機体データ
型式番号 | MSN-00100(MSN-100) |
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所属 | エゥーゴ |
開発 | アナハイム・エレクトロニクス |
生産形態 | 試作機 |
全高 | 21.6m |
頭頂高 | 18.5m |
本体重量 | 31.5t |
全備重量 | 54.5t |
出力 | 1,850kW |
推力 | 74,800kg |
センサー有効半径 | 11,200m |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
固定武装 |
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携行武装 |
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概要
型式番号MSN-00100。エゥーゴとアナハイム・エレクトロニクス社の共同開発プロジェクト『Ζ計画』で開発された攻撃用試作型モビルスーツ(MS)。
Ζ計画に基づき、γガンダムことリック・ディアスに次ぐ機体として『δガンダム』の開発コードの元、当初は可変試作機として開発が進められていたMSであり、アナハイム社で開発されたムーバブルフレームを採用していたが、シミュレーターによるテストによってフレームの耐久力が可変システムに耐えきれないことが発覚、δガンダムの開発計画は一時中断される事になった。
その後、エゥーゴは新型ガンダムであるガンダムMk-Ⅱの強奪に成功。これにより、連邦軍のムーバブルフレーム技術を手に入れたこと、そしてティターンズとの全面的な軍事衝突が想定より早まりロールアウトを前倒しする必要が生じたことで、可変試作MSの開発計画はΖガンダムへ移行し、δガンダム系列は可変機構をオミットし姿勢制御能力を高めた攻撃型モビルスーツとして再設計された『百式』としてロールアウトした。
百式という名称は、開発主任のM・ナガノ博士が「百年使えるMS」である事を願って付けられたもの。
実際に開発されて百年後に運用された機体にゾーリン・ソールが、百年とは行かないものの半世紀以上使い続けられた機体にガンプがある。
機体解説
一年戦争やデラーズ紛争を経て、モビルスーツの主兵装はビーム兵器が標準化し、「当たらなければどうということはない」…つまり当たれば一撃で倒される状況が顕著化、機体装甲やシールドへの耐ビームコーティングも標準化する事となった。そのため本機は機体本体の軽量化や機動力・運動性を向上させる事で、敵のビーム攻撃を防御するのではなく回避する事を前提に開発されている。
まず、ムーバブルフレームはガンダムMk-Ⅱから得られたデータによってリック・ディアスより高度な物に変更、装甲も軽量化のため従来より薄くなっており、更にシールドは標準装備から廃されている(劇場版第3作では、ゼダンの門とアクシズの衝突に備えるためか、ハイザックのシールドや大破した戦艦の装甲をシールド代わりにする描写が見られる)。
この他、肩部や脚部には姿勢制御用のバーニアが追加され、バックパックには「フレキシブル・バインダー」が装備される。このバインダーは可変機開発時の名残で、大気圏内外を問わず本機の機動性を大きく向上させるAMBAC可動肢として機能するものであり、後にΖプラスA1型やデルタプラスにも可変翼として採用されている。
頭部センサーは通常のデュアルカメラアイのみではなく、画像管理型符号化装置(IDEシステム)と呼ばれる特殊なものが搭載されており、これも百式系機体の特徴のひとつとなっている。
本機最大の特徴たる金色の塗装は、資源衛星にて偶然発見された特殊材料を調合したエマルジョン塗装が使用されている。耐ビームコーティング効果を持つとされており、回避時に被弾(掠ったり)した時のための保険として施されているが、あくまで回避時の補助である為、ビームの直撃には耐える事が出来ない。また、希少かつ高価であった事も相まって、オリジナルのレシピでコーディングされたのはロールアウト直後のみで、以降完璧に再現する事は不可能だったらしい。
以上の事から本機は攻撃試作機と言うよりは、機動性・運動性の限界能力を測る実験機といった側面が強く、極めて繊細な操縦技術を必要とする事も相まって、実戦運用にはやや不向きな機体として完成した。このため、ロールアウト時のメインパイロットにはクワトロ・バジーナ大尉が選ばれた他、量産を前提にした百式改では、極端な機体特性をマイルドにするために火力の増強やバインダーの変更が行われた。
武装
攻撃試作機と言う名目上、本機は試験兵装の運用にも使用されたとされるが、劇中では下記のメガ・バズーカ・ランチャー以外の兵装は確認されていない。またその機体特性が特徴的な反面、戦闘時の兵装は他機種との互換性を重視した汎用装備のみで揃えられている。
頭部バルカン砲
連邦系MSに標準装備されている砲口径60mmの牽制用機関砲。
他のMSの装備するものと大差無い兵装だが、劇中ではキュベレイの攻撃で行動不能となった際、廃艦のショートした箇所に向かって発砲した事によってクワトロは命の危機を逃れている。
後付けながらクワトロには本装備が無い機体への乗り換え予定があった事がわかっている為、ある意味彼の運命をもっとも左右する事となった兵装だったりする。
ビーム・サーベル
出力0.4MW。リアスカートに2基装備された格闘用ビーム兵装。
エゥーゴ用モビルスーツの標準白兵戦用装備であり、同型のものをリック・ディアスやネモも装備している。機体色に合わせて柄は金色となっている。
ビーム・ライフル
型式番号BR-M-87。
ボウワ社の開発で、出力は2.8MW。装弾数は9発。
エネルギー用のケーブルが露出し、銃口下部にセンサーを内蔵すると言う独特な形状をしたライフルで、ジム・スナイパーⅡが試験運用したXBR-M-79Sの改良型にあたる。
主な改良点は出力向上の他、スネイルタイプと称されるアナハイム独自規格のEパックの採用で、このパックはリック・ディアスのピームピストルやガンダムMk-Ⅲ・ΖプラスA1型両機のビームライフルにも採用されている。一定数の量産を企図した装備であり、性能や使い勝手に癖の無い兵装ではあったが、エゥーゴやカラバの財政状況の関係なのか、使用する機体は本機の系列機やディジェ等の少数生産機に限定された。
非使用時は銃口を上部に向ける形でバックパックに装備されるが、TV版のみグリプス2における戦闘の際に装備状態で発砲しているような描写が存在する(劇場版では使用されずに左手で保持するのみ)。
なおマイナーチェンジモデルとして、銃口からビーム刃を発生させるビームバヨネット機構を内蔵したBR-M-87BBが存在しており、第1次ネオ・ジオン抗争時の本機はこちらを使用しているのだが、ゲーム作品では出典が大抵『Ζガンダム』になってる事に加え劇中で一度しか使われなかった事もあるのか、この機構が再現されたゲームは一度も無かったりする。
クレイ・バズーカ
型式番号AE/ZIM.C-BAZ-531。
旧ジオン公国の大手兵器企業ツィマッド社が、アナハイム社へ吸収合併されて誕生した企業AE/ZIM社によって開発された口径300mmのMS用ロケットランチャー。ダブルカラム弾倉を採用しており、装弾数は8発(マガジン7発+1発)。元々は敵機の鹵獲等を目的とした粘着榴弾などの特殊弾頭を運用する為に開発された装備で、名称も粘着榴弾着弾時の様子が粘土を叩きつけたように見えた事が由来となっている。戦時での通常弾種は「HEAT弾」であると一部資料で解説されている。エゥーゴ所属のモビルスーツで多く使われたが、第一次ネオ・ジオン抗争後はハイパー・バズーカが改良されて再び採用されたため、連邦軍の新型機には引き継がれる事は無かった。
リック・ディアスを含めて本装備を使用した機体は主に腰溜め撃ちで発砲しているが、本機はグリップを前後に可動させることで肩掛けでも発砲できる。ビームライフル同様、非使用時は銃口を上部に向けてバックパックに装備される。
メガ・バズーカ・ランチャー
詳細はリンク先参照。
劇中での活躍
『機動戦士Ζガンダム』
初登場は第9話。搭乗機であったリック・ディアスを失ったクワトロの新しい乗機として月面都市アンマンで受領、機体の高い能力とエース級の腕を持つクワトロの操縦センスもあり、アーガマの主力として活躍する。
ガブスレイやハンブラビなど、ティターンズの用いる新型機、試作機などに後れを取る事があったものの、カミーユの乗るΖガンダムとともにこれを退け、グリプス戦役を戦い抜いている。
終盤、コロニーレーザー「グリプス2」において、ジ・Oとキュベレイの猛攻で右腕・右脚を失うが、Ζガンダムやメタスの支援により防衛に成功する。
その後、追撃してきたキュベレイとの戦闘では、ライフルのエネルギー切れにより劣勢に立たされるが、クワトロの技量および機体スペックも相まって至近距離に展開されたファンネルのビーム射撃を全回避するという高い機動性を見せつけた。しかし、廃艦でキュベレイを拘束するも事前に展開されていたファンネルによって左腕・左脚を奪われ行動不能となるも、艦内の損傷していた部位にバルカンを撃ち込み爆発させたが廃艦の爆発に巻き込まれる事となった。
テレビ版の物語は大破した本機が宇宙を漂っている姿を最後に幕を閉じる。しかし開いたコックピットにクワトロの姿はなかった……。
『機動戦士ガンダムΖΖ』
ネオ・ジオン艦隊を追撃するアーガマにメッチャー・ムチャが補充物資として持ち込んだ事により再配備され、ガンダムチームの一角として主にビーチャ・オーレグが搭乗した(この機体は大破した機体を修復した説と、デチューンの上で再建造された二号機との説がある。ただ、ルー曰く「モデルチェンジはしていない」とのこと)。
また、ΖΖをビーチャに取られてしまったためにジュドー・アーシタが搭乗した際には、プルの乗ったドダイ改との連携により、オウギュスト・ギダン率いるドライセン部隊を撃退するなど、ネオ・ジオンの最新鋭機と互角の戦いを見せた。
最終決戦時はクィン・マンサとの戦闘でMk-ⅡとΖガンダムを放棄したため、メガライダー共々ネェル・アーガマの防衛戦力として温存され、無傷で終戦を迎えている。その後、本機は連邦政府に回収されてどこかに封印され、機体の運用データは問題点の洗い出しをする形でデルタプラスの開発に生かされている。
余談だが、『コミックボンボン』掲載の村上としやコミカライズ版では「100式」とアラビア数字表記になっている。
バリエーション
零式
型式番号MSΖ-000。
漫画『機動戦士Ζガンダム Define』に登場。
Ζガンダム本編における百式に相当する機体であり、カクリコン・カクーラーによって奪取され、撃墜されたリック・ディアスの代わりにクワトロ・バジーナが搭乗する機体。
バリエーション機も含めた詳細は零式を参照。
百式改
型式番号MSR-100。
雑誌企画『Ζ-MSV』に登場。
百式の改良機。
バリエーション機も含めた詳細は百式改を参照。
デルタガンダム
型式番号MSN-001。
『UC-MSV』に登場。設定は『機動戦士Ζガンダム』放送直後から存在した。
百式の原型機。あるいは百式にΖ計画のデータをフィードバックし、本来の可変型MSに再設計した機体。
バリエーション機も含めた詳細はデルタガンダムを参照。
九十九式
型式番号MST-99。
ソーシャルゲーム『ガンダムU.C.エンゲージ』に登場。
文字設定のみの機体。
コスモ・バビロニア建国戦争時の小型MS開発競争でサナリィに後塵を拝したAE社はフォーミュラ計画の機体性能を上回れる機体を模索、その時にAE社内独自コンペで提出された機体。
バリエーション機も含めた詳細は九十九式を参照。
白式
型式番号MSN-00100。
アニメ『模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニングG』に登場するガンプラ。
詳細は白式を参照。
ルナゲイザーガンダム
型式番号GSX-40100。
漫画『ガンダムビルドファイターズA-R』に登場するガンプラ。
百式にヴォワチュール・リュミエールなどスターゲイザーガンダムの要素をプラスし、レディ・カワグチが初期(カワグチを名乗る以前)に製作した彼女の愛機と呼べる機体である。
ヴォワチュール・リュミエールはアームによってフレキシブルに可動し、変形させる事でウイングバインダーとしても使用可能。
灰銀式
特別企画「ガンプラサポーターズ2018」で製作されたガンプラ作例。
NAOKIとヴィジュアル系ロックバンド「DIR EN GREY」のBASS担当Toshiyaがコラボする形でデザインされたもので、ガンダムベース東京で展示された。
百式壊(クラッシュ)
型式番号MSR-00100CR。
小説『ガンダムビルドダイバーズ GIMM&BALL'S WORLD CHALLENGE』に登場するガンプラ。
ダイバー「マーキー」がGBNで駆る百式のカスタムビルド機で、百式改のパーツも組み込まれている。機体塗装は黒系あるいはダークグレー系。
デザイン担当はNAOKI。上記の灰銀式を『GIMM&BALL'S WORLD CHALLENGE』登場に際してリメイクしている。
詳細は百式壊を参照。
百式J(イェーガー)
ゲーム『ガンダムブレイカー3』に登場するガンプラ。
ウィルが本編の8年前に使用していた機体で、ビームスマートガンとグレネードランチャーを装備。ビームキャノンとウイングを搭載した大型バックパックを背負う。
機体塗装は銀色で、両肩には「百狩」の文字がマーキングされている。
デザインはNAOKIが担当し、同氏デザインのブレイク・ディアスとともに登場した。
U-NASA特注 百式
アニメ『ヤングジャンプ×ガンダム40周年スペシャルムービー』に登場。
漫画『テラフォーマーズ』とのコラボによるU-NASA仕様の百式。
機体各部にオオスズメバチを思わせる意匠が盛り込まれ、ツインアイの構造も昆虫の複眼状に改められている。対テラフォーマー発射式蟲取り網に類似した外観の銃器を携行しており、網状のビームを発射することが可能。
テラフォーマーゴッグの群れを一掃するが、直後にテラフォーマーアプサラスⅡのメガ粒子砲を受けて右腕を破壊されている。
百一式
パロディ雑誌企画『機動戦士Oガンダム 光のニュータイプ』に登場。
新生エゥーゴ、スーパー・ジオンに続く第3勢力を率いるシャア・アズナブルが搭乗する機体。デザインその他は未決定とされている。
なお、『PROJECT Ζ』などで描かれた「永野護デザイン版のΖガンダム」も「百壱式」と呼ばれている。
祝式
形式番号MSN-1122。
ガンダムエースの読者投稿企画「僕が考えた!ハマーンが乗ったMS大募集」に応募された非公式機体。
ハマーン・カーンが自身の専用機として百式をベースに用意した機体という設定であり、愛が重すぎる外観を特徴とする。
詳細は祝式を参照。
にせ百式(仮称)
漫画『機動戦士Ζガンダム外伝 審判のメイス』に登場。
宇宙海賊が扮する「パチモンガンダムチーム」の1機として百式に偽装した機体。
…とはいっても、他の2機が少なくとも頭部は元になったガンダムに見せかけていたのに対し、こちらはほぼジムのままであり、塗装とハリボテのバインダーだけで百式っぽく見せているというお粗末さ。もっとうまく化けろよ。
関連する機体
エプシィガンダム
『GUNDAM WARS PROJECT Ζ』に登場。
Ζ計画の一環として百式以前に開発された機体で、百式開発時に参考にされたため、一部部品なども共通化されている。
詳細はエプシィガンダムを参照。
プロトタイプΖガンダム
型式番号MSΖ-006-X1。
『Ζ-MSV』に登場。
百式に続いてΖ計画で開発された試作機。1号機が頭部として、百式のものをベースにIDEをオミットした「百式型ヘッド」を装備している。
詳細はプロトタイプΖガンダムを参照。
ジェガン改
型式番号RGM-89B。
漫画『ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』に登場。
第一次ネオ・ジオン抗争後、百式の設計を量産機に盛り込むべくジェガンを元に開発された試作機。
詳細はジェガン改を参照。
ザンダクロス
漫画・アニメ映画『ドラえもん のび太と鉄人兵団』に登場するロボット。
詳細はザンダクロスを参照。
ゲームでは
アニメ本編では気休め程度のものだったエマルジョン塗装の設定を活かし、系列機共々ビーム攻撃への耐性が付与される事が多い。
スーパーロボット大戦シリーズ
クワトロ(シャア)が途中で裏切ってしまいやすいという事情もあってか、機体のみが加入するという事例が多い。ビーチャが初期パイロットという事も割と多く、クワトロよりもビーチャのイメージが強いプレイヤーもいるんだとか。
作品によっては百式改→フルアーマー百式改にパワーアップする。
Gジェネレーションシリーズ
メタスやリック・ディアス(クワトロ機)から開発可能だが、『ジェネシス』ではDLCのオリジン版シャア専用ザクⅡからも開発可能。開発先は百式改、Ζガンダム、デルタガンダムとガンダムの系譜が連なり、ジオン系MSからガンダムタイプへ開発を進める上では重要な機体。
機体性能はバランスがよくΖほどではないが高性能な機体。攻撃面ではビームサーベル・バルカン・ビームライフル・クレイバズーカとBEAMと実弾双方に対応できそれなりに射程のある武器がそろっており対応できる幅が広い。
防御面もシールドこそないものの運動性が高く、『OVERWORLD』では原作では気休め程度だったはずの耐ビーム・コーティングがビーム属性のダメージをかなり軽減してくれるおかげでビームに対してはかなり打たれ強い。
また、シリーズを通じてMAP兵器のメガバズーカランチャーを持っており、スパロボや原作と違い相手に必中してくれるので複数の敵を反撃されずに削りたいときにも役に立つ。
機動戦士ガンダムバトルオペレーション2
2020年1月1日に550コストの強襲機として実装。
オーソドックスな性能で強襲機に不慣れなプレイヤーにも扱いやすい機体だが、当初は火力があまり出ず、しかもこのコスト帯としては移動速度がかなり低かったため、スラスタースピードの数値になぞらえた「弐百伍式」呼ばわりされるほど不遇扱いされていた。
その後のアップデートにより歩行速度や火力、耐久力が強化され、元々のオーソドックスさと相まって初心者にも扱いやすい性能になった。それでもスラスタースピードの低さは相変わらずであるため、今尚長距離移動を余儀なくされるステージは苦手。
その他
PS用ゲーム作品『機動戦士ガンダム~逆襲のシャア~』では、隠し機体として登場。本機で対戦モードをクリアすると専用のクリアムービーが流れる。
ガンプラ
本放送当時から立体物に恵まれており、1999年発売の初代HGUC以降は金メッキ塗装が使われたものも登場している。金メッキの方がいかにも百式らしいが、「価格が高め」「素手で触ると指紋の痕が付く」「塗装する際にメッキ塗装を剥がす手間がかかる」という難点がある。よって、塗装派のモデラーからは通常の成形色の方が好まれている。
1/144HGUC版ではカトキハジメ氏のリファインと、ノーマル版は金メッキ塗装と至れり尽せりの名キットだったが、メガバズーカランチャー付きの方は通常の成形色である。
2016年には200番というキリのいいタイミングでリバイブ版がリニューアル発売。可動域や組みやすさに関しては好評だが、担当デザイナーだった「NAOKI」氏の手により細身で脚長にリファインされた造形は好みが分かれるところ。
1/100MGも発売されており、メッキ塗装をなくした代わりにバリュートパックを追加した百式+バリュートシステムも発売された。2015年にはVer.2.0も発売。こちらはMGガンダムMk-Ⅱ Ver.2.0と同様にムーバブルフレームを踏襲した可動ギミックを取り入れて可動域が向上、一部はデルタガンダムの名残を意識した可動域になっているほか、3種類のカメラアイ発光パターン(通常時/デュアルアイ/走査線)がパーツ差し替えにより再現された。メッキ塗装もアニメ本編の色合いに寄せた艶消しになり扱いやすくなっている。
BB戦士シリーズにもラインナップされ、単体仕様ではライフル、サーベル、クレイバズーカが同梱されている。 「ゼータコレクション」では金メッキ仕様となり、「百式&メガバズーカランチャー」では、成型色が変更されてラインナップされた。
小話
本機は当初、ネモをベースとしたデザインになる予定だった。デザインを担当した藤田一己氏は、監督の富野由悠季氏から『これをクリンナップして頂戴』と渡された永野護氏によるラフイラスト(元々は新ガンダム案のラフスケッチだったもの)をクリンナップしたことにより現在に至り、機体名や金色のカラーは富野氏のアイディアによるものである。
ちなみに永野氏曰く、「完成した百式のデザインは100%、藤田くんのもの」とのこと。
『全ガンダム大投票』では6位という高順位をマークし、非主役機では1位となる。
今でこそΖ計画の傍流として知られる百式であるが、「Ζガンダム」の放送初期に発売されたプラモデルではリック・ディアス以降の開発計画機にあたる高速戦用MSとして解説されていた(ただし、その時点でガンダムMk-Ⅱの開発データをフィードバックした設定は存在していた)。放送後半のプラモデルで百式がZ計画の流れをくむ可変試作機から派生していた設定や、「ガンダムセンチネル」等でδガンダムの開発コードを持つアナハイム・ガンダムの1機である設定が後付けされると、マスターグレード等のプラモデルも含めてΖ計画機体の一つとして体系付けられていく。
その後、開発コードと同名の前駆型であるデルタガンダムが登場し、「ガンダムUC」では可変機としてのデルタガンダム系列に則したデルタプラスが登場している。
SDガンダムにおいて
シャア搭乗機であるが、ガンダムタイプでありΖでもΖΖでも味方機であることもあって、基本的に主役陣営で登場する。
全身金色のため「成金」とネタにされることも多く、『運び屋リ・ガズィの奇跡』ではドケチな大金持ちの百式大臣としてイヤミな嫌われ者として登場し、『SDガンダムフルカラー劇場』ではシャアが宝くじを当ててバージョンアップした姿として描かれた。
以下は百式をモデルとしたキャラ。
作品名 | キャラクター | 備考 |
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『SD戦国伝』 | 武者百士貴 | 父は字音大君。後に玖辺麗と結婚(!) |
『SDガンダム外伝 光の騎士』 | 黄金の騎士 | 正体は騎士シャア。 |
『新約SDガンダム外伝 創世超竜譚』 | 騎士ガンダム00 | 初代スペリオルドラゴン。黄金の騎士の鎧はこの鎧を打ち直したもの |
『SDガンダム三国伝』 | 周瑜ヒャクシキ | 創傑伝でもアカツキがモデル。 |
関連イラスト
関連動画
関連項目
アナハイム・ガンダム(ギリシア文字系)
γガンダム εガンダム δガンダム ζガンダム ηガンダム θガンダム
ιガンダム κガンダム λガンダム μガンダム νガンダム ξガンダム
外部リンク
wikipedia:百式