概要
『デジタルモンスター』に登場する勢力で4体の神獣型究極体デジモンの総称。
四体ともに共通している特徴として、デジタルワールドで起きている出来事を全てを見透せるとされる四つの眼と、身体の周りに12個のデジコアを表出させている。神格化されているだけあって、その能力は神にも匹敵する。
彼らの役割はデジタルワールドの東西南北を守護する事でパワーバランスを保つ事。
よって有事の際に出向くのは部下である干支をモデルとした「デーヴァ」と呼ばれる完全体デジモン達であり、彼らでも解決し切れない事態(デ・リーパーやスパイラルなど)が起こると彼らが直々に赴く。
彼ら四聖獣の頂点に経つのが方角では中央そして大地(世界)を司るファンロンモンであり、彼の存在が四聖獣のパワーバランスを安定させているが、とある天使型デジモンにファンロンモンが封印された際には四聖獣が覇権争いを始めてしまった(現在では終結)。
「カードゲームスターターVer.6~三大天使降臨~」の背景設定ではデジモン世界の「神」は四聖獣と同一視する解釈がある一方で、デジモンの神とはデジモンではないシステムそのものであるという研究報告を紹介している(アーカイブ)。
なお、四聖獣に所属しているチンロンモンは四大竜にも所属しているが、四聖獣との繋がりは不明瞭である。
ちなみに初登場はバイフーモンを除いた3体がゲーム機での「D-3」で、バイフーモンは「デジモンワールド2」(または「ディーターミナル」)、ファンロンモンは「ディースキャナ Version3.0」である。
元ネタは勿論、中国神話の四神であり、デーヴァを配下としているのも干支が方角と密接に関わっている概念だからである。
メディアでの扱い
アニメから入った視聴者的には基本的には主人公らの協力者(スーツェーモンは人間嫌い)という位置づけが印象深いが、アニメ外だと内輪揉めを起こす事も少なくはない。
デジモンアドベンチャーシリーズ
ダークマスターズに封印されたという設定。しかし、ダークマスターズの本編での敗北の仕方や強さが究極体の中でも最上位クラスである彼らがダークマスターズに一方的に負けたとは考えづらい。おそらく十闘士がルーチェモンを封印した伝承と同じようにアポカリモンの出現で力を得ていたダークマスターズでさえも殺害までには至らず、封印が精一杯だったのではないかと思われる。
『無印』での戦いを終えた選ばれし子供達の紋章の力によって封印から解き放たれたが、直接登場した個体はチンロンモンのみで選ばれし子供たちに積極的に力を貸してくれた。チンロンモンのデジコアにはパートナーデジモンの進化を促進する力があり、一定条件がないと発動しない完全体や究極体への進化をサポートしている。
ファンロンモン含め、デジモンアドベンチャーからデジモンアドベンチャー02までのシリーズの裏設定では、先代の選ばれし子供達のパートナー(アグモン、ガブモン、ゴマモン、ピヨモン、テントモン、パタモン)が進化した姿とされているが、デジモンアドベンチャーtri.では進化元の設定が変更されている(オロチモン、トリケラモン、ヒポグリフォモン、ベアモン → ローダーレオモン)。
…と言っても同じ四聖獣に進化しただけで、前述の個体とは同一の存在かは不明ではあるが。なお、前者の場合、パタモンがいると6体になってしまい数が合わないのだが、どうやら彼の役割は「彼らのバランスを保つ」ことらしい…後述のデジモンストーリーでの扱いを見るにパタモンは外界を繋ぐゲートを守護するクラヴィスエンジェモンに進化したのだろうか。
なお、チンロンモンが「光と希望の球を持つ存在」と名乗っていた事から、他の四聖獣にも対応する紋章があると考えられる(無印に登場した紋章の数は8つなので、2個ずつ分配すればそれぞれの四聖獣に行き渡る)。
なお、『デジモンアドベンチャー02』第33話ではデジモンと妖怪の関係が語られた際に四神も話題に登場しているが、現実世界の伝承である「四神」とデジモンの四聖獣にどこまで関係があるのかは不明。
ディーワンテイマーズ
デジタルワールドの支配権を巡って四聖獣が争うようになり、秋山遼がD-1トーナメントに参加する切っ掛けを作った(身も蓋もない言い方をすれば代理戦争も同然である)。これらの事情からプレイヤーはゲーム開始時に所属する四聖獣の選択を迫られる。
しかし、その真の目的は遼のテイマーとしての腕を鍛える事にあった。
デジモンテイマーズ
CV:小杉十郎太(青龍)/森山周一郎(朱雀)/辻親八(白虎)/八奈見乗児(玄武)
本作のキーパーソンとして登場。他シリーズのユグドラシルやホメオスタシスに相当し、彼らがデジタルワールドの深部から世界を見守っているという設定で、配下のデーヴァは公式設定とは異なり、全てスーツェーモンの配下として登場。
殆どが穏やかな人物だが、スーツェーモンは気性が荒く、デジモンは自分たちの力で進化すべきだと主張する大の人間嫌いであり、デ・リーパー対策への切り札となりうるクルモンを探す為とは言え、デーヴァを送り込んでリアルワールドに被害を齎している。人間には寛容であるチンロンモンも無秩序な進化によるデ・リーパーの活性化を抑えようと考えているなど一枚岩の勢力ではない。
しかし、神に近しい彼らを以ってしても、デ・リーパーを食い止める事は出来なかった。
また、聖域はそれぞれ「白虎門」(枯山水のような世界)、「朱雀門」(空や建造物、陸地が赤い)とそれぞれの元ネタになった四神の名を冠している。白虎門はデ・リーパーとの戦いで留守にしているバイフーモンに代わってシェンウーモンが管理している。
『TVアニメ&劇場版アニメデジモン公式超図鑑』(集英社)によれば、デ・リーパーは後付けの存在であり、漠然と四聖獣がボスになるという構想があったという。
デジモンテイマーズ デジモンメドレー
『デジモンテイマーズ』をベースにしているのにもかかわらず、全員が人格がスーツェーモンに乗っ取られたのかと言わんばかりに人間に敵対的である。
デジモンワールド3
リーダーと呼ばれる4人のテイマーや各シティのチーフ(こちらは中国名)は全て四聖獣の元ネタとなった「四神」の名を冠している。
物語の舞台となるゲーム「デジモン・オンライン」のサーバー名であるアスカ・サーバも四神の描かれたキトラ古墳のある奈良県高市郡明日香村から。とこのように四神ネタが推されているが、四聖獣本人は育成可能デジモンとして登場せず。
各キャラクターの詳細
リーダー名 | パートナー | 備考 |
---|---|---|
セイリュウ・リーダー | ミノタルモン/ティラノモン/ハヌモン | |
スザク・リーダー | ウッドモン、レッドベジーモン、トノサマゲコモン | 紅一点 |
ビャッコ・リーダー | フライモン、トータモン、マメモン | |
ゲンブ・リーダー | ヴァイクモン、メタルエテモン、アンティラモン | リーダーの中では最強 |
チンロン・チーフ | デルタモン、トリケラモン(赤)、キメラモン | |
スーツェイ・チーフ | ジュレイモン(赤)、アノマロカリモン、スナイモン | |
バイフー・チーフ | ゴーレモン、グリフォモン、エビドラモン(桃) | |
シェンウー・チーフ | ボルトモン、スカルマンモン、ピノッキモン |
デジタルモンスターディープロジェクト
本作ではなんとエアドラモン(※成長期はクネモンです)の究極体枠として登場。
「神に近い存在」という半ば死に設定と化している設定がまさかここで拾われるとは…。
デジモンセイバーズ
短編『デジモンセイバーズ3D デジタルワールド危機イッパツ!』にてチンロンモンが単なる野生デジモンとして登場しており、四聖獣という勢力は登場すらしていない…。
デジタルモンスター究極対戦!!デジモンバトルターミナル
ボスキャラとプレイアブルキャラとして参戦。
こちらでは四聖獣が棲まう場所が設定されており、デジタルワールド北方の神の森にはシェンウーモンが、WWW大陸のブート火山にはスーツェーモン、アセンブラタワーにはチンロンモン(デジモンツインの背景ストーリーでも登場)、フォルダ大陸にあるコーデック遺跡にはバイフーモンがいる。
デジモンツイン
育成ギア「デジモンツイン」の背景ストーリーでは七大魔王がクラックプログラム「Tempest」を放った事で四聖獣と聖域のデジモンたちが暴走を始めた為、テイマー達がデジモンツインを手に事態の収拾に当たった。
このプログラムは感染したデジモンのデジコアにまで侵食し、彼らを倒さなければ解除不可能という厄介な代物であり、テイマーたちによって解除が進められるが、デジモンツインにはLとRで使役できるデジモンや戦闘スタイルが全く異なる仕様であった為にやがてはテイマーたちの内輪揉めに発展してしまう。
なお、チンロンモンと戦ったのはデュークモンとメタルガルルモンであり、チンロンモンが眠りに就く際に死に際の彼らに特別なコードを送って誕生したのがビクトリーグレイモンとメタルガルルモンという設定である。
デジモンクロスウォーズ
四聖獣の頂点に立つファンロンモンが何故かドルビックモンの配下として登場し、波乱を呼んだ。詳しくは該当項目にて。
デジモンクロスローダーでは軍団を構成するデジモンの一体として四聖獣を、軍団長としてファンロンモンを操作できる。
『超デジカ大戦』にも四聖獣がプレイアブルキャラとして登場した。
デジモンストーリー
デジモンストーリーシリーズ一作目となるデジモンストーリーでは、クラヴィスエンジェモンを筆頭としたユニオンのオブザーバーとして登場し、テイマーをランクごとに指導するオブザーバーを務める。
ノーマルテイマー担当がチンロンモン、ブロンズテイマー担当がシェンウーモン、シルバーテイマー担当がバイフーモン、ゴールドテイマー担当がスーツェーモンである(プラチナテイマー担当はクラヴィスエンジェモン)。
ストーリー終盤では、バッドテイマーズに操られてしまい、主人公と戦闘をすることになる。
性格はほぼテイマーズと同じであり、バイフーモンは若めの口調で話す他、スーツェーモンは口調が厳しいだけでそこまで敵対的ではない。
三作目となるロストエボリューションで初めて育成が可能になった、ちなみに皆究極体Ⅱ扱い。
意外にも『サイバースルゥース』には未登場(デジモンメダルは登場する)で、ファンロンモンは全作未登場。
デジモンワールドリ:デジタイズ
カードとして登場するのみで育成は不可能。
デジモンリアライズ
デジタルワールドでスパイラルの脅威と戦っていた。
性格付けもこれまで通り、スーツェーモンが苛烈、チンロンモンが中立、シェンウーモンが好々爺、バイフーモンが三体に敬語で話すキャラクター付けとなっている。ファンロンモンのみ本筋には関わらない(ファンロンモンを模したスパイラルは登場する)。
デジモンサミットでは代表者としてチンロンモンとスーツェーモンが出席した他、実働部隊としてデーヴァを使役しており、デーヴァのうち数体はテイマーやセラフィモンと行動を共にしている。
先述の通り、進化ルートはデジモンアドベンチャーtri.のものを参照しているが、ファンロンモンはあまり統一感のない進化ルートになっている。
全ての戦いが終わった後はデジモンと人間の接近に危機感を抱きつつも、陰から見守ることを決意した。
デジモンサヴァイブ
※以下作中のネタバレを含みます。
舞台となる『ケモノガミの世界』=サヴァイブにおけるデジタルワールドの四方に隠れていたデジモン。
この作品における四聖獣達は、世界を維持していた主と呼ばれる存在の抑え役であり、彼らによって主は暴走すること無く世界を安定させていた。
しかし時の権力者はデジモンの力を利用する事を画策し、五人の若者を生け贄として捧げるも、その内の一人の影響で主は暴走し始める。
結果、主にとって邪魔となる四聖獣達は追いやられてしまい、彼らが倒されれば主によって現実世界の崩壊まで加速する事になる。この事実を知った主人公達は、現実世界への帰還前に、四聖獣の探索と協力の要請をする事になり、四聖獣達は主人公達の力を見極める為、試練として立ちはだかる。
そしてファンロンモンにまさかの新形態が追加され、真のラスボスとして降臨する。
また2周目からはパートナーデジモン達の進化ツリーに、四聖獣への進化が解放される。
進化について
『デジタルモンスターカードゲーム』では進化というよりも特定条件を満たすと出現するデジモンという扱い方をされる事が多かった。
進化で登場させる場合、デーヴァと完全体のジョグレスという条件で進化する。
条件は基本的にデーヴァ+完全体または通常の完全体+通常の完全体というふた通りの条件が記載されているが(※)、St-956のスーツェーモンに至ってはジョグレスの進化条件2つにデーヴァが全くいない(ガルダモンかキメラモンに完全体をジョグレスさせて進化)、チンロンモンはジョグレスでの進化手段が存在しないという扱われ方をしている。
(※)St-940のシェンウーモンはクンビラモン+完全体かトリケラモン+完全体、St-973のバイフーモンはチャツラモン+完全体かケルベロモン+完全体の組み合わせで進化。
『カードゲームα』ではそれぞれ直属のデーヴァが進化先に据えられるか、デーヴァと特定勢力に属する完全体デジモンのジョグレスという形で進化する。
ファンロンモンも特定条件下で出現させられる場合とジョグレスで進化する二通りの条件がある。
後者で取られる事が多いのは四聖獣のジョグレス。四聖獣であれば組み合わせは自由である事が多いが、Bo-1000では対になる方角の四聖獣での組み合わせによって進化する。
育成ギアやRPGを参照してみるとジョグレスで進化する例も多いが、単体で進化する例もある。
『デジモンストーリーロストエボリューション』ではゴッドドラモン→チンロンモン、エンシェントガルルモン→バイフーモン、ジャンボガメモン→シェンウーモン、ホウオウモン→スーツェーモンとなっている。
『デジモンペンデュラムZ』ではエントモン→シェンウーモン、ライジルドモン→チンロンモン、ホーリードラモンor四聖獣のいずれか→ファンロンモンといった具合。
『デジモンリアライズ』での進化ルートは「tri.」でのものをベースにしている。此方で成長期や成熟期の姿などより詳細な進化ルートが掘り下げられた。
一覧
デジモン | モデル | 所属勢力 |
---|---|---|
チンロンモン | 青龍 | ドラゴンズロア、ウィンドガーディアンズ、アンノウン |
スーツェーモン | 朱雀 | ウィンドガーディアンズ、ナイトメアソルジャーズ、アンノウン |
シェンウーモン | 玄武 | ディープセイバーズ、ネイチャースピリッツ、ジャングルトルーパーズ、アンノウン |
バイフーモン | 白虎 | メタルエンパイア、ネイチャースピリッツ、アンノウン |
ファンロンモン | 黄龍 | ウィルスバスターズ、ネイチャースピリッツ、ウィンドガーディアンズ、ナイトメアソルジャーズ、メタルエンパイア |
(※)所属勢力は『デジタルモンスターカードゲーム』、『デジタルモンスターカードゲームα』による。
余談
ゲーム機のバージョン名に依存しない究極体デジモンの勢力(ロイヤルナイツや七大魔王など)の中では最古参である(作中の設定的には十闘士の方が古い)。
誤植
デジモンというコンテンツは何かと誤植が多い事で有名であるが、「D-3VERSION2」(『02』のデジヴァイスの商品化第二弾で、カラーリングは玩具オリジナル)ではスーツェーモンとシェンウーモンの名前が入れ替わってしまったことはあまりにも有名。
そこで、「D-3VERSION2」の後継機である「D-3 VERSION3」のガイドブック「バンダイ公式 D-3 VERSION3」(集英社/Vジャンプブックス)などの媒体ではネット環境の整備の影響でデジタルワールドの一部が消失し、位相のズレが起こった為だと設定に組み込むという荒療治を行った。(つまり、現在の情報は正常化されたものという事になる)。
関連項目
デジモン デーヴァ オウリュウモン:ファンロンモンと関係があると言われている。
外部リンク
- 公式デジモンプロファイル四聖獣とその配下デジモン