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アニメーターの編集履歴

2019-02-19 09:04:30 バージョン

アニメーター

あにめーたー

アニメーターとは、アニメ制作において作画を担当する職業である。

概要

アニメーション制作において、作画を担当する者の総称。

主に原画を担当する原画マン動画を担当する動画マン、原画の品質を監督する作画監督に分けられている。

セルに色を付ける彩色仕上げ)、背景を描く美術、動画と背景を合わせてCG処理を行う撮影などは、アニメーター(作画)とは別にそれぞれ専門のセクションが設けられている。


アニメーター1本に絞って仕事をする者が最も多いが、中には勉強をして演出家となったり、さらにその上の監督となって活躍する者もいる。なお、アニメーション監督はアニメーター出身とは限らず、制作進行撮影出身の人間も多数存在する。


少数だが、本業の傍ら漫画家イラストレーターとしての仕事を請け負うアニメーターもいる。そして、pixivには現役アニメーターやアニメーターを目指すユーザーも大勢いる。


漫画家・イラストレーターは売れないと食えないが、アニメーターは個人のセールス力が低くても「実力」と「早さ」があれば仕事はあるというメリットがある。


ちなみに、ベテラン級アニメーターが言う「趣味でやれ」は、「見込みがない」「役立たず」と同義語の最大限の罵倒である。これは個人の趣味で作品を作られるとほとんどすべてが駄作として終ってしまうという、無数の実例があるためである。


アニメーターの役職

原画マン

絵コンテ演出家の指示に従って、レイアウト(画面の構図)と原画(動きの要所となる絵)を描くアニメーター。経験を積んだ動画マンが昇格してこの役職に就く。ようやく一人前といえる。

動画と原画の間には第二原画という中間職があり、動きのクオリティを保つために設けられる。


動画マン

原画と原画の間をつなぐ絵(動画中割りなどとよばれる)を描くアニメーター。

新人アニメーターが一番最初に割り振られる役職。動画マンとしての実績を積むと、徐々に原画マンとしての仕事が割り振られるようになっていく。原画マンになる前に、動画検査の仕事を経験する者もいる。但し下記の諸問題および、基礎を身に着けるまでの求道者的思考改造レベルでの訓練に耐え切れない事により、この段階で退職していく者も少なくない(1日で嫌になり逃げ出すことも全く珍しくない)。

まず最初に覚えさせられるのは「鉛筆できれいな線をひけるようになること」。ちなみに動画は熟練度が低くても比較的描きやすく、スキャン時に強く出るBの鉛筆を使うが(近年はB芯のシャーペンを使う作品も多い)、原画担当は熟練すれば表現に各段位幅の出る固めのHBやFの鉛筆を使う。


動画検査

上がってきた動画がきちんと動いて見えるよう描かれているか、タイムシート(撮影のタイミングを記した伝票)の動画パートに記入ミスがないかを検査する仕事。経験を積んだ動画マンに割り振られる。この役職に就きながら原画の仕事を少しずつこなしていき、原画マンに昇格する者が多い。

動検、動画チェッカーとも呼ばれる。


作画監督

各話数ごとに、原画の絵柄品質を統一するアニメーター。

原画マンが描いた原画の上に「修正用紙」とよばれる用紙を重ね、そこに修正を入れていく。

経験を積んだ原画マンのうち、技量が並みはずれて高いうえに周囲からも一流と認められたうえで、作業スピードが速く、一定のクオリティを保って作業をこなせる者が就く。

作画クオリティのストップギャップ的な職であり、機能しないと作画崩壊が待っている。


総作画監督

各話ごとの作画監督の絵柄のバラつきを抑えるために置かれる役職。作画監督が描いた絵の上に修正用紙を重ね、そこに修正を入れていく。

その作品のキャラクターデザインを担当した者が兼任することが多い。


キャラクターデザイン

アニメに登場するキャラクター外見デザインする役職。いわゆるキャラ表キャラクター設定)を描くアニメーター。

原画マン作画監督として実績のある者が抜擢されるが、コンペティションがひらかれイメージ的に最も優れたものが受けるのがふつうである。それを怠り縁故人事を行うと時代遅れの画面になったり作画崩壊が待っている。


日本のアニメーターの現状

日本のアニメ産業は世界でもトップクラスに盛んであるにも関わらず、アニメーターの労働環境や待遇は劣悪な場合がほとんど。


報酬はごく一握りの企業を除き出来高制が基本。このため、日本のアニメーターにとっては絵を描く速さが非常に重要なスキルとなる。


アニメーターの大半は制作会社の社員ではなく、「制作会社から仕事場を提供されている自営業者」扱いで、会社勤めのサラリーマンだったらまず加入している厚生年金や健康保険などの福利厚生も無い。そして、そもそもまともな住環境を維持したり、国民年金を納める余裕すらもないほどの薄給である。その平均年収は20代で110万、30台でも210万とフリーター以下である。

原画作画監督に昇格できれば年収も一般のサラリーマン以上(凄い人になると普通に家を建てたり、そもそも独立してフリーランスとなりサラリーマンなど歯牙にもかけない、などという例もある。)にアップすると言われているが、それまでの下積み時代に多くのアニメーターが月収数万円の壁や、ナルシシズムの克服の失敗(学校などでは上手ともてはやされていた甘ったれが、現場に入れば最下級の見習い扱い、そして意識と現実との乖離により耐えられなくなる)による職人としての挫折、悪質なスタジオ・スタッフによる裏切りや過労などによる病気(肉体ばかりではなく精神を病むことすらある)に突き当たるなどして、人倫に勝る資質を見出されたるもの以外は辞めていくのが実情である(動画マンの寿命は3ヶ月ともいわれるが、基礎を身に着けられないでやめていく者があまりにも多いため)。

これは決して天才的資質を持つもののみを意味するのではなく、確実に仕事をこなす能力を経験で身に着けた者のほうが重宝される。凡人が人並みの生活になれる作画監督に至るまでは約10年はかかる。基本ドロップアウトするものは追わないが、逃げ出したからと言ってそれ以上になれる保証もどこにもない。

ただし、一定レベル以上の職人同士であればアニメーター同士の最低限の互助はある。現在時点での欠点と克服法は教えてくれることがあるが、それ以上は本人の努力と地道な勉強次第である。


考えてもみればいい、ソシャゲ絵師は売り物にならなければいくら技量があっても、全くの理由を告げられることもなくごみ以下扱いなのだ。どちらがまし、もしくは酷いと思うかはあなた次第。


また、基本的にアニメ制作者はサラリーマンを蛇蝎のごとく嫌う。「目の前の仕事を毎日時間だけやっていればいい、長いものに巻かれるのが平気」なサラリーマンという存在は、「号に入っては郷に従うが長いものに巻かれるのは嫌い、自分の仕事は自分で決める」というアニメーターにとって、根本から論理が違うからである。


金がなくても誇りと仕事があれば耐えられるのがアニメーターだがが、金さえあれば心と誇りすら売り払い、自分の責任を意識もしないサラリーマンは決して相いれない存在である。



動画など下級職における低賃金の具体的な事例としては、2015年にP.A.Worksスタッフの内部告発により同社アニメーターの低賃金構造が発覚し、ブラック企業として大きな騒動になった事がある。


問題の解決に当たってはもちろん給料の増額が一番なのだが、企画製作を担当する会社(製作委員会の出資者)が、作品の収益の多くをかっさらっていくという縦割り業界の構造上、下請けの現場(制作会社)に渡るお金は非常にわずかなもの。ここまでしないと会社が回らないのである。


元請けが収益を独占し、現場の労働者は過労と薄給に喘ぐ...というのは日本においてはアニメや隣接業界のテレビゲーム映画、漫画業界でよく見られ、その他、土建業界や原子力産業、IT業界など数多くの現場に共通する問題である。


うまくなってたくさん描ければだれも自分も文句は言わないが、そこにたどり着くまでに色々な意味で耐えられなくなってしまうのである。そもそも職人職場を甘く見るな。


改善への取り組み

カラーを経営する庵野秀明(※)は、こういった実態に心を痛め、次の時代のアニメ業界を担う人材育成の場とするために労働環境の改善を掲げ、一般企業並みの月給制と福利厚生を実現している。


(※)公の場において「日本アニメの寿命は(この体制のままでは)あと5年」と危機感を持った発言をしたことがある。ただし、これは作品傾向の偏りにも問題を挙げている。


だがこれは、会社自ら企画と製作を行うために中間搾取が少なく、また独自企画作品が安定して売り上げを上げているカラーと京都アニメーションくらいしか実現できていない体制である(制作部門を解体する以前のスタジオジブリ宮崎駿の意向でアニメーターの月給制を実現していた。カラーはジブリの運営体制を参考にしている)


したがって、日本のアニメをまともな業界として成り立たせるには、広告代理店テレビ局人材派遣事業者などの中間搾取業者の利権にメスを入れ、クリエイターの側を向いた方策を打ち出すことが必要なのだが、政府はむしろ電通などの中間搾取業者の利権のため「クールジャパン」の広告に何百億円もかけるといった有り様で、現場のアニメーターからは怒りと反発を買っている。


なお、アニメーターの労働条件がこのような現状になったのは、手塚治虫が『鉄腕アトム』を格安で請け負ったせいと批判されることが多いが、これについては多くの異論反論がある(詳細は手塚治虫の記事にて)


海外資本の国内進出

少子高齢化が進む現状において、若手アニメーターそのものが減少するのは避けられない情勢であり、アジア圏(主に中国、韓国)を中心とした外国人スタッフの採用を行うスタジオも多い。逆に中国のアニメ企業が人材獲得を目的に東京周辺にスタジオを設立する動きも相次いでいる。日本に進出した中国企業はアニメーターの正社員採用を打ち出しており、日本アニメの技術を取り込むだけではなく、日本を継続的な制作拠点とする思惑も垣間見える。今やアニメの市場規模は中国の方が遥かに大きく、中国企業の資金力も日本企業とは比較にならない。日本に拠点を置くアニメ制作スタジオの多くが中国資本という時代が、もうすぐやってくるのかもしれない。


代表的なアニメーター

※50音順

※太字はすでに故人である事、あるいは引退している、または長期休業中の人物を示す。

※アニメ監督は『アニメーション監督』の頁に一覧あり。

※それ以外のアニメ関係者は『アニメーション』の頁の「関係者一覧」にお願いします。

原恵一などのアニメーター以外を本職としている人物、あるいはアニメーター以外にもあらゆる活動をする人物、もしくは元々は違う職業だった人物も含める。(このケースは※付きで示す。また 菊池通隆麻宮騎亜名義)、石田敦子など漫画家として活動経験のある人物は〇印。)

あ行

あきまんあおきえい青山充芦田豊雄荒木伸吾〇、有澤寛安藤雅司安藤正浩庵野秀明※、飯田馬之介幾原邦彦石垣純哉石田敦子〇、磯光雄板垣伸板津匡覧板野一郎※、一石小百合市川崑伊藤郁子伊藤伸高稲上晃いのまたむつみ〇、今石洋之今川泰宏岩根雅明宇木敦哉うつのみやさとる馬越嘉彦うのまことうるし原智志〇、うるまでるび江端里沙愛媛みかん)、海老川兼武遠藤正明逢坂浩司大河原邦男おおすみ正秋大塚健大塚康生大友克洋〇※、大西雅也大沼心大張正己大森貴弘岡村天斎沖浦啓之奥田万つ里押山清高押井守※、越智一裕


か行

加々美高浩賀川愛垣野内成美〇、門之園恵美金田伊功(かなだよしのり)、金山明博金子一馬金子ひらく椛島洋介亀垣一神山健治河合静男河野さち子河野のぞみ川村敏江河森正治かんざきひろ神戸洋行菊池通隆〇、岸誠二岸田隆宏黄瀬和哉北久保弘之北爪宏幸〇、北山真理金世俊木村圭市郎木村貴宏 きむらひでふみ※、工藤昌史窪岡俊之倉嶋丈康劇団イヌカレー高坂希太郎小泉昇湖川友謙後藤圭二小林明美小林常夫小林治(注意:アニメーションでの分野では、同姓同名で2名もいる)、小西賢一小松原一男コヤマシゲト近藤勝也近藤喜文今敏


さ行

斎藤昌哉坂井久太境宗久酒井怜子笹川ひろし※、笹木信作佐々門信芳貞本義行〇、さとうけいいち佐藤順一佐藤正樹佐藤竜雄佐藤好春塩山紀生重田敦司重田智芝山努しもがさ美穂霜山朋久しんぼたくろうすあだ※、杉井ギサブロー杉野昭夫杉本功すしお鈴木博文新海誠※、新房昭之関崎高明園田健一


た行

大地丙太郎高木潤高橋晃高田明美※、高橋良輔高畑勲高松信司高見明男高村和宏竹内進二竹内浩志只野和子舘野仁美田中敦子(アニメーター)田中ちゆき田中宏紀田中将賀谷口悟朗谷口淳一郎千葉道徳千羽由利子鶴巻和哉出崎統出崎哲手島晶子手塚治虫〇※、寺岡巌寺岡賢司ところともかず富野由悠季※、友永和秀


な行

長井龍雪中込利恵中嶋敦子中谷誠一中鶴勝祥〇、長浜忠夫長峯達也中村健治鍋島修西尾鉄也西田亜沙子西村潤子錦織敦史沼田誠也


は行

秦綾子羽原信義浜洲英喜原恵一※、林明美樋口真嗣※、菱沼義仁姫野美智平井久司平田雄三平野俊貴平松禎史福井智子福田己津央福地仁藤田陽一藤森雅也二木真希子べんぴねこ細田守※、堀口悠紀子白身魚)※、本郷みつる本田雄古川尚哉古橋一浩


ま行

政岡憲三真下耕一松島晃美樹本晴彦〇、水島精二水島努宮尾岳〇、宮崎吾朗※、宮崎駿〇※、宮脇千鶴むらかみてるあき村木靖毛利和昭本橋秀之百瀬義行森井ケンシロウ森脇真琴門之園恵美


や行

安彦良和〇、柳沢まさひで柳瀬敬之山内重保山口晋山沢実山下明彦山下将仁山根理宏山本寛湯浅政明湯山邦彦横田守吉田明彦吉成曜吉浦康裕米たにヨシトモ※、米林宏昌


ら行

りょーちもりんたろう


わ行

鷲尾直広ワタナベシンイチ渡辺明夫渡辺信一郎


英数

gimikFROGMAN※、toi8


海外

テリー・ギリアムウォルト・ディズニートレイ・パーカーティム・バートンユーリ・ノルシュテインアレックス・ハーシュノーマン・マクラレンジョン・ラセター


関連イラスト

アニメーターのお仕事 その2

ディーゼルさん


関連タグ

職業 クリエイター

アニメーション / アニメ 動画


アニメ業界 アニメ制作会社(一覧あり)


動画マン 原画マン 作画監督 総作画監督 キャラクターデザイン メカニックデザイン

アニメーション演出家 アニメーション監督(一覧あり)


タップ ストップウォッチ 作画机 / トレス台

作画用紙 タイムシート セル画


アニメ塗り 自主制作アニメ GIFアニメ


関連イベント

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外部リンク

アニメーター - wikipedia

アニメ製作関係者一覧 - wikipedia

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