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ホースの暗黒面

ほーすのあんこくめん

ウマ娘の二次創作において、モデルとなった実際の競走馬の血縁関係をネタにした作品に用いられるタグ。

概要

メディアミックス作品「ウマ娘プリティーダービー」において、ウマ娘同士の間で好意や憧れの視線が向けられたりそれを受け入れたりといった交流が描かれることがある。そのウマ娘たちはその世界では血縁関係も何もない赤の他人同士という設定なのだが、実は史実と照らし合わせると憧れる方が実の子や子孫、憧れられる方が実の親や先祖という衝撃の事実がわかるようになっている。もしこの事実をウマ娘たちが知っていたら…という二次創作ネタである。

タグ名は『STAR WARS』のEP5のクライマックスにおいて、ダース・ベイダー主人公に対し自分が父親であることを明かした名シーン(「フォースの暗黒面」)に由来する。

なお、スターウォーズ関連のウマ娘のイラストに付けられることもある。

モデル馬が親子であるウマ娘の例

各モデル馬を中心に解説する。

比類ない強さを誇り、強すぎて退屈だとまで言われた七冠馬「皇帝」シンボリルドルフ号

その産駒の中でも、トウカイテイオー号は、その気品ある立ち姿から「貴公子」、幾度の骨折から復活した姿から「奇跡の帝王」と呼ばれ、父以上の人気を得た。

ツルマルツヨシ号はトウカイテイオー号の異母弟(※1)にあたり、数々の病気やケガに悩まされ、GⅠ勝利こそなかったが、GⅡである京都大賞典において、スペシャルウィーク号テイエムオペラオー号、下記のメジロブライト号を抑えて勝利する活躍をみせた。

2022年7月20日にはこの3名を対象にしたSSRグループサポートカード「[尊尚親愛]玉座に集いし者たち」が登場している。

圧倒的強さで(※2)無敗のまま2001年の皐月賞を勝利するも、故障によりわずか4戦で引退したアグネスタキオン号

その仔ダイワスカーレット号は、父と同じくあまり頑丈な身体ではなかったが、現役12戦の全てで2着以上、GⅠ4勝と血筋の確かさを証明した。

キングヘイロー号は「黄金世代」と呼ばれた98世代の中で苦闘し、ついに短距離に道を見出し高松宮記念で念願のGⅠ優勝。

仔のカワカミプリンセス号オークス秋華賞で勝利し、牝馬としてのキャリアではあるが父の届かなかった三冠競走で二冠を達成した。

ウマ娘化されたのはカワカミプリンセスが先で、後にキングヘイローが追加された。

雄大な馬体で人気の高かった父・メジロライアン号

その産駒の内、代表的な牝馬がメジロドーベル号である。エリザベス女王杯2連覇などでGⅠ5勝、更には史上初の4年連続のJRA賞選出を果たした。(※3)

メジロブライト号はメジロドーベル号の異母兄(※1)にあたり、こちらもメジロライアン号産駒を代表する競走馬。GⅠ勝利は天皇賞(春)のみだが、獲得賞金はメジロドーベル号を上回る。

タニノギムレット号は、武豊鞍上として松国ローテで2002年の日本ダービーに出走し、優勝を飾った。

その産駒である牝馬ウオッカ号は5年後の2007年、クリフジ号以来64年ぶり、そして競馬史上初となる父娘による日本ダービー制覇を果たした。

ウマ娘化されたのはウオッカが先であり、後にタニノギムレットが追加された。

…なお、ウオッカの元ネタは歴史に残る牝馬であるが、牡馬顔負けの戦績からギムレットがウオッカを息子と間違えるネタは現役時代鉄板である。ウマ娘ではさらに発展して👁「擬人化を解いても女のままだぞ!」という二転三転するネタも…

ジャングルポケット号は、2001年の日本ダービーに出走、勝利し21世紀最初のダービー馬となった他、3歳でジャパンカップも制覇した府中巧者として知られる。

その産駒であるトーセンジョーダン号は蹄の脆さに泣かされたものの2011年の天皇賞(秋)を勝利(※4)。

ウマ娘化されたのはトーセンジョーダンが先で、後にジャングルポケットが追加された。

ネオユニヴァース号は、当時短期騎手免許で来日していたミルコ・デムーロを鞍上として2003年の皐月賞日本ダービーの二冠を達成した。

その産駒であるサウンズオブアース号の主な勝ち鞍は500万下(現・1勝クラス)の条件戦であるはなみずき賞のみであるものの、2014年の菊花賞、2015年の有馬記念、2016年のジャパンカップ等GⅠを含めた重賞競走にて2着が7回、重賞未勝利ながら4億6744万円(※5)を稼ぎ、「最強の2勝馬」と呼ばれた。

ウマ娘化されたのはネオユニヴァースが先で、後にサウンズオブアースが追加された。

※1…競走馬に於いて両親もしくは母親が同じ場合にきょうだいと看做される為、母親がそれぞれ異なるトウカイテイオー号とツルマルツヨシ号及びメジロブライト号とメジロドーベル号は基本的に兄弟(兄妹)扱いはされない。

※2・・・特に第17回ホープフルステークス(当時はラジオたんぱ杯3歳ステークス)では当時のレースレコードである2分0秒8を記録し、2021年の第38回にてキラーアビリティが0.2秒更新するまで破られなかったほどでもある。

※3・・・1996~1999年。4年連続でJRA賞年度表彰を受けたのは他にはスペシャルウィーク産駒のブエナビスタ(2008~2011年選出)のみだが、JRA賞特別賞を含めると下記のウオッカも達成している。

※4…GⅠ勝利はこのレースのみであるものの、この時のレースレコードである1分56秒1は芝2000mのJRAレコードでもある。2022年現在もこの記録は破られていない。

※5…この金額は2023年現在も重賞未勝利馬の獲得賞金歴代1位の記録となっている。

モデルが祖父母と孫の関係であるウマ娘の例

名門メジロ牧場の生産馬の中でも、特に輝かしい成績と名声を手にしたメジロマックイーン号

その娘の産駒――つまり孫(母父の子)にあたるのが、GⅠ6勝の名馬でありながらその奇行の数々から迷馬とも言われたゴールドシップ号である。

ウマ娘』では、公式でもかなりコミカルなやり取りをするコンビとなっている。

詳細は「孫ルシー」等を参照。

短距離・マイルで結果を出した名スプリンターのサクラバクシンオー号

その娘の産駒である孫(母父の子)のキタサンブラック号は、天皇賞(春)などの長距離を制したステイヤーとなった。

長らく両者の絡みは無かったが、アプリゲーム版リリース一周年記念アニメで遂に対面を果たした。

実装されたキタサンブラックの育成ストーリーにも登場し深く関わってくる。更にイベント『羽ばたきのRun-up!』ではトライアスロンチームでチームメイトになった。

サクラバクシンオーは、ゲーム版育成シナリオでは当初長距離挑戦も志望していたことから、二次創作では長距離で結果を出すキタサンブラックとの絡みが描かれることも多い。

天皇賞(秋)有馬記念を2連覇し、種牡馬としても大成したシンボリクリスエス号。そして史上初の無敗の三冠牝馬デアリングタクト号はシンボリクリスエス産駒エピファネイア号の産駒、つまりウマ娘では初となる「父父(父方の祖父)と孫」の関係にあたる。

なお、エピファネイア号の母父(母方の祖父)はスペシャルウィーク号なので、デアリングタクト号はスペシャルウィーク号、そしてマルゼンスキー号の血もひいている。

上記両方の関係を持つウマ娘の例

マルゼンスキー号は活躍時期が1970年代後半とウマ娘となった競走馬の中で最古参であるためか、作中に登場するウマ娘のモデルの中に断トツで子供や孫が多い

マルゼンスキー号の産駒であるサクラチヨノオー号は、持込馬であったため日本ダービーへの出走が叶わなかった父に代わり昭和最後の日本ダービーを制した。

『ウマ娘』のチヨノオーはマルゼンスキーに憧れている。また、赤い車を見ると思わず目で追ってしまうらしい。

血縁上の孫(いずれも母父がマルゼンスキー号)にあたるスペシャルウィーク号ウイニングチケット号ライスシャワー号メジロブライト号は90年代競馬を彩った名馬たちであり、『ウマ娘』においてはマルゼンスキーが何かと気にかけている後輩という立ち位置。「あの娘が水着に着替えたら ウマ娘夏物語」ではスランプ状態のスペシャルウィークをマルゼンスキーがウイニングチケットと一緒にバブリーランドへ連れて行った。

メジロブライト号はメジロライアン号の産駒でもあるが、母方の祖父がマルゼンスキー号なので父であるメジロライアン号とマルゼンスキー号に血縁は無い。血縁故か容姿にはマルゼンスキーの面影がある。

スプリンターとして活躍したカレンチャン号は血縁上はひ孫にあたる。アプリ内イベントで瞑想中のカレンチャンの白昼夢に登場し、ナウなヤングにバカ受けのダンスを伝授して未知のカワイイに目覚めさせる、という難解な展開を繰り広げた(こんなイベントだが各ステータスが上昇する)。

  • 来孫
    • デアリングタクト(右)

2020年の無敗三冠牝馬デアリングタクト号の曾祖父(父母父)はスペシャルウィーク号であり、その母方の祖父であるマルゼンスキー号とも血縁関係にある。もはや競馬の血統表にも書かれず呼び方が無いほど遠い世代ではあるが。

また、名前を伏せてメインストーリー最終章に登場した際、このウマ娘がデアリングタクトとされた根拠の1つが、最終章の主人公であるスペシャルウィークの血をひいていることであった。

番外(後追い・オリジナルウマ娘・キャラクターのモデルなど)

この3人は、ゲーム版『ウマ娘』に登場するモデル馬の存在しないウマ娘であったが、2022年、ハッピーミーク号・リトルココン号・ビターグラッセ号という競走馬が登録された

奇しくもそれぞれ血統にウマ娘で実装されている競走馬がおり、

・ハッピーミーク号は母方の祖父にゼンノロブロイ号

・ビターグラッセ号は父方の祖母にエアグルーヴ号、母方の祖父にサクラバクシンオー号。

・リトルココン号は、父方の祖父に同じくサクラバクシンオー号。

となっている。

他のウマ娘とはちょっと違うが、後追いというか「逆実装」のような形でこの3人もホースの暗黒面の仲間入りをすることとなった。

トレセン学園理事長・秋川やよい。彼女のモデルと思われているのが「日本競馬の血統を大きく塗り替えた種牡馬」としても名高いノーザンテースト号とされる。

鼻出血や蕁麻疹などに悩まされながらも32戦8勝の生涯戦績と5億1752万7400円の獲得賞金を残したマチカネタンホイザ号もこのノーザンテースト号の産駒であり、『ウマ娘』のマチカネタンホイザにもゲーム版の育成ストーリーで大きく関わってくる。

ノーザンテースト号が大種牡馬なためウマ娘化されている血縁は他にも大勢存在し、その数はマルゼンスキーを上回るが、今のところ特別に絡んでいるのはタンホイザ1人だけである。

ただし、秋川やよいがウマ娘であるとは公式には明言されておらず、飽くまで非公式のネタなので、本項目に含めていいのかは微妙なところだが。

漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』に登場するアキツテイオーは、ニッポーテイオー号がモデルと思われる。

史実ではニッポーテイオー号の産駒が、「負け組の星」として一大ムーブメントを巻き起こし「高知競馬場の救世主」となったハルウララ号である。現状、公式での接触はまったくないが、ハルウララ主人公の漫画『ハルウララがんばる!』ではウマ娘の設定が固まってない頃の名残か、父ニッポーテイオーの名前が登場する。

漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』に登場するディクタストライカは、1988年のマイルチャンピオンシップ等を制したサッカーボーイ号がモデルと思われる。

サッカーボーイ号の代表的な産駒が1999年の菊花賞馬ナリタトップロード号、そして2002年の菊花賞を初めGⅠ3勝を全て6番人気以下で挙げ、日本競馬史上屈指の高額払戻金を記録したヒシミラクル号である。

また、アニメ版『ウマ娘プリティーダービー』に登場するアニメオリジナルウマ娘の一人であるキンイロリョテイはステイゴールド号がモデルと思われ、こちらはサッカーボーイ号の直子ではないが甥(血統が全く同じな全妹の仔)であり、ネットでは一部のファンに「ディクタストライカの伯父貴」と呼ばれている。

キンイロリョテイ側のネタはステゴ一族並びにステマ配合の記事を参照。

漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』に登場するトニビアンカは、トニービン号がモデルと思われる。トニービン号は凱旋門賞を制した名馬であり、現役引退後は日本に輸入され、サンデーサイレンスブライアンズタイムに並ぶ日本三大種牡馬としても活躍した。

代表的な産駒には上記の1993年のダービー馬ウイニングチケット号や1996年のオークス馬であり1997年の天皇賞(秋)を制したエアグルーヴ号、上記の2001年のダービー馬ジャングルポケット号が挙げられる。

また、アプリ版のユキノビジンの育成シナリオ内に登場するハープアルファもトニービン号の代表的な産駒で1993年の二冠牝馬であるベガ号がモデルと思われる。また、アニメ版『ウマ娘プリティーダービー Season2』に登場するアニメオリジナルウマ娘の一人であるペラも同様にベガ号がモデルであると思われる。

上記のトーセンジョーダン号はジャングルポケット号の産駒であり、トニービン号は父方の祖父に当たる。

アドマイヤベガ号はベガ号の産駒で1999年のダービー馬であり、トニービン号は母方の祖父に当たる。

上記のカレンチャン号は母方の祖父がトニービン号である。

2017年のジャパンカップ制覇を初め堅実な成績を残したシュヴァルグラン号は曾祖父(父母父)がトニービン号である。

アプリ版のキタサンブラックの育成シナリオ内に登場するブリュスクマンは2015年の牡馬クラシック二冠を制したドゥラメンテ号がモデルであると思われ、母方の祖母にエアグルーヴ号がおり、トニービン号は曾祖父(母母父)にあたる。

漫画『ウマ娘プリティーダービー スターブロッサム』に登場するサンダンスブレイズは、ダンシングブレーヴ号がモデルと思われる。

ダンシングブレーヴ号もまた上記のトニービン号同様凱旋門賞を制した名馬であり、現役引退後に種牡馬入りしてからは病に苦しめられたものの日本に輸入され、成功を収めた。

また、アプリ版のシナリオの一つである「プロジェクトL‘Arc」内に登場するゲームオリジナルウマ娘リガントーナも同様にダンシングブレーヴ号がモデルであると思われる。

代表的な産駒には上記のキングヘイロー号等が挙げられる。

同じく上記のカワカミプリンセス号はキングヘイロー号の産駒で、ダンシングブレーヴ号は父方の祖父に当たる。

アプリ版のメインストーリー最終章後編にてウマ娘にて初登場したモンジュー号も上記のトニービン号、ダンシングブレーヴ号同様に凱旋門賞を制した他、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスなども勝利し当時欧州最強と謳われた名馬であり、1999年のジャパンカップにも出走。

アプリ版登場以前にはアニメ版『ウマ娘プリティーダービー』にてブロワイエという名で登場。容姿も担当声優も後に登場したウマ娘のモンジューとは異なる。

また、アプリ版のシナリオの一つである「プロジェクトL‘Arc」内に登場するゲームオリジナルウマ娘ヴェニュスパークアレッジド号以来となる凱旋門賞連覇を達成した名牝トレヴ号がモデルと思われ、モンジュー号の産駒であるモディヴェイター号の産駒であり、特殊な形ではあるが此方も「父方の祖父と孫」の関係にある。

漫画『ウマ娘プリティーダービー スターブロッサム』に登場するヨシノプリヴェールは、マルゼンスキー号の産駒では珍しかった気性難で知られたサクラエイコウオー号がモデルと思われる。サクラエイコウオー号はGⅠ勝利こそ無いが1994年の弥生賞、1996年の七夕賞といった重賞を制するなど確かな実力の持ち主であり、引退後も2023年現在で32歳と存命中であり同時に存命最高齢のJRA重賞勝利馬である。

また、アニメ版『ウマ娘プリティーダービー Season2』に登場するアニメオリジナルウマ娘の一人であるリオナタールも同じくマルゼンスキー号の産駒であり、1991年の菊花賞馬レオダーバン号がモデルであると思われる。レオダーバン号は引退後は父マルゼンスキー号の後継種牡馬として期待されたが目立った成績を残せず、2001年に種牡馬を引退。当時は功労馬の繋養制度が整備されていなかったのもあり、クラシック競走の勝ち馬にもかかわらず、その後の消息は不明となっている。

編集者:シェスカ
編集内容:内容修正・追加。