概要
講談社による小学生をメインターゲットに据えた漫画雑誌。
競合誌「月刊コロコロコミック」(小学館刊)と同じく、ゲームメーカーや玩具メーカーとのタイアップ作品が多かったが、刊行末期においてはそういった作品が少なくなっていった。
コロコロと比べて比較的ディープな分野を扱うことが多く、ガンダムの他にも『新世紀エヴァンゲリオン』や『GIジョー』などのフィギュア関連、邦画の紹介など児童誌にもかかわらず、かなりマニアックな方面での記事が多かった。また、ホビー誌、模型誌的な側面も存在し、ガンプラ関連の資料的な側面も強かった。
掲載されている漫画もコロコロより対象年齢が高めのものが多く、比較的高い年齢層に受け入れられた作品も多い。一部作品で描かれているエロティックさや鬱展開もあるその独特な雰囲気は『ボンボン臭』と呼ばれている。
また、【ボンボンを読むとオタク趣味に走るようになる】といった俗説が流布することもあった。
『王ドロボウJING』や『岩本版ロックマンX』、『モト珍版スーパーマリオ』などの優れた作品や、『ボンガロ』や『ボンボン版Vガンダム』など、(ネタ的な意味で)優れた作品を数多く輩出したことでも知られている。
連載作品は、最終回を含んだ単行本が出されていない場合が多い。また、単行本化自体がされない作品も多いほか、発刊される単行本についても冊数が少ない。これらは営業部側の売上の見込み判断によるものである。
黎明期(創刊時)
創刊時は「機動戦士ガンダム」が大ブームになった時期で、主にガンプラを中心とした特集を組むようになり、ガンプラを題材にしたホビーバトル漫画「プラモ狂四郎」が大ブレイクを果たし、ガンプラブームを巻き起こす。以降も、ボンボンはガンダムと密接なつながりを持つようになった。
また、「ガンダム」に限らず、「銀河漂流バイファム」「装甲騎兵ボトムズ」「太陽の牙ダグラム」などのサンライズのロボットアニメの情報やコミカライズを積極的に掲載された。特に、「青空少女隊」で知られる清水としみつの「巨神ゴーグ」や、成年漫画家で計奈恵の師匠として知られるこのま和歩の「クラッシャージョウ」といったマニアックなラインナップが誌面を賑わせていた他、アニメ作家出渕裕のイラストコラムも掲載されていた。
1985年頃、ファミコン・ラジコンがコロコロコミックで取り上げるようになってからは、ボンボンも後を追うようにシフトチェンジしていった。しかし、コロコロはファミコンではハドソンと、ラジコンではタミヤとのタイアップを積極的に行ってきており、バンダイとのタイアップしかなかったボンボンは苦戦を強いられることになる。
この頃からは、『ゲゲゲの鬼太郎』が3度目のアニメ化に伴い、ボンボンでも連載されるようになった。
80年代後半ではオマケシールブームが到来し、ビックリマンがコロコロで取り上げていたことを期に、ボンボンも後を追うように、ガムラツイスト・レスラー軍団シール(クラシエフーズ)、秘伝忍法帳(エスキモーアイス(現:森永乳業))を取り上げていた(ボンボンでもビックリマンをページ数少なめではあるが記事を掲載していたが、コロコロに比べて不明確な情報が多かった)。
黎明期の作品
●パットマスターX
週刊少年マガジンで連載された『パットマンX』の続編。
当初はアニメ化させる約束を原作者・ジョージ秋山と結んでおり、旭通信社(現・ADK)とのアニメ化の締結までには至ったものの、小学館の妨害に遭い実現しなかった(ただし、この件についてはあくまで「チャンネル北野」で当時の編集長がそう語っていただけであり、証拠不十分、かつ真偽は不明)。その後、『こてんぐテン丸』のアニメ化を東映アニメーションと契約したことで、原作者は激怒し急遽連載終了した。現在も未単行本化。
プラモ狂四郎こと京田四郎がパーフェクトガンダム、武者ガンダムなどのカスタムプラモを駆使して、ライバルモデラーとプラモシミュレーションで大バトル。 ガンプラブームに大きく貢献した記念碑的作品。
この作品の影響で、コロコロなどの他誌でもプラモデルを題材にしたホビーバトル漫画を排出している。
続編に『新・プラモ狂四郎』(1987~1988)がある。こちらは、ファミコンブームの頃の作品なので、子供たちの興味はファミコンだったため、忘れ去られていくプラモブームを皮肉った内容になっている。
池原しげと著。
天竜研率いるコンピューターボーイズ(通称コンボイ)がファミコンで世界征服を企む悪の組織シャドウと戦う。
「ファミコンロッキー」がハドソンのゲーム一色だったのに対し、「ファミコン風雲児」はナムコ、コナミなどの他メーカーのゲームを使っていた。また、ゲームの世界に入り込む”ドットチェンジ”も「ロッキー」とは違ったアプローチがあった。
劇中で研たちが使っていた改造ファミコン(ファミコンポータブルなど)も、後のゲームボーイをはじめとする携帯ゲーム機を先取りしていた。
「竜拳法」を操る天才カンフー少年・竜が、持ち前のカンフー技を駆使してファミコンゲームを攻略し、秘密結社コブラなど敵対する組織の刺客たちを倒す。単行本は全5巻(絶版)だが終盤の話が未収録になっている。
また、ボンボン・ファミコン増刊号などでは、上記のファミコン風雲児のキャラとクロスオーバーバトルを繰り広げていた。
●MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝
原作:高橋昌也、作画:近藤和久
ジオン軍のザクパイロット、ブラウン軍曹の視点で見たもう一つの一年戦争。ガンダムオリジナルコミックの先駆けになった作品でもある。
児童向け雑誌連載ながら、戦争の過酷さ、悲惨さをアニメ版以上に表現している。また、ジオン側から見たガンダムの脅威が描き出されている。
ボンボン掲載時は「機動戦士ガンダム MS戦記」のタイトルだったが、電撃コミックス(アスキー・メディアワークス)での刊行以降は上記のタイトルに改題された。
系列作品である「機動戦士ガンダム THE MSV」は現在も角川の月刊ガンダムエースにて連載されている。
●ベムベムハンターこてんぐテン丸(連載当初のタイトルは『ベムベムハンター』)
かぶと虫太郎著。
自分の不注意から人間界に逃げ込んだ百八匹の妖怪を退治しようとする、子天狗テン丸の活躍を描いた作品。永井豪の『ドロロンえん魔くん』を髣髴とさせる。
ボンボン作品で始めてアニメ化された作品。
ハルク・ホーガンをはじめ、数々のプロレスラーをパロディにしたギャグ漫画。
当初はプロレスラーが中心だったが、後に様々なスポーツ選手や芸能人も登場。
内容は壮絶な下ネタのオンパレードで、当時の子供達に強烈なインパクトを与えた。
また、最終回には他の連載作品のキャラクターが友情出演し、「(アホーガンが終われば)ボンボンも上品になる」とまで言われた。
●はじけて!ザック(後に「迷宮神話・はじけて!ザック」に改題)
当初は学園コメディ物だったがボクシング漫画→残酷アクション漫画→SFホラーアクション漫画へと変貌していく。中盤に登場した狂人【白川ユダ】の存在により多くの読者をトラウマを植えつけてしまった。
講談社では単行本化されず、ぶんか社から発売された。
黄金期
1990年代に入ってからは、兄弟誌「デラックスボンボン」を創刊させ、「SDガンダム」「スーパーマリオ」「ロックマン」「がんばれゴエモン」などの人気作品を題材にした特集や漫画を連載し、部数でコロコロを抜いていた。
ゲーム作品のコミカライズも多く掲載され、コロコロと平行して『マリオ』『ストリートファイター』『ぷよぷよ』などを扱っていた本誌だが、91年の『ロックマン4』より、コロコロには無いロックマンシリーズとの本格的なタイアップを行い、コミカライズも掲載するようになる。
特にモト珍版スーパーマリオはコミックボンボン史上最長の全183話という長期連載の記録を保持したり、ロックマンXシリーズはゲームのコミカライズとしては非常にハードな作風で話題となり、後にゲーム開発側にも影響を与えるようになっている。 伝説の迷作「ボンボン餓狼(通称・ボンガロ)」が連載されたのもこの時期。
コミカライズ以外でも、『天才バカボン』『おそ松くん』『もーれつア太郎』などの赤塚不二夫作品の漫画も掲載されるようになった。また、フジテレビのバラエティ番組「ウッチャンナンチャンのやるやら!」のミニコーナーの一つ「ナン魔くん」のコミカライズ(作画はレッドエンタテインメント所属の漫画家、水谷謙之介)を連載している(競合誌のコロコロでは、「仮面ノリダー」の特集を組んでいたため、それの対抗ではないかと思われる)。
ガンダムも、アナザーガンダム初期3部作を大々的に掲載し、ときた洸一によるコミカライズも好評だった。
この頃のCGロゴの加工を担当していたのは、当時のみずきひとし氏である。
黄金期の主要作品
●スーパーマリオシリーズ
本山一城著。
1988年から衰退期までボンボンを支えたゲーム。コロコロコミックの『スーパーマリオくん』のようにタイトルは統一されず、そのゲームを扱っている時のゲームのタイトルを冠している。歴代のボンボン連載作品の中ではボンボン、兄弟誌デラックスボンボン、増刊号を含め、全183話と約10年に及ぶ長期連載記録を達成している。スーパーマリオブラザーズ3第05話、スーパーマリオワールドの「オリンピック編」と「タイムトラベル編」、スーパーマリオ64の「ポケットカメラ編」、最終回「フォーエバーマリオ編」などの未単行本化作品が計5作品存在する。
90年前半から中期までモト珍マリオと同様、ボンボンを支えたゲーム。池原しげとの「ロックマン」、岩本佳浩の「ロックマンX」、出月こーじの「ロックマン8」「ロックマン&フォルテ」、有賀ヒトシの「ロックマンメガミックス」など複数の作家がコミカライズを手掛けている。
【武者ガンダム】シリーズ
元々、プラモ狂四郎のオリジナルガンダムだったが、独特な設定でファンを魅了させ、SDガンダムブームの火付け役となった作品。
ボンボンと、兄弟誌デラックスボンボンを中心に、やまと虹一、神田正宏、一式まこと、本山一城などの作家が武者ガンダムの漫画を連載していた。ボンボン末期の「武者番長風雲録」が人気低迷により打ち切り。ボンボンでのシリーズ展開は終了した。「ムシャジェネレーション」など未単行本化作品も多い。
『プラモ狂四郎』の流れを汲む、SDガンダムを題材にしたプラモバトル漫画。ガンダム研究所(G研)のメンバー、天地大河がBB戦士を使ったカスタムプラモで大暗黒SD連合の刺客と戦い続ける。
ガンキラー、千成将軍など本作から登場したガンダムも登場し、後年、プラモデルやカードダスで発売され、武者ガンダムシリーズや騎士ガンダムシリーズに登場した。
【騎士ガンダム】シリーズ
ほしの竜一氏によるコミカライズを第1作目「ジークジオン」篇から最終作「鎧闘神戦記」まで、原作の展開を若干アレンジを加えながら連載されていた。やはり、こちらも未単行本化作品も存在する。
カードダスの「鎧闘神戦記」は当時未完であり、漫画版は作者がアレンジを加えて完結させたが、後に15年の時を経てカードダス版も完結を果たしている。なおデラックスボンボンでは本山一城によるナイトガンダム物語も連載しているがこちらは未単行本化作品である。
【元祖!SDガンダム】
横井孝二著。
バンダイのガシャポンフィギュア「SDガンダムワールド」シリーズを題材にした4コマ漫画。日常的なギャグもあれば、武者、騎士、コマンドのストーリーものまで幅広く掲載されていた。にせガンダムなどのオリジナルガンダムも多数登場した。
著者の横井はSDガンダムに限らず、SDキャラクターのデザインも多く手がけていた。
あずま勇輝(Layup)著。
バンダイのガシャポンフィギュア「SDガンダムフルカラー」を題材にした4コマギャグ漫画。ボンボン廃刊後もテレまんがヒーローズに移行して連載を続けていた。
アレックスがガンダムの妹など、キャラクターの設定がサンライズ公式の設定に反する一方で、濃いアレンジが加えられているのが特徴。
また、他社から展開していたガンダム作品のキャラクターは版権の都合上登場していない。
原案:秋元康、漫画:かみやたかひろ
リトルグルメはみんなのトラウマ?闇の組織を相手にした料理バトル編もあり。
アニメ化もしている。
●ウルトラ忍法帖シリーズ
作画:御童カズヒコ
ウルトラマンを題材にした忍者ギャグ漫画。おバカな主人公たちがおバカな忍術合戦を繰り広げるおバカな漫画であるが、時折思い出したかの如くシリアス長篇に入ったりもするボンボンの中堅的な作品。言うなればウルトラマン版銀魂(勿論こっちが先駆者)。2004年期の”講談社漫画賞・児童部門”を受賞している。
単行本は現在絶版になっているが、復刊ドットコムより復刻版が刊行された。
カードダスやガシャポンの企画が元になっている漫画。内容は完全にド●ゴンボールであったが、元ネタを超えた熱さと感動は読者の胸を打ち、ウルトラマン冬の時代だった90年代の中興の祖となった。しかし商品展開の終了により第4部が駆け足で終了となり、単行本は中盤で打ち切られてしまう。
後に復刊ドットコムから全4巻が発売され、秋田書店に籍を移し完全版が全8巻で敢行。現在はWEB上で「ウルトラマン超闘士激伝新章」が掲載中。
細井雄二著。
ゲームシリーズの推移に伴い『餓狼伝説2』と『餓狼伝説3』も連載された。『餓狼伝説』と『2』はタカラ発売のSFC版『餓狼伝説』シリーズを、『3』はAC版を原作としている。
基本的なストーリーは原作をなぞっているが、漫画オリジナルの技(サニーパンチなど)・設定・展開も多い(ホアジャイなどの1のキャラは、ビリーに殺害されるシーンなど)。
また、単行本未収録の話では『サムライスピリッツ』の覇王丸、服部半蔵、ガルフォード、ナコルルの子孫らと共闘する展開も描かれている。
単行本は『餓狼伝説』全2巻、『2』全4巻、『3』全2巻(現在は全て絶版)。
うっおー!くっあー!ざけんなーっ!男なら拳一つで勝負せんかい!
●がんばれゴエモンシリーズ
児童誌としては何か間違った漫画。
具体的に言うとエロい。だがそれが良かった。
●DANDANだんく!(バスケットボール漫画)
熊倉祐一の漫画作品。
非常に評価の高い作品で、2002年にはNHK-BS2でアニメ化もされた。
続編となる「キング・オブ・バンディット・ジン」は青年誌『マガジンZ』に掲載される。
かみやたかひろ著。
「コンブ」作中ではアニメやゲームになっていた落書き背景キャラがまさかの漫画化。
結果、現実でもアニメ化、ゲーム化することになった。
なお、カクカクくんは出ていない。
衰退期
90年代後半になると、子供たちへの新たな興味を向くため、新ホビー開拓の時期であり、ボンボンはSDガンダムの掲載を続けていたが、武者ガンダムと騎士ガンダムの人気もかげりを見せ始めていた。そんな中で『ポケットモンスター』ブームでコロコロが「ポケモン」とのタイアップを打ち出すようになる(『ポケモン』に関しては、ボンボンにもタイアップ企画を持ちかけたが、講談社はあっさり断ったため)。
その後もコロコロは『ベイブレード』(『爆転シュート~』期)『ビックリマン2000』『ミニ4駆』(レッツ&ゴー期)などの強力なタイアップ作品を排出するようになり、発行部数もボンボンの3倍に膨れ上がった。
その頃のボンボンは、現状維持ではあったが児童向け雑誌ゆえのジレンマから対象年齢が一定せず、また編集部の迷走から記事や掲載漫画の質が急降下していくようになった。
この頃から、『メダロット』『デビルチルドレン』『ロボットポンコッツ』など『ポケモン』の便乗商品を取り扱うようになるが、ボンボン特有の「濃い」作風で一定の人気を保っていた。
また、『スーパーマリオシリーズ』『王ドロボウJING』『おきらく忍伝ハンゾー』『ロックマンX』など、本来の読者層だけでなく高年齢層にも支持が高かった漫画が連載されていたが、編集長の交代により『JING』が月刊マガジンZへ移籍しそれ以外は全て打ち切られている。
一方、【読者参加によりRPGを作る】という企画でありながらゲーム・漫画共にボンボン負の遺産として扱われている『クロスハンター』も、この頃から誕生している。
衰退期の作品
作画:ほるまりん
90代後半のボンボンの主力作品。本編だけでなく、現在はガンダムイラストレーターとして活躍している藤岡建機の漫画「メダロッターりんたろう」などの派生漫画も連載していた。
原作:下田淳、作画:タモリはタル
ゲーム版のコミカライズ。
登場する女性キャラクターがことごとくの超乳であり、当時のボンボン読者に衝撃を与えた。
作画:藤異秀明
小学生向けでありながらグロテスクなシーンが多く、児童誌版ベルセルクとも呼ばれた作品。
作画:樹野こずえ(1)、零願雷蔵(2)
スマイルソフトから発売された、言ってしまえばポケモンの便乗商品。
しかしこのスマイルソフトの代表取締役社長である飯田就平(ボンボンではゴッドいいだのニックネームで紹介されていた)は、当時中学生だった少女に現金5万円と携帯電話を与えて援助交際していたとして、2003年4月10日に児童買春禁止法違反容疑で逮捕されてしまった。
作画:カイマコト
ボンボン最大の黒歴史。詳細はリンク先へ。
掲載紙の選択が、その作品の行く末すら影響を及ぼす一例。
内容がいろいろな意味で濃く、しかも良く吟味し練り上げられている良質の作品だが、アニメ化以降の扱いがあまりにも非道い。同様にガンダムネタを多用したケロロ軍曹は、長期シリーズ化、サンライズ製作と順風満帆であるのにである。まさに掲載紙が命運を分けた漫画である。
じゅきあきらの漫画作品。
地球上でたった1つ残された最後の孤島サンクルスと、その上空に浮かぶ天空都市テラで巻き起こるドタバタギャグ漫画。休載したものの、連載再開されるまで7年を要した。
「NOA」に限らず、【休載】したまま当初の再開予定から数年経っても再開されなかった作品もある。
末期
2000年代に入り、カプコンはボンボンにロックマン次回作のタイアップを持ちかけたものの、ボンボン側はアニメのスポンサーに金が掛かるという理由で断った。それがきっかけで、ボンボンの主力であった『ロックマン』も『ロックマンエグゼ』以降からはコロコロで展開するようになった。この判断が今後のボンボンの命運を左右されることになる。
主戦力の『ポケモン』と『ロックマン』という強力な戦力を手に入れたコロコロは、『ハイパーヨーヨー』『ダンガンレーサー』『MTG(マジック:ザ・ギャザリング)』のバトル漫画から、独自の展開に切り替わった『デュエルマスターズ』、そして2003年には小学館の学年誌などで展開していた『ムシキング』を投入し、コロコロホビー究極コンボが完成した。さらに、ガンダムシリーズ最新作『機動戦士ガンダムSEED』も角川グループの雑誌、『ガンダムエース』と『電撃ホビーマガジン』の両誌で展開されることとなり、完全に主導権を奪われてしまった(これまでアナザーガンダムのコミカライズを手がけていたときたも角川の所に移籍し、『機動戦士ガンダムSEEDASTRAY』シリーズの漫画を連載することになる)。
これにより劣勢を強いられたボンボンは巻き返しを図ろうと、無謀なタイアップ路線を続けていくことになる。しかし、どれもコロコロが取り上げているホビーの前ではなす術なしの状態だった。【その1作だけで以後まったく載らなかった】という作家が非常に多いのもこの時期。
ガンダムも角川グループに主導権を奪われたものの、SDガンダムは2004年の『SDガンダムフォース』や関連作品の『武者列伝 武化舞可編』で昔のファンからは支持を得られたが、『ポケモン』世代の子供には受け入れなかった。
また、講談社は2003年からは小学館主催のイベント『次世代ワールドホビーフェア』と集英社主催のイベント『ジャンプフェスタ』に対抗するため『講談社スーパーキャラクターフェスティバル』(Kフェス)を開催するが、客足は同じ会場を使っている『ジャンプフェスタ』や『次世代ワールドホビーフェア』と比べるとまばらで、アニメ化されたマガジンの作品のブースや『ふたりはプリキュア』関連のイベントなどが混雑するだけであった。
2005年開催に至っては来客する子供は誰もいなかった・・・。そんなこともあってか2006年にも開催される予定だったが中止になり、2007年以降は開催されていない。
連載漫画では『MMR』で有名な石垣ゆうきなどマガジンなどで連載を持ったことがある漫画家が目立ち始め、週刊少年マガジンで連載されていた漫画のスピンオフ作品が掲載されるようになった。
また、編集部主導による編成都合による読者人気に反する打ち切りや、誌面のリニューアルなどでさらに数々の作品が打ち切られた。連載作品にもかかわらず、未単行本化も目立つようになる。
打ち切りに関しては【雑誌そのものや本来の読者層に影響を与えかねないマニアックな要素を削るために取った方針】と当時の編集長は語っているが、その他誌にはないマニアックさと幅広い層に支持された漫画こそがボンボンの魅力だったため、いかに当時の編集部が本誌の魅力を理解していなかったかが伺える。
末期の作品
アニメのDESTINY本編を基にいくつかの変更と、新規場面の追加がある。ザフトの軍人、シン・アスカの視点に集中して描かれているため、地球連合やアークエンジェル側の描写は大きく省略されている。衰退期におけるガンダムコミカライズでは最高傑作といわれている。
TCG『大貝獣物語MOZ』の後続商品として2002年に展開開始。競合誌で展開していた『デュエルマスターズ』への対抗として、スターターデッキに付録を付けるなどテコ入れを見せた。また、漫画も『カードファイトVマスター』のタイトルで連載された。
しかし、同じ時期にエポック社から発売されていたTCG『マジャイネーション』をボンボン本誌で取り上げていたことにより、消費者・ボンボン読者を大混乱に陥れ、結果的に『Vマスター』『マジャイネーション』は共倒れとなり、一年間の短命に終わった。
企画元であるバースデイは、このことがきっかけで講談社に見切りを付けて、2004年から小学館にタイアップ企画を持ちかけ『キーボッツ』『ふしぎ星のふたご姫』(どちらもバンダイ発売)のヒット商品を出すことになった。
リニューアル~休刊(消滅)
版型が大きくなり、『ガンダム』『ゲゲゲの鬼太郎』(5度目のアニメ化により、漫画連載開始)『デルトラクエスト』以外のタイアップをほぼ全て手放し、新たに『ネギま!? 』の連載を始めるなど、迷走は留まるところを知らなかった。
さらに「モーニング」「アフタヌーン」などの青年誌で執筆していた作家がメインで描くようになり、その児童誌とは思えぬ妙に濃い連載陣は【姥捨て山】と揶揄されたこともあった。
部数低迷に歯止めがかからず、2007年には漫画家のいしかわじゅんが自身のサイトでボンボンが休刊するということリークしたことが話題となり、そして同年11月、休刊を迎えた。
上記の3作はテレビマガジン増刊「テレまんがヒーローズ」で移籍連載。それ以外は全て打ち切られており、講談社漫画賞の受賞作「天使のフライパン」まで打ち切ってしまっている。また、移籍したと言っても『デルトラ』以外は結局打ち切りのような終了となっている。
最終的にはコロコロへの対抗というよりは、かつてのような高い年齢層にも支持される漫画を掲載した【脱・児童誌】を画策して行き詰まった感が強く、結果的に児童は離れ、かつて切り捨てた層も戻ってこなかった。
『ガンダム』『ゲゲゲの鬼太郎』『デルトラクエスト』を連載した「テレまんがヒーローズ」も2009年7月発売号で休刊になり、長きにわたった歴史に幕を閉じた。
晩期の作品
同名のファンタジー小説のコミカライズ化。アニメ・ゲーム化もされた晩期のメディアミックス作品。
2006年に放映されたアニメ『ネギま!?』のコミカライズ。完全に児童漫画雑誌には場違いな作品。読者は次第に離れていった。
ボンボン休刊後は『マガジンSPECIAL』へと移籍。
●ガンダムALIVE
ボンボン最後のガンダム漫画。
現代の日本を舞台にモビルスーツで侵略を行う謎の軍隊と、「ガンダム」と呼ばれるモビルスーツでそれに立ち向かう主人公たちの戦いを描く。ガンダムの主導権が角川グループに移り、角川が展開しているガンダム作品は講談社では扱えず(大人の事情)、苦肉の策として作られた漫画。
ボンボン廃刊後「テレまんがヒーローズ」に移り、完結した。
その後
後に「ロボロボカンパニー」「爆笑戦士SDガンダム」などの漫画を連載していた佐藤元をはじめとするボンボンで活躍された作家たちは編集部に対する恨み節をブログやツイッターなどで暴露している。
ボンボンで活躍していた漫画家の多くはKADOKAWA(旧:角川グループホールディングス)発売のゲーム誌「デンゲキニンテンドーDS」や同社から発売の児童向け漫画誌「ケロケロエース」(2013年9月号をもって休刊)で漫画の連載をしている。特に後者ではボンボン作家をかなり多く見かける。また、小学館の児童誌にもボンボン作家を見かける。特に、ダイナミック太郎は「てれびくん」で「ガンバライド」の4コマ漫画、同じく藤井秀明はコロコロコミックで「ダンボール戦機」のコミカライズを連載している。
そして、ボンボンの競合誌だったコロコロコミックは、長年ガンダムシリーズとは無縁だったが、2011年6月にレベルファイブとのタッグで新番組『機動戦士ガンダムAGE』をタイアップ展開をすることを発表し、各方面に衝撃を与えた。また、2013年10月より始まるガンプラバトルアニメ「ガンダムビルドファイターズ」でも、コロコロコミックでコミカライズ連載を開始している。
出版元の講談社も、過去に連載された漫画が【復活ボンボンシリーズ】として「講談社コミックプラス」で刊行。現在「サイボーグクロちゃん」(ベストセレクション)、「SD武者ガンダム風雲録」シリーズ、「メダロット」、「真・女神転生デビルチルドレン」が刊行されている。
2013年11月には「がんばれゴエモン」、12月には「ロボットポンコッツ」を刊行。
ネット界隈で突然の復活
休刊から8年後の2015年7月31日。YouTubeチャンネル『ボンボンTV』として復活。10月からは子供向けチャンネルとして『キッズボンボン』も登場。
2017年7月22日からはpixivコミックにて過去の名作の復刻連載や新作の連載が行われる。
本誌休刊から10年、ボンボンの系譜は静かに復活した。
関連雑誌
外部リンク
関連タグ
月刊少年ライバル - 休刊後に新創刊された雑誌だが、後継誌ではない。
コミックボンボン作品リスト(ジャンル別)
ガンプラ:『プラモ狂四郎』『新プラモ狂四郎』『超戦士ガンダム野郎』『プラモウォーズ』『ガンプラ甲子園』
アニメ:『ゲンジ通信あげだま』『王ドロボウJING』『サイボーグクロちゃん』『マシュランボー』
ゲーム:『本山一城版スーパーマリオシリーズ』『がんばれゴエモン』『ロックマン』『ロックマンX』『メダロット』『甲竜伝説ヴィルガスト』『ロボットポンコッツシリーズ』『真・女神転生デビルチルドレン』『携帯電獣テレファング』『スーパーバーコードウォリアーズ』『ネットワーク冒険記バグサイト 』『ムゲンボーグ』『無限戦記ポトリス』『棋神伝バトルコマンダー』『格闘料理伝説ビストロレシピ』『召喚王レクス』『ミラクルVマスター』
玩具:『小さな巨人ミクロマン』『RPG伝説ヘポイ』『痛快ロボット活劇バトルスキッパー 』『GEAR戦士電童』『ウォーウォータンクス!』『激闘!クラッシュギアTURBO』
漫画:『ウルトラマン超闘士激伝』『おきらく忍伝ハンゾー』『ウルトラ忍法帖』『幻想世界英雄烈伝フェアプレイズ』『ウッディケーン』