概要
人類が太陽系外に進出した遠い未来で、広大な銀河系を舞台としたスペースオペラ。航行不能な宙域を挟んで位置する二つの巨大な国家の間で繰り広げられる150年に及ぶ戦争において、銀河帝国のラインハルト・フォン・ローエングラムと、自由惑星同盟のヤン・ウェンリーという、時を同じくして戦場に現れた若き二人の英雄を中心に描かれる大長編の戦記。原作は総計1500万部突破を記録したロングセラー作品である。略称は「銀英伝」。
数万隻の艦隊同士が衝突する大規模戦闘、豊富な登場人物による味わい深い掛け合い、失笑必至の不器用なロマンス要素を織り交ぜながらも、専制政治と民主政治の較べ合せを題材とした思考実験を描く側面も持つ。
本編全10巻(1982~87年にかけて書き下ろし)、本編の過去を描く外伝4巻(86~89年)からなる。いずれも初出は徳間新書版。また、これに収録されていない短編を含めて、何度か文庫版として刊行されている(最新は創元SF文庫版)。
メディア展開
アニメ
OVA / 石黒監督版
アニメ版は1988年に公開された劇場版『 我が征くは星の大海 』に始まり、基本的にオリジナルビデオアニメ(OVA)として制作され、制作年代ごとの四部構成となっている。全110話、外伝シリーズが9作品52話、劇場版3作品が10年以上にわたって描かれた大作。『銀河英雄伝説』のビジュアル面に強い影響を与えており、今日ではシリーズのメディアミックス作品における代名詞的存在として扱われている。石黒昇総監督の名を借りて「石黒版」とも呼ばれる。
このOVAは通販を中心としてビデオを視聴者に購入してもらうという、「テレビにおけるスポンサーの役割をユーザーに求める」手法を最初にとった作品である(インターネットどころか携帯電話さえなかった時代にクラウドファンディングと同じ発想を持ち込んだと言えばこの発想の奇抜さが理解できるだろうか)。このため、テレビの尺に合わせてストーリーを改変するような事態をまぬがれ、原作の世界観を維持する事が可能になった。ほぼすべての脚本を河中志摩夫が担当したことも、作品の雰囲気を一貫したものにする上で大きく寄与している。
起用された声優の多さと顔ぶれの豪華さから付けられた「 銀河声優伝説 」の異名は、OVA音響監督の明田川進も口にしていることから、半公式の呼称と化している。
音楽面ではオリジナルの楽曲を極力減らし、徳間グループの音楽部門が大量に抱えていたクラシックの名曲を多用している事も特徴である。数少ないオリジナル曲の自由惑星同盟国家などはイベントに集まったファンの合唱で行われていたりする。
(リンク : 銀河英雄伝説 ON THE WEB)
Die Neue These / 多田監督版
2014年、同作品の舞台の終演後に再アニメ化が発表された。OVA版のリメイクではなく、原作を改めて映像化するとのこと。タイトルは『 銀河英雄伝説 Die Neue These 』 (ディ・ノイエ・テーゼ)とし、制作はプロダクションI.Gが手がける。監督は多田俊介。
第1期『 邂逅 』全12話が2018年春アニメとしてTV放映され、第2期『 星乱 』全3章(4話相当分×3)が2019年に映画館でイベント上映される予定。
なお、TOKYO MXでは引き続き7月から『邂逅』の再放送がニチアサ枠で実施が告知されている。7月8日から放送開始。
(リンク : 銀河英雄伝説 Die Neue These - 公式サイト)
漫画
道原版
OVA制作に先んじて1986年に、道原かつみによって同タイトルで漫画化された。『 黄金の翼 』の副題を冠した原作者書き下ろしの外伝であり、「銀英伝」の世界観をはじめて視覚化した作品として、初期からのファンには思い入れを持つ者も少なくない。
キャラクターデザインについては何名かが性別を変更されており、ホアン・ルイは東洋系の女性として描かれ、アドリアン・ルビンスキーに至ってはスキンヘッドかつ褐色肌の女性となった。
メカニックデザインは笠原彰が手がけ、帝国軍の戦闘艦はラインハルトの乗艦ブリュンヒルトを模した様な形状で統一されており、同盟軍の艦艇は積層板を縦にした様な外見をしている。
92年に道原版のデザインを踏襲したアニメ版『黄金の翼』(清水恵蔵 監督作)が劇場公開されており、OVA版とは異なる作風を楽しむことができる。
藤崎版
2015年10月8日発売の「週刊ヤングジャンプ」で、藤崎竜が作画を担当する漫画版の連載が始まった。メカニックデザインは概ねOVA版を踏襲している。
フェザーンが秘密の商人集団として描写されるなど、原作とはかなり異なる設定が見受けられるのが特徴である。アンドリュー・フォークを始めとした悪役の容姿が非常に醜悪に描写されているのも特徴である。
舞台
2011年から始まった舞台シリーズは『第一章 銀河帝国編』(2011年1月)、『ミッターマイヤー・ロイエンタール編』(2011年6月)、『外伝オーベルシュタイン編』(2011年11月)、『第二章 自由惑星同盟編 撃撃王』(2012年4月)、『輝く星 闇を裂いて』(2012年11月)、『第三章 内乱』(2013年3月)、『初陣 もう一つの敵』(2013年8月)、『第四章 激怒前夜』(2013年11月)、『第四章 激突』(2014年1月)、上演。
(リンク : 銀河英雄伝説 舞台 オフィシャルWebサイト)
2012年8月には宝塚歌劇団による『銀河英雄伝説』が上演された。
2018年アニメ版『Die Neue These』の放送に伴い、舞台の新シリーズも上演が決定。Zeppダイバーシティ東京にて、10月25~28日に上演予定。
(リンク : 舞台 「銀河英雄伝説 Die Neue These」)
ブラウザゲーム
家庭用ゲームやパソコンでもリリースされた事のある銀河英雄伝説だが、ソーシャルゲームとしてリリースされる事が発表された。延期を経て2016年に開始した。
(リンク : 銀河英雄伝説タクティクス - DMM公式)
主要キャラクター
主に活躍するキャラクターと作中での呼称(階級は作品によって変わるので省略)。
斜体は原作第1巻(本編開始時点)における故人。
銀河帝国
ローエングラム陣営
ラインハルト・フォン・ローエングラム → ラインハルト(他:カイザー・ラインハルト、マインカイザー)
アーダルベルト・フォン・ファーレンハイト → ファーレンハイト
ハンス・エドアルド・ベルゲングリューン → ベルゲングリューン
ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ → ヒルダ、フロイライン・マリーンドルフ
上記以外の銀河帝国キャラ
アンネローゼ・フォン・グリューネワルト → アンネローゼ、グリューネワルト伯爵夫人
自由惑星同盟
ヤン艦隊
上記以外の自由惑星同盟キャラ
フェザーン自治領
アドリアン・ルビンスキー → ルビンスキー(フェザーン自治領主)
(漫画版では女性であり、名前もアドリアーナ・ルビンスカヤとなっている)
地球教
総大主教 (グランド・ビショップ)
ド・ヴィリエ大司教
関連動画
関連タグ
銀英伝100users入り 銀英伝500users入り 銀英伝1000users入り
銀河帝国(銀河英雄伝説) 自由惑星同盟 銀河帝国軍艦艇 自由惑星同盟軍艦艇 イゼルローン要塞
カップリングタグ
ヤンフレ ライヒル ユリカリ ケスマリ ミッターマイヤー夫妻