グビラ
ぐびら
『ドラゴンスピリット』に登場するモンスターについては「グビラ(ドラゴンスピリット)」を参照。
『ウルトラマン』第24話「海底科学基地」に登場。
海底センター近辺の海域を根城にしている四足歩行怪獣。
最大の武器は鼻先のドリルである。硬い岩盤を掘り進んで地面を潜ったり、超合金でできた海底センターに穴を空けたり、ウルトラマンの八つ裂き光輪を受け止め、逆回転させて跳ね返して見せた。
ただし、切断力のない中央部分にドリルが偶然嵌っただけであり、別に八つ裂き光輪そのものが通用しないわけではないと思われる。
背中からクジラの様に潮を吹く。これでウルトラマンの目を眩ませてみせた。
水生怪獣らしく海中での戦闘力は中々のもので、科学特捜隊の特殊潜航艇S25号とドッグファイトを繰り広げた。水中での移動速度はガマクジラに並ぶマッハ5(水中での音波の伝わる速度は1500m/sなので陸上換算でマッハ22)であり、これはウルトラマンタロウの飛行速度をも上回る。
陸上での運動性はかなり落ちるものの、跳躍力は凄まじく、短時間ながらも低空飛行といっても過言でない跳躍ができる。ウルトラシリーズ最弱のラスボスにも見習わせてやりたいものである。
大怪獣バトルEXにおけるグビラの技カード裏面の解説によれば身体の周りに光波バリヤーを張って魚雷を弾くという生態がある模様。
『ウルトラ怪獣大百科』によれば南方の海底に棲む魚類と爬虫類の中間生物で、好物はウランや石油を好んで食べると解説されている。この設定を活かしたのかは不明だが、後年『ウルトラマントリガー』において陸上(より厳密には地中)での生活に適応した亜種が登場しており、このことからもグビラは陸上生活に適応する途上にある水生生物である可能性が考えられる。
完成式典中の海底センター付近を彷徨っており、ドリルで海底センターのパイプラインを破壊(この際にフジ隊員の操縦する特殊潜航艇S25号が上を通過中だったので、フジ隊員は自分がパイプラインを壊したと誤解していた)。
更に海底センターの格納ドックも破壊してしまったので、海底センターは脱出不可能に陥った。その後も近辺を泳いでおり、救助作業中のS25号とトータス号を襲撃。激しい水中戦の末に体当たりでS25号を沈めるが、ウルトラマンによって地上におびき寄せられる。
不慣れな陸上戦にもかかわらず、潮吹きや跳躍しての体当たりで奮戦し、ドリルで八つ裂き光輪を跳ね返してみせたが、ドリルをへし折られてダウンし、そのままスペシウム光線で倒された。
新世紀ウルトラマン伝説2003 THE KING'S JUBILEE
ウルトラマンキングの乗る宇宙ソリを引くトナカイ役で登場。頭にはリボンが付けられている。
『ウルトラマンサーガ』
バット星人配下の怪獣として登場。
フューチャーアースに迷い込んだタイガ・ノゾムを襲撃したが、ウルトラマンコスモスのフルムーンレクトを受けて大人しくなった。
しかしバット星人の手によって再び凶暴化させられ、ゴメスと共に送り込まれてコスモスや小さくなったウルトラマンゼロと戦うが、再びフルムーンレクトを受け大人しくなる。しかし、その直後にバット星人によって役立たずとして処刑されてしまった。
初期案ではタッコングが登場する予定だった。
『ウルトラマンX』
第16話「激撮!Xio密着24時」に登場。
ダークサンダーエナジーを浴びて凶暴化し、地中から出現。
ウルトライザーをものともせずにドリル状の角を振るいながら市街地で暴れていたところ、現れたウルトラマンエックスと戦闘になる。
戦闘開始早々、エックスがウルトラマンエクシードXに強化変身した事により手も足も出ず圧倒される。生鮮市場の屋根に落とされた後エクシードエクスラッシュで三枚おろしにされて(明らかに体が細断されていたのだが、なぜか死亡しなかった)ダークサンダーエナジーを取り除かれ、最後はザナディウム光線でスパークドールズに縮小された。
今回も潮吹き攻撃は行わず(潮を吹く描写はある)、鼻先のドリルや巨体を生かして暴れ回っていた。
第9話の初期案でも、グビラとラグビーをかけて子供のグビラがラグビーボール代わりにされるという展開が予定されていたが、蹴り飛ばすのは可哀想という意見が出たため、この展開はなくなり、代わりにサメクジラの幼体であるジョリーを巡って宇宙人同士が試合を行うという設定に変更された。
『ウルトラマンオーブ』
第8話「都会の半魚人」
食料である魚を求めて日本沿岸に現れ、海の魚を食い尽くした後、地上に人間が備蓄している魚を求めて地中を移動し、上陸。
上陸地点近くにいたラゴン親子を餌と認識して襲い掛かり、一度は子供を丸呑みにしてしまうが、かけつけたウルトラマンオーブ・ハリケーンスラッシュの連続パンチを浴びてたまらず子供を吐き出す。
戦闘では鼻先のドリルを使った刺突攻撃や怪力を活かしてオーブを苦しめるが、オーブスラッガーランスを鼻先に引っ掛けられて押し倒され、最後はスペシウムゼペリオンのシャットダウンプロテクトで体を包まれ、オーブに海へと運ばれていった。
第24話「逆襲の超大魔王獣」
マガタノオロチの気配を察知したのか自らの背にラゴン親子を乗せ、日本近海を離れていく姿が目撃されている。
ジャグラスジャグラーが怪獣カードから実体化させた怪獣ではなくオーブの世界の地球の現住生物のようで、更に魔王獣のように悪意を持ってシャレにならないレベルの破壊をもたらすわけではなかったためか、本作で初めて止めを刺されずに生存した怪獣となった。
さらに、グビラが止めを刺されず最後まで生き延びたのも今回が初である(厳密には、前作でもスパークドールズにされただけで死んではいないのだが)。
脚本ではオーブがグビラを倒すという展開だったが、監督の市野龍一氏はラゴンを生かすならば餌を求めているだけのグビラも生かさなければ理屈に合わないと考え、グビラを海へ帰す展開になったとのこと。
当初、第8話ではCGを除き『ウルトラマンマックス』の宇宙化猫タマ・ミケ・クロ以来、11年ぶりに特撮セットにプールを付けることが検討されていたが、撮影日数の関係で見送られた。
『ウルトラマンジード』
第21話「ペガ、家出する」に登場。
火浦海岸で起きた謎のマヒ現象と地震の原因となっていた怪獣。実はゾフィーのリトルスターを発症しており、これによる苦しさで地上に現れたとのこと。マヒ現象は潮吹きの形で放出された光を浴びる事で引き起こされる(おそらくゾフィーの光線技・Z光線がモチーフと思われる)。
リトルスターもろとも消去を目論むペダニウムゼットンに襲われるも、ジードの活躍で難を逃れる。またこの際、自らのリトルスターの力を利用して窮地に陥ったジードの援護も行った。言うまでもなく、グビラがウルトラ戦士と共闘したのは今回が初である。
戦闘後はジードにリトルスターを譲渡し(この時、ジードに撫でられて嬉しそうにするグビラは必見)、その後、海に返されたことが劇中のラジオで語られている。前作に続いて、最後まで生き延びた2体目のグビラでもある。
『ウルトラマンR/B』
第13話「秘密はイヤです!」、第14話「お前は誰だ」に登場。
愛染マコトがクリスタルとジャイロを使って召喚した個体。
第13話の最後に少しだけ登場、第14話では冒頭からルーブ兄弟との戦闘シーンから始まる。
初っ端から先走り気味に水流でグビラを撃つブルアクア。しかしグビラはなんとそれを口から飲み込んで潮として吹きだし、綺麗な虹を見せる芸当も。
続いて火球で攻撃するロッソフレイムだったが、グビラはこれを鼻のドリルで突き刺して止め、回転で勢いをつけて空に打ち上げる。
上記の通り、召喚されたということもあってこれまでの個体と比べると妙に器用で、戦闘中の態度からしてウルトラマンは完全に馬鹿にされていた(街を積極的に破壊しなかったことから単に遊んでいただけなのかもしれない)。
しかし戦闘途中で愛染のジャイロが不調を起こし、突如潮の代わりに黒煙を噴きながら縮小。小さくなってからはロッソの脛をドリルで突いたりブルの前で踊ったりした後突然ポンっと消滅し、元のクリスタルに戻ってしまった(その後愛染の絶叫がOPのイントロにまで響いていたことも話題になった)。
『ウルトラマンアーク』
特別総集編「SKIPフジヤマ市分所にて」に登場。
中部地区・フジヤマ市に過去10年で2回しか出現していない怪獣の1体(もう1体はバレバドン)……だが、地底から顔出してすぐ引っ込んで終わったらしい。
なお、登場したのは鼻先だけで通常種か上記のオカグビラかは不明。
ウルトラマン-シンガポールの新たな力-
エピソードFINALに登場。
シンガポールのセントーサ島のビーチに出現する。人々を襲いながらマリーナ・ベイでレッドキング、ネロンガと合流、駆け付けた初代ウルトラマンを追い詰めるが、復活したシンガポールの守護神とウルトラマンとのタッグマッチに敗北した。
また、何気に小型ビートルとジェットビートルが現場に急行していた。
なお、てれびくんのツイートなどでは単にグビラと表記されているが、頭部にも岩石状のモールドがあったり体表が土で汚れていたりとその外見はオカグビラのそれになっている。
ウルトラマンSTORY0
タッコング、ペスターと共にウルトラマンジャックを襲おうとするが、フルパワーで放たれたスペシウム光線で三体纏めて消し飛ばされた。
ウルトラ忍法帖
第2話に朧党の忍獣「愚比羅」として登場した。別名「ドリル忍獣」だが、普段はドリルを鞘で覆っている。
相方の羅諢と共に海の魚介類を悉く捕まえて漁師(と将軍)を困らせていたが、作風に違わず頭があまり良くない。
事件の調査に来たが津波で溺れ海水を飲んでデブになったウル忍のマンとセブンを「変な魚」と勘違いして砦へ連れて来てしまう。
首領のめひらすに突っ込まれるも前話で倒された血風流の敵討ちと刀を取るが、両手が鰭なので持てず号泣し周囲をずっこけさせた。ウル忍が口から放出した『ウルトラ水流』で怯みケムールを一掃され、羅諢も死亡してしまう(※ウル忍に倒された訳ではない)。
その後ドリルを披露して突進するも当たらず、砦を破壊・浸水させたことで隙が出来、セブンのアイスラッガーでドリルを輪切りにされ、マンに『忍法上手投げ』で壁に叩き付けられる。
「上手投げのどこが忍法だ!」と突っ込みを入れるも「敵にダメージを与えるのがウルトラ忍法」と相手にもされず、顔のパーツを崩した『忍法福笑い』に「何じゃそりゃ」と精神的にもダメージを受け、最期はアイスラッガーと(原典で効かなかった)八つ裂き光輪でバラバラにされて死亡した(砦はめひらすが逃走のため爆破した)。
死体はウル忍に回収されて解体され、刺身の大量盛りにされた(将軍には「そんな気持ち悪い物食えるか!」と不評だった)。
- デザインモチーフは「モンガラカワハギ」。痺れを起こす毒を持つことでも知られる魚である。『ジード』劇中にて、(前述の理由とはいえ)よりモチーフ元に近い姿が見られた。
- 当初はガヴァドンBを改造する予定で初稿デザインは描かれていたが、より魚に近づけた姿に修正して新規に造形されることになった。デザインを担当した成田亨は魚の怪獣化は難しいと述べている。
- 初代の着ぐるみを制作した高山良策は、特異な体型を実現するための素材としてウレタンを使用したが、しわが寄りやすいなどの課題があったと語る。また特性として水を吸うので実は水中撮影は御法度なのであった(深海怪獣なのに・・・)。
- 今のところ映像作品で倒され死亡したのが初代と『サーガ』と『シンガポールの新たな力』と『トリガー』のオカグビラのみ(『X』では厳密には死亡していない)であり、『サーガ』ではバット星人に処刑されたため、原種のグビラに関しては初代ウルトラマンとの戦い以外ではウルトラマンによって死亡していない珍しい怪獣である。
- ちなみに、過去にひらかたパークで開催されたウルトラマンオーブショーにおいて、グビラを台車に乗せた初代ウルトラマンが、そのまま台車を押して怪獣軍団に突撃するというあまりにも可哀想な扱いをされた事があった(ひらかたパーク自体はウルトラマンフェスティバルの開催等、円谷の公式イベントが数多く開かれているテーマパークであり、期間中はグビラを含め多くの怪獣達が来場者と触れ合う微笑ましい場面をよく見られている)。
- 『ジード』第21話の脚本を担当した森江美咲は、このグビラはリトルスターの影響で仲間に迷惑をかけないよう地上に上がってきたと想定しており、当初は家出したペガと寂しさを共感するという案も存在した。
- 当初、『R/B』では第14話のみの登場予定だったが、第13話監督の伊藤良一が総集編である同話の後半がドラマパート中心になってしまうためグビラの先行登場を要望し、第14話の制作時に第13話分のカットも追加で撮影された。第14話の脚本を担当した森江は、前作『ジード』第21話も執筆しており、今回もグビラを倒さない展開で良かったと述べている。脚本では小さくなるのみだったが、監督の市野龍一氏によって虹や花火などの可愛らしい描写が加えられた。また、踊る仕草はスーツアクターの横尾のアドリブである
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