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JR東海の編集履歴

2023/01/06 21:09:01 版

編集者:kitachan

編集内容:桃鉄とのコラボの項目を追加

正式名称は「東海旅客鉄道株式会社」

英語表記は“Central Japan Railway Company”。コーポレートカラーはオレンジ(日本語をJR風に直訳すると中日本旅客鉄道【後述】)。

JRグループの一社で、東海地方を中心に路線網を持つ。

そして、JR東海を語るうえで何と言っても欠かせないのが東海道新幹線の存在と依存っぷりである。

経営姿勢

代表取締役兼名誉会長である葛西敬之は、JR東海は「東海道新幹線会社」だとしており、国鉄民営化による誕生以降、徹底して東海道新幹線の近代化に経営リソースを注いできた。

その新幹線については一家言も二家言も持っており、JR東日本中国に技術提供を行った事を名指しで批判したりもしている。

国内においても妥協は無く、仕様の異なる山陽九州新幹線用の車両は1本たりとも東海道新幹線内に乗り入れさせていない。そうした姿勢は、しばしば「俺様」などと揶揄されたりもする。

その東海道新幹線は、同社の収益の8割以上を占める生命線でもある。設計が古い事に加え、将来的に「東南海地震」の発生も危惧されている事から、設備の補修には余念が無い。仮に東海道新幹線が倒壊すれば、冗談抜きにJR東海が倒壊しかねない。

そして、東海道新幹線が稼ぎ出す金額は莫大なもので、その潤沢な経営基盤が地方路線の維持に大きな役割を果たしている。普通の事業者なら廃線を視野に入れるレベルの深刻な災害を受けても、防災対策工事を行った上で早かれ遅かれ復旧させてくるため、事業者としての評価は非常に高い。

また、リニア中央新幹線の建設に際しては、国の動きの鈍さを尻目に新幹線建設としては例のない全額自社負担での推進を打ち出した。こうした有言実行ぶりはただの俺様と侮れないものがある。

会計方針は当初よりマッチョで、減価償却方法は当初負担が大きめとなる「定率法」を使っている(大多数の会社は負担の平準化を優先するので「定額法」)。

一方、接客面での評価は賛否両論である。良く言えば質実剛健、悪く言えば無味乾燥で、何事もとにかく簡素に日々の保守管理を最優先にデザインする傾向がある。

塗装一つとっても新幹線は青、在来線はオレンジの帯でほぼ全ての車両を統一しており、路線や用途によって色分けするという発想すら根付いていない(一応例外はあったが・・・)。むしろ、車両の方を1本であらゆる用途に対応できるようにし始めたくらいである。それだけの技術力を持っているということでもある。

もっとも、それが高じて長大ローカル線ハイテク電車を新車投入したり、その電車とほとんど変わらない構造のハイテクディーゼルカー地方路線に投入しまくったことで、ローカル線へのサービス向上を齎すという格差縮小を成し遂げた。その堅実性は車両設計にもよく現れており、新幹線だけでなく在来線の車両の乗り心地にも定評がある。つまり、鉄道ファンから見ればつまらないかもしれないが、接客業という観点で言えば良好なサービスを提供しているのであり、そこは鉄道ファンも認めざるを得ないところである。2016年春のダイヤ改正では、(国鉄時代製造の211系8両を除き)JRグループ最速で国鉄型旅客車両を一掃するという行動力を見せた。さらにこの8両も2022年ダイヤ改正で廃車となっている。

なまじ東海道新幹線のビジネス利用のみで経営が成り立ちかねないだけに、それ以外の需要への関心そのものが低い事は確かである。

コストのかかる観光列車の設定には消極的で、JRグループで唯一観光列車専用の車両を保有していらず、2013年に廃車したトレイン117が最後である。扱いが特殊で乗務員の養成も必要な機関車の排除も早く、2009年をもって全廃。同年の「富士はやぶさ」廃止以降、貨物列車を除き他社からの機関車列車の乗り入れを認めていない。「サンライズエクスプレス」もJR西日本が電車で企画していなかったら存在していないと言われる。

線路の保守点検も専用に造ったディーゼルカーで行っている。

ミュージックホーンや乗車メロディー、(特に新幹線の運転席にカメラを入れての)前面撮影なども認めて来ず、特に音楽絡みに関してはJR西日本、豊橋付近で線路を共用する名鉄や三島駅の構内を共用する伊豆箱根鉄道相手でも例外ではない。ただ、これらについては1995年に新幹線三島駅で駆け込み乗車による死亡事故が起きてしまい、その安全対策の面が強い。なお発車メロディーに関しては伊豆箱三島駅で2021年に解禁されている。

乗車券に関しても主な需要層である首都圏と関西圏を管轄する会社が別で、こういった別管内の移動の場合JR東海が手数料を払わなければならないいうこともあり、自社運営で「エクスプレス予約」を立ち上げオンラインで予約可能として乗車券の利益を総取りできる仕組みを作った。

また、これに関連してか「みどりの窓口」を「JR全線きっぷうりば」に言い換えるようになった。売り場の看板が緑色ではないため、遠方からの乗客は注意したい。

交通系ICカードであるTOICAも、ポイント付与サービスが充実していないなどの理由で、manacaにシェアを大きく開けられている。

中でも不満度が高いのは静岡県であろう。東海道新幹線は時代を下るごとに「のぞみ」偏重のダイヤへと変質してきたが、その「のぞみ」は県内に1本も停車しない(尤も、のぞみはかつてJR東海の本社がある愛知県にさえ停車していなかった)。「ひかり」も基本的に毎時一本しか停車しない。

在来線には新車投入こそ盛んであるものの、わざわざ専用設計(一時期はトイレまで無くなっていた)にしてまでロングシート車を投入して詰め込みを図り、減便や減車を強行してきた事から、やはりサービスは低下傾向にある(静岡県地域は名鉄や近鉄との競争が存在する名古屋圏や飛行機や高速バス、近鉄特急との熾烈な競争に晒されている新幹線と異なり、明確な競争相手が清水〜静岡間の静岡鉄道ぐらいしかなく独占的立場にあるのが一因か)。

そうした状況から、静岡県も明確に不快感を抱いており、のぞみから通行料を徴収するという意見が県議会レベルで持ち上がったほどである。利用者側のメリットが少なすぎるからね、仕方ないね

とは言え、超が付くほどの合理主義を貫いてきた以上、明らかな失策や不祥事はめったに起こらず、事業計画の精度はJRグループの中でも群を抜いて高い事もまた事実である。

上記の静岡にしても、実際にそれでJR東海の収益が低下したという話は聞かない。

「JR東海には面白みが無い」という評価がなされる事は少なくないが、それは「全てが順調に行き過ぎて語れる事が何も無い」という事の裏返しでもあるのである。またJR各社が独自の書体を導入する中、車番駅名標国鉄書体を使い続け、また最後までL特急という名称を使用していた。

↑国鉄書体が使われ続ける駅名標。国鉄時代から引き続き、都道府県と市町村を併記し続けている。

こういった「葛西イズム」が全面に押し出された東海道新幹線優先・合理主義的で自社利益を最大限に重視するという経営が続けられてきたが、2010年代、特に2014年に国鉄新潟鉄道管理局(現・JR東日本新潟支社)出身の柘植康英が社長に就任した頃から徐々にビジネス以外の乗客確保にも取り組み始めている。

閑散時における車両の有効活用という趣が強いものの、観光用の臨時列車の設定も増加している。

また駅から観光名所や飲食店等を徒歩で回るといったさわやかウォーキングや、廃車となった新幹線の部品(方向幕・座席・テーブル・銘板等、おもしろいものでは乗客誘導用のメガホンや車掌用いす、運転席のRECAROセミバケットシート)や乗務員が実際に使用していた懐中時計等を販売するJR東海鉄道倶楽部を立ち上げている(なお多くの品が数分で売切れた模様で、バケットシートは最も高額にも関わらず完売)。

特にアニメゲーム等には一切許可を出してこなかったが、経営シミュレーションゲームA列車で行こうにJR東海パックとして許可を出すなど、以前よりは柔軟な思考をするようになってきたと言える。

この流れは2018年に第6代社長の金子慎が就任すると決定的になり、2019年に沼津駅で『ラブライブ!サンシャイン!!』ポスタージャックを敢行したり、2020年に身延線で『ゆるキャン△』とのコラボ列車「ゆるキャン△梨っ子号」を運行した実績がある。

こういったように遊び要素を真剣にやる所にもこの会社らしさが窺える。

更に2023年には桃太郎電鉄とコラボしてのスマホゲームの開発・製作も決定する等、よりアニメやゲームとのコラボも盛んになっている。

しかしそんなJR東海も、2021年ごろから駅構内の時刻表を撤去した事例があり、それ自体は他社でも行われ始めているものの、質実剛健を極めたこの事業者がこうした形でのコスト削減に踏み切る情勢は並々ならぬ鉄道業界全体の危機を感じさせるものがある。

余談だが、海外展開にも意欲的な姿に反して、自社の中古車を直接流通させた事はほとんど無く、特に海外へはJRグループで唯一輸出経験が無い状態が長らくの間続いていた。入念な整備と新車投入ペースの速さから、廃車時まで良好な状態を保っていた車両も多く、「それを口実に極端な高額をふっかけているから成立する商談も成立しない」といった陰謀論じみた話がまことしやかに語られていたほどである。しかし、柘植康英が社長就任後の28年目を迎えた2015年キハ11キハ40系ミャンマーに譲渡。これによりようやく疑念を晴らしている。

車内広告

JR東海の自社広告及び関連会社のウェッジの掲載が多く、他社系の場合はメーカー系の広告の割合が高い。

反面、JR東日本と異なる点としてサブカル系広告は少なめ。

管轄する路線

在来線(一部区間)

東海道本線(名古屋地区静岡地区) :(熱海-米原)(大垣-美濃赤坂)

中央本線(中央西線):(名古屋-塩尻)

関西本線:(名古屋-亀山)

紀勢本線:(亀山-新宮)

高山本線:(岐阜-猪谷)

保有車両

JR東海は旧型車両の置き換えが他のJR各社より早く進んでいる。2021年時点で現存していた、国鉄時代の製造車両は211系0番台の8両だけ。この8両は2022年で退役し、保有車両すべてがJR化後の製造車両となった。

  • 新幹線車両は全てVVVF車となっている。
  • 在来線でも315系の投入完了をもって、自社製の一般形電車は全てVVVF車に統一される。

在来線

在来線電車の電気連結器の線番号は国鉄時代の211系がベースのため、多少の特性差はあるにせよ、営業運転でまずつながることのない車両同士を併結した試運転や、それを牽引車にした災害復旧時の入場回送が実施されている(383系-211系:383系先行車試運転、313系-373系-313系:身延線復旧時の検査切れ373系の回送)。

全車に共通するのが、床下機器をグレーで統一している点である。かつては国鉄からの継承車も例外ではなく、国鉄原色にグレー床下という違和感のある仕様が散見された(EF58など一部例外あり)。理由は床下機器の異常を見つけやすくるためと言われており、この流れは後にJR西日本JR四国にも波及した。

国鉄からの継承または仕様変更を加えて民営化後に製造

民営化後のオリジナル車(電車)

民営化後のオリジナル車(気動車)

会社識別記号

英語名称がCentral Japan Railway Company (中日本旅客鉄道)である理由は「とうかい」をローマ字転写しても欧米圏で「トーカイ」と呼ばれることは期待できず「トカイ」か「トゥカイ」と読まれるのがせいぜいであるためで、分割案が固まった時点の仮称ともつながる地理的位置を前に出した「セントラル」を用いている。

切符の地紋と在来線車両の部品に冠される会社識別記号はC(C-DT57など部品にはハイフンが付く)、新幹線車両の部品には“Trunk Line(幹線)”の頭文字Tが(ハイフンなしで)冠される(線路使用料の関係で距離比に準じて持ち合っているだけの285系はJR西日本の形式による)。一方車両形式は気動車こそ2桁に戻ったが国鉄の体系に概ね準じていて、JR東日本のように形式数字の前にアルファベットをさらに追加するなどはしていない。

この内在来線のものは国鉄形式の後ろに(台車で言えばC-DT56〜、キハ185系のもの(DT55)の次から)続番となるように組まれたが、新幹線のそれは国鉄継承の0系・100系のものを内包するように300系用主電動機がTMT3から始まるなど、全くの別体型で特異なものとなっている。

他にも傾向として長らく自社設計の通勤電車は存在せず在来線普通電車は◯11系か◯13系が大部分を占める。

在来線特急列車は普通列車と併せ持つものは下2桁に7が付き、専用車は概ね7と8が使用される。

運行列車

東海道新幹線

在来線

定期特急

臨時快速

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