概要
サンライズとキングレコードの協力によるオリジナルロボットアニメ。2014年10月から2015年3月まで全25話が放送された。
監督は『魔法少女隊アルス』の監督を務めた芦野芳晴、クリエイティブプロデューサーを『機動戦士ガンダムSEEDシリーズ』などの監督を務めた福田己津央、音楽を『アルトネリコシリーズ』などで有名な志方あきこがそれぞれ手掛ける。
物語の登場人物大半が女性キャラであるため男性視聴者の目を引くエロい描写が多いが、それすら容易に覆すほどシリアスでハードな内容になっており、登場人物も非常にアクの強いロクデナシばかり。
中には視聴者が絶句してしまうような過激なシーンやR-18に近いレズシーンも多数存在しており、現在のアニメでは一般的な光や影による隠す処理が物語序盤では特にされてない。
製作側は「地上波の限界に挑戦した」と公言しており、当初から隠す処理は考慮されていなかったのだが、過激な描写に指摘が相次いだため隠す処理や描写変更が後になって追加されるようになった。つまり裏を返せば、指摘がなければ制作陣は平然とあの描写を続けていたことになる。
次回予告では毎回登場人物がナレーションを務めているが、監督や脚本家を愚痴るメタ発言をして次回予告の解説がなっていないという公式が病気状態。
ストーリー
「マナ」と呼ばれる物質が存在する世界。万能なマナによって情報技術は発達し、戦争や自然破壊などの問題もなくなり、人々は豊かな暮らしを送っていた。
その一方で、マナを扱えない「ノーマ」と呼ばれる者たちがおり、彼らはマナによって成り立つ社会に反する存在として、マナを扱える「普通」の人間から虐げられ、差別されていた。
そんな世界の大国・ミスルギ皇国皇女のアンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギも、マナを扱うこの時代と、ノーマに対する差別思想を疑いなく考えて生きてきた一人だった。
しかし彼女が16歳になり洗礼の儀を受けた時、兄・ジュリオが彼女がノーマであると公の前で暴露。自分自身が今まで忌み嫌っていたノーマであることに困惑するアンジュリーゼは、一瞬にして人々の嫌悪と蔑視の対象となった。
そして彼女の秘密を隠してきた父・ジュライの皇帝はそのまま廃位となり、彼女を守ろうとした母・ソフィアは銃撃を受け死んでしまう。
拘束されたアンジュリーゼは辺境の軍事基地「アルゼナル」へ送られ、身分も名も奪われて「アンジュ」という名の一兵士となり、異世界から来る人類の敵・ドラゴンとの戦いに身を投じさせられていくことになる。
そして次第に、この世界に潜む不条理な秘密や真実を知り、大きな運命に立ち向かっていく。
登場人物
アルゼナル
パラメイル第一中隊(ゾーラ隊→サリア隊→ヒルダ隊→アンジュ隊)
主要メンバー
- アンジュ/アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギ(CV:水樹奈々)
- サリア(CV:喜多村英梨)
- ヒルダ(CV:田村ゆかり)
- ヴィヴィアン(CV:桑島法子)
- ロザリー(CV:石原夏織)
- エルシャ(CV:小清水亜美)
- クリス(CV:小倉唯)
サリア隊以前のメンバー
ヒルダ隊以降のメンバー
アルゼナル職員
- ジル(CV:本田貴子)
- エマ・ブロンソン(CV:ゆかな)
- マギー(CV:豊口めぐみ)
- ジャスミン(CV:玉川砂記子)
- メイ(CV:渕上舞)
- パメラ(CV:初谷順子)
- ヒカル(CV:森なな子)
- オリビエ(CV:東山奈央)
- バルカン(CV:?)
- モモカ・荻野目(CV:上坂すみれ)
パラメイル第ニ中隊(エレノア隊)
パラメイル第三中隊(ベティ隊)
その他のメイルライダーと過去のリベルタスメンバー
世界会議の加盟国・関係者
ミスルギ皇国(現・神聖ミスルギ皇国)
- ジュライ・飛鳥・ミスルギ(CV:山寺宏一)
- ソフィア・斑鳩・ミスルギ(CV:林原めぐみ)
- ジュリオ・飛鳥・ミスルギ(CV:鳥海浩輔)
- シルヴィア・斑鳩・ミスルギ(CV:東山奈央)
- アキホ(CV:上田麗奈)
- マキ(CV:藤井ゆきよ)
- トモミ(CV:菊池こころ)
- セーラの母(CV:内山夕実)
ローゼンブルム王国
- ローゼンブルム王国国王(CV:浦山迅)
- ミスティ・ローゼンブルム(CV:伊瀬茉莉也)
エンデラント連合
その他の国の王家や元首
時の調律者
ダイヤモンドローズ騎士団
古の民
アウラの民
- サラ(CV:堀江由衣)
- ナーガ(CV:森なな子)
- カナメ(CV:葉山いくみ)
- リィザ・ランドッグ(CV:ゆかな)
- ドクター・ゲッコー(CV:渡辺明乃)
- ラミア(CV:中原麻衣)
- 大巫女 / アウラ・ミドガルディア(CV:阿澄佳奈)
- アウラ(CV:三石琴乃)
メカ
パラメイル
アルゼナル
- グレイブ
- グレイブヒルダ・カスタム
- グレイブロザリー・カスタム
- グレイブメアリー・カスタム
- グレイブマリカ・カスタム
龍神器
ラグナメイル
艦船
用語
詳しくは「クロスアンジュ用語集」記事にて参照。
主題歌
第1クールOPテーマ&最終話EDテーマ「禁断のレジスタンス」
作詞・歌 - 水樹奈々 / 作曲・編曲 - 加藤裕介
第2クールOPテーマ「真実の黙示録」
作詞・歌 - 高橋洋子 / 作曲 - 大森俊之
第1クールEDテーマ「凛麗」
作詞・作曲 - 山口朗彦 / 編曲 - PHA、山下洋介 / 歌 - 喜多村英梨
第2クールEDテーマ「終末のラブソング」
作詞・歌 - 水樹奈々 / 作曲 - 吉木絵里子 / 編曲:藤間仁(Elements Garden)
劇中歌
「永遠語り~光ノ歌~」
作詞 - Hibiki / 作曲・編曲 - 志方あきこ / 歌 - アンジュ(水樹奈々)
「永遠語り~風ノ歌~」
作詞 - Hibiki / 作曲・編曲 - 志方あきこ / 歌 - サラ(堀江由衣)
「永遠語り~El Ragna~」
作詞 - Hibiki / 作曲・編曲 - 志方あきこ / 歌 - アンジュ(水樹奈々)、サラ(堀江由衣)
「Necessary」
作詞 - 松井五郎 / 作曲 - Zetta / 編曲 - EFFY / 歌 - 水樹奈々
他作品要素
本作で制作会社やアニメスタッフの繋がり、似たストーリーなどで様々な共通した要素を持つ作品が存在する。中にはスタッフの何らかの意図か遊び心か、他作品に登場したものも垣間見せる。
制作会社繋がり
- 機動戦士ガンダムSEED:福田プロデューサーが監督を務めていただけあってOP、戦闘シーンなど本作を連想させるシーンが多い。またジャスミン・モールの数々のMSの武器や14話の「HOTEL夢有羅布楽雅」(ムウ・ラ・フラガ)、15話の「グゥレイト!」、16話のUFOキャッチャーの中にキラ、アスラン、ラクスのぬいぐるみがあるなどセルフパロディも多い。
- 機動戦士ガンダムAGE:同じサンライズのアニメ作品。敵(UE)が地球圏に襲来し竜や怪獣の姿であるなどの共通点がある。
- Gのレコンギスタ:同時期に放送された同じサンライズのアニメ作品。こちらは敵勢力が国家組織で敵もMSである。また16話の野球対決の看板に”元気のG レコンギスタ”という広告があった。
- 超電磁ロボコン・バトラーV:大将軍ガルーダ - アンジュ同様、自分は生粋のキャンベル星人だと思いこまされていたが実は自分自身が蔑んでいたロボットだった。
- 超電磁マシーンボルテスV:ボアザン星では角のあるものは貴族で、角のないものは労奴という差別社会が共通。主人公の父剛健太郎(ラ・ゴール)は皇帝の血筋に生まれながら角が無かったため両親に偽の角をつけられててそれを隠していたが次期皇帝を争うズ・ザンバジルにそのことを暴かれ労奴に転落という生い立ちがアンジュのキャラクター設定に影響を与えた模様。なお、4話のジャスミンモールではボルテスVの必殺武器・天空剣が売られていた。
- 未来ロボダルタニアス:クロッペン - アンジュ同様、自分は伝統国「エリオス帝国」の皇族だと思いこまされていたが、実は自分自身が蔑んでいたクローンだった。そのことに衝撃を受けるが、敵であるはずの主人公から「一人の人間」として扱われたことで、醜悪な母国へと反逆する。
- ジャスミン・モールの商品:どこから入手したのか上記の天空剣、フリーダムガンダムのルプス・ビームライフルとバラエーナ・プラズマ収束ビーム砲、RX-78ガンダムのビームライフルとスーパーナパーム、エルガイムMk-2のバスターランチャーが売られていた。
- GEAR戦士電童:サラとアンジュが引き込まれた謎空間に見えた、前世のような回想映像の中にアルテアの格好をしたサラの姿とベガの格好をしたアンジュの姿が垣間見えた。
- 新世紀GPXサイバーフォーミュラ:上記の前世のような回想映像の中にブリード加賀の格好をしたサラの姿が垣間見えた。また16話のレース対決ではサイバーマシンに乗ってレースしていた。
- 魔神英雄伝ワタル:龍神器の名前の由来が主人公機「龍神丸」から聞き取れる。加えて16話のUFOキャッチャー景品に龍神丸のぬいぐるみがみられる。
- 革命機ヴァルヴレイヴ:両作品に登場したラグナメイルもヴァルヴレイヴも、物語の鍵であり世界を一変させるほどのロボット兵器である。さらに主人公と騎士と黒幕は、クリムヒルトとハーノインと時縞ソウイチと、中の人繋がりでもある。20話ではクリスの回想シーンに、ヒルダたちが遊ぶゲームに主人公が格ゲーキャラとして登場。
- コードギアス:皇族の主人公が母親を殺され、地位と全てを失い、差別されていたもの達と共に戦うという点が共通する(ただし、こちらの主人公は共に戦った仲間と最終的に敵対している
その他物語作品
- エリア88:撃墜数によって賞金が得られパラメイルの強化や豪遊したりすることができる反面パラメイルを撃破されると借金になるというシステムは本作を参考にしている。またジャスミンモールの武器商人ジャスミンは本作の「金さえ出せばクレムリンだって持ってくる」と豪語する武器商人・マッコイがモデルと思われる。
- 貴種流離譚:物語類型の一種で、高貴な身分の主人公が敵との対立に敗れ、別の世界や社会で生きることとなり、多くの苦難や放浪の末に協力者の存在によって再起を図るという筋書き。アンジュの出身や別世界への転身、協力者など多くの要素が当てはまる。
- ドキドキ!プリキュア:「アンジュ」にちなんだ愛称で呼ばれるお姫様がキーキャラクターで、名称に「ドラゴン」がつく槍が出てくる。皮肉なことにヒロインの名前は"マナ"。ダビィ/DB役の内山夕実がセーラの母親役で出演している。ちなみにプリキュアシリーズ全体においても声優繋がりから「汚いプリキュア」という裏用語が存在している。→プリキュアンジュ
- 暁のヨナ:両作品は直接・間接で関係・関連は皆無だが、どちらも放送時期が同じで主人公は王族出身のお姫様で、16歳の誕生日に身内の裏切りで肉親を目の前で失い、城を追われ、転落の中で美しく長かった髪を自ら切り落とすし、従者をはじめとする仲間たちと出会う、という似た境遇や展開を見せている。龍(ドラゴン)が直接登場することはないが、舞台である高華国は龍の化身が建国の祖であり、龍の血を飲んだ戦士が王を守ったという神話がある。主人公の仲間はその戦士の末裔であり、身体の一部が龍を思わせる異形である。
- DOGDAYS´´:放送時期が同じで、声優繋がりから「汚いドッグデイズ」という裏用語が存在している。
- 魔法少女リリカルなのは:こちらも声優繋がりから「汚いなのフェイ」という裏用語存在している。
- 天空の城ラピュタ:最終回のエンブリヲの言動やアンジュを助けるタスクの場面によって、「汚いラピュタ」という裏用語が存在している。
- インフィニット・ストラトス:同じく女性ばかりの空間で展開されるSFラブコメディ、作品中の差別(女尊男卑)が一人の天才によってもたらされたものが起因しているのも共通している。プラウザゲーム『アーキタイプ・ブレイカー』ではドラゴンたち同様他の世界からエネルギーに関連することが原因でイマージュ・オリジスが襲来してくる。
関連項目
クロスアンジュ天使と竜の輪舞tr. - 本作を基にしたPSゲーム、2015年5月発売。
クロスアンジュ天使と竜の学園 - 本作を基にしたパラレルな学園コメディ。
キャプテン・マーベル…MCU作品だが、この作品の声優の二人が出ている。