概要
東映まんがまつりとは、東映による子供向け映画興行のタイトルである。
スーパー戦隊シリーズ、仮面ライダー、メタルヒーローなどもかつてはこの枠で映画版を上映していた。
TVで人気のアニメ作品が数本まとめて見られるまさに「お祭り」ではあったが、その分1作品あたりの時間は殆どが1時間足らずと短いもので、テレビ放送の再編集版も多かった。
かつてはアニメ作品を再び見ることが出来るまたとない機会であったこともあり、集客力も高かったものの、80年代からの家庭用ビデオの普及やレンタルビデオ店の登場などソフトの録画環境が整備されるようになると、再編集版の需要がなくなり劇場用新作が主流になっていった。
歴史
1963年12月21日、東京地区のみで行われた『わんわん忠臣蔵』と『柳生武芸帳 片目の忍者』の同時上映にテレビアニメ『狼少年ケン』の第2話と第3話をブローアップ再編集したものを併映したのが発祥とされる。
翌年の1964年から様々な映画の併映に『狼少年ケン』が使われ、7月21日に「まんが大行進」のタイトルで子供向けテレビアニメを数本まとめて上映した。
上映されたアニメは『エイトマン』『鉄人28号』『少年忍者風のフジ丸』『狼少年ケン』の4本だったが『少年忍者風のフジ丸』は一週間で上映を終了、代わりに特撮作品『忍者部隊月光』が上映された。
1967年3月に「東映こどもまつり」のタイトルが付けられ、同年7月に初めて「東映まんがまつり」が使われたが、翌年には「東映こどもまつり」に戻ったあげく「東映まんがパレード」「東映ちびっ子まつり」と名称がころころ変わり、1969年以降は「東映まんがまつり」に統一された。
1989年の「機動刑事ジバン」を最後に特撮枠がなくなり、1990年以降は「東映アニメフェア」の形に移行された。
1993年には特撮作品のみを纏めた「東映スーパーヒーローフェア」が上映された。
2019年4月に29年ぶりに「まんがまつり」の名称が復活したが、上映作品はアニメのみであった。
翌年の「プリティ電王とうじょう!」にて、30年ぶりに特撮枠が復活した。
主な上映作品など
1967年7月21日公開(オールカラーで! 東映まんがまつり)
ひょっこりひょうたん島(NHKの人形劇を原作としたオリジアナルアニメ)
魔法使いサリー(1966年版アニメの24、26話)
キャプテンウルトラ(第2話と第5話の再編集版)
黄金バット(テレビアニメ第4話のブローアップ版)
1968年7月21日公開(東映まんがパレード)
ゲゲゲの鬼太郎(1期5・6話「大海獣 前・後編」ブローアップ版)
ウルトラセブン(第18話『空間X脱出』ブローアップ版)
魔法使いサリー (1966年版アニメの77話)
1969年3月18日公開(東映まんがまつり)
怪物くん(モノクロアニメの第22回Aパートと第3回Bパートのブローアップ再編集版)
ひみつのアッコちゃん(1969年版アニメ第3話のブローアップ版)
チャコとケンちゃん(TBS系列の児童向けドラマ。第27話のブローアップ版)
1970年3月17日公開
ちびっ子レミと名犬カピ(児童小説「家なき子」を原作とした初のアニメ作品)
タイガーマスク(アニメ第9話と第10話の再編集ブローアップ版)
ひみつのアッコちゃん ばんざいペットくん(1969年版アニメ第39話のブローアップ版)
チュウチュウバンバン(交通安全PRアニメ)
1970年7月19日公開
ひみつのアッコちゃん(第77話「涙の回転レシーブ」ブローアップ版)
もーれつア太郎(1969年版アニメ第63話「ニャロメの子守唄」ブローアップ版)
柔道一直線(第18話のブローアップ版)
1971年3月20日公開
魔法のマコちゃん(第3話のブローアップ版)
タイガーマスク 黒い魔神(第56話のブローアップ版)
キックの鬼(アニメ第11話のブローアップ版)
のりものいろいろ(東映まんがまつり初の短編ドキュメンタリー)
1973年7月18日公開
ロボット刑事K(1話から9・11・12話の再編集版)
キカイダー01(第1話のブローアップ版)
バビル2世(1973年版アニメ21話「赤ん坊は超能力者」ブローアップ版)
魔法使いサリー(第89話のブローアップ版)
1974年7月25日公開(フィンガー5と遊ぼう!東映まんがまつり)
フィンガー5の大冒険
ゲッターロボ(第6話のブローアップ版)
イナズマンF(第12話のブローアップ版)
魔女っ子メグちゃん(第1話のブローアップ版)
1975年3月21日公開
アンデルセン童話 人魚姫
これがUFOだ!空飛ぶ円盤(実際のUFO目撃記録を元にしたアニメ。グレンダイザーの原案とされる)
仮面ライダーアマゾン(第16話のブローアップ版で、劇場用新作が制作されなかった初の仮面ライダー)
がんばれ!!ロボコン(第9話の再編集版)
魔女っ子メグちゃん(第11話「月よりの使者」のブローアップ版)
1975年7月26日公開
ちびっ子レミと名犬カピより 家なき子(1970年公開作品のリバイバル上映)
グレートマジンガー対ゲッターロボG 空中大激突
野生のエルザ(映画版のダイジェスト)
仮面ライダーストロンガー(第7話のブローアップ版)
がんばれ!!ロボコン ゆかいな仲間(第30話の再編集版)
秘密戦隊ゴレンジャー(第6話の再編集版)
1976年3月20日公開
長靴をはいた猫 80日間世界一周
ロボコンの大冒険(がんばれ!!ロボコンの劇場用新作)
秘密戦隊ゴレンジャー(第36話の再編集版)
一休さん(第1話のブローアップ版)
1976年7月22日公開
アリババと40匹の盗賊
グレンダイザー ゲッターロボG グレートマジンガー 決戦!大海獣
秘密戦隊ゴレンジャー 爆弾ハリケーン(スーパー戦隊シリーズ初の劇場用新作)
宇宙鉄人キョーダイン(第3話のブローアップ版)
一休さん 虎たいじ(第5話のブローアップ版)
母をたずねて三千里(テレビシリーズのブローアップ版)
山口さんちのツトム君(NHK『みんなのうた』の楽曲を元にした短編映画)
1977年3月19日公開
世界名作童話 白鳥の王子
ジャイアンツのこども野球教室(読売ジャイアンツの当時の選手が本人役で出演する実写作品でまんがまつり史上唯一のスポーツ実写作品)
一休さん ちえくらべ
1977年7月17日公開
世界名作童話 せむしの仔馬
惑星ロボダンガードA対昆虫ロボット軍団
ドカベン 甲子園への道
大鉄人17 空中戦艦
1978年3月18日公開
一休さんとやんちゃ姫
世界名作童話 おやゆび姫
惑星ロボダンガードA 宇宙大海戦
キャンディ・キャンディ 春の呼び声
1978年7月22日公開
長靴をはいた猫(1969年第1作のリバイバル)
宇宙海賊キャプテンハーロック アルカディア号の謎
キャンディ・キャンディの夏休み
1979年3月17日公開
龍の子太郎
ピンク・レディーと春休み(ピンク・レディーの着ぐるみが登場する実写作品。上野動物園でロケが行われた)
SF西遊記スタージンガー
1979年7月14日公開(番外『宇宙戦艦ヤマト・フェスティバル』)
海のトリトン 劇場版(前編)
宇宙戦艦ヤマト 劇場版
さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち
1979年7月21日公開('79 国際児童年記念 東映まんがまつり)
パンダの大冒険(リバイバル)
SF西遊記スタージンガー 悪魔のバリバリゾーン
ねずみのよめいり
1980年3月15日公開
仮面ライダー 8人ライダーVS銀河王
世界名作童話 森は生きている
タイムボカンシリーズ ゼンダマン ピラミッドの謎の箱だよ!ゼンダマン
銀河鉄道999 ガラスのクレア
花の子ルンルン こんにちわ桜の国
1980年7月12日公開
白雪姫(ディズニー作品のリバイバル)
魔法少女ララベル 海が呼ぶ夏休み
1981年3月14日公開
一休さん 春だ!やんちゃ姫
世界名作童話 白鳥の湖
タイムボカンシリーズ タイムパトロール隊オタスケマン アターシャの結婚披露宴!?
1981年7月18日公開
Dr.スランプアラレちゃん ハロー!不思議島
101匹わんちゃん大行進(ディズニー映画のリバイバル)
ミッキーマウスとドナルドダック
1982年3月30日公開
世界名作童話 アラジンと魔法のランプ
まんが日本昔ばなし ほらふき天狗、おけさねこ
あさりちゃん 愛のメルヘン少女
1983年3月13日公開
Dr.スランプ アラレちゃん ほよよ!世界一周大レース
まんがイソップ物語
バッテンロボ丸 お化け飼う少女
1984年7月14日公開
キン肉マン(初の劇場版で、ソフト化の際に「奪われたチャンピオンベルト」という副題が付く)
1985年7月13日公開
キン肉マン 正義超人VS古代超人
1986年12月20日公開
ドラゴンボール(初の劇場版で、ソフト化の際に「神龍の伝説」という副題が付く)
キン肉マン 正義超人vs戦士超人
1987年7月18日公開
ドラゴンボール 魔神城のねむり姫
聖闘士星矢(初の劇場版で、DVD化の際に「邪神エリス」という副題が付く)
1988年3月12日公開
仮面ライダーBLACK(作中では「鬼ヶ島へ急行せよ」というサブタイトルが表示される)
ビックリマン 第一次聖魔大戦
1989年7月15日公開
ドラゴンボールZ(Zになってから初の劇場版で「オラの悟飯をかえせッ!!」という通称で知られる)
悪魔くん(1989年アニメの劇場新作第1弾)
ひみつのアッコちゃん 海だ! おばけだ!! 夏祭り(1988年版アニメの劇場新作第2弾)
2019年4月26日公開
2020年8月14日公開
おしりたんてい
りさいくるずー
2021年8月13日公開
おしりたんてい
りさいくるずー
関連タグ
東宝チャンピオンまつり:ライバル東宝が企画していた
ロボットガールズZ:劇場版マジンガーシリーズのコンセプトを受け継いだ擬人化作品。劇場公開版のPVで「大人になった良い子に送る東映まんがまつり」を自称しているが、正式にシリーズの1作としてカウントされている訳ではない。