概要
首都 | ローマ |
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面積 | 30万2068平方キロメートル |
人口 | 6028万5761人(2022年6月) |
通貨 | ユーロ |
公用語 | イタリア語 |
国家元首(職) | 大統領 |
政体 | 議院内閣制 共和国 |
イタリア共和国(イタリアきょうわこく、イタリア語:Repubblica Italiana、読み:レプブリカ・イタリアーナ、通称:イタリア)は、南ヨーロッパに位置する共和国。同国は国際連合加盟国・G7及びG20参加国・北大西洋条約機構加盟国・パリクラブ参加国・ヨーロッパ連合加盟国などであり、文化的・経済的・政治的に大きな影響を及ぼす列強の一角に数えられる。地図上では「長靴みたいな形の国」として覚えられやすい。地中海の海の幸も豊富で、食文化が栄えている他に美術や音楽など芸術が盛んな国としても知られる。スポーツも盛んで、ヨーロッパのサッカー強豪国に数えられる。
歴史
古代には半島の北部にケルト人が居住し、南部にはギリシア系の植民が相次いだ。伝承では紀元前8世紀にローマが建国され、前3世紀にかけて半島全土を統一し、やがてローマ帝国へと発展していく。その後4世紀末の東西分裂と5世紀から始まる民族大移動の影響を受けて全土は荒廃し、ローマは教皇座があるだけの小都市となり果てていた。しかし地中海交易に出やすい位置と、元々ヨーロッパの中では豊かな農地を受けて徐々に回復し、さらに神聖ローマ皇帝の支配も衰えて多数の自治都市が成立した。
やがて12世紀までには北部平原やトスカーナに割拠する自治都市群、中部を占める教皇領、南部を統一するナポリ・シチリア王国(両シチリア王国)に分かれた。さらにその富をもとに16世紀にかけて様々な産業・文化・学芸が開花した。この時代をルネサンス期と呼び、今日のイタリア主要都市の外貌が整った(ミラノ、フィレンツェ、ヴェネツィア、ローマ、ジェノヴァ、ナポリなど)。この時期はトスカーナ語が標準イタリア語と定められ、「イタリア人」としての意識が生まれ始めた時代でもある。だが小国群故に諸国からの介入には弱く、18世紀までに北部の多くの地域がオーストリア・ハプスブルク家の支配下に入り、南部のナポリ王国はスペインの王室が国王に入る形となる(アラゴン連合王国)。
1805年3月にナポレオン・ボナパルトを元首とするフランスの衛星国として、イタリア共和国からイタリア王国が北部に建てられる。ウィーン会議によってオーストリア帝国の影響下で旧体制が復活したが、ナショナリズムが高揚して北部のサヴォイア公国(後のサルデーニャ王国)が中心となる形で、1861年3月にイタリア半島のほぼ全域が統合された。この過程でナポレオン3世との密約が締結され、サヴォイアとニースがフランスに割譲された。
1918年11月の統一後に北部は工業・商業が発展するものの、南部は農村地帯が大半のままで近代化に取り残された。第一次世界大戦後はムッソリーニ率いるファシスト政権が台頭し、1939年9月の第二次世界大戦勃発後は枢軸国側として参戦したが、準備不足がたたってナチス・ドイツの軍事的支援に頼るようになる。1943年7月にベニート・ムッソリーニが失脚し、それに伴って一転して連合国側に転じてドイツと交戦する。
1946年6月に王室は追放され、現代のイタリア共和国が成立した。戦後は後に「奇跡的復興」と呼ばれる高度経済成長が実現したが、政治家の汚職・マフィアの台頭による政情不安が続いてテロ事件が多発した。
地理
同国の隣接国はフランス・スイス・オーストリア・スロベニアであり、バチカンとサンマリノを取り囲んでいる。地中海に突き出した半島は北部の山沿いを除いては温暖でほどよく乾燥している為、オレンジ・オリーブ・ブドウ・レモンなど果樹の栽培が盛んである。北部には米食文化もあり、稲作も盛んに行われる。
1871年7月以来首都はローマであり、かつてのローマ帝国の中心都市でもあった。その為ローマ市内を初めとするイタリア国内には数多くの古代遺跡がある。ルネサンスの中心地でもあり、フィレンツェ・ローマ・ヴェネツィアなどに豊富な世界文化遺産を有する。
プレート境界に位置している為、日本と同様に地震・火山の噴火などが多い。79年10月に発生したベスビオ火山の大噴火によって埋没した都市の「ポンペイ」は有名である。シチリア島北東部にある「エトナ火山」はヨーロッパ最大の活火山であり、有史以降数多くの噴火記録がある。
経済
同国の産業の主力は機械産業で、その中でもやはり自動車産業が強い。自動車ではフィアット一強で、かつては「フランスはルノーを持っているが、フィアットはイタリアを持っている」とまで評された。他の主力産業はアパレル・医薬品・化学・鉄鋼・観光などがある。農林水産業や食品加工業も強いが、麻薬・売春のような闇経済も巨大である。先進国の中では日本と並んで中小企業の比率が高い国で、工芸・食品・アパレルのような産業はもちろん、機械や金属などの分野でも中小企業が実質的にイタリアの輸出や花形産業を支えている。
観光業は全土にある著名な名所・名跡・景勝地・リゾート地に世界中から観光客が押し寄せるほど恵まれており、イタリアの基幹産業の1つである。一方で「呼び込まずともどんどん来る」ほど盛んな為、ホテルの設備など各種ハード面では低い評価を受けている。
イタリアは世界第8位の経済力を有する国とされるものの、近年は勢いが失速している。経済力はイギリスとフランスにも水を開けられており、国民1人当たりの水準でもEU圏の平均を下回る。さらに南北格差も激しく、南部は失業率が高い。政府は慢性的な財源不足に陥っており、2010年以降は財政赤字の削減をEUから迫られてきた。これが国民のEU不信へと繋がり、中国の一帯一路に参加を表明することになった。
少子高齢化が進んでいる上、2019年11月以降の新型コロナウイルスの猛威はイタリア経済に大打撃を与えている。
社会
イタリア人は家族を大切にする。成人男性でも親と暮らす家庭が多く、親子でキスをする光景は珍しくない。家庭の時間を何より大切にし、家事にかける平均時間は男女共に日本人より長い。週末は家族親戚が集まって食事を共同で準備し、長い時間をかけて世間話に花を咲かせて楽しむ習慣は現在も根強く残っている。
この為親戚の子供の面倒を見る事が一般的であり、家族主義が強固なイタリアは無宗教化が進行しながらも離婚率はヨーロッパ圏では非常に低い水準にある。
イタリアの社会はしばしば「都市国家の集合体」・「イタリア人と意識するのはスポーツの国際試合だけ」と言われるほど地域主義の傾向が強い。方言と名字の地方性と社会階層の鈍い流動性は現在でも色濃く受け継がれ、地元のスポーツチームは軍、国内リーグは一種の戦争の代替ツールとして機能している。
特に南部と北部の対立感情の激しさは良くも悪くも名高い。SSCナポリに所属していたアルゼンチン人サッカー選手のディエゴ・マラドーナ(自身もナポリ移民の子孫)はワールドカップでイタリアとナポリにて対戦する事になった際、「普段ナポリ人をアフリカ人と罵る北部の連中が、明日だけはイタリアを応援しろとはずいぶん虫の良い話だな。」と心理戦を展開した事もある。
イタリアの有名人
- ダ・ヴィンチ
- ミケランジェロ
- ラファエロ
- サリエリ
- フェデリコ・フェリーニ
- ニューシネマパラダイス
- イタリアンスパイダーマン
- カリメロ
- ミオ&マオ
- トッポ・ジージョ WinxClub
- ザッケローニ
- パンツェッタ・ジローラモ
- ロザリア・ロンバルド
- ムッソリーニ
イタリアが舞台となる作品
- アサシンクリード2…15世紀イタリア
- GUNSLINGER GIRL…架空の現代イタリア
- BITTERSWEETFOOLS…現代のフィレンツェ
- 紅の豚…架空要素を含むが世界大恐慌時のイタリア・アドリア海
- ジョジョの奇妙な冒険 第5部・・・西暦2001年のイタリア
- 走れメロス 古代のシチリア島
- リストランテ・パラディーゾ/GENTE
- 劇場版ポケットモンスター水の都の護神 ラティアスとラティオス
- 劇場版ラブライブ!サンシャイン!!
- 聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話・・・18世紀イタリア
- ルパン三世PART4
イタリア関連のキャラクター
ドールズフロントライン
随時募集中
注意
pixivでは、「Axis Powers ヘタリア」関係のイラストに付けられる場合もあるが、擬人化キャラクターと通常国家作品(ex風景画など)とを区別する為推奨されない。詳しくは関連タグのヘタリアの人名・愛称タグ一覧を参照。
その他曖昧さ回避
リットリオ/リットリオ(艦隊これくしょん)....第二次世界大戦期のイタリア海軍戦艦リットリオは、ムッソリーニ政権崩壊後に「イタリア」と改称している。