リンク(ゼルダの伝説)
りんく
『ゼルダの伝説』シリーズの主人公。
『ゼルダの伝説』はFC初期から存在するシリーズで、マリオと並ぶ任天堂の代表キャラクター。
多くのシリーズで「勇気のトライフォース」を宿し、退魔の剣マスターソードを扱える勇者となっている。また魔王ガノンなどの巨悪に囚われたゼルダ姫を救出する運命にある。
「リンク」という名前は、「トライフォースを繋げ(Link)、世界を正しく導く者」、という彼の役回りから来ていることが、宮本滋から聞いたとして青沼英二によって語られている。また、ドイツ語では「左」を意味する言葉でもある。
ただし、名前はプレイヤーによって変更可能な作品が大半である。
その知名度やビジュアルから海外での人気も高く、ギネスで行われている「ゲーム史上最も有名なゲームキャラクターランキング」ではマリオに次いで第2位である。
ゼルダシリーズの各作品における主人公であるリンクは、登場作品によって設定が異なり、直接の続編でない場合は同一人物というわけではないことがほとんど。
そのため、服装や容貌は似通っているものの基本的にはそれぞれの作品で別人である(よく見ると髪の分け目や服装に違いがある)。
彼はいかなる時代においても巨悪と戦う運命にあり、とある時代におけるリンクが亡くなろうとも彼の子孫や生まれ変わりにその運命は受け継がれ、新たな主人公として物語を紡いでいく。このように子孫や生まれ変わりが代々ゼルダシリーズの主人公となるため彼らの容貌は似通っている。
また、近い時代設定の作品などでは同じリンクがそのまま主役を務めている作品もあり、いくつかの作品のリンクは同一人物である。
また全ての作品で共通しているわけではないが、宝箱を蹴り開ける、話を聞くとき腰に手をあてる、もみあげが長い、なども複数の作品で共通している。
ゼルダとの関係は様々だが、敵により危機に瀕したハイラル王国の姫であるゼルダと、王国と姫を救うべく戦う勇者(騎士)、という関係が多い。
その関りの深さから、作品によっては好意を寄せられる場合もある。
『ふしぎのぼうし』・『4つの剣+』・『スカイウォードソード』では幼馴染である。
ほとんどの作品のパッケージや公式ビジュアルでは剣と盾を持っている。シリーズを象徴する代表的なものとしてマスターソードとハイリアの盾を装備しているイラストが多い。
また、あらゆる道具を使いこなせる任天堂キャラでも随一の器用さを誇る。いずれの作品でも剣術を得意とするが、騎乗や弓術に優れ、魔法やマジックアイテムもある程度使用でき、さらにブーメランやフックショットなどの飛び道具、ハンマーのような鈍器、バクダンやボムチュウなどの爆発物も自在に使いこなし、作品によっては楽器の演奏もできる。
基本的には髪の色が明るめ(金髪or茶髪)で緑色の服と帽子を身に着けていて、ハイリア人という人種の特徴から耳が尖がっており、剣と盾を装備しているという共通点がある。
そのため、各作品で別人でありながらも基本的に似通っているのだが、容姿のイメージは『時のオカリナ』・『風のタクト』・『ブレスオブザワイルド』のタイミングでそれぞれ大きく切り替わっている。
『時のオカリナ』でリンクのキャラクターデザインを担当した小泉歓晃によると「リンクのデザインはもともと(昔ながらの任天堂キャラらしい)団子鼻であったが、当時、奥さんから『任天堂のキャラクターはみんな鼻に特徴があるのね』『男前のキャラクターはいないの?』と言われてしまい、そのことに大きなショックを受けたため、『時のオカリナ』を作る際にリンクのデザインを、もみあげを少し刈ったり鼻もすらっと高くするなど、奥さん好みのイケメンへと大きく変えた。さらにピアスをするなど少しおしゃれにもしたが、あまりかっこよすぎると任天堂らしくないため、下にはババシャツを着ているという設定にした。」とのこと。
ゼルダシリーズ産みの親である宮本茂は、時のオカリナの大人リンクを見た時に「確かにかっこいいけど、子供リンクがいないと作らない」と言ったほど子供リンクを出すことを強く望んだ。宮本としては「リンクは元々少年で子どもらしいお茶目なキャラクターであり、初代から作り続けてきた身からするとあまりにもかっこよすぎてリンクじゃないと思ってしまった」「しかしその一方でかっこいいリンクも残しておきたいとも思ったので、大人と子供の両方を出すことにしたら、結果的に物語や演出に深みが出たので良かった」と語っている。
そのおかげか、『時のオカリナ』からは女性のプレイヤーやファンも多くなったそうで、宮本は「リメイクによってリンクのイケメン度がさらにアップしたので、リンクのファンがさらに増えるといいなというのが一番の望み」だと結んでいる。
『時のオカリナ』で大人姿のリンクが登場した事によって、それ以降の作品でも特にリアル系の作品では大人リンクが主人公を務めるようになり、「子供リンク」の方はアニメ調のトゥーンリンク作品や携帯機の作品の主人公と分化した。
大人リンクは以降の作品でもハンサムだが少しクセのある雰囲気で、表情豊かに描かれるのが基本となっている。
トゥーンリンクと呼ばれる『風のタクト』をはじめとしたトゥーン調のグラフィックを用いたシリーズでは、作品全体のイメージが絵本や児童向けアニメのような雰囲気となっていることもあって、他の作品に比べると頭身がかなり低く、猫のような大きな目にシンプルな顔立ちが特徴となっている。このリンクはファンから「猫目リンク」と呼ばれることもある。
『大乱闘スマッシュブラザーズ』では大人のリンク(通常の「リンク」)・子供のリンク(「こどもリンク」)・トゥーンリンクがそれぞれ別のキャラクター扱いで登場しており、技の性能なども異なる(詳しくは後述)。
『ブレスオブザワイルド』では、宮本から総合制作を引き継いだ青沼によって、「ゼルダのアタリマエを見直す」、つまり、それまでのシリーズで当たり前とされてきた様々な要素を全て見直すというコンセプトのもと遊び方がリデザインされている。
リンクの容姿に関しては、それまでのシリーズでお馴染みだった緑の服と帽子から、青い服で帽子無し、平行四辺形の釣り目から丸みを帯びた目へと、長年続いてきた伝統を根底から大きく変える変更がなされた。
制作陣によると、リンクの服を緑から青に変更することはアタリマエを見直す最初の段階で決まったそうで、理由は「リンクが緑の服を着たままだとせっかくゲーム自体を大きく変えたのに全然変わっている気がしないから」で、青い服はゼルダのアタリマエを変えるためのフラグシップだったとのこと。また、帽子に関しても「リンクの帽子をどうにかできないの?」「カッコよくできるかアレ?」などと青沼氏からリクエストがあったそうで、結局「冷静になって考えると、緑の服や帽子が本当にかっこいいの?」という話になり、見直した結果、帽子をかぶらずに青い服を着て登場する現在の形になったそうである。また後になってから、ずっと緑がある世界を冒険していく中で、保護色になってしまう緑の服よりも青の服の方が見やすくて理にかなっているという事にも気づいたそうである。
ただし青い服に関しては、『ブレスオブザワイルド』のリンクのベースとなるCGデータを作る際に、仮の予定で『風のタクト HD』のリンクが私服として着ていた青色のエビのシャツを着せて改造して作った急造の青服リンクが意外と評判がよく、結局そのままにしたとの事なので、実は全く新しい服装というわけでもない。
また目については、「リンクがいつも平行四辺形で力んでいる目をしているのはなんでなんだ。プレイヤーが力んでない時でもリンクは常にキリッと力んでるように見えるのがなんか変。遊んでいるほうはそんなに力んでいないから」「哀愁を帯びた感じのイメージで、遥か未来なのか、遠い地平の彼方なのか、大切な人を見ているのかっていう、切ない目にしてほしい」と青沼が要望を出したため、あのような澄んだまっすぐな目の表現となった。
また、リンクは『ブレスオブザワイルド』で服装と髪型が変化したことによってより中性的な雰囲気が強くなったが、制作スタッフによるとリンクが中性的なイメージなのは意図的で、とても大事にしているものであり、海外では多くの女性にプレイしてもらえる要因の一つになっていると聞いているとのこと。また青沼いわく「リンクはキャラクターというよりプレイヤーであってほしい、トワイライトプリンセスのリンクはすごくカッコいいがやりすぎたかなとも思った。女性のコスプレイヤーがリンクになることも多いので、女性にも共感してもらえる形にしたかった」とのこと。
主に左利きである作品が多いが、近年の作品では右利きのリンクが登場することもある。
Wiiの『トワイライトプリンセス※』『スカイウォードソード』ではコントローラー操作との整合をとって右利きになっている。
『時のオカリナ 3D』を一度クリアすると遊べるようになる『時のオカリナ 3D 裏{Master Quest}』通称『裏ゼルダ』でも右利きとなっている。
『ブレス オブ ザ ワイルド』では、ハードの特性を活かした操作やシステム上の制約とは特に関係がないものの、ゲーム全体に掲げられた「アタリマエを見直す」という方針の一環として右利きとなっている。
※『トワイライトプリンセス』については、ゲームキューブ版及びリマスター版のWii U版では左利きである。ただWii U版も「辛口モード」だと右利きとなっている。
なお、ゲーム本編シリーズとは異なるが、初代『ゼルダの伝説』が発売されてからまもなく出版されたゲームブック『コミック版 新・ゼルダの伝説』(ケイブンシャ)では右利きのリンクが描かれている。本作は(設定やキャラクター描写などのちの作品との整合性が取れなくなっているものの)最も古い時代のリンクの活躍を描いた作品と設定されており、現状ゲーム本編シリーズの中で最も古い時代と定義されている『スカイウォードソード』の設定と合わせると「初代の勇者リンクは右利きであった」という設定が公式であるとも考えられる。
なお、左利きの理由についてはいくつかの説が噂されているものの、詳細は不明である。1番有効なのは宮本氏が間違えて左手に剣を持たせたことであると思われる。任天堂公式においては左利きという設定が基本らしく、宮本茂が2006年のWii PrevewにおけるQ&Aコーナーなどで「リンクは左利き」と明言しているほか、オフィシャルストアであるNintendo Tokyoでのリンク(※容姿がどのシリーズとも微妙に異なり、「オフィシャルな共通イメージ」というべき外見となっている)のイラストや等身大フィギュアなども左利きとなっている。
本記事では、発売されたシリーズ順にリンクを紹介している。ネタバレ注意。
(そのため、ゼルダ史における時系列順で確認したい場合は「歴代リンク」の記事を参照することを推奨。)
本編作品
ゼルダの伝説(初代)
勇気のトライフォースを失い小国と成り果てたハイラルの物語で、再びトライフォースを集め、魔王ガノンを打ち倒すために一人の若者が立ち上がる。
個別記事はこちら⇒リンク(初代ゼルダの伝説)
ゼルダの伝説 神々のトライフォース
勇者の素質を受け継ぐナイトの一族でも一族最後の少年。
かつてハイリアの王家を守護し、勇気の紋章を掲げる「ナイトの一族」の末裔(一族は封印戦争の際に殆どが滅んでしまったとされる)であり、ゼルダ姫の助ける声をもとに世界を救うための旅に出る。
詳しくはこちら⇒リンク(神々のトライフォース)
ゼルダの伝説 夢をみる島
上記の『神々のトライフォース』と同一人物。
司祭アグニムや聖地を魔界と変えた魔王ガノンとの戦いの後、武者修行の旅の中で地図にない島コホリントへと流れ着く。
詳しくはこちら⇒リンク(神々のトライフォース)
ゼルダの伝説 時のオカリナ
不思議な夢を見たリンクはデクの樹にその宿命を告げられ、妖精ナビィと共にコキリの森を後にする。
このリンクは、退魔の剣「マスターソード」を時の神殿の台座に刺すことによって七年の時間を行き来し、現代でガノンドロフが復活しないように七賢者を探す冒険をすることになる。
詳細はこちらを参照。⇒リンク(時のオカリナ)
ゼルダの伝説 ムジュラの仮面
上記の『時のオカリナ』版と同一人物。
伝説の地ハイラルより姿を消した時の勇者で、タルミナという地に迷い込んでしまう。
スタルキッドに愛馬エポナを奪われ仮面の呪いをかけられたリンクは、呪いを解くために妖精チャットと共に奔走する。
詳細はこちらを参照。⇒リンク(時のオカリナ)
ゼルダの伝説 ふしぎの木の実(大地)・(時空)
闇の将軍ゴルゴンと闇の司祭ベランの凶行を阻むも、その裏にはさらなる陰謀があった。
ツインローバの暗躍からホロドラムやラブレンヌを救い、儀式の失敗により理性のない魔獣として復活したガノンを退けた。
ゼルダの伝説 4つの剣+
突如現れたシャドウリンクに拐われたゼルダ姫と6人の巫女を救うため、4人のリンクが再びハイラル中を冒険し、再び復活した風の魔人グフーとその裏に潜む闇の王を倒す物語。
詳細はこちら。⇒トゥーンリンク
ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし
全ては彗星のように現れ、武術大会を制したグフーの登場から始まった。
ふしぎのぼうしエゼロと共に、グフーの野望を止めるために冒険する。
この作品ではリンクが帽子とお話しできる。
詳細はこちら。⇒トゥーンリンク
ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス
僣王ザントの呪いでオオカミに変えられてしまったりと受難が絶えないが、黄昏の姫君ミドナと共に影の世界を魔族から取り戻すべく立ち向かう。
番外編として『リンクのボウガントレーニング』というシューティングゲームも発売された。
個別記事はこちら⇒リンク(トワイライトプリンセス)
ゼルダの伝説 夢幻の砂時計
『風のタクト』の後日談で、とある海域で幽霊船騒動に巻き込まれて行方不明になったテトラを救うため、リンクは成り行きで出会ったシエラとラインバックと共に彼女を捜索するための旅に出る。
詳細はこちら。⇒リンク(風のタクト)
ゼルダの伝説 大地の汽笛
本作のリンクは勇者でなく見習い機関士という珍しい設定である。『神の汽車』を託されたリンクが王国の平和と魂だけになってしまったゼルダ姫の体を取り戻すべく奮闘していく。
詳細はこちら。⇒リンク(大地の汽笛)
ゼルダの伝説 スカイウォードソード
魔族によって地上が支配され、人々が空の国で暮らしていた時代。
魔族長ギラヒムに攫われた幼馴染のゼルダを救うために、剣の精霊ファイと共に立ち上がる。
この戦いが後のリンクと魔族の因縁の戦いの始まりとされている。
個別記事はこちら⇒リンク(スカイウォードソード)
ゼルダの伝説 神々のトライフォース2
『神々のトライフォース』より数百年後の世界。
謎の司祭ユガによってハイラルの人々が次々と絵画に変えられてしまう。
ハイラルと異世界ロウラルを行き来しながら、彼の野望を阻止することになる。
ゼルダの伝説 トライフォース3銃士
『神々のトライフォース2』から数年後の物語で、『神々のトライフォース2』リンクと同一人物。
リンクが旅の途中で訪れたドレース王国で魔女・シスターレディに呪いをかけられたフリル姫を助けるため、3人1組のチームを組んで冒険を繰り広げる。
ちなみに本作は着せ替えが出来るので場合によってはカオス極まりない服装になる事も…。
ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
厄災ガノンとの戦いで致命傷を受け、その傷を癒やして100年の眠りから目覚めたリンクは、かつての記憶を取り戻しながら世界を救うべくハイラルを駆ける。
個別記事はこちら⇒リンク(ブレスオブザワイルド)
派生作品
全てを書くとかなり膨大になるため、基本的に『ゼルダの伝説』シリーズのみ記載。
初めてゲーム内ボイスが収録された記念すべき作品であり、その第一声。
- 檜山修之
- 時のオカリナ(青年時代)、ムジュラの仮面(鬼神リンク)
公式作品における大人リンクの第一声。かの有名なスマブラの初作、第二作共に登場した他、『ソウルキャリバーⅡ』にもゲスト出演しており、正に「リンクと言えばこの声」と強く印象付けた。
『トライフォース3銃士』ではキャラ作成時に、歴代の少年リンクの声(瀧本、松本、小平、斎賀)の中からランダムで選ばれる。
※記事の負荷軽減のため、紹介するイラストは8つまででお願いします。
コメント
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