基礎データ
進化
ウパー → ヌオー(レベル20)
概要
『ポケモン金銀』から登場しているウパーの進化系。
進化前はウーパールーパーがモチーフだったのに対し、こちらはオオサンショウウオがモチーフで、新たに腕が生えたその体系はまさにサンショウウオそのもの。
体色はウパー同様水色だが、耳の触角(エラ)がなくなり、代わりに背中へ紫色のヒレ状の器官が出来た。雌雄の違いとして、♂の方が背びれが長い。
目は依然点目ながら、笑顔を作ったり、きゅっと瞑ったりと表情はかなり豊か。
全身の皮膚は乾燥を防ぐためにいつも粘膜でぬめっており、日差しが苦手なので日中は水の中で過ごすことが多い。
その呑気な顔つきに違わぬのんびり屋な性格で、水中を気ままに泳いでは、よく川底の岩や船底に頭をぶつけているが、石頭なためまったく気にしていない。
同時に仲間想いでもあり、よく自分達を頼ってくる臆病なウパー達を優しく見守っている模様。
待ち伏せ型の狩りをする生態でもあり、保護色となる水中で大きな口を開けたまま、エサが偶然飛び込んでくるのをひたすら待っている。
このようにあまり動かないので、代謝が少なく空腹にも強いが、身体自体は意外に柔軟。アニメでは体を上手く捻る事でエナジーボールを回避している。
その悠々自適でゆるい雰囲気から、奇妙な雰囲気がウケたネイティオ同様、二世代産のポケモンでは熱狂的な人気を誇る。
アニメでの鳴き声は名前のまんまであるが、創作では「ぬ」や「ぬー」と表現される事が多い。
色違いは水色の全身が紫色となり、かなり派手で分かりやすい。
名前の由来は「沼+サンショウウオ」あるいは「沼の王」らしく、中国語に至っては「沼王」とそのまんまである。
ゲーム上の特徴
初出こそ金銀だが、生息域はカントー地方に偏っていた(HGSSではジョウト地方での生息域が若干広がっている)。
湿地帯のポケモンなため、水上や水辺近くの草むらで出現するが、元々ポケモンに「沼」の概念が無きに等しかった為に沼地での生息は確認されてはいなかった。洞窟にまで出現するが、こちらはサンショウウオの生態的には間違ってはいない。
第4世代では212ばんどうろやノモセ大湿原といった沼地のマップが導入され、晴れて「ぬまうお」の分類に説得力を獲得。
その後も8ばんどうろ(イッシュ)、14ばんどうろ(カロス)、清涼湿原と、沼地に出現する割合も増えている。
性能
HP | こうげき | ぼうぎょ | とくこう | とくぼう | すばやさ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
95 | 85 | 85 | 65 | 65 | 35 | 430 |
ぼーっとした愛らしい見た目や高いとはいえない能力とは裏腹に、優秀なタイプと特性で常に一定の活躍を見せているポケモン。
シリーズ初となる「みず/じめん」の複合タイプで、当時の雑誌等では「でんきが効かないみずポケモン」の触れ込みで紹介されていた。
レベル習得するわざも強力で使い勝手の良いものが多く、シナリオでも戦力+水辺の移動要員として連れていきやすい。
ただ草タイプは4倍弱点なのでそこだけ気をつけたいところ。
第2世代
初登場当時は固有タイプだった。
種族値があまり高くなく、硬いポケモンが幅を利かせていた対戦環境ではそれほど活躍できなかったが、入手の容易さと育てやすさからシナリオでは連れていく人が多かった。
「なみのり」と「じしん」をタイプ一致で打てる時点で十分強い。
第3世代・第4世代
第三世代からはみず技を吸収する特性「ちょすい」が追加された。
素早さこそ低いものの、ギャラドスやエレキブルなどの強力なポケモンと有利に戦えることから対戦でも活躍を見せ始める。
とりわけみず技+「かみなり」の構成が多いカイオーガを場合によっては完封できたことは特筆に値した。
ポケモンコロシアムのシナリオモードでは序盤にパイラタウンでスナッチできる。すべてのバトルがダブルバトルという仕様なため、「なみのり」+「じしん」という強力な全体技で大活躍した。
第5世代~第8世代
だいぶ増えてきた同タイプの中では低めの種族値が気になり始める。
隠れ特性に同じ「ちょすい」を持つガマゲロゲの登場や、トリトドンの特性「よびみず」がみず技を無効化できるようになったことなどからライバルが台頭した。
一方で、ヌオーも相手の能力アップを無視できる強力な隠れ特性「てんねん」を得たため、別の戦い方でも活躍ができるようになった。
インフレが進んだ現在の環境の中にあっても、多くの積みアタッカーにタイプで有利を取れることから積みストッパーとしての地位を確立している。
ただ「てんねん」を貫通する「かたやぶり」持ち(特にオノノクス)や技「フリーズドライ」の存在、「パワーウィップ」の配布、ダイマックスの「ソーラービーム」速射化など、不利な要素が飛び易くなったことは痛手。
第8世代の環境では、環境トップのエースバーンに対して負け筋がほぼ無いという点で注目される…と思われたが同じく環境トップのゴリランダーには手も足も出ずやられてしまうことからあまり使用率は伸びなかった。
が、禁止級解禁のシーズン15では出禁で大暴れしている最強格のザシアンを止められるポケモンとして注目を集めた。
マックスレイドバトル
マックスレイドバトルにおける捕獲不能の強敵として2020年2月27日にミュウツーが出現した。その圧倒的な強さゆえに多くの対策が必要とされオーロンゲ、月食ネクロズマ、マーシャドーなどの伝説のポケモンやガチガチに対策が取られたポケモンたちが攻略候補に挙がる中(詳しくはミュウツーの記事参照)、仲間内でのお手軽な攻略法としてヌオー×4という攻略法が見いだされた。
ミュウツーの「ほうでん」を無効化し、「くろいきり」で相手の能力上昇を抑え、全員で「なみのり」をすることにより、ちょすいで互いを回復しあいながら攻撃を続けることが出来るため、下手にガチガチに対策を練ったポケモンよりも活躍してしまうという事態が起きるのであった。
そして、DLC第1弾『鎧の孤島』の配信を記念して行われた、2020年6月18日では、ゼラオラが同じくマックスレイドバトルに登場する。
その中でも、色違いのゼラオラは上述のミュウツー同様に生半可な野良パーティーでは突破が難しい強敵であったが。
もちろん、この色違いゼラオラに対しても対策が必要で、バンバドロやネンドールなど、じめんタイプのポケモンが活躍するのだが……ほかにも簡単な攻略方法が存在した。
それはゼラオラがタイプ一致で繰り出すほうでんや「プラズマフィスト」を無効化し、なおかつ「ブレイズキック」を半減で受け止め、ダイマックスポケモンの能力上昇を防ぐてんねん、もしくはお互いを回復しあえるポケモン……つまり、ヌオーである。
こうしてゼラオラもまたてんねんヌオー×4もしくは、ちょすいヌオー×4の前に沈んでいくのである。なんなんだこいつら……
ただし、相手が特性をかき消すと「ちょすい」と「てんねん」が機能しなくなるのでそこだけは注意。
第9世代
ゲーム中でパルデアウパーとは別に原種のウパーも入手可能なのでこちらも続投。ただし、パルデア図鑑には原種のウパーともども登録されないため、現時点では図鑑を見ることができない(ガラルニャースなどと同じ仕様)。
新技として、攻撃技は相手の攻撃を確実に下げられる「ひやみず」、補助技はレート戦・ランクマッチではお馴染みだったがこれまで覚えなかった「ステルスロック」「どくびし」「まきびし」を新たに習得。よりサポート役や物理受けポケモンとして活躍できるようになった。ひやみずは特性てんねんとの相性がよくないので、後続へのサポートをメインとして使うと良いだろう。
一方で「じこさいせい」のPP下方修正があり、若干長期戦が厳しくなった。さらに、地面タイプを持たないものの同じてんねん持ちの水タイプで「あくび」が使用可能、更に物理方面の数値が優秀であり「じわれ」でワンチャンを作れるライバルの新ポケモンヘイラッシャも登場している。
ランクマッチでも引き続き活躍が期待されていたが、シリーズ1のレギュレーションで使用可能なポケモンはパラドックスポケモンと災厄ポケモンを除くパルデア図鑑のポケモンのみ。前述の仕様からパルデア図鑑に登録されないヌオーは思わぬ形で出禁枠になってしまった。今後に期待したいところである。
使用トレーナー
- マチス:ジムリーダー(カントー)※1
- ツクシ:ジムリーダー(ジョウト)※1
- ヤナギ:ジムリーダー(ジョウト)※1
- カスミ:ジムリーダー(カントー)
- マキシ:ジムリーダー(シンオウ)
- キクノ:四天王(シンオウ)
- シズイ:ジムリーダー(イッシュ)
- ルリナ:ジムリーダー(ガラル)
※1:ポケモンスタジアム金銀
アニメ版
漫画版
- マキシ(ポケスペ)
- ルリナ(ポケスペ)
番外作品
『ポケモン不思議のダンジョン』
マグナゲートでチームメンバー管理と(特に「なかまモード」での)アイテムショップ店主を兼業している。
宿場町の近辺に住んでおり、温厚な性格。何かと世話を焼きつつ、主人公達の成長を暖かく見守ってくれる。
老齢で普段はぼーっとしている事が多いが、実はGODヌオーと呼ばれる凄腕の悪人ハンターでもある。
悪人を見つけると徹底的に叩きのめし、二度と悪さをしたく無くなるほどにまで締め上げてしまうという。ちなみに、GODとは神を意味するわけではなく『ごりごり おしおき だぬ』という彼の口癖を意味している。
『ポケモンGO』
割と早い段階から登場している第二世代ポケモンだが、なんとタイプ一致のゲージ技がじしんしかない。
通常技には優秀なマッドショットを覚えられるが、そうなるとマッドショット+ハイドロカノン&じしんという圧倒的な技構成を持つ環境メタのラグラージには敵わず、トレーナーバトルにおいては席を譲ることが多い。
特徴であるHPの高さと弱点の少なさを武器にジム防衛で活躍させるのが適任だろう。
……というのが一般的な評価である。
しかし、実はトリデプスやマッギョなどに効くじしんの他、不一致ストーンエッジもファイアローやチルタリスなどの環境メタによく刺さる。そのため、スーパーリーグにおいてはラグラージの下位互換として機能できる可能性を秘めているのだ。あくまで下位互換として、ではあるが。
『Newポケモンスナップ』
ベラス島のジャングルに登場。のんびりしている様子からゆったり泳いでいる様子、更には飛び込んだりウパーと親子で行動するシーンと見どころ多数。近距離で撮影できる場所も多く、動きもゆっくりなので初心者でもベストショットを撮りやすい。
アニメ版
- 無印編
- 1999年12月23日放送の127話「ヌオーとGSボール!?」(脚本:藤田伸三)ではヨシノシティに住むポケモンとして登場。サトシからGSボールを持って行ってしまうが、この街のヌオーは丸いものを持ち出して川を遡る習性があり、GETやバトルは禁止されている。持ち出したものは満月に向かってみずでっぽうで飛ばすあたり、彼らなりの儀式を行なっているようだ。用が済めば、持ち出したものを川に流して返してくれ、最後に流れ着いたものを掴んだものには幸福が訪れるという。
- その他:151話(イメージ)・153話・194話・225話
- AG編
- DP編
- 2006年11月2日放送の本編第7話「ポッチャマがんばる!!」(脚本:武上純希)でもゴルダックの仲間として登場した。
- 2008年6月19日放送の第83話「ノモセジム!VSマキシマム仮面!!」ではマキシのポケモンで登場し、サトシのナエトルとブイゼルと勝負。ナエトル相手にプールで撹乱し優勢になるが、交代で現れたブイゼルにアクアジェットにれいとうビームを当ててしまった為に「氷のアクアジェット」となってぶつかり、敗北した。
- 2009年8月20日放送の第139話「オーキド博士を救出せよ!ニョロトノVSグレッグル!!」(脚本:武上純希)では野生の個体として登場。
- 2009年10月29日放送149話「ピカチュウポッチャマくっつかないで!!」でコダマ博士のポケモンで登場。一連のでんきタイプとみずタイプがくっつく事件の原因はヌオーとコイルを仲良くさせる為だったが、実はただコイルとバトルがしたかっただけであり、ヌオー自身は「じめんタイプが入っていたから仲良しルンルンくんが効かなかった」という。
- その他:28話・60話
- XY編
- 2015年4月23日の第69話「湿地帯の戦い! ヌメルゴン対フラージェス」(脚本:藤田伸三)に登場。仲間たちやハスボー、ゴクリンの群れと共に湿地帯で平和に暮らしていたが、ある時を境に湿地帯に侵攻して来たフラージェスとむしポケモン+ハブネークのグループの襲撃を受けるが、サトシとヌメルゴンの活躍で和解、ロケット団の飛空艇から落下したサトシたちをみずでっぽうで助けた。
- 2016年6月9日放送のXY&Z編第30話「メレシーを探せ! ヌメルゴンとデデンネ!! 」(脚本:大橋志吉)にて再登場。今回のギャグ要員であり、フラージェスが用意したおやつを食べたり、ひざかっくんしたと勘違いされて(※全てメレシーの仕業です)つるのムチやエナジーボール(と思われる技)を食らわされた。その際の表情は制裁を食らったときの表情ではなく、どちらかというと「きゃー☆」といった表情。おかげで視聴者からはドM疑惑が出たりもした。
- SM編
- 2017年10月19日放送の第46話「変身メタモン、探すんだモン!」(脚本:関根アユミ)に登場。エーテルパラダイスで仲間たちと暮らしており、注射嫌いのメタモンが変身してその中に紛れ込んでしまった。メタモンが変身したポケモンはゲームでは色が薄く、アニメでは大抵顔がメタモンっぽいまま(点目)なのだが、そもそもメタモンとヌオーの目は点で表現されているので擬態は完璧であり、見分けるのには苦労を要した。
- その他:49話・96話・136話
- 新無印編
- 2020年9月20日放送の第38話「奇跡の復元、化石のポケモン!」(脚本:藤咲淳一)や2021年4月23日放送の第63話「挑戦!ポケモンマリンアスレチック!!」(脚本:松井亜弥)等で登場。
- めざせポケモンマスター
- 3話で小さくモブとして、それとブリムオンがカスミに見せた幻覚で登場している。
- その他:5話
- 劇場版
漫画版
『ポケットモンスターSPECIAL』
- 7章でマキシの手持ちがプラチナとのジム戦で登場。ダイヤモンドから借りていたるー(ドダイトス)相手に対してなんと持ち上げてプールへとぶん投げるほどのとんでもないパワーの持ち主。
- 15章ではルリナの手持ちが登場している。
『ポケモン4コマ』
山下たかひろのお気に入りポケモンであり、漫画でヤドンとたびたび競演していた。なお、作中ではそのヤドンと同レベルのとろいポケモンとして描かれており、何か些細な事をするだけで物凄い時間をかけてしまうというギャグが度々あった。
余談
- 金銀の開発段階ではミズウオという名称だった。
- 指先を白く塗るメディアもあるが、現在の公式絵は体の色と同じである。
- BDSPでヌオーにだいばくはつをすると何故かヌオーが黄色くなるバグが存在する。ひんしになると元に戻る。
- 後輩のヌマクローやラグラージは高い性能やネタ方面で目立つ一方、ヌオーの方は小ぶりだが侮れない性能と癒し系として、それぞれ異なる方向性の人気を積み上げていった。
- 2022年、ほとんど共通点が無かったとある少女とのコラボイラストが一部SNS上で話題になった。
関連イラスト
関連タグ
ヌドオー(上記の派生種と言うべき立ち位置にいるドオーとのコラボ絵)
194.ウパー/パルデアのすがた→195.ヌオー→196.エーフィ