生が丘 | | | ▼ | | | ||
田代 | | | ▼ | | | 同一地点に鳥栖貨物ターミナル駅が所在 | |
鳥栖 | ● | ● | ● | 長崎本線 | |
肥前旭 | | | ▼ | | | ||
久留米 | ● | ● | ● | ||
荒木 | ● | ||||
西牟田 | ▼ | | | |||
羽犬塚 | ● | ● | かつては矢部線が分岐していた | ||
筑後船小屋 | ● | ● | 九州新幹線 | ||
瀬高 | ● | ● | かつては佐賀線が分岐していた | ||
南瀬高 | ▼ | | | |||
渡瀬 | ▼ | | | |||
吉野 | ▼ | | | |||
銀水 | ▼ | | | 西鉄天神大牟田線西鉄銀水駅が近接。ここから大牟田まで複線特殊自動閉塞 | ||
大牟田 | ● | ● | 西鉄天神大牟田線 | 貨物取扱駅 | |
荒尾 | ● | ● | 鹿児島本線(熊本方面) |
荒尾駅 ~ 八代駅
駅名 | 特急 | 快速 | 乗り換え路線 | 備考 |
---|---|---|---|---|
荒尾 | 鹿児島本線(久留米・博多・小倉方面) | |||
南荒尾 | 無人駅 | |||
長洲 | ここから熊本駅まで優等列車なし、ここから木葉駅まで複線特殊自動閉塞 | |||
大野下 | ||||
玉名 | ||||
肥後伊倉 | ||||
木葉 | 長洲駅からの複線特殊自動閉塞はここまで | |||
田原坂 | 無人駅。ここから富合駅まで熊本市内 | |||
植木 | ||||
西里 | 無人駅 | |||
崇城大学前 | ||||
上熊本 | ||||
熊本 | ● | ● | 特急は三角線直通「A列車で行こう」と肥薩線直通「かわせみやませみ」「いさぶろう・しんぺい」、快速は肥薩おれんじ鉄道直通「スーパーおれんじ」(熊本~出水。土休日のみ運行)と肥薩線直通(SL人吉)のみ | |
熊本操車場(貨物) | | | | | 旅客駅は西区春日三丁目所在だが、貨物操車場は西区蓮台寺四丁目に所在 | |
西熊本 | | | | | 無人駅 | |
川尻 | | | | | ||
富合 | | | | | 無人駅 | |
宇土 | ● | | | 三角線 | 特急は「A列車で行こう」のみ |
松橋 | | | |||
小川 | | | |||
有佐 | | | |||
千丁 | | | |||
新八代 | ▲ | 九州新幹線 | 快速スーパーおれんじは通過。肥薩おれんじ鉄道からの折り返し列車あり | |
八代 | ● | 貨物取扱駅。ここまでSUGOCA北九州エリア。Suica首都圏エリアからのJR在来線交通系ICカード連続エリアの南限 |
川内駅 ~ 鹿児島駅
全区間SUGOCA鹿児島エリア。
駅名 | 乗り換え路線 | 線路 | 備考 |
---|---|---|---|
川内 | ◇ | ここから木場茶屋駅まで単線区間。貨物取扱駅。かつては宮之城線が分岐していた | |
隈之城 | ◇ | 無人駅。肥薩おれんじ鉄道からの折り返し列車あり | |
木場茶屋 | ∧ | 無人駅。ここから串木野駅まで複線区間 | |
串木野 | ∨ | ここから東市来駅まで単線区間 | |
神村学園前 | | | 無人駅 | |
市来 | ◇ | ||
湯之元 | ◇ | ||
東市来 | ∧ | ここから鹿児島駅まで複線区間 | |
伊集院 | ∥ | かつては鹿児島交通枕崎線が分岐していた | |
薩摩松元 | ∥ | 無人駅。ここから鹿児島市内 | |
上伊集院 | ∥ | ||
広木 | ∥ | 無人駅 | |
鹿児島中央 | ∥ | 定期特急は日豊本線方面(きりしま)のみ | |
鹿児島 | ∨ | 同一地点に鹿児島貨物ターミナル駅が所在 |
貨物支線(博多臨港線。廃止区間を含む)
駅名 | 備考 |
---|---|
香椎 | 貨物支線起点駅 |
千早操車場 | 貨物支線分岐点。JR貨物の操車場では珍しい高架式操車場。福岡貨物ターミナル駅始発の鳥栖・熊本・鹿児島行きの貨物列車の方向転換も行われている。 |
福岡貨物ターミナル | 1975年開業。当駅まで電化。当駅から先は廃止区間。 |
博多港 | 1942年開業。もともとは現在の博多港中央埠頭東側に所在し博釜連絡船の船客待合室を含めた駅して機能したが、軍用列車優先で、実際は御笠川右岸にあった竜頭崎信号所で旅客(軍人)と貨物を扱い、一般旅客と手荷物は博多駅からバスとトラックで移動した。1986年、駅舎を竜頭崎信号所に移転し中央埠頭にあった旧駅に向かう線路は廃止された。1998年廃止。 |
福岡ボート前(臨) | JR九州の臨時駅として1989年8月3日から8月6日まで営業。アジア太平洋博覧会を記念して博多臨港線で旅客列車を運行した際に福岡競艇場の近くに設置。58654号機牽引の客車列車とキハ58系「アクアエクスプレス」で香椎駅から当駅まで運行された。 |
福岡港 | 1954年、竜頭崎信号所から延伸する形で開業。1985年に廃止されるも、1996年までは博多港駅の構内扱いで線路は存続。 |
福岡市場 | 福岡市中央卸売市場(鮮魚市場)構内に所在していた。1964年開業。1982年廃止。1982年から1985年までは福岡港駅、1995年まで博多港駅の構内扱いで線路は存続。かつてはレサ10000系列で組成された鮮魚高速貨物列車の起点駅のひとつであった【もうひとつは長崎本線の長崎港駅】 |
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