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概要編集

2016年生まれ、2019年3歳の競走馬の世代である。

アーモンドアイ18世代と牡牝W三冠馬の20世代の間ではあるが、谷間の世代という評価では収まらないほど、この世代も優秀な成績を残した。前世代に並ぶほど牝馬の活躍が目立ち、とくにクラシックホース3頭の実績は、他を抜きん出るほどの迫力があった。

ばんえい競馬で活躍を続けているメムロボブサップもこの世代。


国内牝馬編集

桜花賞馬グランアレグリアは、4歳安田記念でのアーモンドアイとの直接対決に勝利したことをきっかけに、一気に最強女王への階段を駆け上がった。ディープインパクト産駒に初めてのスプリントGIのタイトルを飾ったのもこの馬である。5歳シーズンでは大阪杯や、天皇賞・秋といった2000mのレースにも挑戦したが、距離延長で終いが甘くなるなど勝ち切れず。それでも得意のマイルGIで2勝をマークし、2年連続で最優秀短距離馬を受賞した。


オークス馬ラヴズオンリーユーは5歳の京都記念の復活を皮切りに、日本馬として初のブリーダーズカップ勝利を含む海外GⅠ年間3勝の活躍。同年のエクリプス賞(アメリカ競馬の年間表彰式)最優秀芝牝馬を受賞、これも日本馬初の快挙であった。


秋華賞馬クロノジェネシスは中長距離路線で牡馬相手に奮闘。ゴールドシップ以来の宝塚連覇&春秋グランプリ3連覇の活躍。父バゴも制した凱旋門賞にも挑戦(7着)した。


このように、牝馬三冠を分け合った3頭が各分野(グランアレグリアが短距離からマイル、クロノジェネシスが国内中長距離、ラヴズオンリーユーが海外中距離)でそれぞれ実績を残しており、いずれも牡牝混合戦においても牡馬と同等以上の実績を残したことから、ダイワスカーレットウオッカを輩出した07世代と並ぶ牝馬最強世代の一角に数えられている。


ブリーダーズカップでは同世代でさらにもう一頭、ダート交流重賞路線で頭角を現していたマルシュロレーヌBCディスタフを低人気(11頭立て・9番人気)で勝利し、日本調教馬で初めて海外の国際ダートGⅠ制覇を成し遂げた。ラヴズオンリーユーとは同厩の調教パートナーとしてセットで語られることが多い。

※過去にヴィクトワールピサ10世代)がドバイWCを制しているが、当時のドバイWCはダートではなくオールウェザー。


重賞未勝利馬にも、強い世代の中にあって奮闘を続けてファンを沸かせ、根強い人気を博した馬が多い。第1回アイドルホースオーディションでメロディーレーンカレンブーケドールが上位に入り、ぬいぐるみが商品化されたのはその表れと言えよう。

牝馬ながらステイヤー気質であるメロディーレーンは、非常に小柄な馬体をはじめとする愛らしい外見と、菊花賞5着を皮切りに重賞で善戦しオープン入りを果たした実力をあわせ持ち、長く現役を続けている。

カレンブーケドールは重賞未勝利の2勝馬ながら重賞2着7回3着2回(うちGⅠ2着3回3着1回)の戦績を残し、獲得賞金額はカレンチャンを抜いてカレン一門トップとなった。同様の戦績のサウンズオブアースとともに、稀代のシルバーコレクターとして並び称される。

また、1勝馬ながら桜花賞2着など重賞2着3回3着3回を記録した名脇役シゲルピンクダイヤは繁殖入り後、オーナーの死亡に伴う売却で繁殖セリに出された際、実績を買われて落札額1.5億円に達した。


国内牡馬編集

牡馬では2-3歳のマイルGⅠを2勝したアドマイヤマーズが3歳で香港マイルを制した。3歳馬の勝利は香港マイル史上初であるとともに、3歳での海外混合古馬GⅠ勝利は日本調教馬初であった。

また、安田記念でグランアレグリアや2世代下のシュネルマイスターを下したダノンキングリー、菊花賞・天皇賞(春)優勝と長距離路線で実績を残したワールドプレミアが長期間活躍し、存在感を示した。


ダートはクリソベリルが3-4歳時にGⅠ4勝の活躍をみせ、クリソベリルが現役を退いた後はカジノフォンテンミューチャリーと地方馬の活躍が目立った。短距離ではJBCスプリントで勝ちドバイゴールデンシャヒーン2年連続2着のレッドルゼルや、地方から出戻って本格化しリヤドダートスプリントを勝ったダンシングプリンスが存在感を示した。


ちなみにクリソベリルを含め、ダート王を多数輩出してきたゴールドアリュール産駒だが、6歳シーズンでナランフレグ高松宮記念を制覇、父に初の芝GⅠタイトルを届けた。奇しくも数日前に母ニキーヤが夭逝したばかりであった。

高松宮記念は続く7歳でもファストフォースが戴冠。同レースで7歳馬が優勝するのは3度目(キンシャサノキセキエアロヴェロシティ)のことであった。


一方、牡馬クラシック戦線は皐月賞馬サートゥルナーリア、ダービー馬ロジャーバローズが早くに現役を退き、そのことも牝馬の存在感をより高める一因となった。


障害戦線では、短距離が主戦場のホッコーメヴィウスと、長距離が主戦場のニシノデイジーが代表格。ともに6歳で悲願を達成したのみならず、7歳で低迷と復調を経験したという共通点も持つ。

ホッコーメヴィウスは6歳春までに重賞5戦で2着3回3着1回とカレンブーケドールにもなぞらえられるシルバーコレクターであったが、6歳夏には圧倒的な強さで重賞3勝のゴールドコレクターへ雄飛を遂げた。

ニシノデイジーは牡馬クラシック戦線を皆勤したのち疾病に苦しみ低迷したが、6歳で障害競走に挑戦すると才能が開花。障害4戦目、初の重賞挑戦となった中山大障害を制し、一気に玉座まで跳び上がった。

ホッコーメヴィウスのほかマーニジェミニキングと、騎手にとっての重賞初優勝をもたらした馬が多いのも特徴である。


海外編集

海外では、欧州はBCターフを勝つなど米仏で活躍した女傑タルナワや、凱旋門賞馬ソットサス、BCF&Mターフを勝ち引退後日本へ輸入されたイリデッサ、ドバイターフを連覇したロードノースなどが活躍。日本人共同所有馬のブルームジャパンはともにJC出走を果たしている。

米国ではマイルと中距離でBC2階級制覇を果たした芦毛馬ニックスゴー、ノーブルミッション産駒のコードオブオナー、牝馬ではデビュー当初メキシコで使われ、その後アメリカに移籍して良績を続けているレトルースカが代表格、芝でカフェファラオの半姉リーガルグローリーなどが活躍している。


勝利したGⅠ編集

前の18世代とは対照的で牝馬限定や短距離・中距離が前後世代の台頭で手薄、マイルやグランプリで好結果を出している。

2~3歳GⅠ(中央)編集

レース名2018年(2歳)2019年(3歳)
阪神JFダノンファンタジー
朝日杯FSアドマイヤマーズ
ホープフルSサートゥルナーリア
皐月賞サートゥルナーリア
日本ダービーロジャーバローズ
菊花賞ワールドプレミア
桜花賞グランアレグリア
オークスラヴズオンリーユー
秋華賞クロノジェネシス
NHKマイルCアドマイヤマーズ

2~3歳JpnⅠ(地方)編集

レース名2018年(2歳)2019年(3歳)
全日本2歳優駿ノーヴァレンダ
ジャパンダートダービークリソベリル

古馬GⅠ(中央)編集

レース分類レース名2019年(3歳)2020年(4歳)2021年(5歳)2022年(6歳)2023年(7歳)
芝短距離高松宮記念ナランフレグファストフォース
スプリンターズSグランアレグリア
芝マイル安田記念グランアレグリアダノンキングリー
マイルCSグランアレグリアグランアレグリア
芝中距離大阪杯
天皇賞(秋)
芝長距離天皇賞(春)ワールドプレミア
ジャパンC
牝馬限定ヴィクトリアマイルグランアレグリア
エリザベス女王杯
グランプリ宝塚記念クロノジェネシスクロノジェネシス
有馬記念クロノジェネシス
ダートフェブラリーS
チャンピオンズCクリソベリル
障害中山グランドジャンプ
中山大障害ニシノデイジー

古馬GⅠ・JpnⅠ(地方)編集

レース名2019年(3歳)2020年(4歳)2021年(5歳)2022年(6歳)
川崎記念カジノフォンテン
かしわ記念ワイドファラオカジノフォンテン
帝王賞クリソベリル
マイルCS南部杯
JBCレディスクラシックテオレーマ
JBCスプリントレッドルゼルダンシングプリンス
JBCクラシッククリソベリルミューチャリー
東京大賞典

海外GⅠ編集

レース名2019年(3歳)2021年(5歳)
香港マイルアドマイヤマーズ
QE2世Cラヴズオンリーユー
BCF&Mターフラヴズオンリーユー
香港カップラヴズオンリーユー
BCディスタフマルシュロレーヌ

代表的な馬編集

馬名性別主な勝利レース
クロノジェネシス宝塚記念(2連覇)/有馬記念/秋華賞
グランアレグリア桜花賞/安田記念/スプリンターズS/マイルCS(2連覇)/ヴィクトリアマイル
ダノンキングリー安田記念
サートゥルナーリアホープフルステークス/皐月賞
ワールドプレミア菊花賞/天皇賞(春)
ラヴズオンリーユーオークス/QE2世C(香港)/BCフィリー&メアターフ(米)/香港カップ
マルシュロレーヌBCディスタフ
ロジャーバローズ日本ダービー
アドマイヤマーズ朝日杯FS/NHKマイルC/香港マイル
ダノンファンタジー阪神ジュベナイルフィリーズ
クリソベリルチャンピオンズC/Jダートダービー/帝王賞など
ナランフレグ高松宮記念
ファストフォース高松宮記念
レッドルゼルJBCスプリント
テオレーマJBCレディスクラシック
ダンシングプリンスJBCスプリント/リヤドダートスプリント(沙)
ニシノデイジー(※現役)中山大障害/札幌2歳ステークス/東京スポーツ杯2歳ステークス
ボッケリーニ(※現役)目黒記念/中日新聞杯/鳴尾記念
エイティーンガールキーンランドカップ/京阪杯
ケイアイパープル(※現役)佐賀記念/白山大賞典
ユニコーンライオン鳴尾記念/福島記念
シルヴァーソニックステイヤーズステークス/レッドシーターフハンデキャップ(沙)
カラテ(※現役)新潟大賞典/新潟記念/東京新聞杯
ラプタス(※現役)黒船賞/かきつばた記念/サマーチャンピオン/兵庫ゴールドトロフィー
ホッコーメヴィウス(※現役)新潟ジャンプステークス/阪神ジャンプステークス/京都ジャンプステークス
トゥルボー(※現役)新潟ジャンプステークス/阪神ジャンプステークス
ジャスティン(大井)(※現役)東京盃/東京スプリント
ハヤブサナンデクンマーチステークス
カジノフォンテン(船橋)(※現役)川崎記念/かしわ記念/京成盃グランドマイラーズ/勝島王冠
ワイドファラオ(大井)かしわ記念/NZT/ユニコーンS
ナムラカメタロー(高知)(※現役)佐賀記念
ノーヴァレンダ(川崎)全日本2歳優駿/ダイオライト記念
ミューチャリー(船橋)JBCクラシック/羽田盃
ジンギ(兵庫)園田ユースカップ/菊水賞/摂津盃/園田金盃/白鷺賞/兵庫大賞典/姫山菊花賞/六甲盃
モダスオペランディ(高知)(※現役)大高坂賞/御厨人窟賞/だるま夕日賞
グリードパルフェ(高知)(※現役)高知県知事賞/はがくれ大賞典/六甲盃
タガノファジョーロ(佐賀)(※現役)佐賀王冠賞/九州大賞典
シュロス(道営)(※現役)エトワール賞
オールスマート(佐賀)(※現役)園田FCスプリント
メムロボブサップ(帯広)(※現役)ばんえい記念/イレネー記念/ばんえいダービー/天馬賞/ナナカマド賞/ばんえい大賞典/ばんえい菊花賞/銀河賞/ばんえいグランプリ/北見記念/岩見沢記念/チャンピオンカップ/旭川記念/北斗賞/ばんえい十勝オッズパーク杯/ドリームエイジカップ

海外馬編集

性別調教国レース
タルナワ(IRE)IREヴェルメイユ賞/オペラ賞/BCターフ
ブルーム(IRE)(※現役)IREサンクルー大賞
ジャパン(GB)IREパリ大賞典/インターナショナルS
ソットサス(FR)FR凱旋門賞など
グランドグローリー(GB)FRジャンロマネ賞
イリデッサ(IRE)IREBCF&Mターフなど
ロードノース(IRE)(※現役)GBドバイターフ/プリンスオブウェールズS
ニックスゴー(USA)USABCダートマイル/BCクラシックなど
コードオブオナー(USA)(※現役)USA
レトルースカ(USA)USA
リーガルグローリー(USA)(※現役)USAペガサスWCF&Mターフなど

国内での種牡馬入り編集

供用開始繋養先
ロジャーバローズ
アドマイヤマーズ2021社台SS/アローフィールドS(AUS)
サートゥルナーリア2021社台SS
クリソベリル2022社台SS
ダノンキングリー2022
ダンシングプリンス2024
ナランフレグ2024
ファストフォース2024
ユニコーンライオン2024

前後の世代編集

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