概要
要は「始まりの敵」である。
怪獣以外にも宇宙人なども含まれているが、ウルトラ怪獣はウルトラマンと敵対する宇宙人やロボットなども総称として「ウルトラ怪獣」と呼ばれる事が多いので、本来の意味では怪獣に含まれないようなモノでも一話怪獣に含まれる。
デザインとしては、(一部例外はあるものの)恐竜のような姿をした、我々が“怪獣”と聞いて真っ先に思い浮かべるようなオーソドックスなデザインの者(所謂ゴジラ型の怪獣)が多い傾向にある。
物語の幕開けを担う大事な存在である以上、デザインもある程度は正統派なものに寄せているということなのだろう。
また、世界観の解説を担う役割を兼ねており、「こういう世界観です」ということを端的に説明するために新規怪獣が多い。逆に過去作の怪獣が一話怪獣の場合「その怪獣が初登場した作品と何かしら世界観が繋がっている」ことを意味することが多い(『ウルトラセブン』と『平成ウルトラセブン』、『ウルトラマン』と『ウルトラマンパワード』や『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』など)。そうでない場合は序盤から世界観を説明するようなナレーションが入ることが多い(ダークスパークウオーズが起きた『ギンガ』の世界など)。現状唯一の例外は、過去に何かが起きた訳でもないはずなのにいろいろな世界の怪獣が入り乱れ、現在も世界観がよくわからない『ウルトラマントリガー』のみである。
なお、一話怪獣だからと言って必ずしも劇中で初めて現れた怪獣という訳ではない。ほとんどの作品で既に怪獣が現れた後、知れ渡った後であり(その為既に防衛隊が存在している)、物語の中で一話怪獣が始まりの怪獣として注目されることはほぼない。
そもそも、その時の新しいウルトラ戦士の力を視聴者に見せるための「噛ませ犬」のような扱いの奴もいたり、後続の怪獣に人気を取られてその存在を忘れられ、酷い時にはそれらが一話怪獣として当時見た人の認識を上書きされていることがある。
ただし、平成期の中には中盤辺りでなんらかの形で強化されて再登場を果たすというケースがいくつか存在している。別作品で再登場した際に新しい能力や戦法を付与されて後半で立ちはだかることもある。
また、大抵は1エピソードで倒されるのがほとんどだが、弱いのかというとそうではなく、戦い慣れていないウルトラ戦士を苦戦させることもあるほか、ペドレオンやスカルゴモラのように、第2話以降も連続して登場する場合もある。ベロクロンのように何度も出てくることもある。
基本的に一話怪獣は作品に一体だが、例外もあり一度に2、3体現れることも度々ある。ウルトラマンと戦闘しなかったザザーンやオイルドリンカーなども歴記とした一話怪獣である。ただこれは画面にチョットだけ映った「ウルトラマンX」に登場するデマーガ以外の怪獣など含めていいのかなど問題はあるが、基本的にはサブタイトルの時表示される怪獣のクレジットが一話怪獣である(例外もあるが)。
当たり前だがこの呼称は劇中で使われることはない。前述した通り劇中では既に怪獣が現れており初めての怪獣ではないという事と、メタ的に言えば劇中の人々はこの世界がテレビ番組になっているということを知らないので一話など関係ないからである。そもそも放送順が最初だからといって制作順が一番先とは必ずしも限らない。
一覧
ウルトラマンシリーズの場合、実際にウルトラ戦士と戦った怪獣のみ記載。劇場版・単発作品に登場したものは含まない。
複数作品が存在する平成ウルトラセブンとウルトラギャラクシー大怪獣バトルについては、シリーズ全体における最初の怪獣を記載。
昭和シリーズ
ゴメス | リトラ | ベムラー |
---|---|---|
『ウルトラQ』 | 『ウルトラQ』 | 『ウルトラマン』 |
クール星人 | アーストロン | ベロクロン |
ウルトラセブン | 『帰ってきたウルトラマン』 | 『ウルトラマンA』 |
アストロモンス | マグマ星人※ | ギラス兄弟※ |
『ウルトラマンタロウ』 | 『ウルトラマンレオ』 | 『ウルトラマンレオ』 |
シーグラ | クレッセント | |
『ザ☆ウルトラマン』 | 『ウルトラマン80』 |
海外シリーズ
ゴーデス | ブローズ | パワードバルタン星人 |
---|---|---|
『ウルトラマンG | 『ウルトラマンG』 | 『ウルトラマンパワード』 |
オリジナルビデオシリーズ
ピット星人(2代目) | エレキング(3代目) | アーナガルゲ |
---|---|---|
『平成ウルトラセブン』 | 『平成ウルトラセブン』 | 『ウルトラマンネオス』 |
平成シリーズ
ゴルザ | メルバ | 宇宙球体スフィア |
---|---|---|
『ウルトラマンティガ』 | 『ウルトラマンティガ』 | 『ウルトラマンダイナ』 |
ダランビア | ネオダランビア※ | ヴィジョンの龍 |
『ウルトラマンダイナ』 | 『ウルトラマンダイナ』 | 『ウルトラマンガイア』 |
コッヴ※ | リドリアス | カオスリドリアス |
『ウルトラマンガイア』 | 『ウルトラマンコスモス』 | 『ウルトラマンコスモス』 |
ペドレオン※ | グランゴン | ラゴラス |
『ウルトラマンネクサス』 | 『ウルトラマンマックス』 | 『ウルトラマンマックス』 |
ディノゾール | ガルキメス/エイリアン集団 | レッドキング |
『ウルトラマンメビウス』 | 『ULTRASEVEN X』 | 『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』 |
サドラ | テレスドン | |
『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』 | 『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』 |
新世代ヒーローズ
サンダーダランビア | EXレッドキング | デマーガ |
---|---|---|
『ウルトラマンギンガ』 | 『ウルトラマンギンガS』 | 『ウルトラマンX』 |
マガバッサー | スカルゴモラ※ | グルジオボーン |
『ウルトラマンオーブ』 | 『ウルトラマンジード』 | 『ウルトラマンR/B』 |
令和シリーズ
ヘルベロス | ゲネガーグ | ゴルバー |
---|---|---|
『ウルトラマンタイガ』 | 『ウルトラマンZ』 | 『ウルトラマントリガー』 |
スフィアザウルス | スフィアソルジャー | バザンガ |
『ウルトラマンデッカー』 | 『ウルトラマンデッカー』 | 『ウルトラマンブレーザー』 |
シャゴン | ||
『ウルトラマンアーク』 |
その他
※は第1、2話と連続で登場した怪獣。
ウルトラシリーズ以外の円谷作品
アイアン | キングジャイグラス | ダークマン |
---|---|---|
『ミラーマン』 | 『ジャンボーグA』 | 『トリプルファイター』 |
ダーリングウツボ(左下) | ドリゴン | ドリゴラス |
『緊急指令10-4・10-10』 | 『ファイヤーマン』 | 『ファイヤーマン』 |
鮮血のヘル | ブラディ・ホーネット | ゴルゴ |
『プロレスの星 アステカイザー』 | 『プロレスの星 アステカイザー』 | 『恐竜大戦争アイゼンボーグ』 |
ゴドメス兵 | ギラルス | 蚩尤(アイアン2006) |
『恐竜戦隊コセイドン』 | 『電光超人グリッドマン』 | 『ミラーマンREFLEX』 |
ゲルネイク | グールギラス | シャルバンデス |
『生物彗星WoO』 | 『SSSS.GRIDMAN』 | 『SSSS.DYNAZENON』 |
余談
記念すべき一話怪獣として単体で二度も登場しているのは(亜種も含めてだが)ダランビア(ネオダランビア)のみである。しかし実はゴルザも『ウルトラマンX』第1話でファイヤーゴルザとして登場する予定だったが、「せっかくなので新怪獣を出そう」という監督の意向によりデマーガに変更された。それからしばらくして、ついに『ウルトラマントリガー』においてゴルバーという形で実現した(このおかげで、ついでにメルバも二度目の一話怪獣である)。ただ、ゴルバーを「ゴルザとメルバの合体怪獣」と見なせるか否かは現在よくわかっておらず、意見が分かれる所ではある。
合体怪獣まで含めるとレッドキングもスカルゴモラの一部として二度目の登場を果たしている。しかしスカルゴモラはゴモラともレッドキングとも大幅にシルエットが異なるため、こちらは完全に独立した別種として扱える。
ちなみに新世代ヒーローズでは、『ギンガ』では主人公の礼堂ヒカルがウルトライブしたブラックキングが、『ギンガS』ではシェパードンが、『オーブ』では冒頭の回想においてマガゼットンがそれぞれ登場している。
小林晋一郎は自著本で第1話には一本角の怪獣が登場する事が多いと指摘している。
関連項目
ラスボス(ウルトラシリーズ):対となる存在
一話怪人(スーパー戦隊シリーズ) 一話怪人(仮面ライダーシリーズ) 一話怪人(メタルヒーローシリーズ):その他の特撮の一話怪人