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鬼舞辻無惨

きぶつじむざん

漫画『鬼滅の刃』に登場する鬼。炭治郎最大の宿敵にして、本作のラスボス。
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※この記事には『鬼滅の刃』の未アニメ化を含むネタバレが含まれます。


「私の好きなものは“不変” 完璧な状態で永遠に変わらないこと」


プロフィール

身長179cm
体重75kg
趣味輸入される物品、外国の言葉、新しい機械などを学ぶ
CV関俊彦(擬態時も同じ)
佐々木喜英(舞台)、野村萬斎(能 狂言)

概要

吾峠呼世晴による漫画およびそれを原作としたアニメ『鬼滅の刃』のラスボス

闇夜に跋扈する全てのを統べる首領。

主人公炭治郎にとっては家族を惨殺し、禰豆子を鬼へと変貌させた因縁の相手であり、鬼殺隊が千年に渡って打倒を目指してきた怨敵


人を鬼をに変える血を持つ鬼の始祖でもあり、愈史郎以外の作中に登場する全ての鬼は彼によって鬼に変じた元人間である。

彼の血はただ人間を鬼に変えるだけでなく、鬼にさらに血を与える事でその力を強化する特性も持ち、与える血の量によって鬼の階層を決めている。

ただし、本人の素養を超えた量の彼の血が注ぎ込まれた場合は、人間でも鬼でも関係なく肉体が変容に耐え切れずに崩壊して死に至る劇薬である。

自らが生み出した全ての鬼と後述する“呪い”を通して繋がっており、感覚や視覚を共有したり、その思考を読む事も可能。さらに鬼が受けた毒などの情報をその鬼の体を通して得て、抗体を作ったり、その情報を配下の鬼に共有する事も可能である(この情報共有のおかけで鬼には基本的に一度使った毒は効かない)。

無惨からの距離が離れる程にこれらの能力の精度は落ちるが、それでもどれだけ離れていても全ての鬼の位置情報は常時把握できる。その為に、“呪い”を解除しない限り、鬼はどこにいようが無惨の監視下からは逃れられず、無惨の意に反した行動もできない。

そしてこの繋がり故に無惨が死ねば彼から生まれた全ての鬼は死滅する。


人物像

どこまでも自分本位で傲岸不遜を地でいく暴君にして独裁者。

一見、紳士的で落ち着ついた人物に見えるが、その実、ひどい癇癪持ちで、極端なほど短気で気難しく、その場の気分しだいで多くの人間を無感情に殺め、それらの所業に微塵の良心の呵責もない。恐ろしく自己中心的な人物像はまさに鬼畜と呼ぶに相応しい。

自分を天災(≒自然の摂理≒神の意志)になぞらえている点からしても「超越的な絶対者・絶対善・自然の摂理を気取りながら、実態はその俗っぽい劣化コピーである悪」という意味での「絶対悪」とも言える


「限りなく完璧に近い生物」と自称するだけに極めて強大な力を持っているものの、それに似つかわしくない臆病で慎重な面も持ち、自らの『死』に対して過剰な畏れを抱いてすらいる。

そういった性分故に幾多の配下を従えつつも無惨は彼らを誰一人信用してない。

そのため配下達はもし無惨に関する事を許可なく喋ろうものなら(それこそ名前を口にしただけでも)その身が滅び去ってしまう“呪い”をかけられているだけでなく、彼の気分しだいで幹部である十二鬼月であろうと問答無用で処刑される。


鬼舞辻無惨

しかし、冷静さや忍耐とて無いわけではなく、市井に紛れているときに酔っ払いに絡まれた際は(結局、殺してしまったとはいえ)素直に「すみません」とやり過ごそうとしたり、千年間も鬼殺隊の追跡を逃れて姿を眩ましつつ、鬼の存在が表沙汰にならないよう裏で周到に立ち回る行動力もあり、鬼の首領でありながら人間社会に溶け込んで過ごす。

ある時はモダンな紳士「月彦」、ある時は利発な少年「俊國」、ある時は妖艶な芸妓の女性に姿を変えており、その際には妻子を連れていたり、富豪の養子になったりと人間の家族に紛れて暮らしたりもしており、荒事さえなければ静かに日常を過ごしている。

ちなみに「俊國」の姿は、太陽を克服する薬開発の場所の確保の為の姿。

芸妓の女性は、人間を使った青い彼岸花の捜索と情報収集の為の姿。

そして「月彦」の姿は、芸妓では無理な情報収集や資金集めの為にそれぞれ使い分けている。


一方で、向上心が強く強さに執着する者や、人間時代の悲痛な境遇によってより性格の歪んだ鬼になった者便利で使い勝手の良い血鬼術を持つ者などを好む傾向にあり、そういったお気に入りの鬼を何かと優遇し、ふんだんに血を与えてもいる。

鬼の世界で成り上がるどうかは無惨に気に入れられるか否か一つに懸かっていると言っても過言ではないのだ。

総じて、徹底的な実力主義からなるアメとムチを巧みに操って反抗心を徹底的に摘み取り、自身を慕う部下を煽てては容赦なく使い捨てたりと、自分の都合に良いように動かすことに長けた人物である。


担当声優の関俊彦氏はさまざまなラジオや対談などで無惨について触れられる度に「自身が悪役を演じるに当たって、その悪役にも何らかの人間的に同情できる理由がちゃんとあることが多いので、普段悪役をやる時はその部分を意識しているが、無惨だけはほんっっっとに悪い奴」と話しており、

原作者である吾峠呼世晴もファンブックにおいて上記を総して「人間的感性がなく、共感性が極めて低い」「人間というよりも昆虫に近い」と述べている。

まごう事なき「本物の鬼」。

それが鬼舞辻無惨という男なのである。


独裁者として

基本的に自らは表には出ない上、ワンマン、気まぐれ、傍若無人、無慈悲、残忍、極悪非道…と実に見事なブラック要素てんこ盛り。

そして彼が直接姿を現し、口を開けば痛烈な罵倒が飛んでくる。

事あるごとに幹部を集めては理不尽な怒りをぶつける様はパワハラ会議、その「会議」にて部下を殺している事から十二鬼月討伐数一位と言われたりすることも。


実際、作中で十二鬼月を葬った数は炭治郎の四体(下弦一体+上弦三体)を超えた五体(下弦四体+上弦一体)。

特に下弦四体を無意味に殺した事による損害は甚大であり、作戦に動員できる面子を一気に失ってしまった結果、大規模な行動が取れなくなった事で、結果的には鬼殺隊に鍛練や研究などの万全の準備等の為の時間を与えてしまってもいる。

下弦の四体に対しては自分で始末せず柱や炭治郎への刺客にした方がまだ良かったなとど言われることも多い。


成果を挙げれば相応の褒美・評価を与え、上昇志向を持つ者をそれなりに大切にすることもなくはないのだが、無論、部下の死を悲しんだり悼んだりするような情は一切持ち合わせていない。

最悪、配下の鬼が全滅したとしても、己さえ生きていればいくらでも駒を揃えられると、本気で考えている節がある。


そんな彼でも一部の実力者から強い忠誠を誓われているのもまた事実で、例を挙げれば無慈悲な自他への仕打ちに感動した魘夢、出逢いの感動の余り、無惨を教団の神として熱心に崇拝した童磨、無惨を主君と定めて忠誠を誓い、思考の読み取りによる恐怖政治すら「気を遣わなく済んで楽(要約)」と気楽に感じて許容していた黒死牟などがいる。


目的

何故、彼がこれほど部下の鬼達を無下に扱うのか?

それは、ただ単純に無惨が強いからである。

それなのに、何故完璧に限りなく近いはずの無惨が鬼狩りの剣士を恐れるようになったのか?


それは、かつて乱世を極める戦国時代で遭遇したある男に生涯初の敗北を喫したことに起因する。


永久無敵を誇る自身の肉体をただの一撃で切り刻まれたことに驚愕、凄まじい怒りと屈辱を覚えた無惨は彼が当時連れて歩いていた珠世という女の鬼に剣士が気を取られているスキを突き、自らを数千の肉片に変え、文字通り“しっぽを巻いて逃げ出した”。


しかし、無惨は復讐を考えるばかりか、まともに戦っても勝てないと判断するやいなや相手の寿命が尽きるまで数十年以上逃げ続ける不老不死の特権をフル活用した実に合理的で、しかしあまりにも卑怯な反則技でその男との戦いを終わらせたのであった。


ずばり、無惨の目的は至極単純に「自分が生き延びる事」

圧倒的な力を持ちながら自身は決して鬼殺隊と戦おうとしないのも、人喰い鬼を増やし、精鋭たる『十二鬼月』を直属として選別して、彼らを手駒として戦わせているのもその慎重さの表れであろう。


そのなりふり構わない「生き汚さ」もまた無惨の厄介さの一つであり、結果から見れば生き延びるためには手段を選ばない賢明な立ち回りだったという側面もある。


過狩り狩り

作者が新人漫画賞に投稿して佳作となりジャンプに掲載された読み切り作品「過狩り狩り」には、「白いスーツとソフト帽に黒ジャケットとネクタイで残忍な性格の鬼」というキャラクター「時川」が登場している。

作中では外国から来た吸血鬼のような存在が縄張りを荒らすため、珠世や愈史郎と協力して撃退しようとするなどダークヒーローのような立ち回りをしていた。


キメツ学園

日本を乗っ取ろうとしている悪い政治家「鬼舞辻議員」として登場。

悪事をいつも邪魔されてイラついているが、産屋敷の差し金だと分かってもいてスパイを送り込んでいる。ファンクラブもあるとか。

キメツ学園!では部下の下弦達から恐れられていた。


外部出演

コトダマン

冥属性・魔族のコラボユニットとして登場。

イベント期間中、高難易度バトルのボスとして登場するのを撃破する他、専用アイテムと交換する事で入手できる。進化できないユニットの一人。

すごわざ「冷酷無情」は福の数が多いほど威力が増す特徴があり、最大火力を発揮するにはバトルや交換所で無惨を何度も入手する必要がある為、他の鬼滅コラボ出身ユニットの鬼と比較すると育成に手間がかかりやすい。

その他の性能としては、言葉を設置した時にHPを僅かに回復したり、チェンジマスが出現した場合に限り「む・ざ・ん」の3文字が使えるようになるなど、何気に強力。

鬼滅コラボ出身ユニットの中では唯一の冥属性でもあるのも特徴。

鬼なので当然だが、鬼滅のコラボキャラクターの多くが持つ「鬼殺の同士」の効果を持っていない数少ないユニットの一人故に、鬼滅コラボの恩恵を受けにくいのが難点。


モンスターストライク

第二弾コラボにて、闇属性の超究極クエスト「新たなる任務」のボスとして登場する。ただしドロップ報酬としての入手は不可能で、代わりに限定の称号などが入手可能。

ただでさえモンストのコラボ超究極は難関揃いな上に、本作のラスボスである彼が降臨ししかもニュース内でコラボ史上最難関と発表までされただけに、ストライカーの多くは戦々恐々としていた。


そして2022年3月25日19時、遂に降臨。

その難易度は前述したとおりコラボ史上最難関と呼ぶに相応しいものであり、多くのプレイヤーが瞬殺される阿鼻叫喚の地獄であった。このコラボイベントでは同じく超究極のボスとして猗窩座妓夫太郎&堕姫が登場したが無惨の難易度はそれらの比ではなく、第一弾コラボで多くのプレイヤーを苦しめた鱗滝左近次の火属性縛りミッションすら軽く上回っている。

クエストギミックはダメージウォールと貫通制限、HP個別、ハートなしとシンプルなため、適正は広い。だが、クエスト内の敵は、ハンシャインと反射制限とゾンビ以外がすべて即死攻撃を持っており、さらにはその敵は蘇生される。雑魚敵のHPも高く、ハンシャイン、小鬼(紫)雑魚、小鬼(黄)雑魚、ゾンビが約700万、大鬼は、ステ1では約2500万、ステ5では約1000万である。さらに、大鬼(ステ1のみ)と無惨は一発で10万食らう伝染霧を放ってくるため、同じキャラの使用は完全非推奨(イラスト違いは可)。また、ハンシャインの反射レーザーもかなり痛く、光属性で2万くらい食らうため、味方の配置によっては即死する。それに加え、ほとんどの雑魚が壁と雑魚の間か雑魚と雑魚の間でカンカンして倒さなければならないが、小鬼(紫)、大鬼、無惨は、近距離にいる味方に大ダメージを与える貫通拡散弾を放ってくるため、近くにいると大ダメージを食らう。さらにこのクエストでは魂の紋章が無効なため、伝染霧を防いだり、ユーレイ状態になった時のSS遅延を防いだり、敵に対して紋章で火力を上げることはできない。また、小鬼(黄)は敵の攻撃ターンを短縮するので、放置すると敵の即死が早まってしまう。このように雑魚を放置するととても危険だが、ボスの無惨はHPが各ステージごとに約1億3000万あり、場合によってはボスをゴリ押さなければならない。ボスが撤退すれば小鬼雑魚は撤退する。また、このクエストの回復手段は主に、反射制限を倒したときに出る回復フレアだが、反射制限は無限に出てくるわけではないので、倒しすぎると回復できず詰む。

クエストの適正は主に、シャーロックホームズやゴッドストライク、アルキメデス、キスキルリラ、綾波レイ、竈門禰豆子など、敵に対してキラーを持っているキャラや、回復アビを持っているキャラである。また、空閑遊真やパスカルの友情のスピードアップはサポートに役立ち、パスカルのダメウォドンはボス削りに有効である。

また、このクエストで最も大事なのは実の厳選といっても過言ではなく、ユーレイ状態から回復できるちび癒しや、攻撃力を上げる加撃系などがほぼ必須である。

クエスト内では、無惨によるパワハラ会議の様子が忠実に再現されており、王貴人という琵琶を奏でる女モンスターの手によって画面が暗転して敵の配置転換が行われたり、ラスゲでは下弦の鬼たちが土下座する場面が再現されているなどネタにも事欠かない(ただし無惨は部下を粛正せず寧ろ蘇生させるという本編とは真逆の行動を取る)。


そして…

2023年7月に開催された第三弾コラボにて、闇属性の超究極クエスト「誰かの夢」のボスとして再び降臨。例によってドロップ報酬としての入手は不可能だが、クリアで限定の称号が入手できる。

前回の無惨戦が超高難度であったことから、降臨前から「またあの難易度のクエストが来るのか」とストライカーを戦々恐々とさせていた。


そして2023年7月28日19時、装いも新たに再びストライカーの前に出現。

クエストギミックは重力バリアと貫通制限、ハートなしとシンプルで、前回同様に適正は広い。ハンシャインと貫通制限以外の敵が即死持ちな点や、ほとんどの敵が壁との間や雑魚同士の間でカンカンしないと倒せない点、魂の紋章や運極ボーナスが無効な点も相変わらず。ただし貫通制限を倒した時の効果が変わっており、敵を防御ダウンさせてダメージを与えやすくしてくれる一方で敵の攻撃ターンを早めてくる。そのため、貫通制限を倒しすぎると敵の即死攻撃であっという間にゲームオーバーになってしまう。肝心の回復手段は天使が出すヒーリングウォールのみで、中には回復手段が一切無いステージすら存在する

さらに防御ダウンがあるためか敵のHPが軒並み高くなっており、ボスの無惨に至っては3ステージ合計で約85億という途方もない数値になっているため、嫌でも貫通制限を倒して攻撃が通るようにしなければならない。加えて、第3ステージとラスゲに登場する大鬼とボスの無惨はラウドラバリア(一ターン中に一定回数攻撃するまでダメージを与えられないギミック)を持っており、特に大鬼の方は一ターンに9回以上攻撃することができなければダメージを与えることすらできず、仕留め損なえば次のターンでまた9回以上攻撃しなければならない。

ただし、同コラボ内で使用できる「刀」の効果はしっかり発動し、最高レベルの「爆血刀」まで強化すれば無条件で味方モンスターの攻撃力が1.2倍される。その上シンプルなギミック構成が仇となり、現環境最強キャラの一角たるヤクモ:大荒神武装、味方に高倍率のバフをかけられるルナ、2種類のキラーによって安定して高火力を出せるキリンジなどを筆頭に、モンストの歴史の中でも特に強力なキャラクターが勢揃いしてしまう事態に。

一方で加撃系や、ボスや雑魚のHPを16%削る将命削り・兵命削りといった実の厳選が重要な点は変わっておらず、またどの敵を最初に倒すかを見誤るとあっという間に窮地に追い込まれてしまう。総じて、単純なキャラ持ちだけでなく、パーティに組み込んだキャラクターをどれほど強化しているか、そして冷静に「何をするべきか」を考えることができるか、といった要素が成否を分けるクエストと言えるだろう。

クエスト内では、最初のステージから例のパワハラ会議が再現され、前回のラスゲと同じ配置で鬼が配置されている。さらに第3ステージでは猗窩座が謁見した子供の姿の無惨、その後に続くボス戦では上弦の鬼を集めた際の青年の姿の無惨がボスとして登場する。


過去

平安時代に人間の男性として生まれた。

後の産屋敷家に繋がる貴族階級の人間であったらしく、屋敷に住んでいた描写がある(千年以上前の事になる為に、無惨と耀哉自身は超がつくほど遠縁という事になるが、二人の顔は双子のように瓜二つだと16巻のおまけページにて描かれている)。


先天的な虚弱体質であり、母親の腹の中にいた頃から心臓は何回も止まり、生まれた時には脈も呼吸もなかったために死産と判断され、荼毘に付されようという際に息を吹き返した。

当時の医師からは「二十歳になるまでに死ぬ」と言われていたが、そんな彼が少しでも生き永らえるようにと苦心していた善良な医師がいた。

医師は無惨の病状が良くなることを願い、まだ試作の段階であった新薬を処方したが、それでも悪化の一途を辿っていった事に癇癪を起した無惨は、背後から刃物で医師の頭を割り殺してしまう


しかし皮肉な事に、それから間もなく薬の効果が現れて無惨の体調は良くなっていき、更には常人離れした強靱な肉体を手に入れるもそれと同時に日光の下に出られなくなり、人の血肉を欲するようになる。


日光への弱体化と食人、自身に訪れた二つの大きな変化のうち、まず食人衝動に関しては

「人を喰えば済む」と問題にしていなかった模様。アニメ版で追加されたシーンでは返り血を浴びるのも厭わずに道端で人を捕食し、己を囲む兵士たちに「鬼」と呼ばれた際には不敵な笑みを浮かべていた。


しかしその一方、日光が致命的となったために昼間の行動が制限されてしまう事は酷く屈辱であった。

彼は日の下でも死なない体となるべく医者が自分に処方した薬青い彼岸花の調合法を調べた結果、実際に青色の彼岸花が使われていると突き止めそれを探し始めたが、千年以上に渡って日本中を探し回っても、生息地や栽培法さえ判明しないままであった。



その為にこれ以降は、当時その医師が住んでいた地域である、後の「東京」周辺を中心に主に活動するようになる(実際に、炭治郎と初対面した場所も東京だった)。


そうして彼は日光の克服の為に、『青い彼岸花を見つけ出す』事と、増やした『同類の鬼達の中から日光を克服できる者を生み出す』事を最優先事項としており、青い彼岸花を使って完全なる鬼化の薬を開発するか、日光を克服した鬼の力を取り込むかのいずれかの方法で、自身が日光を克服した完全なる不老不死の生物となる事を最終目的として千年間活動してきたのである。


即ち千年に渡って生きてきた鬼の始祖の目的は、世界征服等の大きなものなどではなく、自分が永遠の命を得て好き勝手に生きたいという極めて小さな目的だったのである。


産屋敷家が代々短命を宿命づけられたのも、一族から無惨という怪物を生み出してしまった事による呪いだと耀哉は語っている。

これに対し無惨は逆恨みも甚だしい、自分にはそんな呪いは降りかかってきていない」と一蹴している。しかし無惨が倒された後の産屋敷一族は、人並みかそれ以上の寿命を得ている為に、やはり無惨の出現を原因とした一種の呪いをかけられていた可能性が高い。


ちなみに鬼に関しては、自身の手駒となる強力な鬼を生み出す事と、前述の日光を克服する鬼を生み出すという目的の為に増やしていただけで、無惨自身としてはあくまで不本意に作り出していたようであり、「太陽克服の手がかり」を発見した際には、初めて他人を罵倒なしで称賛しつつも、配下の鬼の存在を増やしたくもない同類とすら言い切っている。

特に、呼吸を使える鬼殺隊士を鬼にする事に関しては、戦国時代に実験的に作った以降は、その手間とリスクの高さから完全に興味を失っており、作中ではその上弦が推薦した獪岳を気まぐれで鬼にしたものの、穴埋め兼時間稼ぎ程度に利用しただけで関心は殆どなかった。


加えて人間だった時代に妻を娶った時期もあるのだが、この時から人の負の心理の観察に長けており、生来の共感性皆無の毒舌で、5人いた妻全員を自殺に追い込んでいる。 このように、人間だった頃からその本性は現在と何も変わらない人物だった。


ちなみに無惨が医者を殺した理由は、これまた純粋な癇癪であり、一部からは彼岸花は猛毒の花とされていた為、「猛毒の花を処方された事により、病状が悪化の一途を辿っていた事を毒を盛られて殺されると思ったのでは」という意見も出たが、無惨が自分が処方された薬に青い彼岸花が使われていた事を知ったのは医者を殺した後と明言されているので、その可能性は低い。


無限城決戦編にて(ネタバレ注意)

鬼滅本誌注意 私がこれから皆殺しにする

「誰も彼も役には立たなかった 鬼狩りは今夜潰す 私がこれから皆殺しにする」


産屋敷耀哉の屋敷を単独で襲撃し、言葉を交わした後殺害しようとしたが、

産屋敷耀哉の繰り出した最期の自爆、

珠世が作った人間化の薬、

鬼殺隊最強の悲鳴嶼が振るう渾身の一撃を受け、大幅に体力を落としてしまう。


無限城に鬼殺隊を落とした後、自身は無限城内で肉の繭で回復を待っていたが、第180話で遂に復活。

髪は白く染まり、体の大半が大量の口がついた赤黒いものに覆われた異形の姿へと変貌を遂げ、部下の上弦がほぼ全滅した事で、

とうとう自らの手で鬼殺隊を殲滅する事を宣言する。


基礎スペック

いざ自らが戦場に立てば、毎分弱体化している状態でも桁外れに強い。

万全な状態の無惨を単身で追い詰めた者は後にも先にも継国縁壱ただ一人だが、その緑壱を持ってして

「その男は暴力的な生命力に満ち溢れていた」

「火山から噴き出す岩礁を彷彿とさせる男だった」

「ぐつぐつと煮え沸り全てを飲み込もうとしていた」

と語っていたことからも、その圧倒的な力がうかがえる。


多くの鬼が血鬼術による搦手を用いてきたのに対し、この無惨は殆どそれを用いず、鬼としての人智を超えた身体能力に任せたあまりにも暴力的な力押し戦術を用いる。

ただし作中では、珠世の薬の影響で血鬼術を自由に行使できる程の力が回復していなかったから使わなかった可能性が高く、平時の状態でも血鬼術を使わずに戦っているのかは不明。

ただし、『ゴリ押し』とは言うものの、無惨の腕力自体が上弦の鬼すら比べ物にならない規格外のものなのでその脅威は計り知れず、弱体化した状態でさえ柱五人と、無惨への最大の有効打となるヒノカミ神楽(=???)を使える唯一の剣士である炭治郎、我妻善逸嘴平伊之助栗花落カナヲ、その他大勢の鬼殺隊士を同時に相手取った上でなお優勢で、劇的な余裕をもって鬼殺隊の精鋭を相手どった。


また、下記の能力の数々で柱を初めとした多くの鬼殺隊士を苦しめ続けた無惨だが、作中では無惨との戦闘が本格的に始まった時点から、後述する珠世の薬の影響で弱体化が毎分進行している状態だった為に、実は本編では一度も無惨は全力を出して戦えてはいないが、その状態でも多くの柱の命を奪う程の実力である。


肉体変化

七つの心臓と五つの脳を有し、その位置すら流動的に変化し、下記の「管」のように身体構造自体が自由に変化し、その外見も攻撃手段も、文字通り変幻自在。


再生能力も極めて高く、ほぼ斬られた瞬間に傷口が瞬時に癒着・再生する為、日輪刀で頸を斬り落とされても死に至る事はなく、日の光以外では滅ぼすことはできない。


ましてや無惨には決まった姿形そのものが無く、人型の生物と認識して戦う事自体がまさに禁物と言える。

前述のパワハラ会議でも離れた場所にいる部下の鬼の頸を一瞬で手元に引き寄せるという能力を見せていたのだが、これは単純に腕を視認できない程の速度で伸縮させて、頸をもぎ取っていただけである。


両腕を変化させた肉塊の如き極太の管二本(射程は90cm〜約10m)、背中から伸びる先端に骨の様な刃の着いた血管状の細い九本の管(長さは4m)、合計十一本の管を武器とする。

振るう管はリーチが非常に長い上に柱ですら回避が困難な程高速であり、周囲の建造物をズタズタに引き裂く。

無論直撃すれば即死級、掠っただけでも傷口から無惨の血液を猛毒として注入され、全身の細胞を破壊されて死に至るというからえげつない。

なお、管は無惨の意志によって自在に生やす事が可能で、上記の姿での戦闘に相手が慣れてきたタイミングで不意打ちのように管を増やして攻撃する事も可能。

最終決戦では、腿から他のものより高速で振るわれる八本の管(長さは7m)を瞬間的に生やして攻撃する事で、無惨との闘いに光明を見出したばかりの七人に、戦闘不能になる程の重傷を負わせて吹き飛ばした。


  • 風の渦

全身に生じた口による吸息により、強烈な吸い込みを伴う風の渦を生じさせる。

この渦も言わずもがな凶悪な威力を誇り、触れた部分の肉が抉り取られる程である。渦自体の大きさもある程度は調節可能で、 回避しようにもあまりの吸引力に引き寄せられて、大振りな回避動作を取らざるを得なくなり、通常の何倍もの体力を消耗してしまう。

無惨はこの渦を上述の触手と合わせて繰り出す事により、触手を回避した相手の裏をかくように巻き込もうとしてくる。


  • 空気弾

全身の口から吸息した後、その息を高圧で吐き出して攻撃する。

ただの空気と侮るなかれ、周囲の建造物や地面にクレーターを作る程の威力を持つ。


  • 衝撃波

身体を斜めに横断する形の巨大な口を開き、稲妻のような衝撃波を放つ。

直撃を受ければ大ダメージだけでなく神経の動きを狂わされ、呼吸を維持出来なくなる。単純な攻撃ではなく血鬼術の一種であり、日輪刀を自身の体に刺す事で解除できる。

遠く離れた場所にいる産屋敷輝利哉やその妹達にも衝撃が届いていたが、これは彼等が「目」を使って戦況を把握していた為に、それを介して衝撃波が飛んだようである。

ただし、発動には相当な体力を食うらしく、九千年分の老いと激戦の疲労が重なった作中の無惨では連発はできず、伊之助相手に使用を試みた際には地面に十字の傷を刻んだだけで不発となった。


場所を問わず肉体を変化させて牙口を作り出す。覚醒直後にはこれを使い、鬼殺隊士を攻撃と同時に捕食して養分にしていた。

窮地に陥った際には体全体に巨大な口を作り、眼前の炭治郎を噛み砕こうとしたが、伊黒小芭内が身を挺して防ぎきった。


  • 肉の鎧

鬼殺隊の限界を超えた追撃と、遂に射した暁光の前に曝した最後の姿。全身の肉を分厚く盛り上がらせ、人の背丈の数倍はあろう巨大な赤子のような姿に変化する。

動きこそ鈍重になってしまうものの、その厚さをもって日輪刀を含むあらゆる攻撃に耐える事ができ、短時間であれば日光の下でも活動ができる他、機動力の低下を補うように地面潜航能力を使えるようになる。また、その巨大な体躯と重さは強力な武器にもなり、無造作に拳を振り下ろすだけで自動車を叩き潰している。

残存した鬼殺隊数人がかりを列車の客車ごと押し返し、満身創痍とはいえ隊士数人以上の怪力を発する悲鳴嶼に拮抗してみせるなど、太陽光に全身を焼かれて格段に弱体化してさえ一厘でも力を抜けば逃亡を許しかねない。

赤子のような姿は後述の過去により、赤子の頃から死にたくないという生存本能が極めて極大でそれが一切変わっていなかったという意味では本質を表現している。


しかし、度重なる弱体化により自慢の再生力は既に底を突き、陽光の下に引きずり出されたとあって既に虫の息も同然の状態。そんな最後の悪あがきの段階さえ予断を許さないのが無惨が無惨たる所以でもあり、鬼殺隊全員が死に体を引きずって命懸けの戦いを余儀なくされた。


戦績

遂に本気を出し、鬼殺隊殲滅に乗り出した無惨。復活直後から鬼殺隊隊士達を布切れのように引き裂き、復活後の養分に捕食しながら無限城を飛び回る。

途中、炭治郎と冨岡義勇に遭遇して言葉を交わすも二人の逆鱗に触れた。

それも意に介さず葬り去ろうと襲い掛かるが、途中から愈史郎鳴女の脳を支配されてしまい、無限城の操作権限を掌握されて邪魔立てされた為に、止む無く遠隔操作で鳴女の頭部を潰して無限城を放棄、地上に出る。

大半の柱や主要隊士が揃う中で第二幕開戦となるが、脅威の不死身ぶりと圧倒的な破壊力で鬼殺隊を寄せ付けず、終始主導権を握っていく。


しかし、珠世が己が身に仕込んだ薬は人間返りだけではなかった。


ここから珠世の仕込んだ「老化の薬」がいよいよ目に見える効果を現し始め、無惨の体力そのものを奪い始める(実は、復活した時点から無惨の髪色が白くなっていたのはこの薬の影響であり、この時点で無惨は実に九千年分も老化していた)。

隙を見て飛びかかった炭治郎を『管』で昏倒させるも、今度は柱達の猛攻が開始され、無惨への包囲網が徐々に形成されていく。

その合間で炭治郎は愈史郎に治療され復帰し、夢の世界で先祖と耳飾りの剣士との最後の語らいからヒノカミ神楽の真髄を見出して無惨へ喰らいつく。

鬱陶しさに、五百年前同様に分裂して逃走を図るが、既に珠世の第三の薬「分裂阻止」が無惨の肉体を蝕み、分裂による逃走を封じられてしまう。

なおも夜明けまで粘る鬼殺隊に、怒りを爆発させ襲い掛かる無惨。

夜明けまで小一時間を切ったその時、珠世最後の仕掛け「細胞破壊の薬」によって最大の武器である再生能力に歯止めをかけられ、遂に窮地に立たされる。

敗色を察した無惨は、一も二もなく逃走を決意。だが善逸・伊之助・カナヲたち新鋭の隊士が到着し、退路を断つべく奮戦。隙を見て体勢を立て直した柱たちも加わり、一丸となって無惨を追い詰める。


その執念により、遂に夜空に暁光が射す。

急いで影に隠れんとする無惨に、炭治郎と義勇が喰らいつくと、無惨は肉の鎧を発動させて抵抗。炭治郎を肉に巻き込んだまま暴れだした。

それでもなお鬼殺隊に阻まれ、陽光から逃れようと地中へ潜るが、悲鳴嶋を筆頭とした鬼殺隊一丸の綱引きに思うように潜航できず、やっとの思いで振り切り――


呑み込まれた炭治郎が最後の足掻きに渾身の拳を腹へ見舞い、痛みに悶絶した時点で鎧が崩壊。


そのまま明けの空の下太陽に焼かれ、遂に鬼舞辻無惨は消滅した。


その最期

死の間際、彼は自身が死産の淵から甦ってこの世に生を受けた事を思い出す。

ただ「死なない」という一念に駆られ、捻じくれた精神をもってなお生に執着した男は宿敵の信念と自らの敗北を認め、敵の力の大きさにようやく気付くのだった。


そして自らの滅びを悟った彼は何世代にも数百年にも渡って自らに命懸けで挑んできた者たちの「想い」に感動を覚え、自身も彼らのように“想いを繋ぐこと”を決意する。


最期の最後で…孤独な鬼の王は自分以外の誰かに目を向けたのだ。


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