「ティアラは決して譲らない。導く者たる器を見せる時だ」
プロフィール
キャッチコピー | 峻厳の士にして聖母───2つの顔を持つウマ娘 |
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誕生日 | 3月31日 |
身長 | 167cm |
体重 | 微減(レース前で節制気味) |
スリーサイズ | B80・W53・H84 |
靴のサイズ | 左右ともに24.5cm |
学年 | 中等部 |
所属寮 | 栗東寮 |
得意なこと | 歌、手分量、変顔 |
苦手なこと | 非恋物語、冬の朝 |
耳のこと | 甘えてもらえないと、時々イカ耳になる |
尻尾のこと | 海洋深層水のシャンプーを使っている |
家族のこと | にんじんグラッセは母直伝のレシピ |
マイルール | - |
スマホ壁紙 | - |
出走前は… | - |
得意科目 | - |
密かな自慢 | - |
よく買う物 | - |
ヒミツ | ①コメディ劇が結構好き / ②フェーヴ集めが密かな趣味 |
自己紹介 | 我が宿願は、ティアラを戴冠し 輝かしき未来の礎となることです。──どうぞ、よろしくお願いしますね♪ |
CV | 佐藤榛夏 |
理知的で懐が深いウマ娘。
名トレーナーの父と教育熱心な母の影響で、後進の育成に興味を持つ。
ティアラウマ娘は引退後に後進育成に注力することが多いと知り、自分の理想そのものだと憧れている。
同室の親友いわくオンオフが非常にはっきりしているらしい。
(公式サイトより)
ソロ曲
未だ見ぬ海をいざ征け 見果てぬ夢が待っている
『 朝露は大河の夢を見る 』
作詞・八城雄太 作曲・池田光穂 編曲・伊藤 翼、Devin Kinoshita
概要
シーザリオは、メディアミックスプロジェクト『ウマ娘プリティーダービー』に登場するキャラクター「ウマ娘」の一人。
モチーフは実在の競走馬・繁殖牝馬「シーザリオ」号。当作品の顔であるスペシャルウィークの代表産駒の一頭にして、三冠馬「英雄」ディープインパクトの同期(05世代)であるオークス馬。そして日本調教馬として初めてアメリカのGⅠレースを制し、繁殖牝馬としてもGⅠ馬を3頭輩出した名牝でもある。
の三点において、初のウマ娘化となる。
2024年1月26日15時に突如として発表され、公式サイトに立ち絵とプロフィールが追加された(理由は後述)。後日、2月4日開催の5thライブ東京公演DAY2にて、アプリゲーム版メインストーリー第2部第1章の告知に合わせ、同世代の牝馬モデルのラインクラフト・エアメサイア・デアリングハートの3人と共に改めて登場が発表された。
普段は男勝りで凛々しい口調で話をするが、目上の人物や先輩に対してはきちんと敬語を用いて話す。基本的には真面目で礼儀正しくしっかり者であるが、オンオフの切り替えがかなりはっきりしており、周囲を驚かせることもあるらしい。
具体的に言うと、オンの時はキッチリとした断定的な男性口調で喋る凛とした佇まいだが、オフの時は別人のように柔らかく優しげな口調でほんわかとした雰囲気に一変する。例えるならシンボリクリスエスとサクラローレルの人格が同居してるようなものか。しかもオンオフの基準はシーザリオの捉え方によるため、話している最中に突如切り替わることすらある。
その変わりようは実際にゲームで登場した際に、事前に情報があったにも拘らず多くのトレーナーの度肝を抜いた。
キングヘイロー「オンオフとかいう次元の話なの、これ……?」
シーザリオ(シザーリオ)の名前の由来は男装の麗人であり、本名である女性のヴァイオラが双子の兄そっくりに男装した存在であるため、別人のような男女の二面性を併せ持つウマ娘になったとの考察がある(ちなみに、「ヴァイオラ」はシーザリオの二番仔の名前になっている)。
また、オフの時は特に母性が強調されており、この描写はGⅠ馬を3頭も輩出した繁殖成績が反映されたものと思われる。
メインストーリー第2部ではチーム<アスケラ>に所属。同じチームの所属で寮でのルームメイトでもあるラインクラフトとは良き友・良きライバルとして切磋琢磨している。
面倒見がよく子供好きな所がありキャラストではあったばかりの子供と遊んであげている。
好きな食べ物はウナギ。ホーム画面会話や育成シナリオ内のイベントでも語られており、これは史実のシーザリオ号の主戦騎手を務めた福永祐一元騎手(現調教師)が同じくウナギを好物としていることが由来だと思われる。
容姿・デザイン
青毛の前下がりボブの凛々しい顔つきのウマ娘。青毛のウマ娘はヴィルシーナ、ヴィブロスの姉妹に次いで三例目。
前髪には白メッシュ、頭頂部にはカチューシャを連想させる白い編み込みがある。髪型や瞳の色や特徴的な編み込み、ワンポイントの下まつげなど、ウマ娘の顔ことスペシャルウィークのそれと酷似しているが、これは史実の父がスペシャルウィーク号であることが由来か。
また、牝馬であるため左耳に耳飾りのリングを着用している。
ちなみに、スペシャルウィークが流星の下に本来の前髪があるデザイン(外部リンク)なのに対し、こちらでは前髪と流星が混じったようなデザインとなっている。
アプリゲーム版での名称は「Future Weaver」。
白を基調とした勝負服であり、名前の由来故か同期牝馬のウマ娘たちと異なりパンツスタイルの男装風になっている。胴、及び尻尾付近のおおきなリボンはキャロットファームの勝負服である緑白の縞模様を踏襲している。
服についているアクセサリーの様な金具はスペシャルウィークと同じデザイン。その隣に並ぶ二つのダイヤ状の星は日米オークス戴冠を指すと捉えられるほか、デアリングハートの耳飾りと合わせて3つとなることでデアリングタクトの耳飾りと一致することになる。
- 私服(アプリゲーム版)
こちらもこちらで男装を思わせる服装。現役時代から数年後と思われるメインストーリー2章冒頭でも着ている辺り、それなりに愛着があるようだ。
- ゴチウィーク衣装
2024年4月28日に公開されたゴールデンウィーク企画第4弾「ゴチウィーク」のメンバーとしての姿。「食事」がテーマということで緑色のエプロンを着ており、首元にはリボンも確認できる。キービジュアルでは華麗にジャガイモをピーラーで皮を剝いていた。
2024年4月28日に公開されたゴールデンウィーク企画第4弾「ゴチウィーク」のメンバーとして参戦。新テーマ楽曲「GOCHISO様」がウマうたジュークボックスに追加されている。
ゲーム版
アプリゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』
「それ以上悔やむのは__私のトレーナーを侮辱するのは、おやめください」
リリース3周年を記念したエクストラストーリー「3rd Anniversary」にてメインストーリーに先駆けて初登場。
育成ウマ娘は2024年9月10日に☆3として実装。実装が発表された同年9月9日12時の直前にはメインストーリー第2部 中編の予告PVが公開されており、そちらに合わせての実装となる。
同年9月20日にはサポートカードガチャよりRの、メインストーリー第2部中編のクリア報酬よりSSRのサポートカードが実装された。
メインストーリー
「__今日はみんなに、ある話をしようと思うの」
「どんなおはなしー?」
「みんなも知ってる、あの伝説のレース。そこで競い合ったウマ娘たちへ、繋がるまでの道のり。残し、紡いだ、ティアラのウマ娘たちの蹄跡。太陽のように眩しかった1人のウマ娘と、私たちの物語__」
第2部においてはラインクラフトと同じくチーム<アスケラ>のメンバーとして在籍。
高松宮記念にて幾度もの敗退を繰り返しながらも勝利を果たしたキングヘイローとそのトレーナーに感銘を受け、たまたま街頭ビジョンを見る際に隣にいたクラフトと意気投合した結果、お互いトレセン学園に入学した後はアスケラに入ることを決めていた模様。
トリプルティアラを走り抜け引退した後は漠然としないが一応後進の育成に興味があることをトレーナー達に語っている。
なお、第2部は小さい子供へ少し大人になったシーザリオがとあるウマ娘と自分達の話をする所から物語が始まるのだが……?
育成ウマ娘
- ☆3[Future Weaver]シーザリオ
スピード | スタミナ | パワー | 根性 | 賢さ |
---|---|---|---|---|
99 | 89 | 95 | 79 | 88 |
+10% | +0% | +10% | +0% | +10% |
バ場適性 | 芝 | A | ダート | G |
距離適性 | 短距離 | マイル | 中距離 | 長距離 |
G | A | A | F | |
脚質適性 | 逃げ | 先行 | 差し | 追込 |
G | A | A | C |
- 担当トレーナー
アプリでシーザリオの担当トレーナーを務めるトレーナー。
他のトレーナー同様新人だが覚悟が決まっておりシーザリオが現役引退後も彼女が年少のウマ娘向けのクラブなど育てたウマ娘も自身が育成するという覚悟を抱いて彼女をスカウトした。
サポートカード
- SSR[慈恵のMother Sea]シーザリオ
メインストーリー第2部 中編のクリア報酬として配布されたSSRサポートカード。タイプは賢さ。
ぱかチューブっ!版
メインストーリー第2部開幕を記念して『Move or Die』をプレイするゲーム企画にて登場。
こちらではほぼ全編に至ってオンの状態…なのだが、慣れないゲーム故にクラフト共々大苦戦を強いられていた。
また、常時オンとは言っても、泣きの一戦を望むラインクラフトに対して、勝負は非情ですとはいいながらも、「レースではないのでOK」とオフの顔も覗かせている。
「このウマ娘界でこのゲームでキングさんの右に出る者はいないと言われている…」
キング「すっごい喋ってる…」
2024年9月では『GangBeasts』と言う対戦ゲーム企画でクラフトやキング、スイープらと対戦する。今回は企画が企画なのでオンの状態で若干早口寄りの口調だが、なんだかんだシステムやゲーム中のギミックを上手く利用し何度か勝利を収めている。
特徴的なのが、高い復帰力。いろんな人に持ちあげられようともマグロのように泳いで投げられまいとし、水際崖際でも諦めないその姿勢で何度も舞台に戻ってきている。
そして、中編では、キングの一流のパンチを継承(?)することになり、最後は自身の曲とともに、破砕装置に消えていったのであった・・・。
関連人物
同クラスにして同室、さらには親友にしてライバルであり基本他人の名をさん付けで呼ぶシーザリオが呼び捨てにしている唯一のウマ娘。シーザリオのオンオフの切り替えを一番理解している。ティアラ路線への憧れを持ち、未来に輝きを繋げていきたいという志が同じということで意気投合した。
史実での対戦は桜花賞のみでラインクラフトが制している。また、主戦騎手が福永祐一氏ということも共通している。二人の育成シナリオでは共通してシーザリオが怪我を乗り越えクラフトと再びシニア級で戦う展開になっており運命に飲み込まれそうになるラインクラフトを救う一因となっている。
シーザリオが世界のウマ娘と戦える力を持つと見込んでおり、気にかけている高等部の先輩。メインストーリーにて初めての出会いが描かれオークス前にエアメサイアの気迫に押され悩むシーザリオに声をかけることが彼女をさらなる進化へと至らせることになる。シーザリオからとても頼りに思われており、オンモードを自然解除させてしまうほど。後輩ウマ娘のサポートを共に行う様子も育成イベントで見られる。
史実における交配相手である。
クラフトと同じく同クラスにして友人、そしてライバルの一人。05ティアラ組の中で勉学においてのライバルでもあり一進一退の勝負を繰り広げている。クラシック級では桜花賞後にクラフトとハートがNHKマイルに進んだことでオークスではシーザリオ一強と世間が確信する中、母の無念を晴らさんと執念を燃やす。
史実では桜花賞とオークスで激突。いずれもシーザリオが先着している。
クラフトとメサイアと同じく同クラスの友人。同期ながらレースにおける対戦回数は少ないが共にサメ映画を鑑賞したり爬虫類カフェに出かける等ハートの少し変わった趣味に付き合う間柄。
史実での対戦は桜花賞のみで共にクラフトに敗れる。
シーザリオの同学年の友人。レースでの対戦はないがティアラ路線の出し物に協力したり、ウオッカの勉強を見てあげる仲。メインストーリーではパーティに毎度出席してクラフトやシーザリオの勝利を祝福しており、その活躍に影響を受けている。
史実では角居勝彦氏の厩舎に所属していた繋がり。
メインストーリーにおけるシーザリオが所属するチーム<アスケラ>の先輩。彼女が苦しんだ末に掴み取った高松宮記念にシーザリオとクラフトが感銘を受けたことで物語の歯車が動きだす。中編のアメリカンオークスに挑むシーザリオを支えるために共にトレーナーより先に渡米。双国の女王の誕生をトレーナーとともに見届ける。
史実ではクラフトと同様に福永祐一氏が主戦騎手を務めていた。
同学年かつ寮が同じであり、一緒に料理を作ったり買い物に出かけたりする等私生活における友人でもある。ともに印象に残るレースとして凱旋門賞ウマ娘をはじめとした世界の強豪をまとめて退けた日本総大将のジャパンカップを挙げており、彼女を尊敬する者同士のいうことで話が弾むようだ。
シーザリオが『運命的ななにかを感じる』先輩。一緒に食事に行く以外にも、レース前減量に苦しむスペにブエナと一緒にヘルシー料理を作ってあげたりそのお礼に(とんでもないサイズの)料理を作ってもらったりする等食に関するエピソードが多い。強力な末脚を持つウマ娘としてその走りを参考にしており、併走に付き合ってもらっていることがイベントやホーム会話から伺える。育成シナリオのファン大感謝祭ではチームスペスペの仲間として日頃世話になっている恩を返すべくブエナと共に奮闘する。
メインストーリー第2部では黄金世代の先輩ウマ娘として、世界と戦った日本総大将としてアメリカンオークスに臨むシーザリオに激励の言葉を贈る。
競走馬『シーザリオ』
- JRA『ヒーロー列伝』No.61「シーザリオ」
【喝采に迎えられて】
その名の由来は
自身をいつわり
報われぬ恋に身を焦がす
舞台劇のヒロイン。
ところが彼女は運命に抗い
みずからセリフを書き換える。
「かなわぬ想いなどない」と。
披露された全身全霊の演技は
大いなる喝采を浴びた。
2002年3月31日生まれの青毛の牝馬(05世代)。父スペシャルウィーク、母キロフプリミエール、母父サドラーズウェルズという血統。
父のスペシャルウィークはウマ娘でもお馴染み黄金世代のダービー馬。シーザリオは種牡馬としての彼にとって初のGⅠ馬である。母父のサドラーズウェルズはヨーロッパを中心に多数の活躍馬を輩出して「ヨーロッパ最高の種牡馬」として名高い名種牡馬。ウマ娘のモチーフ馬ではテイエムオペラオーが直系の孫に当たる。
同期として欠かすことが出来ないのが、競走馬としても種牡馬としても大成功を収めたディープインパクト。その他にもエルコンドルパサー産駒でGⅠ級競走9勝を挙げたヴァーミリアンや、そのライバルでディープと同鞍上・同馬主だったことから「砂のディープインパクト」と呼ばれたカネヒキリなどがいる。
馬名はイギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピアの代表作「十二夜」において、ヒロインのヴァイオラが男装した際に名乗った名前に由来する(上述の母父・サドラーズウェルズの元ネタが、ロンドン市有数のシェイクスピア演劇を数多く上演してきた同名の劇場であることからの連想とも引っ掛けられている)。「十二夜」の翻訳では「シザーリオ」の表記が多い。
サンデーレーシング・シルクレーシングと共に社台グループのノーザンファームを母体とするクラブ法人で、当初は外国産馬を中心としていたが、21世紀以降は社台グループとの連携を強め、近年はリスグラシューやエフフォーリアなどを所有するなど躍進著しい一口馬主クラブである。
勝負服は「緑、白二本輪、白袖赤一本輪」。
管理調教師はウオッカを手掛けた角居勝彦(栗東トレセン所属)。主戦騎手は福永祐一(現調教師)で、他にも名古屋競馬所属の吉田稔が2005年桜花賞で騎乗している。
2004年12月、阪神競馬場の新馬戦でデビュー。
ここを快勝すると続く中山競馬場の牡馬混合戦・冬竹賞(3歳限定500万円以下(現在の1勝クラス))、そして初の重賞挑戦となるフラワーカップ(GⅢ)を連勝し、その勢いで牝馬三冠の第1戦・桜花賞(GⅠ)に乗り込む。本番では鞍上の福永がお手馬だったラインクラフトを優先したため、JRAに積極的に参戦していた地方(名古屋競馬)所属の吉田稔に乗り替わり、上がり最速の末脚で追い込んだもののレースレコードを叩き出したラインクラフトの2着に敗れた。
続く優駿牝馬(オークス)(GⅠ)ではラインクラフトが距離適性からNHKマイルカップを選択したことから再び福永に鞍上が戻る。単勝1.5倍という1番人気に支持されたレース本番では出脚がつかず後方からの競馬となるが、最終直線でまたもや上がり最速の末脚を発揮し、2番人気のエアメサイアをクビ差で捉えてGⅠ初制覇を遂げた。
馬主のキャロットファームも、これが嬉しいGⅠ初制覇となっている。
ここで陣営はアメリカ遠征を決行。当時の3歳牝馬にとってオークス後の有力目標だった第4回アメリカンオークス(GⅠ)に出走する。このレースでは前年に桜花賞馬ダンスインザムードが2着に入るなど日本馬の実績が無かったわけではないが、そもそも日本馬のアメリカ勝利自体1959年のハクチカラ以来途絶えていた中での挑戦だった。
本レースでは4戦無敗のまま参戦してきた「スーパーフィリー」メリョールアインダや前走のGⅡで不利を受けながらレコード勝ちしたスリーディグリーズ、イタリア1000ギニー馬のシルヴァーカップ、イタリアオークス2着馬ハロウドドリームなど欧米の3歳牝馬たちが出走する中、シーザリオはメリョールアインダに続く2番人気に推される。
本番ではスローペースの中で好位の3番手を追走し、3コーナー中間で福永に追い出されると馬なりのまま先頭に進出する。直線に入るともう独走態勢であり、実況が"Japanese superstar Cesario!!"と絶叫する中、圧倒的なパフォーマンスで1着となり、日本馬として初のアメリカGⅠ勝利並びに父内国産馬として初の海外GⅠ勝利を挙げた。タイムは1分59秒3というレースレコード、2着馬メリョールアインダについた着差もレコードとなる4馬身差だった。
なおこの年のJPNサラブレッドランキングにおいて、このレースのシーザリオに与えられたレーティングは120ポンド(牝馬アローワンス補正で実質124ポンド)。これはエアグルーヴの119ポンド(実質123ポンド)を超える日本調教牝馬史上最高(当時)であった。また日本ダービーでディープインパクトが獲得したレーティングが124ポンドであり、実質的にディープと同等のパフォーマンスをしたという評価がなされたと言える。
その後はブリーダーズカップ・フィリー&メアターフも視野に入れるローテーションを組むこととなった他、当然秋華賞(GⅠ)の最有力候補とされていたが、帰国後の放牧先で右前外側に繋靭帯炎を発症していることが発覚、休養入りとなった。それでもこの実績を評価されて2005年のJRA賞では最優秀3歳牝馬及び最優秀父内国産馬を受賞している。
翌2006年は回復してきたことから同年に新設されたヴィクトリアマイル(GⅠ)を目指して調整されていたが、繋靭帯炎を再発、無念の引退となった。
引退後はノーザンファームで繁殖入り。12頭の産駒からエピファネイア(父シンボリクリスエス)が菊花賞とジャパンカップを、リオンディーズ(父キングカメハメハ)が朝日杯フューチュリティステークスを、サートゥルナーリア(父ロードカナロア)がホープフルステークスと皐月賞を制し、GⅠ馬3頭の母となった。
特にエピファネイアは種牡馬入り後、史上初の無敗三冠牝馬であるデアリングタクトや、皐月賞などGⅠ3勝を挙げたエフフォーリアなどを送り出すなど成功を収めており、令和の日本競馬を代表する種牡馬の一頭として活躍している。
2021年2月27日、子宮周囲の動脈断裂による出血性ショックのため、現役繁殖牝馬のままノーザンファームで死去。19歳没。当時13番目の仔(父ロードカナロア)を妊娠しており、まだ見ぬお腹の仔と共に天へと旅立った。
余談
シーザリオとシェイクスピア
前述のとおり、「シーザリオ」はウィリアム・シェイクスピアの喜劇「十二夜(御意のままに)」の主人公「ヴァイオラ」の男装時の名前が由来。
そして、彼女の産駒も全て「十二夜」やシェイクスピアにちなんだ名前がつけられている。
(シーザリオ含め全てキャロットファーム所有馬)
ちなみに、作品名の「十二夜」とはキリスト教のクリスマス行事が行われる12日間、その最後の夜のこと。
世代 | 産駒名 | 父 | 由来 | 備考 |
---|---|---|---|---|
10世代 | トゥエルフスナイト | キングカメハメハ | Twelfth Night(十二夜) | |
11世代 | ヴァイオラ | キングカメハメハ | シーザリオの本名 | 未デビュー |
13世代 | エピファネイア | シンボリクリスエス | 十二夜に行われる「公現祭」 | 13年菊花賞、14年JC。デアリングタクトの父 |
14世代 | ロザリンド | シンボリクリスエス | シェイクスピア「お気に召すまま」主人公 | オーソリティの母 |
15世代 | クローディオ | ハービンジャー | シェイクスピア「空騒ぎ」ヒロイン | |
16世代 | リオンディーズ | キングカメハメハ | シェイクスピア「冬物語」主人公 | 15年朝日杯FS、アニメ3期のフォシューズ |
17世代 | グローブシアター | キングカメハメハ | シェイクスピアが共同所有していた劇場 | |
18世代 | シーリア | キングカメハメハ | 「お気に召すまま」ロザリンドの義妹 | |
19世代 | サートゥルナーリア | ロードカナロア | 公現祭の元になったローマの祭(農耕神サトゥルヌスの祭) | 18年ホープフルS、19年皐月賞 |
20世代 | ファーストフォリオ | キングカメハメハ | 初のシェイクスピア作品集 | |
21世代 | ルペルカーリア | モーリス | 結婚神ユノーに豊穣を祈るローマの祭(バレンタインデーの原点) | |
23世代 | テンペスト | ロードカナロア | シェイクスピアの戯曲 | ラストクロップ(最後の仔) |
第1部・謎のウマ娘の考察
アプリゲーム版メインストーリー第1部ラストにて謎のウマ娘が描かれていたことがあり、その正体がシーザリオではないかと噂されていた。左耳の飾りは牝馬であることを示唆しており、話の流れとしてスペシャルウィークの後輩であることから彼女の縁者だと考察されたためである。頭の三ツ星が星条旗を示唆するという論拠で日米オークス覇者のシーザリオが候補として考えられていたが、実際は当時現役だった三冠牝馬デアリングタクトが正解であった。星の耳飾りについてはアメリカにルーツを持つデアリングハートから継承した装飾品であり、まったくの的外れという訳でもなかったのだが。また、この星飾りと類似する意匠はシーザリオの勝負服にも2つ垂れ下がっており、3つ揃うことで二人の血に繋がることを示唆しているとみられる。
「キャロット」の小ネタ?
うまゆる第二話にてスペシャルウィークがシンボリクリスエスに「にんじんハンバーグ」を譲る一幕があり、その時に人参だけ食べるというギャグ描写がある。
この二人はシーザリオにとって父と配偶相手という関係性であり、人参は馬主であるキャロットファームを指していたのではないか?という見方がされたこともあった。
同室について
情報公開時より「同室の親友」に対する考察も盛んに行われていた。史実夫婦であるシンボリクリスエスは既にルームメイトが判明(メジロラモーヌ)していたことから、従来実装済みの中ではデアリングタクトが最有力されていた(シーザリオにとって孫にあたる)。その後、同期3人が続々と発表され、鞍上が一致するラインクラフトが最有力だと見做されるようになった。
そして2024年3月21日にラインクラフトが育成ウマ娘として実装、その育成シナリオ内にてラインクラフトとシーザリオが同室である事が判明した。メインストーリーでは2人が入学前からの知り合いであることも明かされている。
二次創作において
実装前は『もしもゲーム「ウマ娘プリティーダービー」に、実在の競走馬・シーザリオを元にしたウマ娘が存在したら…?』をコンセプトに、pixivユーザーの有志により制作・投稿されている二次創作のウマ娘。もしくはそれに関するタグとして使用されていた。
スペシャルウィーク産駒ということもあってか、ウマ娘のスペシャルウィークとの絡みが期待されており、実際スペシャルウィークと絡んだファンアートも少なくない。
なお、馬名が「十二夜」においてヴァイオラが男装した際の偽名が由来のためか、「男装の麗人」といった設定のイラストもある。
突然の情報公開
2024年1月26日15時、なんの前触れもなく突如として公式X(旧twitter)で発表され、多くのトレーナー達を衝撃と驚愕、混乱の渦に叩き込んだ。
そもそも「3日後にぱかライブTV」「約1週間後に5th EVENT」「約1ヶ月後に3rdアニバーサリー」と言う時期であったため、新ウマ娘情報はそのいずれかで登場するものだと思われていたのである。
その上、概要にある通り3つの「初」要素を持っているシーザリオはアニバーサリーの目玉と言われても不足ないほどの存在であり、それが平日昼間に不意打ちで出されるなど、トレーナーの誰ひとりとして想像すらしていなかったのだ。
「予約投稿をミスしたのでは?」などと言う説も流れるほどの青天の霹靂の発表であったが、公式サイトに立ち絵とプロフィールが追加されていた事で、予定通りの公開であった事は明らかであった。
その直後15時半頃に、馬主であるキャロットファームが会報誌の電子版をネット上に公開。
そこでは11ページに渡ってウマ娘とシーザリオが大々的に特集されており、さらにシーザリオ関連のバックナンバーも全て公開するなど、凄まじい力の入れっぷりを見せていた。
前述の突然の情報公開は、どうもこの会報誌に合わせたものであると考えられている。これにより疑問は解決した一方で、これまでウマ娘に関わって来なかったキャロットファームのそのあまりのノリノリっぷりに、トレーナー達は別の意味で驚愕するのであった。
アメリカンオークスの開催地
2章中編のPVに登場したアメリカンオークスだが、サンタアニタパーク・レーストラックでの開催となっており、史実のシーザリオ号が走ったハリウッドパーク競馬場とは異なっている。
これは現在のアメリカンオークスがサンタアニタパーク競馬場で開催されていることに由来する。
なお、現行のアメリカンオークスは12月の開催で、開催時期が最も遅い「オークス」となっている。
また、本来の開催地であったハリウッドパーク競馬場は経営難により2013年をもって閉場。現在、跡地はNFLのソーファイ・スタジアムとなっている。
関連イラスト
関連項目
ラインクラフト(ウマ娘):桜花賞馬。ルームメイトかつチーム<アスケラ>所属の良き友にしてライバル。史実の主戦が福永祐一元騎手である繋がりもある。
エアメサイア(ウマ娘):秋華賞馬。
デアリングハート(ウマ娘):後述のデアリングタクトはこちらにとっても孫(母方の祖母)。
- 血統繋がり
マルゼンスキー(ウマ娘):史実における曽祖父。
スペシャルウィーク(ウマ娘):史実における父。
ブエナビスタ(ウマ娘):史実におけるスペシャルウィーク産駒。
シンボリクリスエス(ウマ娘):史実において2回交配され、産駒が2頭(先述したエピファネイア号とその全妹であるロザリンド号)生まれている。
デアリングタクト(ウマ娘):史実における孫。デアリングタクトから見て父方の祖母に当たる。
エルコンドルパサー(ウマ娘):母父サドラーズウェルズ繋がり。
テイエムオペラオー(ウマ娘):モデル馬がサドラーズウェルズの父系の子孫。オペラオーの父・オペラハウスとは「サドラーズウェルズ」からの連想から命名された繋がりもある。
モンジュー(ウマ娘):モデル馬がサドラーズウェルズ産駒。
- 主戦福永祐一元騎手
※上述のラインクラフトを除く。
- その他
ウオッカ(ウマ娘):角居勝彦厩舎繋がり。鞍上武豊騎手のダービー馬の産駒の牝馬であるという共通点もある。
ヒシミラクル(ウマ娘)、カレンチャン(ウマ娘):誕生日が同じく3月31日。