概要
干支をモデルとした12体の完全体の聖獣型デジモン。漢字表記で「十二神将」となる。
四聖獣に仕えており、四聖獣1体につき3体の部下がいる。
各個体には梵字のマークが描かれており、「宝〇」(読みは中国語で「パオ〇」)という武器を保有し(※)、必殺技名はサンスクリット語に由来(より厳密にはプラーナ文献の地獄が由来のようだ)。さらに全員というわけではないが、頭に三本の角と赤い目を持つ種が多い。
(※)これらの武器は武具として装備している場合もあれば、体の一部を変形したり、発射したりするパターンもある。元ネタはおそらく封神演義の「宝貝」だと思われる。
勢力名の初出は『デジモンテイマーズ』だが、『デジモンアドベンチャー02 前編・デジモンハリケーン上陸!!/後編・超絶進化!!黄金のデジメンタル』にてアンティラモンが先に登場。この時点で干支をモデルにしたデジモンの設定が存在していた(なお、ウィルス種のアンティラモンとデーヴァのアンティラモンは現在は別種として区分されている)。
有事に際して四聖獣より遣わされるが、デーヴァでも対応できない事態には四聖獣、それでも解決できない事態にはファンロンモンが出向くとされている。
ようは四聖獣版のロイヤルナイツである。
しかし、神に仕えるデジモンの割に辛辣な皮肉屋、荒くれ者、守銭奴、サディスト、努力家を嘲笑うナルシスト、冷血漢、熱しやすく冷めやすい何考えてるかわからないヤツ、ゴシップ好きな口喧嘩野郎、白黒付けたがり、傍観者タイプな居眠り魔など大半は性格に難のある奴らばかりである。中には武人や弱者のために戦えるものなどマトモなのも一定数いるが…。
モデル
モデルとなった十二神将に仕える(安底羅大将なら猿)、あるいは十二神将のモデルとなった動物(摩虎羅大将なら蛇)がモチーフになっているのではなく、彼らに対応した干支がモチーフとなっている。ここら辺は真・女神転生版と同じである。
そんな彼らが四聖獣に仕えている設定になったのは、古来より干支とは四神同様に方位に当てはめられる概念であったからだろう。後述するインド神話でも各方位に神々を当てはめた「ローカパーラ」という概念がある。
『テイマーズ』では明確に由来と関係づけられており、趙先生の口から見方の違いで変わる善と悪の二面性に絡めて語られた(第19話より)。
ちなみに、『テイマーズ』ではデーヴァの敵対者たるアスラをモチーフとしたアシュラモンは登場していない(ヴリトラモンに至っては次回作での登場である)。
四聖獣と配下のデーヴァの表
登場作品
ここでは組織としてのデーヴァが登場した作品のみを述べる。各々の活躍やデーヴァとは無関係の設定で登場した作品は個別項目を参照のこと。
デジモンテイマーズ
本作ではスーツェーモンがデータの残骸から作り出した存在で、全てのデーヴァがスーツェーモンの部下として登場。(上記の理由から、今作で登場したデーヴァは戦力を増やすために揃えた偽物ではないかと考察されている。)
マジラモンのように瞬殺された個体もいれば、ヴィカラーラモンやミヒラモン、インダラモンのような強敵まで強さはピンキリ。
アンティラモンを除いて自力進化至上主義者が殆どであり、人間と共に進化し、あまつさえ倒したデーヴァたちのデータをロードしなかったパートナーデジモンたちを嫌悪しており、チャツラモンがインプモンに接触してベルゼブモンに進化する力を与えるきっかけを作ったが、マクラモンがベルゼブモンを「お前は神の力で進化させてもらっただけの卑しいデジモンでしかないのだぞォォッ!」と評していた辺り、進化できないデジモンたちを見下している模様。
一部を除き進化のカギを握るクルモンを狙い、人間世界に侵攻してきたが、最終的にデジタルワールドに残存、帰還したものも含め事実上全滅した(ただし、アンティラモンは小春のパートナーになって生存した)。
干支がモチーフであるためか、劇中では年賀状のサンプルに描かれた十二支のイラストと、それまで出現したデーヴァを関連付けた上で、残りのデーヴァの存在をテイマーズが推測するシーンも描かれた。
デジモンリアライズ
公式設定通り、四聖獣の配下。
デジタルワールドの危機に四聖獣に派遣され、人間を快く思っていないプライドの高い性格という設定は『テイマーズ』と同じであるが、単なる敵というわけではなく、デジタルワールドを守りたい気持ちは本物であり、自分たちとは無関係な筈のデジモン達の為に戦おうとするテイマー達の姿を見て進化に必要な力を託すなど柔軟な一面を見せている。やはりというか喋れる個体とそうでない個体が存在する。
全員が登場しただけでなく、進化前のアーマー体にももれなく3Dモデルが与えられているなど本作で最も優遇された勢力だと言える。進化ルートは『デジタルモンスターカードゲーム』準拠。
実はRPGでデーヴァが全員集合するのは珍しい事例である。
例えば『デジモンストーリー』シリーズではヴァジラモン、アンティラモン、シンドゥーラモンが育成可能だった一方でチャツラモンは『超クロスウォーズ』に登場こそしたが、育成不可能で結局DS世代では全員が集結しなかったという風に扱いが不遇気味であった。
他のゲーム作品や育成ギアでも全員揃って登場しないことが多く、アニメでも活躍し、ケルビモンの進化前にも据えられるアンティラモンの出演率が突出して高いのが現状である。
その他の所属
なお、デーヴァ所属のデジモン達はロイヤルナイツなどと同様に別の勢力にも属している事がある。
以下は『デジタルモンスターカードゲーム』シリーズの記述によるもの。
デーヴァ | 所属 |
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クンビラモン | ネイチャースピリッツ(Bo-40t、Bo-558、St-951、Dα-588) |
ヴァジラモン | ネイチャースピリッツ(Bo-559、Bo-988、St-804、Dα-589) |
ミヒラモン | ウィンドガーディアンズ(Bo-37t、Bo-530、Bo-560、Bo-930、Dα-591) |
アンティラモン | ウィンドガーディアンズ(Bo-62t、Bo-562、Bo-670、Dα-450) |
マジラモン | ウィンドガーディアンズ(Bo-60t、Bo-563、Bo-929、St-660)、ドラゴンズロア(Dα-579) |
サンティラモン | ナイトメアソルジャーズ(Bo-41t、Bo-564)、ジャングルトルーパーズ(Dα-580) |
インダラモン | ナイトメアソルジャーズ(Bo-38t、Bo-566、Dα-585)、ネイチャースピリッツ(Bo-38t)、アンノウン(Bo-872) |
パジラモン | ナイトメアソルジャーズ(Bo-39t、Bo-567、Bo-824、Dα-586)、ネイチャースピリッツ(Bo-39t) |
マクラモン | ネイチャースピリッツ(Bo-612)、メタルエンパイア(Bo-59t、Bo-568、Dα-582)、アンノウン(Bo-871) |
シンドゥーラモン | メタルエンパイア(Bo-36t、Bo-570、Bo-825、Dα-583) |
チャツラモン | ネイチャースピリッツ(Dα-543、St-970)、メタルエンパイア(Bo-57t、Bo-61t、St-805、St-970、Dα-581) |
ヴィカラーラモン | ネイチャースピリッツ(Bo-826、Dα-587)、ナイトメアソルジャーズ(Bo-611) |
余談
進化ルート
カードゲームを見る限りではアンティラモンを除いてデジモンアドベンチャー02のパートナーデジモンが進化したアーマー体から進化している事が多く、モチーフの共通したアーマー体が進化前に据えられている傾向にある。
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ネズミとネズミ科のプレイリードッグがモチーフのデジモン | |
両方とも牛がモチーフのデジモン | |
ネコ科の虎とオオヤマネコがモチーフのデジモン | |
両方とも兎がモチーフのデジモン。通常はトゥルイエモンから進化するが、アーマー体ベースだとこちらになる | |
ドラゴン系のデジモン同士ではあるが、デザインの系統が全く異なる | |
蛇がモチーフのデジモン | |
どちらも馬の要素を持つ幻獣がモチーフのデジモン | |
どちらも羊がモチーフのデジモン。後者は弓を持った半人半獣のデジモン | |
※引いて挙げるとしたら哺乳類同士 | |
どちらも鳥類モチーフのデジモン | |
どちらもイヌ科関連のデジモン(後述) | |
どちらも猪がモチーフのデジモン |
しかし、中には完全に一致しないパターンもあり、ミヒラモンが同じネコ科のランクスモン、シンドゥーラモンが同じ鳥であるスワンモン、クンビラモンが同じ齧歯類であるプレイリモンから進化と可能な限りデーヴァのモチーフに近づける努力はされているパターンや、チャツラモンがライドラモン、マクラモンがオポッサモンと進化前とモチーフが全く一致しないパターンもある(ライドラモンはガルルモン系と関係がある為、そこからの連想だったのだろうか?それにしたってオポッサムから猿に進化は無理があるような…同じ猿であるセピックモンではダメだったのか)。
デジモンアドベンチャーでは四聖獣とファンロンモンの大元がアグモン、ガブモン、ゴマモン、ピヨモン、テントモンとなっている為、同じようなノリで進化前に02のパートナーが大元になっているのかもしれない。
バイタルブレスの周辺機器「DimカードセットEX2 デジモンテイマーズ」(一時販売中止、後に無事一般販売された)では、テイマーズのパートナーデジモンの進化形態に据えられている。対応しているデジモンは次の通り。
デジモン | 進化先(干支/四神) |
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ギルモン | ヴァジラモン(丑/玄武)、ミヒラモン(寅/青龍)、マジラモン(辰/青龍)、サンティラモン(巳/朱雀) |
テリアモン | アンティラモン(卯/青龍)、パジラモン(未/朱雀)、マクラモン(申/白虎)、シンドゥーラモン(酉/白虎) |
レナモン | クンビラモン(子/玄武)、インダラモン(午/朱雀)、チャツラモン(戌/白虎)、ヴィカラーラモン(亥/玄武) |
また、旧カードゲームではアーマー体の進化元を現行のパートナーデジモンにされる風潮があったが、それの逆を行くように悪の闘士が進化元に据えられた事があった。特別な立ち位置にあるダスクモンはともかく、なぜかグロットモンがハブられている。
バトルスピリッツでは
十二支モチーフである事を反映して、十二神皇が持つ系統「神皇」に数えられる。また、バトスピ本家の十二神皇と属性が同じであり、効果も似通っている。(例えば、「辰」であるマジラモンは「辰の十二神皇ウロヴォリアス」と同じ紫属性であり、似た効果を持つといった具合。ただし、アンティラモンは少しばかりイレギュラーなのはここでも同じであり、「卯の十二神皇ミストラル・ビット」と似た効果を持ちながら、属性は黄色と緑の混色となっている(ミストラル・ビットの属性は緑単体))。
関連動画
関連項目
十二神将 シーヴァモン:こちらはインド神話のデーヴァがモデル。
外部リンク
- 公式デジモンプロファイル四聖獣とその配下デジモン