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概要編集

既存の警察軍隊では対処しきれない、特殊な戦闘を想定して編成された部隊

原則として一般兵士より高い教育を受けたエリート隊員が所属する精鋭と位置づけられる。


設置国の一般編成では対応できない状況への対処が求められるため、同じ特殊部隊という括りであっても、年代や国が変われば部隊の中身や規模も大きく変わる(米国では特殊部隊の潜入や救出等を支援するための特殊部隊などというものもある。また、戦闘を主体とせず、心理戦や人材育成に従事する場合もある)。

また、軍隊系特殊部隊の場合は陸海空軍のどれに所属するかによっても違いがある。


一般にイメージされるのは、森林や市街地等、正規軍が戦闘を苦手とする地域での対ゲリラ戦や、ハイジャック等の人質立てこもり事件、テロリストの制圧、敵地への潜入暗殺などに従事する歩兵部隊である。

下のイラストのように、取り回しの利くサブマシンガンカービン銃を装備する。

任務の特質上、少数で行動し、隠密性が重視される。

SASドラマとは違うもの。


このため、侵入されたことが発覚しても、簡単に発見できるわけではなく、侵入された側は侵入者の人数に比べて大がかりな捜索・警備態勢を敷くことになる(詳細は江陵浸透事件で検索)

ただし、特殊部隊員1人1人の価値は一般兵士に比べて極めて高く、多人数同士での撃ち合いは必然的に人数が多い正規部隊が有利であることから、敵地に侵入する場合はサポート態勢をしっかり整え、敵側の人数が少ない(もしくは深夜等武装した兵士が少なくなっている)状況に奇襲し、目的達成後は敵が態勢を立て直して集結しない内に速やかに現場から離脱するというのが基本戦術(ヒット・アンド・ラン)であり、敵地に侵入した特殊部隊=大人数相手に無双するスーパーマン集団というわけではない。

ウクライナ侵攻では、ロシア軍が少しでも短期決戦で勝てるようにと、正面から敵と撃ち合う最前線にスペツナズの大部分を投入して壊滅した事例がある。

ちゃんと特殊部隊に適した運用を行わなければ、貴重な戦力の浪費となってしまうのである。


かつてのような国家同士の全面戦争が少なくなっている現代では、特殊部隊は使い勝手が良く、活用頻度の多い部隊であるが、担当する任務の性質上、外部への露出も少なく、訓練が公開されることも稀である。

テロリストを相手にすることも多く、家族や本人への報復を防ぐためにも、隊員が素顔をさらすことは少なく、名前や個人情報等が書かれた装備などがメディアに出る場合はモザイク処理が施される。

攻殻機動隊のアニメで、リーダーの草薙素子が一般の警察に(義体とは言え)素顔を見せるシーンがあるが、原作者の士郎正宗氏が自著で苦言を呈している。

余談だが、原作漫画では、公安9課課長の荒巻大輔草薙素子に、SASで訓練を受けてくるよう命じる場面がある。


これら特殊部隊の隊員は一般兵士よりも実戦経験や教育面で質の高い存在であるため、民間軍事会社からの引き抜きも多く、人材流出が問題となっている。


装備編集

原則として、その国の一般部隊より高性能・高価な装備が支給され、装備の国籍は問わない。(中国、ロシアの警察系特殊部隊では西側諸国製の装備が確認されている。また、ベトナム戦争やイラク戦争後の米軍のように敵地で活動することが主任務となる場合は、補給の都合や欺瞞のため、当該地の武器を使用するケースもある。)

このため、時計や銃などの製品の謳い文句としても特殊部隊の名が使われることがある。

多くの場合は制式採用などというものはなく、隊員個人でも部隊でも何でも(部隊の名は出さず匿名で)購入して使い、良い物を使うケースが多い。(一般部隊は弾薬など消耗品の補給の都合上できる限り制式装備を使うようお達しがあるが、特殊部隊はそれが緩やかである。もちろん国によって差はある。)

上位となる組織の名義で購入することもあり、どの装備が特殊部隊で使われるために購入されたかなど判別することは難しい。

当たり前であるが採用状況などは公開されず、勝手に部隊に送りつけて制式採用されたなどと謳う企業もある。


なお、市街地で戦う対テロ部隊は短期戦が主体となることから、一般部隊よりも重装備であるケースが多い(反面、野戦等の長期従軍には向かない)。


主な世界各国の特殊部隊編集

日本編集


以下の日本の部隊は公式には特殊部隊でないが、特殊部隊に準ずる部隊。

陸上自衛隊編集

  • 水陸機動団:隷下にレンジャー隊員のみを集めたレンジャー小隊を編成しており、彼らなど一部隊員には特殊部隊向けの給与制度である「特殊作戦隊員手当」が適用されている。
  • 冬季戦技教育隊:雪中戦専門教育隊。対ソ連/ロシアの特殊部隊として設立された側面もある。
  • 第102飛行隊:特殊戦用ヘリ部隊。特殊作戦群の空輸や空中支援を行う。
  • 101遊撃隊:非常設レンジャー部隊。部隊符号上だけの存在とも。

この他にもレンジャー隊員の比率が高い第1空挺団中央即応連隊対馬警備隊などがある。

航空自衛隊編集

  • 航空救難団:救難部隊。救難員はほぼ全員が陸自の空挺レンジャー課程を履修し、冬季レンジャーや海自の開式スクーバの各課程を履修する者も多い。
  • 基地警備教導隊:対ゲリラ及び対テロ教育部隊。
  • 航空支援隊前線航空管制を任務とする空地作戦部隊。

都道府県警察本部編集


アメリカ編集

警察・FBI編集

  • SWAT(スワット):凶悪犯に対処する警察特殊部隊。
  • ESU(緊急出動部隊):レスキュー隊の能力を併せ持つSWAT。
  • HRT:SWATでは対応困難な重大事件に対処するFBIの切り札的存在。

アメリカ軍編集

アメリカ陸軍編集

アメリカ海軍編集

アメリカ空軍編集

アメリカ海兵隊編集


イギリス編集


フランス編集


ドイツ編集


イタリア


ポーランド編集

ポーランド軍編集


ロシア(旧ソ連)編集

ロシア連邦保安庁(FSB)編集

ロシア国家親衛隊編集

また、ロシアの特殊部隊は広義としてスペツナズと呼称される。


イスラエル編集


インド編集


オーストラリア編集


中国編集


香港編集


北朝鮮編集


韓国編集




架空の特殊部隊編集

作品別に表記


歴史的な特殊部隊?編集

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