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仮面ライダーアギトの編集履歴

2024-11-10 08:19:28 バージョン

仮面ライダーアギト

かめんらいだーあぎと

「平成仮面ライダーシリーズ」第2作。英字表記は「AGITO」ではなく「ΑGITΩ」(最初と最後の文字が大文字の「アルファ」と「オメガ」)。

目覚めろ、その魂!


概要

2001年1月28日から2002年1月27日までテレビ朝日系列で放映された「平成ライダーシリーズ』第2作にして、仮面ライダー生誕30周年記念作品。全51話。

未確認生命体事件が収束した直後の日本を舞台にしており、新たなる脅威アンノウンの暗躍に立ち向かう仮面ライダーたちの活躍を描く。


真・仮面ライダー序章』に企画段階で関わり、前作『クウガ』の後半で制作に協力した白倉伸一郎がチーフプロデューサーを担当している。

脚本は全51話中50話、加えて劇場版PROJECT G4』、その前日談であるTVSP『新たなる変身』を井上敏樹が執筆。


仮面ライダーアギト仮面ライダーG3仮面ライダーギルスの3人の仮面ライダーが大きく喧伝され、複数の仮面ライダーが登場しドラマを展開するという平成ライダーの潮流の先駆けとなった。


前作『仮面ライダークウガ』とはメインの制作スタッフに違いがあるため、警察が怪事件を追う要素を盛り込みつつもそれがメインになっているわけではなく、ミステリー・群像劇の要素を取り入れている。


主人公の津上翔一を演じた賀集利樹氏によると、実は本作が仮面ライダーシリーズの最終作となる予定だったらしい。


実際、本作のストーリーは仮面ライダーシリーズに度々見られた人間への問題提起をより発展させた形になっており、本作で完結してもおかしくないほどに非常に重厚なテーマを持った考えさせられる作品となっている。


あらすじ

未確認生命体事件が解決してから2年後の西暦2001年。沖縄県与那国島海岸に謎の物体オーパーツが漂着する。


時を同じくして、世間では物理的にあり得ない不可能殺人が多発していた。警視庁は一連の事件を未確認生命体以上の脅威として認識し、アンノウンと呼称。有事の際の備えに開発していた対未確認生命体用パワードスーツで変身する、仮面ライダーG3で新たに現れたアンノウンと戦うが、未確認生命体を凌駕する能力の前にまるで歯が立たない。しかし、アンノウンを突如現れた謎の戦士が倒してしまう。


その戦士に変身するのは、記憶喪失でお人好しな青年・津上翔一

そして同じく戦いの渦に巻き込まれる男が2人。

真面目な正義漢氷川誠

孤独な男葦原涼

彼ら3人をはじめとしたアギトと呼ばれる仮面ライダーの運命が廻り始める。


特徴

最終的に4人となった各ライダーの苦悩や過去を主軸とした群像劇である。

前作ほどではないが怪人による不可能犯罪・大量の殺人シーンや、子供には難解であろう描写が多く見られる。毎週見たくなるようなミステリー・謎解き要素が多く取り入れられており、平成ライダー史上最高視聴率を記録した。

また、『クウガ』に少なからずあった「迫力と臨場感はあるが特撮ヒーローらしいアクションがもっとほしい」という声を受けてか、ライダーそれぞれの個性を出した動きの多い戦闘シーンも描かれている。


プロデューサーに白倉伸一郎、監督に田崎竜太、メインライターに井上敏樹と以降の平成ライダーでお馴染みになるスタッフが中心となっており、作風に関して言えば後の作品への基盤として『クウガ』よりも大きな役割を果たしているとも言える。

具体的には、複数人ライダーの導入、戦闘時のBGMとして使用するエンディングテーマ、夏のギャグ回など平成ライダーの「お約束」は『アギト』で形成されている点が多い。


前作『クウガ』との関連

本作は前作『クウガ』で描写された未確認生命体事件が本編の2年前に起こった設定であるが、細部描写は『クウガ』本編の事件が西暦2000年、『アギト』では本編が2001年であり、その2年前は1999年と一致しない表記になってもいる。


『クウガ』が綺麗に完結したので、直接の続編は蛇足になりかねないという『クウガ』のスタッフ側の意見と、『クウガ』の人気を引き継いで新しい仮面ライダーシリーズを展開していきたい、というスポンサー側の意見を折衷して、『クウガ』以降の平成ライダーは毎作独立した世界観となり、基本的に他作品とのストーリー的な繋がりはないという方針になった(平成ライダーシリーズ最終作『仮面ライダージオウ』を除く)。


仮面ライダーディケイド』でアギトの世界が描かれた時は、「クウガの世界とよく似ているが別の世界」と設定された。


月刊ヒーローズで連載されている漫画版『クウガ』は本編と異なるパラレルワールドで、クウガとアギトが同じ世界観に共存している。


『ジオウ』でアギト編が行われた際は、G3がアナザーアギトに襲われるという記事の横に九郎ヶ岳遺跡での失踪事件について触れられている。なお、このアギト編冒頭でクウガライドウォッチは既に手に入れていることが確認されている。



本作の仮面ライダーについて

劇場版のオーディオコメンタリーで監督の田崎竜太は「仮面ライダーは人間と超人の境界線を行き来する存在」と述べており(翔一は境界線を楽々越える、氷川は越えようとするが越えられない、涼は越えてしまった存在と表現している)、後述するテレビスペシャル『新たなる変身』の前口上は恐らくこれが元ネタだと思われる。


主な登場人物

詳細は「仮面ライダーアギトの登場人物一覧」を参照。


主要人物


美杉家の関係者

  • 美杉義彦…演:升毅
  • 美杉太一…演:田辺季正
  • 風谷伸幸…演:中根徹

翔一の関係者


G3ユニット・警察関係者


葦原涼の関係者


あかつき号事件


アンノウンの関係者


音楽

劇伴

『クウガ』に引き続き、佐橋俊彦が担当。

第36話からはTV用録音の楽曲に加えて、劇場版用録音の楽曲が使用されており、クライマックスを大いに盛り上げている。劇場版用録音の楽曲が本編後半でも使用される形式は、以降の平成一期の作品でも恒例となった。

なお、TV用第2回録音の楽曲にはCDに収録されていない楽曲が8曲存在する。


主題歌・挿入歌

OP映像では本編に先駆け、アギト・G3・ギルスの3人がバイクで併走するシーンが描かれ、なかなか共闘の輪に加わらないギルスにやきもきしていた当時の子供たちの心を躍らせた。


本作以降の平成ライダーは主題歌がオープニングテーマのみとなり、正式なフォーマットとしてのエンディングテーマは原則存在しない(『仮面ライダー響鬼』の第33話までや、及び各作品の一部の回を除く)。このため、各回の戦闘のクライマックスで流される挿入歌エンディングテーマと称されている。第1話は主題歌が使用されず、次回予告にほとんどのスタッフロールを被せるという荒業を行った。


作詞:藤林聖子/作曲・編曲:三宅一徳/歌:石原慎一/コーラス:大木理紗

第2話から第35話まで使用され、最終話のEDとしても使用された。

シリーズで初めて、劇伴音楽の担当者が制作に関わらない主題歌となった(佐橋俊彦によると、当初は三宅が音楽担当者になる予定もあったという)。インストゥルメンタル版は予告編音楽として使われた。また、クレジット表記のフォントが途中で変更されている。


  • 後期OPテーマ「仮面ライダーAGITO 24.7 version

作詞:藤林聖子/作曲・編曲:三宅一徳/リミックス:三宅一徳・鈴木浩之・篠笥孝/歌:石原慎一/コーラス:大木理紗

第36話から第50話までと、テレビスペシャルで使用された。

「仮面ライダーAGITO」の伴奏をリミックスし、新しい歌詞で歌い直したもので、テレビシリーズでは2番の歌詞がオープニングテーマとして、劇場版では挿入歌としてそれぞれ使われた(24.7は『百獣戦隊ガオレンジャーVS仮面ライダーアギト』によれば「24時間7日」の意味)。なお、この曲以降、歌詞に仮面ライダーの単語が入るライダー主題歌は、「仮面ライダーセイバー」まで存在しなかった(海外版であればその間に「KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT OPENING THEME」もある。名前を呼ぶだけであれば平成二期は多くが該当するが、いずれも「仮面ライダー」という歌詞はない)。


  • 前期挿入歌「BELIEVE YOURSELF

作詞:藤林聖子/作曲・編曲:三宅一徳/歌:風雅なおと

3ライダー共通の戦闘テーマ。TVSPや最終回でも使用された。

仮面ライダージオウ』のアナザーアギト戦でも使用された。


  • searching for myself

作詞:藤林聖子/作曲:佐橋俊彦/歌:きただにひろし

仮面ライダーギルステーマソング。劇中未使用。


  • Stranger in the dark

作詞:藤林聖子/作曲・編曲:佐橋俊彦/歌:坂井紀雄

仮面ライダーG3戦闘テーマだが、唯一の使用シーンは氷川誠ではなく北條透が装着したG3の戦闘シーンである。


  • The usual suspects

作詞:藤林聖子/作曲:大橋恵/歌:坂井紀雄

劇中未使用。


  • NEVER DIE

作詞:藤林聖子/作曲:佐橋俊彦/歌:橋本仁

G3もう一つのテーマソングで、劇中未使用。


  • One&Only

作詞:藤林聖子/作曲:三宅一徳/歌:風雅なおと

津上翔一テーマソング。劇中未使用。


  • MACHINE TORNADER

作詞:藤林聖子/作曲・編曲:三宅一徳/歌:石原慎一

マシントルネイダーテーマソング。マシントルネイダー スライダーモードの登場シーンでは毎回使用された。


  • Emergency Guard Chaser

作詞:藤林聖子/作曲:佐橋俊彦/歌:橋本仁

ガードチェイサーテーマソング。劇中未使用。


  • Overlord

作詞:unknown/作・編曲:佐橋俊彦/歌:Overlord Choeur

闇の力テーマソング。劇中未使用。


  • Home Sweet Home

作詞:藤林聖子/作曲:三宅一徳/歌:秋山莉奈、広川順子

風谷真魚キャラクターソング。劇中未使用。『アギト』唯一のキャラソン。


  • もうひとつの仮面の戯曲

日本語作詞:藤林聖子/作曲・編曲:佐橋俊彦/歌:白石圭美

オンボーカル版に加えてInstrumental版も数回使用されているが、後者は未収録となっている。


  • Burnin' your heart

作詞:藤林聖子/作曲:三宅一徳/歌:石原慎一

バーニングフォームシャイニングフォームのテーマソング。劇中未使用。


  • extremes meet

作詞:藤林聖子/作曲・編曲:三宅一徳/歌:風雅なおと

劇中未使用。


  • 後期挿入歌「DEEP BREATH

作詞:藤林聖子/作曲:野村義男/編曲:RIDER CHIPS/歌:ROLLY (RIDER CHIPS Featuring ROLLY)

トリニティフォーム登場以降、使用された。


  • Sitting On The Dynamite

作詞:藤林聖子/作曲:野村義男/編曲:RIDER CHIPS/歌:橋本仁 (RIDER CHIPS Featuring 橋本仁)

「DEEP BREATH」のカップリング曲。劇中未使用。


  • Touch

作詞:藤林聖子/作曲:野村義男/編曲:RIDER CHIPS/歌:橋本仁 (RIDER CHIPS Featuring 橋本仁)

「DEEP BREATH」のカップリング曲。第47話でカラオケ版を使用。


作詞・作曲:トータス松本/歌:ウルフルズ

劇場版主題歌。

終始シリアスな展開だった映画を最後まで見届けた客の心に爽やかな風を吹かせるような快感をくれる一曲。


各話リスト

話数サブタイトル放送日登場怪人
1戦士の覚醒2001年1月28日ジャガーロード
2青の嵐2月4日ジャガーロード
3俺の変身!2月11日トータスロード
4パズル解読2月18日トータスロード
5第3の戦士2月25日スネークロード
6哀しき妖拳3月4日スネークロード
7記憶の一片3月11日クロウロード
8赤い炎の剣3月18日クロウロード
92人のG33月25日オクトパスロード
10銀の点と線4月1日オクトパスロード
11繋がる過去4月8日ゼブラロード
12湖の激突!4月15日ゼブラロード
13父の手掛り4月22日スコーピオンロード
14最強キック4月29日スコーピオンロード
15罠の始まり5月6日ジャッカルロード
16怪しい女…5月13日ジャッカルロード
17捕獲作戦!5月20日ジャッカルロード
18新しいボス5月27日ハイドロゾアロード
19解散決定?6月3日ハイドロゾアロード
20或る目覚め6月10日クイーンジャガーロード、ジャガーロード
21暴走する力6月24日クイーンジャガーロード、ジャガーロード
22運命の対決7月1日ビーロード
23資格ある者7月8日ビーロード
24完璧マシン7月15日スティングレイロード
25激突再び!7月22日スティングレイロード
26甦った記憶7月29日クイーンクロウロード、クロウロード
27涼、死す…8月5日クイーンクロウロード、クロウロード
28あの夏の日8月12日シーアーチンロード
29数字の謎!?8月19日フィッシュロード
30隠された力8月26日クラブロード
31人の居場所9月2日オルカロード、クラブロード
32ギルス復活9月9日水のエル、オルカロード
33現れた敵9月16日水のエル、オルカロード
34呼び逢う魂9月23日水のエル、マンティスロード
35謎の救世主9月30日水のエル、クロウロード、フィッシュロード
364人目の男10月7日水のエル、クロウロード、フィッシュロード
37暗闇の戦士10月14日リザードロード
38その正体…10月21日リザードロード
39ギルス咆哮10月28日リザードロード
40共同戦線!11月14日ジャッカルロード
41光と闇11月21日水のエル・強化体
42あかつき号11月28日水のエル・強化体
43動き出す闇12月2日水のエル・強化体、オウルロード
44父と姉と…12月9日ファルコンロード、オウルロード
45奪われた力12月16日ヘッジホッグロード、ファルコンロード
46戦士その絆12月23日ヘッジホッグロード、ファルコンロード
47天空の怪!12月30日風のエル
48星の支配者2002年1月6日風のエル
49絶滅の足音1月13日風のエル、地のエル
50今、戦う時1月20日風のエル、地のエル
51AGITΩ1月27日風のエル、地のエル・強化体

劇場版

PROJECT_G4


TVスペシャル

新たなる変身


漫画版

仮面ライダーアギト G3-Xvs機動装備G2

月刊コロコロコミック9月号増刊 てれコロコミックに掲載。作画は坂井孝行が担当。

MASKED RIDER AGITΩ EDITION -PROJECT G1-同様にGシリーズを掘り下げた作品となっており、警視正の息子であるハジメ少年が操るロボット兵器G2が登場。

ちなみに同誌にはクウガのEXTRA EPISODE『信頼』も収録されていたりもする。


仮面ライダーアギト 3大ライダーVS超ロード

てれコロコミック冬休み増刊号に収録。

オリジナル怪人の大地のエルが自身を超ロードを自称したり、技名を叫んだりするなどの脚色が成されている。


小説版

小説仮面ライダーアギト


余談

本作も前作同様にハイビジョン撮影を行なっているが、前作でのやり方とは異なり「スクイーズ(撮影時に収録した映像を4:3画角へと圧縮し、編集時に本来の比率である16:9の画角に戻す)」という手法が用いられた(本放送は4:3画面に16:9レターボックスという形で放送)。これは『仮面ライダー響鬼』までこの撮影方法が用いられた。2006年放送の『仮面ライダーカブト』以降は「最初から『16:9』画角で収録する」という前提で再度撮影方法が変更された(なお『侍戦隊シンケンジャー』以降の撮影方法はこれらとは別である)。

ただし、第28話のみ演出上の都合で「放送上では『過去の場面を4:3フルサイズ』で『現在の場面を16:9レターボックス』に分けて放送」した(その意味では平成ライダーシリーズでは唯一『4:3』画面で制作された回ともいえる)。

なお、再編集が煩雑(先述とは逆に「過去の場面を4:3レターボックス」に「現在の場面を16:9フルサイズ」にすればピッタリと画角にはまる)なのかどうかは定かではないものの、YouTubeでの配信では画面表示がおかしく(いわゆる「超額縁放送」状態)なって配信されてしまった。


本作は企業とタイアップしていないのに、なぜか焼肉を食べる描写が多い。

当時は狂牛病(BSEという単語はまだなかった)問題で焼肉業界が苦境に立たされていた時期であり、番組スタッフが焼肉の業界団体から感謝状を贈られたという逸話もある。


初期案では、「人間とモンスターがカードを使って契約する」という設定があり、これは翌年の『龍騎』で採用された。


プロデューサーの白倉伸一郎と脚本家の井上敏樹は仮面ライダーシリーズでは後に『仮面ライダー555』や『仮面ライダー響鬼』の後半でもタッグを組んだ。


サイボーグ009』の「神々との戦い編」が本作品の原案とされている。


仮面ライダーシリーズの映画作品としては『仮面ライダーJ』、TVシリーズの延長としては『仮面ライダーBLACK』以来実に11年ぶりに劇場版が制作され、以降のライダー作品で定番となった。


第28話とHBVは次回作『仮面ライダー龍騎』でメインライターを務める小林靖子が担当している。


関連動画


関連タグ

特撮 仮面ライダー 平成ライダー 平成一期

アンノウン(仮面ライダーアギト)

目覚めろ、その魂!

正義の系譜 アギトの力 Gシリーズ(仮面ライダーアギト)

仮面ライダークウガ(HEROES)


百獣戦隊ガオレンジャー:同期のスーパー戦隊。ドラマCD「百獣戦隊ガオレンジャーvs仮面ライダーアギト」にて同作の登場人物であるテトムと共演。


仮面ライダーセイバー次世代2番目の仮面ライダー作品。


主なゲスト出演者

てらそままさき(18話−19話)

京本政樹(TVスペシャル)


平成ライダー

仮面ライダークウガ仮面ライダーアギト仮面ライダー龍騎



外部リンク

仮面ライダーアギト | 仮面ライダーWEB【公式】|東映

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