「夢と冒険と!」
「ポケットモンスターの世界へ!」
「「レッツゴー!!」」
「最強の王者ダンデとのバトルを目指すサトシ。」
「全てのポケモンをゲットし、ミュウに辿り着くという夢を持つゴウ。」
「これは、そんな2人の日常と冒険を描く物語である」
―14話以降のアバンナレーションより―
概要
アニメ『ポケットモンスター』シリーズ第7弾。『サン&ムーン』に引き続き、2019年11月17日から放送されている。
令和への改元後初の新シリーズであり、公式曰く「令和の時代に描かれる『ポケットモンスター』のアニメは、すべての世代に楽しんで頂ける内容となっています」とのこと。
過去のタイトルは、原作となるゲームタイトルに因んだものであるが、今作は1stシーズン以来のサブタイトルやナンバリングも付かない『ポケットモンスター』。
タイトルロゴは劇場版『キミにきめた!』や『みんなの物語』で用いられたものと同じデザインである。
1stシーズンが「無印」と略されることから、「新無印」と呼ぶファンが多い。
海外版タイトルは「Pokémon Journeys」。韓国では「포켓몬스터W」(訳:ポケットモンスターW)と後述の主人公体制を強調したものとなっている。
サトシとその相棒ピカチュウはこれまで通り続投。
加えてサトシとのW主人公として、新キャラのゴウの登場が発表され、W主人公が採用されるのは『DP』以来13年ぶりで、男2人主人公かつ二人旅は史上初である。
今迄は販売促進を兼ねて、放送開始近くに発売されたゲームの舞台(地方)を中心に巡るのが定番であったが、今作はカントー地方から最新のガラル地方までの「すべてのポケモンの世界」が舞台となることが放送前から告知され、原作ゲームの最新作『ポケットモンスター ソード/シールド』はあくまで世界観の一部であるという事実が発覚した。
その為、サトシがこれまで冒険してきた地方や場所を再び訪れる機会が激増しており、過去に登場した主要人物やジムリーダー、四天王、そしてチャンピオンも様々な形で関わると言う、アニポケファンには堪らない要素が多く盛り込まれている。
制作スタッフの多くは引き続き続投するが、一貫して総監督を務めた湯山邦彦氏がクリエイティブスーパーバイザーに退き、劇伴音楽が宮崎慎二氏から林ゆうき氏に交代するなど一部のスタッフの変更がある。ただし一部作中で宮崎氏が製作した劇伴音楽が使われる事がある(その場合はエンディングで「一部作曲・編曲」としてクレジット)。
放送形態
基本的にはカントーのクチバシティが拠点兼主な舞台となっており、その中で話を展開するか、他の地方に1話〜2話中で遠征しては帰るという流れになっている。
このように1話完結の単発ストーリーが中心で、過去シリーズで見られた連続ドラマ的な展開は少なく、バトルシーンもスケールに反した省エネ化が図られている。
ストーリーフォーマットもシリーズ初の15分×2本立てや、第32話で(特別編・番外編を除く)本編全話に登場していたサトシとピカチュウが全く登場しない回が導入されるなど、これまでにない展開が存在する。
このような構成となったのは、アニメを取り巻く環境の変化の影響とされている。シリーズ放送中に少子化が加速した事や、前作で日曜日に放送枠が移動したことが主な要因として挙げられる。
日曜日は外出などで毎週視聴できるとは限らない上、裏番組に『ちびまる子ちゃん』が君臨している事などから、ゲーム本編『ソード&シールド』をベースにするのではなく、アニメオリジナルストーリーに剣盾の要素を組み込む形になった(BGMの出典は「剣盾」からのものが多い)。第4世代リメイクの『BDSP』もまた、本作にとっては僅かな一要素でしかない。
web配信はこれまでのシリーズ同様AmazonPrime及びhuluでの有料配信に加え、アニポケシリーズ史上初となるYouTubeでの無料見逃し配信も行われている。冬休み期間中は一気見放題もある。
また、OP主題歌自体は一貫して同じ曲を使用しているが、担当アーティストが異なるという点もこれまでのシリーズとの大きな差別化だと言える。2種類目と3種類目は今も芸能界の最前線で活躍しているアーティストが担当していた事も話題をかっさらう要因の一つとなった。4種類目はW主人公であるサトシとゴウの声優によるコラボが実現している。
コロナ禍による影響
アニポケシリーズでは『ダイヤモンド&パール』『サン&ムーン』を除き、社会的な状況を考慮した放送中止や放送延期の措置が多々あったが、本作の場合、新型コロナウイルスの感染拡大により、新作制作の一部作業が見合わせになったことがある。
2020年4月26日放送予定だった23話以降の放送が延期され、同日から過去の再放送のエピソードが行われる(同時に番組連動データ放送によるポケモン取得も一時休止)。その後、6月7日から最新作の放送が再開される事が発表された。
本放送枠での再放送はシリーズ通算24年目にして初。今回の事例に関しては他のアニメ作品でも同様の措置を執ることを余儀なくされている。
金曜日への移動
37話の挿話終了後、2020年10月9日より金曜夜18時55分枠への移動が発表。2年ぶりのゴールデン復帰となり、日本の民放では2019年9月13日の『クレヨンしんちゃん』(テレビ朝日系列)以来のゴールデンアニメ復活になる。
ちなみに金曜夜19時台前半は長年テレビ朝日が『ドラえもん』を編成していたので、テレビ東京系では『ホワッツマイケル』前期以来約32年ぶりのアニメ枠設置(金曜19時台のアニメ枠自体も後半枠の『横山光輝三国志』以来28年ぶり)となる。
メディアミックス、連動
今回もポケモンの家あつまる?(通称「ポケんち」)の番組連動データ放送とも連動しており、放送を視聴してゲージを貯めるとモンスターボールを取得(本編含め最大マスターボール)、ED中ゲージを貯めて出現させたポケモンに投げ入れコレクト可能となる(最大5つ)。ED以降にゲットチャレンジしないと逃走されプレゼントコードも取得出来なくなるので注意。
ポケんちは2022年3月限りで終了したものの、同年4月に始まったポケモンとどこいく!?でも連動を継続。PWC終盤では5週連続で今回のサトシの手持ちポケモンを視聴者に向けパスワード配信。全てがLv80の高個体である(ピカチュウは劇場版25周年連動企画での特典配布)。
20年8月下旬からはコニカミノルタ プラネタリウムとのコラボで『ポケットモンスター オーロラからのメッセージ』なる番外編が登場する(上映時間は27分)。ただし西日本各地数ヶ所しか上映していない為注意。
2020年11月上旬のポケモンGOイベントで、ワールドキャップピカチュウやストライクを含むポケモンがフィールドに出現。コスチュームも、ゴウの私服が登場する。
コロコロコミックでも『WCP』をメインとしたコミカライズ『サトシとゴウの物語』が単行本化され、副題に入り五味まちとの画でなされている。2021年12月号で完結、全4巻。
なお、タイトルロゴこそ同じものの、前作『サン&ムーン』同様に本作に準拠した劇場版は製作されず、放送中に唯一公開された『ココ』も本作との繋がりはない。
サトシの旅シリーズ、完結
上記のように全地方を巡る旅に加えて、これまでにサトシが出会った人物達が再登場する、サトシの目標として「ポケモンワールドチャンピオンシップスでポケモンバトル世界一になる」という具体的な設定がされる、「ベストウイッシュ」、「XY」、「サン&ムーン」から続く一連の因縁に決着を付ける等、本作はこれまでのシリーズの集大成的な要素が散見されていることから、これまでのシリーズ以上にサトシ引退説が囁かれていた。
また、『アドバンスジェネレーション』以降は本編ゲームの新作発売に合わせて新シリーズに移行していたが、本作では2022年11月18日に『スカーレット・バイオレット』が発売されても改題されることなく暫く放送が続いたため、今後の動向が注視されていた。
2022年12月16日、サトシとゴウの旅に一段落がついた136話の放送終了直後に2023年3月をもって、サトシとピカチュウを主人公としたアニメシリーズが完結することを発表。
2023年1月からサトシとピカチュウの物語の最終章として「めざせポケモンマスター」が約3ヶ月・全11話に渡って放送されたが、扱いとしては本作の第2期という位置づけになっている。
すなわち本作が1997年から26年に渡って続いたサトシを主人公としたアニメシリーズの最終作となった。
そして2023年4月からは主人公を交代した新シリーズ『ポケットモンスター』(本作や無印と同タイトルだが、ロゴが異なる)に移行することになる。
四半世紀に渡って放送されてきた人気シリーズであったことから、制作側も「今回の発表をいつ、どのような形でお伝えするべきか、番組としても非常に苦慮しました」と述べている。
登場人物
主要人物
主人公と相棒ポケモン
サクラギ研究所
サブキャラクター
サトシの関係者
サクラギ家
ゴウの家族
- イクオ(CV:増田隆之)
- クルネ(CV:根谷美智子)
- トメ(CV:吉沢希梨)
「プロジェクト・ミュウ」関係者
ロケット団上層部
その他
- ジョーイ(CV:真堂圭)
- ジュンサー(CV:清水理沙)
- サトシのスマホロトム(CV:堀内賢雄)※2
- ゴウのスマホロトム(CV:マリナ・アイコルツ)
- ロケット団のスマホロトム(CV:大谷育江)※2
- ドローンロトム(CV:マックスウェル・パワーズ)
- コハルのスマホロトム(CV:浪川大輔)
ゲスト
新無印ゲストを参照。
※1…ムコニャ登場回ではノンクレジット。
※2…それぞれの持ち役との兼任の為ノンクレジット。
※3:…ゴウのアブソル登場回も非表示。
主題歌
OP
『1・2・3』
作詞、作曲、編曲:まふまふ
歌:After the Rain(1※~31話)
"からあげ姉妹"(50話~99話)
サトシ&ゴウ(CV:松本梨香、山下大輝)(100話〜)
※物語の都合上ED。
ED
1.『ポケモンしりとり〈ピカチュウ→ミュウ〉Ver.』
2.『ポケモンしりとり〈ミュウ→ザマゼンタver.〉』
作詞、作曲、編曲:パソコン音楽クラブ
歌:ポケモン音楽クラブ(増田順一/パソコン音楽クラブ/ポケモンキッズ2019)
主題歌プロデュース:増田順一
※39話はオフボーカル短縮Var
3.『バツグンタイプ』
作詞、作曲、編曲:パソコン音楽クラブ/ポケモンタイプ相性覚え隊
歌:ポケモン音楽クラブ(増田順一/パソコン音楽クラブ/ポケモンキッズ2019)
主題歌プロデュース:増田順一
スタッフ
原案 | 田尻智、増田順一、杉森建 |
---|---|
アソシエイトプロデューサー | 鈴木絵里子 |
クリエイティブ・スーパーバイザー | 湯山邦彦 |
シリーズコンストラクション | 米村正二 |
アニメーションコーディネイター | 吉川兆二、坂元鼓太郎 |
キャラクターデザイン | 安田周平 |
美術監督 | 武藤正敏 |
色彩監督 | 吉野記通 |
撮影監督 | 鈴木大倫 |
編集 | 野川仁 |
主題歌プロデュース | 佐野弘明、毛谷村伸也 |
音響監督 | 三間雅文 |
音楽 | 林ゆうき |
音楽協力 | テレビ東京ミュージック |
協力 | ジェイアール東日本企画 |
アニメーションプロデューサー | 加藤浩幸 |
プロデューサー | 関口彩香、田中茂裕、根岸智也 |
掲載 | 小学館、ポケモンファン、コロコロイチバン!、てれびくん、ベビーブック、幼稚園、小学一年生、ちゃお、ぷっちぐみ |
アニメーション制作 | OLM TEAM KATO |
監督 | 小平麻紀→大和田淳 |
総監督 | 冨安大貴 |
制作 | テレビ東京、MEDIANET、ShoPro |
https://www.pixiv.net/artworks/101017202
炎上騒動
主にマスターズエイト編における、スケールの大きさに反した過去キャラクターに対する扱いの悪さから生じた大きな反発を指す。
それ以前にもゴウのポケモンに対する倫理観の描写も視聴者の間で反発を生んでいた。
放送前は全シリーズの集大成を謳い期待されていた。しかし、序盤の時点で物語の着地点が分からず、迷走しているという意見が存在していた。
本格的に炎上するようになったのは終盤となるマスターズエイト編からだが、以前から構成の杜撰さが問題視され度々炎上はしていた。
主な問題点
- もう一人の主人公・ゴウの経験と釣り合わぬ成果
新無印で初期から問題視されていた点。
彼はトレーナーになりたての精神・実力ともに未熟な面が目立つルーキーでありながら、明らかに手に余る数のポケモンをコレクター感覚でポンポン捕獲し集めていくという、実力に見合わないそのスタンスが「鼻に付く」と受け入れられない視聴者が多かった。
ゲーム作品ではポケモンを乱獲するのは当たり前で、むしろゴウのモチーフ元である「ポケモンGO」自体もそういうゲームなのだが、アニメでのポケモンは一つの生物としての側面が強く描写されており、アニメでポケモンを乱獲するのは道具のように扱っている悪役ばかりで、タブー視される考え方が根付いていた為である。
- ゴウが嫌われている原因として、以下の理由が挙げられている。
- サルノリをロケット団から泥棒(一応サルノリの同意の上だが)
- サルノリが根本的な原因であったにも関わらず、サトシとピカチュウのせいにした事。
- サトシに逆ギレ…絶交発言…俺はまだ許していない発言。
- 空気を読めない行動を毎回する…。
- 新無印の総監督のゴウのミニスカートサンタ発言。
海外ではゴウは日本以上に嫌われており、一部のファンによりゴウが入院するアニメが作られている。
新無印の総監督はゴウを気に入っているようだか…アニポケファンにとってはゴウは今までアニポケに登場したキャラクターのなかで一番嫌いだという人も多い。
リコロイ編にはゴウは絶対に登場するな!と言う人も…。
そして…サトシを差し置いて伝説のポケモンまで運よく捕まえてしまったことで炎上し、ポケモン側の意志はちゃんと尊重しているというフォローを幾度入れても、彼への反感やヘイトは消えなかった。
制作陣もこの批判を受けてか、話を追うごとに彼の成長の描き方や出番を少なくしていった事でこの風潮はより盤石なものとなり、恐らく歴代男性同行者で最もヘイトを集めているキャラとなってしまった。
ただしフォローとして、以下のように反論を上げる事ができる。
1.伝説ポケモンはサトシもサンムーン編で、(設定上、どちらも一般ポケモンのような扱いだが)アーゴヨン、メルメタルを捕獲。
2.ゴウは以下のような設定がある為、サトシとは精神面も含めてトレーナーとして差があるように仕向けたのでは。
- 彼の両親が夫婦共働きで多忙を極めており、一家が揃う時間は殆ど無い。
- 寂しさもポケモン研究に必要な設備機材を貰ってからは没頭する事で解消していた。
- 拘りすぎる性格と上記の経歴により友人がほとんどいなかった。
3.上記のように、ゲームではポケモンを大量に捕獲するのは当たり前であり、アニメでもゴウのようなトレーナーは(描かれていないだけで、)当たり前にいるのではないか。
- ヒロイン役であるコハルの扱い
本作のヒロインとされている少女コハルは、当初ポケモンにもサトシ達にも興味がなく関わってこないという異例のキャラで、一か月以上登場しない時もあった為、存在意義を見出せないとする視聴者が多かった。実際、担当声優からも「出番が無い」と言われた程。
一方、二年目より相棒のイーブイと出会って以降はその価値観が大きく変わり始め、冷めた性格も明るくなり自ら物語に関わっていくようになる等、ある意味ゴウより真っ当に新米トレーナーとしての道を歩み始め、評判も回復していった。ただ、彼女のテーマであるイーブイの進化先の模索については、打ち切り漫画の如く有耶無耶にされる形で終わってしまっている。
この変化が最初から予定されていたものか、批判を受けた結果の路線変更なのかは分からず、炎上とするにはやや弱い問題点ではある。
「人気声優の無駄遣い」 という声も散見される。
フォローとしては、以下のように考えられる。
1.本作は、元々サトシとゴウの二大主人公である事。
2.登場人物が過去作より、多くなるのでどうしても出しづらかった事。
マスターズトーナメント編最大の問題点。
アニポケではポケモンWCSの存在により、ガラル最強から世界最強のトレーナーへと昇格したダンデだが、劇中の殆どでは圧倒的なレベル差によるゴリ押しという単調な魅せ方ゆえ、視聴者からは伝わらないとの声が多かった。
このような書き方でワタル、アラン、カルネなどのチャンピオンクラスの歴代キャラクターに圧勝したせいで視聴者からの印象は最悪で、特にアラン、カルネ戦は両者をかませにした冒涜しているとしか思えない試合内容で大炎上した。
ダンデ関係の脚本の杜撰さは目に余るものがあり、それまでの描写・作品で彼にしっかり好感を持てていたファンにも悪い印象が植え付いてしまった。
ただしフォローとして挙げるなら、
1.原作のゲームで彼の師匠の記録である18年間の王座保持記録を破れなかったとは言え、主人公に敗れるまで無敗で長らくチャンピオンは務めた。
2.他の地方であればチャンピオンになれていると噂される、ガラルが誇るトップジムリーダーのキバナにすら10連勝している。
それでもキバナが、「ダンデのポケモンを最も多く倒したトレーナーとして称賛されてもいる」ので、上記の圧勝は難しいかもしれないが...
アニポケとゲームでは別の世界とも見て取れる為、上記のようになってもおかしくはない。
今作のサトシは集大成を謳っているのに対し、過去の手持ちポケモンを再会して尚使わない。
過去の手持ちポケモンはほぼ必ずリーグで敗北していたにもかかわらず、最近ゲットした新無印の手持ちとピカチュウだけでチャンピオンクラスの相手を倒しており、悪い意味でご都合主義且つ酷い主人公補正だと批判されることが多い。
今まで主人公でありながら、そうした栄光と無縁だった20年前後が積み重なっていた為、視聴歴が長いファン程、反動とも言える今回の過剰な躍進に違和感を抱いてしまった模様。
肝心の面子もサトシの見せ場をほぼバトル面に集中させた弊害で、日常面における出番や掘り下げが例年より少なかった事も原因だと思われる。
こちらも一応フォローすると、以下の事から、今回のような事態になってしまったのではないか。
1.今まで過去にサトシが共に旅をしてきたポケモン達を、別の地方で使用したのは以下の三期
2.ストーリーでのメタ的な話となると、「今作のサトシは集大成」だからこそ、下記に記載の手持ちのように、むしろトレーナーとしての能力の高さを明確に表す必要性があったのではないか。
3.ゲーム的なメタな話として、そもそも手持ちポケモンがピカチュウ以外は、カイリュー(600族)、ゲンガー(キョダイマックス可能)、ルカリオ(メガシンカ可能)、ネギガナイト、ウオノラゴンといういずれも現実のネット対戦で名を挙げていた強力なポケモンばかりで、XYと同等あるいはそれ以上のガチ構成のパーティーだった。詳しくはこちら
- 総集編の頻度増加と、制作陣体制の悪化
同じく終盤は、上記内容の薄っぺらさから、描写と尺が明らかに不足していることが指摘されていた。加えて新世代の発売が迫り、放送できる残り話数が限られているにもかかわらず、総集編の放送頻度が目に見えて増加していった。
放送当初は新型コロナウイルスの制限などによる影響が大きかった時期であり、それが原因ではないかという擁護も存在するが、尺不足との意見が目立ち始めた終盤では既に政府が制限緩和に方針転換しており、理由付けとしては薄いと見られる。
製作陣のやる気のなさはSNSでも見られ、作画監督のわっぱが「そんなに総集編嫌なら、過去話数でも見てあの日の感動を思い出しに行けば良い」という逆ギレと言わざるを得ないツイートを投稿し、更に炎上した。
こちらもフォローさせていただくと
1.当時は、帝国データバンクによると、アニメ製作企業の赤字が過去最高の四割を記録し、企業間の格差も露呈するほど酷かった。
2.作業量が増大した場合でも賃金は上がらず、労働量と給与のバランスは極めて不健全な状態となるケースが増えたなど制作企業の労働環境が悪化していた。
3.新型コロナウイルスの流行により、さらに上記の環境が悪化。
という理由が挙げられるのではないか。
- 全地方舞台による弊害
これは視聴者によっては意見が分かれるが、全地方舞台と一話完結型にすることにより中途半端で内容が薄い感じになるため、視聴者の中には従来のように最初からガラル地方だけを冒険にした物語を作ればいいのではという声も存在した。
結果としてガラル出身の人物とポケモンの多くがまともに登場・活躍できておらず、モブを除けば一度も出ていないものが多かった。
また、毎回、出先のゲストポケモンに焦点にあたる一方でサトシやゴウの手持ちポケモンのメイン回や掘り下げ描写が従来のシリーズと比べて極端に少なく、中にはゲットor進化後初の単独メイン回で即進化、という事例も見られた(ヒバニー、ジメレオンなど)。
ポケモンに限った話ではないが「歴代が登場する集大成作品・記念作品」は、キャラクターや要素の詰め込みすぎで個々の印象や活躍が薄くなるという悪習がついて回り、新無印もその轍を踏む形になってしまったのは否めない。
ちなみに新シリーズも同様になると思われるため、パルデア出身の人物とポケモンも同様になるのではないかと心配されている。
総括
これらの影響からアニポケシリーズ屈指の低評価作品となっており、他のレビューサイトでも断トツの低評価。
放送当時に同じ長寿作品である名探偵コナンやONE PIECEなどが、映画のヒットや展開が最終章に突入したり、NARUTOもアニメ放送20周年を迎えるなど世間的にも大きな盛り上がりを見せたことから、新無印が槍玉に挙げられることも少なくなかった。
同時に不評時の息切れ感や、実質サトシがほぼポケモンマスターに近い地位となった事で、「サトシ引退説」も今まで以上に囁かれ始める。
そして新作が発表されても新シリーズの発表が一切無いまま、一月経った2022年12月16日。
翌年3月までの最終章をもって、サトシを主人公にしたシリーズを本当に終わらせる事が発表され、その歴史に幕を閉じる結果となった。
ただし、終わったのはあくまでサトシの物語であり、ポケモンのTVアニメ自体は新たな舞台や主人公達のもと新生されている。
公式には「カメラを切り替えて」と仄めかされたこのリセットが、やるべき事をやりきった末の大団円か、これ以上続けるのに限界が来た末の逃避か、どちらと都合よく捉えるかはあなた次第。
余談
- 前作の途中で放送枠が変わったことにより、今作は奇しくも本放送の開始日が前作と同じになった。
- 2話で描写されたサトシの部屋には、各地方で手に入れたジムバッジやフロンティアシンボル、オレンジ・アローラリーグで手に入れたトロフィー、セキエイ大会のメモリアルプレート、Zパワーリングなどが飾られており、これまでの全てのシリーズの世界観を受け継いだ続編であることが明確に描写されている。
- ゴウの名前からもわかる通り、『ポケモンGO』を意識したかのような要素が多い。
- 2話で伝説のポケモン相手にレイドバトルが始まる点、ゴウがポケモンに出会うとバトルせずに開幕投球する、特定の地方ではなく世界全てを舞台としている、これにより特定地方にしか生息しないor特定地方では生息しないポケモンも登場しやすくなっているetc。
- 背景には『ポケモンGO』による新規ユーザーの新規参入の他、ゲーム本編の新作開発スケジュールとの整合性や脚本のクオリティを慮る必要が無くなり、より楽に作品作りができるという側面がある。
- 現実世界を舞台とした『ポケモンGO』の要素を導入し始めた影響か、作品内でポケモントレーナー以外の職業が多く登場し、ポケモントレーナー以外(メタ的に言えばポケモンファン以外)から見たリアリティのある日常描写が増えた。特にコハルメインの11話はその描写が顕著である。
- 前作に引き続きスクールが登場したが、アローラのポケモンスクールとは違い現実の小学校に近い。
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小学館集英社プロダクション OLM(制作会社)
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サトシの旅シリーズ
サン&ムーン→ポケットモンスター(新無印)→めざせポケモンマスター