概要
ゲーム及びアニメ「ポケットモンスター」シリーズにおける、各作品に登場する主人公と敵対する組織のこと。具体的な思想や目的などは各組織によって大きく異なるが、ポケモンを悪用し主人公らと対立関係にあることは概ね共通している。
ストーリー上の街や道、森やダンジョンなどに行く手を阻むように立ち塞がり、主人公の旅の妨害行為を働くことが多い。終盤には組織の野望を阻むべく、に組織を率いるボスに勝負を挑むこととなる。ボスとの決戦が7人目のジムリーダー撃破後であることや、組織が伝説のポケモンと深く関わっていることも多く、多くの場合ストーリーの展開上で大きな役割を果たすこととなる。
以前は世界征服や現行の世界の破壊など、壮大な野望を抱えた犯罪組織であることが多かったが、『サン・ムーン』以降は街の不良程度の存在でしかないような、規模の小さい組織も登場するようになっている。これらの組織は主人公の旅路を妨害してくる面ではそれまでの組織と同様だが、ストーリー終盤になると強大な権力や科学力、財力を持つような黒幕的別の組織の存在が明らかになり、伝説のポケモンとの関係を含むストーリー上の悪の組織としての役割はこちらが担う事が多い(ただし『LEGENDSアルセウス』以降は後者が単独犯というパターンも増えてきた)。
このような傾向になったのは、近年のコンプライアンス上過激な悪党描写を描きづらくなったというのもあるか。
一概して共通点と言えるのは「主人公と敵対、対立関係にある(なりうる)」ということであり、必ずしも野望や悪意を持って行動しているとは限らない。そのため、「敵対組織」という表現が使われることもある。エーテル財団やマクロコスモスのように真っ当な組織、企業が上層部の暴走に巻き込まれており、構成員が悪事に加担している自覚などないパターンもある。
また、「悪の組織」と呼ばれるだけあって団員の手持ちの多くがあくタイプで構成されているため、多くの場合「あくタイプ使いのトレーナー」としての役割も兼ねており、『ソード・シールド』に至るまで長らくの間あくタイプを専門に扱うジムリーダーは存在しなかった。
各組織・構成員
一部除くアニメオリジナルのキャラクターについては本記事参照。
ロケット団(RGBP / FRLG、GSC / HGSS、LPLE)
ポケモンを利用した悪事や犯罪行為によって、世界征服を目論む犯罪集団。現実的には縄張りの拡大と金儲けを目的とし、特定の思想的野望などは持たない純粋な犯罪組織。
スロットを経営し資金源にしていたり、ポケモンの乱獲および他トレーナーからの略奪、さらには殺害を行なって体の一部を闇市場に売り捌いたりするなど、金儲けに関しては手段を選ばないポケモン世界のヤクザ組織。
サカキの宣言により事実上解散したが、他の悪の組織と違って特定の目的のため活動していたわけではないため残党が各地に残っている。
戦闘員:ムサシ、コジロウ※2
※1 GSCでは個人名なし。HGSSから個人名の追加および容姿が刷新された。アポロはサカキ不在の中での司令塔的な立ち位置だが、あくまでボスはサカキのため幹部を名乗る。
※2 アニメからの逆輸入で、ピカチュウ版とLPLEに登場。ただしピカチュウ版では個人名ではなく「ロケット団」と表示される。
マグマ団(RSE、ORAS)
グラードンの力を利用して海を干上がらせ、陸地を拡大することが目的。
アクア団と対立関係にあるため、『サファイア』では彼らを妨害すべく主人公の味方に付く。
『ORAS』では陸地拡張の他に「人類にとっての理想の地球の追求」が目的に加わる。
リーダー:マツブサ
アクア団(RSE、ORAS)
カイオーガの力を利用して陸地を沈め、海を拡大することが目的。
マグマ団と対立関係にあるため、『ルビー』では彼らを妨害すべく主人公の味方に付く。
『ORAS』では海の拡張の他に「ポケモンにとっての理想の地球の追求」が目的に加わる。
リーダー:アオギリ
ギンガ団(DPt、BDSP)
『ダイヤモンド』ではディアルガ、『パール』ではパルキア、『プラチナ』ではその両方の力を利用して「今ある世界を破壊し新たな世界を創造する」ことを目的とする集団。思想の過激さと野望の大きさは歴代随一。ボスやその目的を盲信した構成員が多い。
表向きには新エネルギーの開発事業を行う組織となっておりその手の活動も行っているが、ゲームコーナーのスロットにギンガ団のエンブレムが出てくるなどギャンブル絡みの事業にも手を出しているようである(なお、リメイク版ではゲームセンターは削除されている)。
ボス:アカギ
※ プルートは『プラチナ』のみ登場
プラズマ団(ポケモンBW、ポケモンBW2)
「人類からのポケモンの解放」を大義名分として裏で様々な悪事を働く組織。
組織内では「ポケモンの解放」を本気で行おうとしていた者たち(N派)と、口実を隠れ蓑にポケモンを自分たちのみが保有する事で悪事に利用し、世界征服を企んでいた者たち(ゲーチス派)に二分され、『BW2』では前者は組織を抜けて分離している。
黒幕:ゲーチス
王/ボス(初代):N※1
ボス(2代目):アクロマ※1
※1 Nとアクロマは両方とも専用BGMがあるが、組織の実質的な黒幕はゲーチスである。
※2 アニメ版のみに登場するしたっぱ。姿はBW2のほう。
フレア団(ポケモンXY)
「争いのない美しい世界」を作るため、争いの火種となる人間の数を減らし争いに利用されるポケモンをも消し去ることを目的とする組織。
ポケモンの命を犠牲とする古代の最終兵器を復活させ、そのエネルギーとしてゼルネアス、イベルタルの伝説のポケモンを筆頭にポケモンを大量に捕獲している。
ボス:フラダリ
ナンバー2:パキラ※1
幹部:アカマロ、一般幹部※2
※1 ナンバー2の存在はゲーム中では明言はされなかったが、明らかに幹部や科学者よりも格上であることを表す描写が多いことなどから、こう明記する。
※2 この組織の幹部には一人にしか名前がつけられていない。並び順の通り、科学者は幹部より待遇が上である。
スカル団(ポケモンSM、ポケモンUSUM)
アローラ地方のならず者集団。他人のポケモンを奪ったり試練の場を荒らしたりする悪事を行う厄介者だが、地元の住民たちからは「恐れられている」というより「迷惑がられている」だけであり、単なる不良集団的な印象を受ける。
思想や野望といったものも存在しないが、他組織に雇われて悪事を働くなど半グレ的な存在で普段は社会に迷惑をかけるゴロツキたちである。
ボス:グズマ
幹部:プルメリ
用心棒:グラジオ
※ この名前が付く3名はアニメ版に登場。ジップのみアニメオリジナルの容姿。
なお、アニメではゲーム版に輪をかけて単なる不良のような扱いになっており、終盤になるまでリーダー格の人物は登場していなかった。また、グラジオもスカル団とは無縁の存在になっている。
エーテル財団(ポケモンSM、ポケモンUSUM)
エーテルパラダイスという人工島を拠点に、傷ついたポケモンの保護や生態調査を行う財団。
本来は本当にそれだけの真っ当な組織であり、本編中での悪行は代表ルザミーネの暴走により、彼女の欲望を満たすために行われているものである。
スカル団へ資金提供を行い、彼らを使役していた。
代表:ルザミーネ※1
支部長:ザオボー※2
※1 ボスに相当する存在だが、戦闘時の肩書はあくまで「だいひょう(代表)」である。
※2 『SM』では明確な悪事は行っていないのだが、『USUM』の「エピソードRR」ではRR団の悪事に加担し敵対する。
USUMに登場するウルトラ調査隊は初登場時にほしぐもちゃんを連れて逃げようとするリーリエを妨害しているものの、その時点ではまだお互いの事情を認識していなかったりその後のストーリーにおける善人としてのイメージの方が強い為、悪の組織にはカウントされない。
レインボーロケット団(ポケモンUSUM)
ボス:サカキ
主なメンバー:マツブサ、アオギリ、アカギ、ゲーチス、フラダリ ※
協力者:ザオボー
ウルトラホールを利用したサカキが他の地方かつ並行世界の悪の組織の者たちを集めて編成した組織。ボスはいずれも各々の野望を達成した世界から来ている。
※ マツブサ、アオギリは『RSE』準拠
エール団(ポケモン剣盾)
主人公のライバルの一人であるマリィの熱烈なファンであり、彼女をトーナメントで優勝させるべく他の挑戦者に妨害行為を働くフーリガン。
挑戦者以外には迷惑行為すら働かないため、「単なる不良」と称されたスカル団以上に悪人と呼べるかも怪しい集団。
その正体はスパイクタウンのジムトレーナーであり、本気でマリィにチャンピオンになって貰いたかっただけの集団である。
ボス:なし
エール団の正体はジムトレーナーであり、彼は「エール団員たちのボス」と言えなくもないが、妨害行為を認知していなかったため「エール団のボス」と呼ぶと語弊がある。
マクロコスモス(ポケモン剣盾)
ガラル地方で多岐にわたる事業を展開している大企業。
組織自体は裏のない単なる企業であるが、社長のローズがムゲンダイナをエネルギーとして利用する計画を立てていたなかでトーナメントの中断に関して主人公たちと対立する。
ただし、計画の根底にあるのはあくまで『ガラルの遠い未来』に起こりえるエネルギー問題の解決であるため、強行手段に走ってしまう点を除けば他の組織と比べてまだ真っ当な分類である。
社長:ローズ ※
副社長/社長秘書:オリーヴ
※ 勝負時の肩書はあくまで「マクロコスモス」である。
野盗三姉妹(LEGENDSアルセウス)
ヒスイ地方のあちこちに出没する盗賊。構成員はわずか3名であり、組織と呼べるかどうか微妙である。
言うなればゼルダの伝説ブレスオブザワイルドにおけるイーガ団のギミックのため、クリア後も出現し解散・改心することはない。
また本作にはギンガ団(ヒスイ)、コンゴウ団、シンジュ団といった組織も存在するが、こちらは悶着こそあれど基本的に主人公の味方であり、本当の敵は別に存在する。
長女:オマツ
次女:オタケ
三女:オウメ
スター団(ポケモンSV)
アカデミーのやんちゃな生徒達の集まりで、周りの人々への嫌がらせや強引な勧誘、授業にまともに参加しないなど、風紀を乱している。
団の中にはいくつかの組があり、パルデア地方の各地にそれぞれアジトがある。
下っ端は制服のサスペンダーを下ろし、星型のサングラスとヘルメットを被っている。
不良トレーナーの集団という意味ではスカル団に近いが、幹部達による明確な指令系統が存在し、スターモービルと呼ばれる改造車両を戦力として複数有しているなど、敵組織としての体裁はそちらよりも整っている。しかし、彼らにも事情があり、これまでの悪の組織とは一線を画す。詳しくはこちらから。
ボス:マジボス
本編以外の組織一覧
組織名 | ボス(リーダー)名 | 登場シリーズ |
---|---|---|
グレートロケット団(GR団) | ビルリッチ | ポケモンカードGB2 |
スナッチ団 | ヘルゴンザ | ポケモンコロシアム、ポケモンXD |
シャドー | ワルダック、デスゴルド(5年後) | ポケモンコロシアム、ポケモンXD |
フォボス軍 | フォボス男爵 | ポケモントローゼ |
ゴーゴー団 | ラゴウ | ポケモンレンジャー |
ヤミヤミ団 | ミスター・ミラカド(実際はブラック・ホール) | ポケモンレンジャーバトナージ |
ポケモンナッパーズ | パープルアイ | ポケモンレンジャー光の軌跡 |
ティーパーティー | エドワード | 〃 |
ポケモンハンターJ | J | ダイヤモンド&パール |
仮面の男一味 | ヤナギ | ポケスペ |
グレートガベル | フロード | ポケットモンスターReBURST |
ロジャーファミリー | ドン・ロジャー | ポケモンコマスター |
GOロケット団 | サカキ | ポケモンGO |
ブレイク団 | 不明 | ポケモンマスターズ |
余談
ポケットモンスターがウルトラシリーズなどの特撮作品から多大な影響を受けていることから、悪の組織を登場させるという発想自体は『仮面ライダー』のショッカーなどから着想を得たものと思われる。
これにマフィアやエコテロリスト、ストリートギャングといった現実的な反社会的勢力の要素を付け加えることで独特の雰囲気を生み出している。
「悪の組織」と言われているが、純粋に悪意や私利私欲で活動しているのは「マフィアであるロケット団(レインボーロケット団)」「イッシュ地方支配の野望を抱いたゲーチスの私兵集団であるプラズマ団」「不良集団であるスカル団(一応行き場を無くした者達の受け皿という面もあるが)」ぐらいで、考え方ややり方に問題はあるが一応世界やポケモン達の為に行動している組織が意外と多い。「エーテル財団」や「マクロコスモス」などはトップ周辺の思惑や言動に問題があっただけで組織自体や活動は至極まっとうで末端構成員には「悪の組織の構成員」という自覚すらなかった。
関連タグ
悪役 ボス マフィア 蛮族 海賊 テロリスト 宗教 不良 フーリガン
おまけ
ネタ組織名 | ネタタグ名 |
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ロケット団 | ニャース妄想 |
フレア団 | フラダリクソコラグランプリ |