概要
JR東日本が運行するミニ新幹線(新幹線直通特急)。東京駅(東京都千代田区)から仙台駅(宮城県仙台市青葉区・盛岡駅(岩手県盛岡市)・大曲駅(秋田県大仙市)を経て秋田駅(秋田県秋田市)までの区間を走行する新幹線直通特急「こまち」の案内時の路線名称であり、同列車そのものの愛称でもある。
正式な路線名は東京駅〜盛岡駅間が東北新幹線、盛岡駅~大曲駅間が田沢湖線、大曲駅~秋田駅間が奥羽本線。このうち、東京駅〜盛岡駅間がフル規格の新幹線(標準軌の高速新線)、盛岡駅〜大曲駅〜秋田駅間が軌間を1,067mm(狭軌)から1,435mm(標準軌)に改軌した在来線である。
歴史
1997年(平成9年)3月22日に山形新幹線に次ぐ第二のミニ新幹線として開業。当初、東京駅〜盛岡駅間の最高速度は東京駅〜上野駅〜大宮駅間が110km/h、大宮駅〜宇都宮駅間が240km/h、宇都宮駅〜盛岡駅間が275km/hだった。
2013年(平成25年)3月16日に秋田新幹線の一部列車の最高速度が大宮駅〜宇都宮駅間で275km/h、宇都宮駅〜盛岡駅間で300km/hにそれぞれ向上した。
2014年(平成26年)3月15日に秋田新幹線の全列車の最高速度が大宮駅〜宇都宮駅間で275km/h、宇都宮駅〜盛岡駅間で320km/hにそれぞれ向上した。
2021年(令和3年)3月13日に上野駅〜大宮駅間のうち埼玉県内の区間の最高速度が全列車で130km/hに向上した。
駅一覧
東北新幹線区間も記載。
田沢湖線・奥羽本線区間は停車駅のみ記載。
●:停車 ○:一部通過 ▲:一部停車
駅名 | こまち | 乗換路線 | 備考 |
---|---|---|---|
東京 | ● | ※ | |
上野 | ○ | ※ | |
↑東京都/↓埼玉県 | |||
大宮 | ● | ※ | |
(鷲宮信号場) | レ | ||
↑埼玉県/↓茨城県 | |||
↑茨城県/↓栃木県 | |||
(小山) | レ | ||
(宇都宮) | レ |
| |
(那須塩原) | レ | 宇都宮線 | |
↑栃木県/↓福島県 | |||
(新白河) | レ | 東北本線 | |
(郡山) | レ | ||
(福島) | レ | ||
↑福島県/↓宮城県 | |||
(白石蔵王) | レ | ||
仙台 | ● | ||
古川 | ▲ | 陸羽東線 | |
くりこま高原 | ▲ | ||
↑宮城県/↓岩手県 | |||
一ノ関 | ▲ |
| |
水沢江刺 | ▲ | ||
北上 | ▲ |
| |
新花巻 | ▲ | 釜石線 | |
盛岡 | ● | ||
↑東北新幹線/↓田沢湖線 | |||
雫石 | ▲ | 田沢湖線 | |
↑岩手県/↓秋田県 | |||
田沢湖 | ○ | 田沢湖線 | |
角館 | ○ | ||
大曲 | ● |
| |
秋田 | ● |
※:在来線の駅に3レターコードが設定されている駅
東京:TYO 上野:UEN 大宮:OMY
使用車両
現在
過去
E3系0番台:1997年3月22日〜2014年3月15日
今後の予定
東能代延伸
秋田新幹線の開業によって盛岡方面への直通がなくなった能代市が東能代駅までの延伸を要望している。しかし、秋田駅~東能代駅間は日本海縦貫線の一部なので貨物列車等が多数運行されており、改軌してしまうと貨物列車が走行できなくなる。また、JR東日本はフリーゲージトレインの開発に参加していないため、実現はかなり厳しいと思われる。
今のところ、建設に向けた動きはない。
新ルート
田沢湖線の赤渕駅~田沢湖駅間は県境にそびえる仙岩峠を超えるために曲線と橋梁が多くスピードアップの障害となっている他、橋梁の大半が架橋から50年以上経過して老朽化も著しく、更に線路と近距離で並行する道路もないために万が一列車が立ち往生すると乗客の脱出が困難となる。
そのため、この区間に内部がほぼ一直線の全長およそ15kmの新仙岩トンネルを掘削し、トンネル内の最高速度を160km/hに引き上げることで東京駅〜秋田駅間の所要時間を7分縮める構想がある。