概要
ファイアーエムブレムシリーズでは、基本的に剣・槍・斧・弓などが物理攻撃(力・守備に依存)、魔道書が魔法攻撃(魔力・魔防に依存)として扱われる。
作品によっては暗器・格闘・竜石・獣石・ラグズの化身・砲台といったその他の攻撃手段も登場するが、その殆どは物理武器として扱われることが多い。
しかし、例外的に物理系の武器種に属しながらも魔法攻撃扱いとなる特性を持つ武器も存在し、こうした武器は「魔法武器」と呼ばれる。
シリーズ第一作『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』(以下、『暗黒竜と光の剣』)で初登場して以来、ほとんどの作品に何らかの魔法武器が登場しているが、『ファイアーエムブレム 暁の女神』(以下、『暁の女神』)のみ一切の魔法武器が登場しない。
サンダーソードは初代魔法武器として『暗黒竜と光の剣』で初登場し、以降『ファイアーエムブレム 封印の剣』(以下、『封印の剣』)から『暁の女神』までの5作品を除いたすべてのタイトルに登場している。
なお『ファイアーエムブレム外伝』(以下、『外伝』)『ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王』(以下、『Echoes』)『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』(以下、『聖戦の系譜』)『ファイアーエムブレム トラキア776』(以下、『トラキア776』)『ファイアーエムブレム エンゲージ』(以下、『エンゲージ』)では「いかずちの剣(いかづちの剣)」という名称で登場した。
近年の作品では常に魔法攻撃を放てるようになっているが、昔の作品では直接攻撃時は物理攻撃、間接攻撃時にのみ雷魔法となる作品も存在する。
すべての作品で射程は1-2だが、『ファイアーエムブレム 風花雪月』(以下、『風花雪月』)では錬成することで射程1-3に伸ばすことが可能。
魔法が属性分けされている作品では三すくみの雷魔法属性に設定されている場合があり、他の属性の魔法剣や、他の武器種の魔法武器が存在していることも。魔法に属性分けがない作品では三すくみは剣として扱われる。
その特殊性からか、魔法武器を持った敵将は毎作品のように出てくる。
近年は大乱闘スマッシュブラザーズシリーズの影響もあってルフレの装備としての認知度が高く、pixivにおいてもルフレと共に描かれた作品が大半を占める。
主な使用者
ミネルバ(暗黒竜と光の剣)
マケドニア王国の第一王女。
初期装備のひとつとしてサンダーソードを所持している。
ドラゴンナイトの使用武器が『ファイアーエムブレム 紋章の謎』(以下、『紋章の謎』)では槍、『ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣』(以下、『新・暗黒竜と光の剣』)『ファイアーエムブレム 新・紋章の謎』(以下、『新・紋章の謎』)では槍と斧に変更された都合上、サンダーソードを持ったミネルバが見られるのは実質『暗黒竜と光の剣』限定。
ミネルバ加入マップである「プリンセス・ミネルバ」では宝箱からもサンダーソードを入手できるため、一気に2本入手可能。
グレイ(外伝、Echoes)
本作では1章からいかづちの剣を入手できるが、アルム軍には村人を除けばアルム以外の剣士がいない。
グレイは傭兵系にクラスチェンジすることが多いため、序盤からいかづちの剣が相棒になりがち。
それを受けてかTCG『ファイアーエムブレム0』(以下、『サイファ』)ではいかづちの剣を持った魔戦士グレイのカードが実装された。
ダール(紋章の謎、新・紋章の謎)
「人殺しー。」で知られるラーマンシーフのボス。
『新・紋章の謎』のルナティックにおいては、とんでもない攻速でサンダーソードを振り回す強敵となる。
ジャコバン(聖戦の系譜)
シャガールに雇われている剣士。
「このいかずちの剣の恐ろしさ…たっぷりとみせてやろう」や「ふっ、くらえ!いかずちの剣!」など、やたらといかずちの剣を強調してくる。
フレッド(トラキア776)
フリージ公国に仕える聖騎士。
11章外伝での加入時にいかづちの剣を初期装備している。
また10章・11章での登場時にもそれぞれ所持しているため、その際に盗んでおけば合計3本のいかづちの剣を彼から入手可能。
マリス(新・紋章の謎)
父と共に傭兵稼業を営む女性。元は『アカネイア戦記』の登場キャラクター。
初期装備としてサンダーソードとレディソードの2本を所持している。
のちに『ファイアーエムブレム 覚醒』(以下、『覚醒』)でいつの間に通信のキャラクターとして配信された際も、サンダーソードを所持していた。
ルフレ(覚醒など)
主人公のひとりであり、マイユニット。
元々ゲーム内においてサンダーソードとの結びつきはそこまで強くなかったが、『大乱闘スマッシュブラザーズfor』への参戦以降、サンダーソード使いとしてのイメージが定着。
その後の『Code Name: S.T.E.A.M. リンカーンVSエイリアン』や『ファイアーエムブレム無双』といった外部出演では、ルフレをの持ち武器としてサンダーソードが登場している。
『エンゲージ』では紋章士ルフレのエンゲージ武器として登場したうえに、クロム/ルフレとのエンゲージ技として「ギガサンダーソード」なる必殺技が登場した。
しかし向上していくサンダーソード使いとしての知名度とは裏腹に、2024年8月現在『ファイアーエムブレム ヒーローズ』(以下、『ヒーローズ』)には未だにサンダーソードを所持したルフレが実装されていない。
ギャンレル(覚醒)
ペレジア国王で、ストーリー序盤の大ボス的存在。
キャラクターイラストやストーリー上などでサンダーソードを常に装備しており、その存在感からもルフレの『スマブラ』参戦までは『覚醒』のサンダーソード使いといえばこの人といえる人物だった。
『ヒーローズ』実装時には暗器使いとなったため、サンダーソードによく似た形状の「サンダーダガー」を使用している。また立ち絵やSDキャラでは、それとは別にサンダーソードを腰に提げている。
カンナ(if)
主人公にしてマイユニットであるカムイの子ども。
子世代が主役のDLC「泡沫の記憶編」終盤において、カンナ♂がサンダーソードを装備している。(カンナ♀は物理間接剣である小太刀を装備)
なお親であるカムイはサンダーソードと非常に相性がよく、カムイの真の神器はサンダーソードだと言い張るプレイヤーもしばしばみられる。
フェリクス(風花雪月)
青獅子の学級に所属する生徒。
理学(雷魔法)の才を秘めた剣士というサンダーソードを持たせたくなる性能ではあるが、性能上での噛み合いはそこまでよくない。
しかし『ヒーローズ』の第8回英雄総選挙で男性二位に輝いたことで実装された総選挙英雄では、なんと「錬磨サンダーソード」という専用武器を引っ提げて登場。ルフレやギャンレルを抑えて、『ヒーローズ』初のサンダーソード使用者となった。
セリーヌ(エンゲージ)
フィレネ王国の妹王女。
DLC「邪竜の章」において、自軍で唯一所持している(他ユニットへの譲渡は可能)ほか、敵対時にも所持している。
本作独自の仕様である「ブレイク」を活かし、トマホーク持ちのベルセルクやウォーリアーを反撃を許さず仕留める動きが強力。
セピア(エンゲージ)
プレイヤーの前にたびたび立ちはだかる四狗の頭領。
計5回の交戦のうち、いかづちの剣を所持しているのは2回。
コミカライズ版では神竜軍との初遭遇時に使用し、モリオンに致命傷を負わせた。
その他
『サイファ』においてはオグマやアテナ、フラヴィアらがスキルとして「サンダーソード」を所持している。
ファイアーエムブレムシリーズに登場するその他の魔法武器
魔法剣
- ほのおの剣
炎属性の魔法剣。『聖戦の系譜』と『トラキア776』に登場し、間接攻撃が炎魔法となる。
- かぜの剣/ソニックソード
風属性の魔法剣。かぜの剣は『聖戦の系譜』『トラキア776』と『ファイアーエムブレム 聖魔の光石』(以下、『聖魔の光石』)に登場し、間接攻撃が風魔法となる。
ソニックソードは『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』(以下、『蒼炎の軌跡』)に登場し、飛行特効の効果がある。
『エンゲージ』にはエイリークのエンゲージ武器としてかぜの剣が登場。
- ひかりの剣
光属性の魔法剣。『聖戦の系譜』『トラキア776』『封印の剣』『ファイアーエムブレム 烈火の剣』(以下、『烈火の剣』)『聖魔の光石』に登場。間接攻撃は『聖戦の系譜』『トラキア776』『烈火の剣』『聖魔の光石』では光魔法、『封印の剣』は固定10ダメージとなる。『トラキア776』ではリーフ専用で、使うとHP全回復。
『エンゲージ』にはリーフのエンゲージ武器として登場。
- だいちの剣/ルーンソード
魔法武器としては特殊な部類で、相手のHPを吸い取るというリザイアのような効果がある魔法剣。だいちの剣は『聖戦の系譜』『トラキア776』に登場。『トラキア776』ではナンナ専用、間接攻撃がリザイア(光魔法)。
ルーンソードは『封印の剣』『烈火の剣』『聖魔の光石』『蒼炎の軌跡』で登場し、GBA三作では闇魔法扱い、『蒼炎の軌跡』では光魔法扱い。
『エンゲージ』にはヘクトルのエンゲージ武器としてルーンソードが登場。
- レオンの冷剣
『ファイアーエムブレムif』(以下、『if』)に登場する魔法剣。射程1。レオンの名を冠してはいるが、武器レベルを満たしていれば誰でも扱える。
『風花雪月』に登場する英雄の遺産。シリーズでも珍しい魔法武器の神器である。射程1。マリアンヌが装備すると専用の強力な戦技が出せるようになる。
『エンゲージ』にはベレトのエンゲージ武器として登場。
魔法槍
- フレイムランス/炎の槍
炎属性の魔法槍。いずれも射程1-2。
フレイムランスは『蒼炎の軌跡』に登場し、炎属性なので化身した獣牙族に特効。
炎の槍は『エンゲージ』に登場するが、こちらは特効対象なし。
- しびれる槍/神雷の薙刀/インドラの矢
雷属性の魔法槍。いずれも登場作品の関係で、属性による相性は存在しない。
しびれる槍は『覚醒』に登場し、射程1。
神雷の薙刀は『if』に登場し、射程1-2。
インドラの矢は『風花雪月』に登場し、射程1-2、錬成すると1-3になる。
魔法斧
雷属性の魔法斧。『蒼炎の軌跡』で初登場した、魔法斧の代名詞的存在。射程1-2で、『風花雪月』は錬成すると1-3になる。『蒼炎の軌跡』でのみ化身した竜鱗族に特効。
『エンゲージ』にはカミラのエンゲージ武器として登場。
- 打ち砕くもの
ブルトガングと同じく、『風花雪月』の英雄の遺産。こちらも射程1で、アネットが装備すると専用の強力な戦技が出せるようになる。
- 風の大斧
風属性の魔法斧。『エンゲージ』に登場し、飛行特効をとる。自分から攻撃した時、必ず後攻攻撃になるがスマッシュが発生して敵を1マス後退させることができる。射程1。
魔法弓
- シャイニングボウ/光の弓/魔法の弓
シャイニングボウは『if』、光の弓は『Echoes』と『エンゲージ』、魔法の弓は『風花雪月』に登場。魔法の弓は錬成すると射程2-3になる。
魔法暗器/短剣
- 爆炎手裏剣/フェリシアの氷皿
『if』に登場する、手裏剣/暗器の魔法武器。爆炎手裏剣は必殺・奥義が出ない。フェリシアの氷皿は威力が爆炎手裏剣に劣るが必殺・奥義も出る。
- ミセリコルデ
『エンゲージ』に登場する、短剣の魔法武器。ヴェイル専用。
魔法籠手/体術
- オーラナックル
『風花雪月』に登場する魔法籠手。射程1。
- 神竜の体術
『エンゲージ』に登場する魔法体術。この作品では、通常は力と魔法の平均値を参照して体術による与ダメージを計算するが、神竜の体術に限り魔力のみを参照する。
他作品
雷の力を宿す魔法剣は多くの作品に登場している。『雷神剣』も参照。
ドラゴンクエストシリーズ
「サンダーソード」は登場しないが雷属性の剣として下記の武器が登場する。ただし、道具としての使用効果に雷属性がついているものは少ない。
初登場は『ドラゴンクエストⅡ』で、どうぐとして使用すると「バギ」の効果がある。
- らいじんのけん
初登場は『ドラゴンクエストⅢ』で、どうぐとして使用すると「ベギラゴン」の効果がある。
- らいめいのけん
初登場は『ドラゴンクエストⅥ』で、どうぐとして使用すると「ライデイン」の効果がある
- ライトニングソード
初登場は『ドラゴンクエストⅩ』で、装備すると最大MP上昇効果がある。
- 雷鳴剣ライデン
『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』に登場する剣で、手に入れると「ジゴスパーク」を習得できる。
また『ドラゴンクエストⅥ』以降は、特技として「いなずまぎり/いなずま斬り」が習得できる
ファイナルファンタジーシリーズ
武器としてのサンダーソードは『光の4戦士 -ファイナルファンタジー外伝-』および『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』で入手可能。
特技としての「サンダーソード」は『FINAL FANTASY Ⅻ レヴァナントウィング』および『FFTA』で習得可能。
テイルズオブシリーズ
リリス・エルロンの必殺技。連続攻撃の後ビームで追撃する。ソードといいつつ、得物はおたまとフライパン。
星のカービィシリーズ
『星のカービィ 参上!ドロッチェ団』ではソードのワザのまきものを習得することで、「ソード」と「スパーク」のシャボンを混ぜることができるようになり、「サンダーソード」のコピー能力を使用できるようになる。
また『参上!ドロッチェ団』以前にも、『星のカービィ64』ではスパークカッターが擬似的なサンダーソードとして登場しており、『星のカービィ スターアライズ』ではフレンズ能力の「バリッカソード」で雷属性の剣を扱うことが可能。
獣神ライガー
獣神サンダーライガーが召喚する剣。OPテーマでは「サンダーソード!今この手に炎の剣」と歌われているが、必殺技の「サンダーファイナルスラッシュ」では武器名の通り雷撃状のエネルギーを発射する。
超電子バイオマン
イエローフォーの技で、バイオソードで落雷を起こす。ブルースリーも同じく帯電したバイオソードによる「エレキソード」という技があるが、こちらは斬る方に用いる。
サンダーフォースシリーズ
『サンダーフォースⅣ』の自機「RYNEX」がゲーム中盤で強化された後、雷撃と剣のようなエネルギーを放射する高威力武器「サンダーソード」を使用可能になる。また、続編『サンダーフォースV』のラスボス「ガーディアン」はRYNEXのデータを基に製造されている為、最終形態になるとサンダーソードを解禁して猛攻を仕掛けてくる。
その他
- エネルギーカッター(勇者ライディーン)
- 天空剣(超電磁マシーンボルテスV)
- 電光剣・唐竹割り(バトルフィーバーJ)
- 電光雷鳴剣(最強ロボダイオージャ)
- 科学剣・稲妻重力落とし(科学戦隊ダイナマン)
- 電撃剣・スーパーサンダーボルト(電撃戦隊チェンジマン)
- スーパーロボット大戦で見られる演出の一つに、『グレートマジンガーが敵にマジンガーブレードを突き刺し、サンダーブレークのダメージを集中させる』というものがある(独立した技名はなく、サンダーブレークの演出バリエーションという扱い)。