戦車のある学園生活、はじめました ―― PANZER VOR!
スタッフ
監督:水島努 / 構成・脚本:吉田玲子 / 考証・スーパーバイザー:鈴木貴昭
キャラクター原案:島田フミカネ / キャラクターデザイン・総作画監督:杉本功
キャラクター原案協力:野上武志 / ミリタリーワークス:伊藤岳史 / 音楽:浜口史郎
概要
数々の作品で奇才を放ってきた水島努の初の完全オリジナル作品となる「ハートフル・タンク・ストーリー」。当初は美少女アニメの一角として認識されていたものの、戦車を操る武道である「戦車道」が広く認知されているという斜め上の世界観で繰り広げられる、挫折を経験した名門流派の娘と素人チームが全国大会に挑むド直球の物語を、画面狭しと疾走する第二次世界大戦期の戦車群と共に描いた快作として人気を獲得。劇場版まで公開される一大シリーズへと成長した。
タイトルの「PANZER」はドイツで使われている「panzerkampfwagen(装甲戦闘車輌)」の略語。主人公が劇中で戦車長を務めることになる車輌も、ドイツの中戦車・IV号戦車である。グラフィニカが手がけた緻密な戦車CGは、本作の視聴者層にミリタリーファンをも引き込むのに十二分の説得力を持ち、大戦中に設計されたキャラクター性が豊富な戦車たちが一堂に会する画面は圧巻。武道として描かれる戦車戦は軽妙にして壮絶、戦車乗りとなる女子高生たちは果敢にして打たれ強く、時に牧歌的な風情さえ漂わせる絶妙な作風は日本アニメの新たな開拓地とも言えるだろう。
勇壮さと愛らしさの同居する『戦車道行進曲!パンツァーフォー!』をはじめとした劇伴の数々も印象深く、軍歌や行軍曲に因んだ国際色あふれる挿入歌をキャラクターが歌うなど、遊び心も満載。それでいて戦車に対する予備知識がない人を決して置いてきぼりにしない親切心や、コミカルなシーンも適度に挟んで緊張感をほぐしてくれる。一風変わった設定だが、その中身は娯楽作品の王道を歩んでいるものと言えよう。
一方で、戦車の緻密な描写(劇場版における「グロリアーナの車両ごとの茶器」や「3Dモデリング上のサスペンションの稼動範囲」なども含む)とは対照的に皮肉を込めて「キャラクター設定は粗雑」だと揶揄される事がある。最も顕著な例が「黒森峰女学園のジャケットデザインの色設定が不明瞭でデザインが都合3種類ある(それゆえTVシリーズでは塗り間違いや衣装違いが頻発していた)」「主要人物以外は本名やプロフィールが判明していないキャラの方が多い」などという案件が指摘されている。
TVシリーズ
当初は2012年10月より全12話が深夜枠で放送される予定だったが、制作工程の事情から第10話の放送をもって本放送は一旦中断(その際には総集編2話分を挟んで放送)。翌年3月中旬に残り2話を改めて放送しTVシリーズが完結。TOKYO MX、テレビ大阪、テレビ愛知、BS11、AT-Xで放送。ブレイクの兆しがあったためか、TOKYO MXでは最終2話がプライムタイム枠に昇格して放送された。
2015年1月から3月にかけてABCテレビ、2015年4月からはとちぎテレビでも放送されたほか、2015年7月よりUHFアニメとしては異例のテレビ東京で実質的な再放送が実施され、舞台となった茨城県大洗町ではようやく地上波で本作を視聴できるようになったほか、静岡放送、TVQ九州放送、テレビ北海道でも放送、10月からはサンテレビで放送された。今回の再放送では新たにエンドカードが追加されている(エンドカードの作者はコミカライズ担当の野上武志、才谷屋龍一、槌居、弐尉マルコ、声優兼イラストレーターの天神英貴、軍事評論家の岡部いさく、漫画家の池上遼一や小林源文らが参加)。2017年10月のBS11での再放送の際には10話と11話との間に最終章の特別番組を挟んで放送され、2019年10月のBS日テレや2021年1月及び7月のJCOM(アニおび枠扱い)など、現在でも頻繁に再放送を行っている作品となっている。
OVA、劇場版
TVシリーズで10秒程度のダイジェストで纏められていた大洗・アンツィオ戦のエピソードを補完する長編OVA『これが本当のアンツィオ戦です!』が2014年7月5日に各地でイベント上映、さらに2015年には『ガールズ&パンツァー劇場版』の製作も決定し(本来は2014年だったが、製作の遅れにより2015年に変更された)、2015年11月21日より絶賛上映された。2016年5月25日に行われた「第25回日本映画批評家大賞」のアニメ部門においてサンクチュアリ作品賞を受賞し、主演の渕上舞の新人声優賞とダブル受賞を果たした。
2016年には更なる新作の制作が発表されたものの、現状はこの作品をもって、『最終章』とする予定であることが報じられた。
全6章・各話40分ほどの映像作品となり、2017年12月9日に第1話の上映が始まり、そこから順次劇場公開されるとのこと。
2019年6月15日には最終章第2話が上映されている。
2021年3月26日には最終章第3話が上映されている。
2023年10月6日に最終章第4話が上映予定。
詳しくはガールズ&パンツァー最終章を参照。
コミカライズなど
本編のコミカライズ、ノベライズに加え、『リトルアーミー』 『もっとらぶらぶ作戦です!』 『リボンの武者』、登場する各校を描く公式アンソロジーや、『激闘!マジノ戦ですっ!!』 『リトルアーミーⅡ』、また劇場版で描かれなかったキャラの心情や隙間を描く『劇場版 Variante』など書籍化作品も多岐に渡る。ミリタリーの側面からもガイドブックをはじめとした複数の関連書籍が出版されており、本棚が一段埋まっていそうな勢いである。
関連書籍もKADOKAWA系以外にも『学研』や『大日本絵画』などからも発売されている。基本的にKADOKAWA系で関連書籍を出版する『艦隊これくしょん』や『ストライクウィッチーズ』と比べると出版社を選ばない体制をとっている。
スピンオフ作品『ガールズ&パンツァー リトルアーミー』の1話はpixivコミックで試し読みできる。
なお、本作のヒットによって聖地と化した茨城県・大洗町は観光協会、商工会、商工観光課までも巻き込んで全面的に巡礼者の受け入れ態勢を整えており、『ガルパン』ファンの来訪を待ち構えている。この地元の御厚意に応える為にも訪れる際にはくれぐれもマナーに気をつけられたし。
あらすじ
戦車を使った武道「戦車道」が華道や茶道と並んで大和撫子の嗜みとされている世界。県立大洗女子学園に転校生の西住みほがやってきた。戦車道が嫌いで、戦車道がない大洗女子を選んだみほ。
ところが転校して早々に、生徒会長に呼び出され、必修選択科目で戦車道を選択し、戦車道全国大会に出場するよう強要される。しかも、集まったメンバーは個性派ばかり。華道家元の娘の五十鈴華、恋に恋する武部沙織、戦車マニアの秋山優花里、朝に弱い優等生の冷泉麻子。友達と普通の女子高生活を夢見るみほのささやかな願いは叶うのか?
(公式サイトより)
登場人物
こちらを参照 → ガールズ&パンツァーの登場人物
主題歌
オープニングテーマ
作詞 - こだまさおり / 作曲 - rino / 編曲 - h-wonder / 歌 - ChouCho
エンディングテーマ
作詞 畑亜貴 / 作曲 矢吹香那&佐々木裕 / 編曲 佐々木裕 / 歌 あんこうチーム[西住みほ(渕上舞)&武部沙織(茅野愛衣)&五十鈴華(尾崎真実)&秋山優花里(中上育実)&冷泉麻子(井口裕香)
挿入歌
『あんこう音頭』
作詞 吉田玲子 / 作曲・振付 水島努 / 編曲 藤井丈司 / 歌 佐咲紗花
『カチューシャ Sung by カチューシャ&ノンナ』
作詞 ISAKOVSKIJ MIKHAIL VASILEVICH / 作曲 BLANTER MATVEJ ISAAKOVICH / 編曲 浜口史郎 / 歌 カチューシャ(金元寿子)&ノンナ(上坂すみれ)
作詞・作曲 パトリック・ギルモア / 歌 秋山優花里(中上育実)
『コサックの子守唄』
作詞・作曲 M・レールモントフ / 歌 ノンナ(上坂すみれ)
『雪の進軍』
作詞・作曲 永井建子 / 歌 エルヴィン(森谷里美)&秋山優花里(中上育実)
BGM
『リパブリック讃歌』
『エーリカ』
『ポーリュシカ・ポーレ』(交響曲第4番『コムソモール戦士の詩』第1楽章の第2主題より1934年に作曲)
※【ヴィクトル・グーセフ作詞・レフ・クニッペル作曲・『ポーリュシカ・ポーレ』:ヴォロネジ聖三位一体教会の聖歌隊である男声合唱団による歌唱映像】
各話リスト
話数 | サブタイトル |
---|---|
第1話 | 戦車道、始めます! |
第2話 | 戦車、乗ります! |
第3話 | 試合、やります! |
第4話 | 隊長、がんばります! |
第5話 | 強豪、シャーマン軍団です! |
第5.5話 | 紹介します! |
第6話 | 一回戦、白熱します! |
第7話 | 次はアンツィオです! |
第8話 | プラウダ戦です! |
第9話 | 絶体絶命です! |
第10話 | クラスメイトです! |
第10.5話 | 紹介します2! |
第11話 | 激戦です! |
第12話 | あとには退けない戦いです! |
OVA第1話 | ウォーター・ウォー! |
OVA第2話 | サバイバル・ウォー! |
OVA第3話 | スクールシップ・ウォー! |
OVA第4話 | アンコウ・ウォー! |
OVA第5話 | スノー・ウォー! |
OVA第6話 | エンカイ・ウォー! |
OVA | これが本当のアンツィオ戦です! |
模型、商品展開
プラッツより、劇中仕様の戦車プラモデルが1/35、1/56、1/72スケールなどで発売されている。これは痛戦車と呼べるのであろうか……。アイマス痛戦闘機プラモではガンプラしか作ったことのない層が制作に苦労した(HGUC1/144ガンダム試作3号機デンドロビウムやパーフェクトグレードなんかに手を出しているなら話は別だが)と聞くが、戦車プラモもハードルが高いと思われる。さらに、ベースとなったキットは海外メーカーからのOEM品が中心であり、田宮模型などの国産キットと比べて癖の強いものが多い。
一応、劇中に登場した車種は(細かい仕様はともかく)すべて1/35スケールで市販されているので、塗装やマークの自作・小改造等が必要なものの、劇中の車両を再現する事は可能である。また同社から、登場キャラクターの同スケールのフィギュアも発売されている。
その他、ファインモールドからは日本戦車を中心とした1/35スケールのキットなどが、ピットロードとエブロからはエンディング映像を再現したデフォルメ戦車のキットが発売されている。
キャラクターのプラモは、バンダイの「ぷちゅあらいず」からあんこうチームの面々のSDキットが発売されている。また、バンダイはBトレインショーティーでガルパンラッピング仕様の鹿島臨海鉄道6000形もキット化しており、これには1/150スケールのⅣ号戦車が付属する。
完成品も多くの会社から発売されている。中でも、マックスファクトリーから発売された(外部リンク)1/12スケールのIV号戦車は同スケールのFigmaを載せることができ、なおかつモ-ターライズで走行できる代物である。そのほかにも、ディフォルメサイズの戦車などの完成品が発売されている。
雑誌関連
模型雑誌月刊モデルグラフィックス
複数回の巻頭特集が行われた他、『ガールズ&パンツァーモデリングブック』として単行本が発売されている。
また巻頭特集を基に再編集した、劇中に登場した戦車の資料集『アハトゥンクガールズ&パンツァー』を発売したり、模型戦車道コンクールを開催するなど、他の模型雑誌に比べて積極的に記事展開を行っている(ただし番組情報などは『電撃ホビーマガジン』が数ヶ月前から先行していた)。
劇場版上映時にも巻頭特集が行われ、劇中で活躍した戦車の作例を掲載するという偉業を成し遂げた。
その他の模型雑誌
『電撃ホビーマガジン』でも劇中に登場した戦車の作例が掲載されているが、ほかの模型雑誌よりも扱いが少ない。ただし番組情報や新製品情報などには力をいれている模様。
『ホビージャパン』でも上記の2誌に遅れて掲載を開始、作例や新製品の情報などをほぼ毎号掲載されている。他の2誌と異なり、表紙を飾ったことはほとんどないものの、何度か特集を組んだことがある。スピンオフ作品(『リボンの武者』など)に登場した戦車の作例をいち早く掲載した模型雑誌でもある。
モデルグラフィックスの姉妹雑誌である『アーマーモデリング』という戦車専門雑誌でも劇中の戦車の作例を載せている。
模型雑誌以外の雑誌
『グレートメカニック』というアニメに登場するマシン専門の雑誌にも本作の特集が度々掲載されている。それ以外にも本編のCGをフィーチャーした雑誌があるなど、掲載雑誌が多い。
プロップデザイン
世界観の統一を図るべく小物などの設定を担当するのがプロップデザインの仕事である。キャラクターデザインが人物や服装を設定するのに対し、プロップデザインでは鞄や文房具、食器や携帯電話、ストラップ等々のデザインを手がける。
本作では作中に登場するオリジナルマーキングのデザインや、序盤の大洗戦車隊が好き勝手をした戦車の改造塗装についても指示を行っている。大洗女子の各チームのパーソナルマーキングとして使用されているエンブレムは牧内ももこ氏の手によるものである。
タグ使用上の注意
いつからかは不明だが、日本語が読めない海外ユーザーの方々が、pixivからのオススメのタグと勘違いをしてしまい、投稿するイラストの内容に関係なく「ガールズ&パンツァー」のタグを付加してしまう事案が時々発生してしている。
悪意はないと信じたいが、検索妨害となり得る行為であり、心当たりのあるユーザーには自重を促したいところであり、もしそのような投稿を見かけたら、検索サイト等でその事を和訳して、コメント欄等に書き込んで注意を促してもらいたいところである。
(もちろん、イラスト内容やキャプション等で、ガールズ&パンツァーを意識している事が明白な場合はその限りではない)
※詳しくは、※作者は海外ユーザーの記事を参照。
関連イラスト
関連タグ
表記揺れ・略称
ガールズアンドパンツァー ガールズパンツァー GIRLSundPANZER ガルパン GuP
作品関連
ガールズ&パンツァー劇場版 ガールズ&パンツァー最終章 戦車道大作戦!
リトルアーミー リボンの武者 もっとらぶらぶ作戦です! 激闘!マジノ戦です!!
フェイズエリカ プラウダ戦記 樅の木と鉄の羽の魔女 戦車道ノススメ
戦車道 学園艦 ボコられグマ 自動車部 EnterEnterMISSION!
あんこう音頭 あんこう踊り 戦略大作戦 パンツァーファイブ ヴォイテク
ストライクウィッチーズ※キャラ原案と一部声優が同じ。
蒼き鋼のアルペジオ※メインヒロインのイオナと西住みほの声優はどちらも渕上舞が演じており、Webラジオ番組『蒼きラジオのアルペジオ改〜アルパン!イオナが西住みほと海で出会った〜』でコラボした。
咲-Saki-※「現実ではまずありえない高校生の公式競技」、「主人公の姉が女子高生最強」、「高い実力を持ちながら冒頭では当該競技に苦手意識を抱いていた主人公」と共通点が多い
セーラー服と重戦車 紫電改のマキ※この二つは「女子高生が兵器を乗りこなす」という意味でガルパンと似ている。因みに作者は2つとも『リボンの武者』の漫画家。
こちら葛飾区亀有公園前派出所※同作にて、「近年のミリタリーブーム」の一部として紹介されることが多かった。この縁もあってか、秋本治氏が本作に応援イラストを寄せたり、「V.S.こち亀」に本作が参戦するなど、コラボレーションの機会が多い。
艦隊これくしょん※一部キャラクターデザインと声優が共通するほか、舞台の大洗にゆかりのある艦娘や学園艦のモデルとなった艦船の艦娘、ガルパンに登場する装甲車両が登場。
ビッカメ娘※ビッカメ娘の一人「水戸たん」に戦車をはじめとしたミリタリーモチーフが取り入れられている。
ハイスクール・フリート※脚本家と時代考証が同じで、個性豊かな女子高生キャラが多く登場する作品。
NEWGAME!※スマホアプリ『ガールズ&パンツァー 戦車道大作戦!』でコラボ
チーム名が「ワシさんチーム」なのは社名から
登場するメンバーは
グラフィックチームから涼風青葉・八神コウ・遠山りん・滝本ひふみ・篠田はじめ・飯島ゆん
車両のみ『NEWGAME!!』IV号戦車D型改H型(ワシさん)(PECO)とKV-2(ワシさん)(PECO)仕様の2種類
Re:ゼロから始める異世界生活※スマホアプリ『ガールズ&パンツァー 戦車道大作戦!』でコラボ
プリンセス・プリンシパル※スマホアプリ『ガールズ&パンツァー 戦車道大作戦!』でコラボ
評価タグ
ガルパン100users入り ガルパン500users入り ガルパン1000users入り
ガルパン5000users入り ガルパン10000users入り ガルパン50000users入り
各チームへの誘導タグ
あんこうチーム カメさんチーム アヒルさんチーム カバさんチーム
ウサギさんチーム カモさんチーム レオポンさんチーム アリクイさんチーム
カップリング・グループタグ
→ガル百合を参照
コラボタグ
PANZERコンビ/プリキュア&パンツァー(w/ドキドキ!プリキュア/プリキュアシリーズ)
大洗地方総監部/ガールズ&フロッテ(w/艦隊これくしょん)※陸海空)
ガールズ&ウィッチーズ(w/ストライクウィッチーズ)※陸海空)
二次創作タグ
ガルパン絵日記 潜水艦道 ラップランドの空の下 もしもまほだったら
その他のタグ
だめだこのお姉ちゃん早くなんとかしないと ガールズ&パンツ ガルパンはいいぞ
これが西住流… 西住殿マジ軍神 忠犬ユカ公 オッドボール三等軍曹
観覧車先輩 西住殿 秋山殿 ミホニウム ついにやって来たわに!
6000形…本来デッサン狂い・考証間違いのはずだったのだがそれが一周回って…。