概要
タイプと同様に、ポケモンに設定されている分類の一つ。こちらもタイプと同じく単体だけにとどまらず、2つのタマゴグループを掛け持ちしたポケモンもいる。「タマゴ」の概念が生まれた、第二世代から実装された。
ポケモンのタマゴを作る際には♂のポケモン×♀のポケモン(片方がメタモンでも可)を組み合わせる必要があるのだが、全てのポケモン同士の組み合わせでタマゴが生まれるわけではない。ポケモンにはタマゴグループという枠組みが存在し、同じタマゴグループのポケモン同士で初めてタマゴを作る事が出来るのである。
このことから、タイプが一般的なRPGでいう「属性」にあたるのに対し、タマゴグループは「種族」に相当する概念といえる。
また、ポケモンのモチーフによって分類が細かく決められているのも特徴(いくつかおかしいヤツもチラホラいるが)。
尚、ポケモンがタマゴを作る瞬間を誰も見た事がないらしい。曰く、いつの間にか出来ているんだとか。
タイプとは一部の分類名が共通しているものの、必ずしもかぶるとは限らない。
外伝や派生作品でもバトルの相性の要として頻繁に触れられているタイプとは異なり、基本的にはポケモンのタマゴが見つかるかどうかにしか参照されないため、本編のゲームを遊んでいないとわかりにくい概念でもある。
一方で、望みのわざやオシャボの遺伝にはタマゴグループをしっかりと把握しておくことが必要。特に、わざの遺伝の場合、中にはリレーのように複雑な遺伝ルートを経由しなければ実現できないものも少なくない(ただし第9世代ではものまねハーブによる横遺伝が実装され、面倒な手順を踏む必要はなくなった)。
ニドラン♀やベイビィポケモンを除いて進化する事でタマゴグループが変化するポケモンは基本的にいないが、ソード・シールドでは、ラルトス系、ナックラー系、ルチャブル、カチコール系、オンバット系のタマゴグループが変更された。(元々持ってたグループに別のグループが追加された。)
なお、同じタマゴグループであっても、同種同士であればタマゴができやすく、別種同士だとタマゴがややできにくい(あくまでタマゴが産まれるのに必要な歩数が増えるだけで、作れないわけではない)。また、親(捕まえたプレイヤー)が違う個体同士を掛け合わせた方がタマゴができやすくなる。したがって、一番効率よくタマゴを作れる組み合わせは、親の異なる同種同士を掛け合わせた場合である。
滅多にあることではないが、世代が進むごとにタマゴグループが特定の種族に追加される事があり、例えば第8世代では「ふていけい」に区分されていたラルトス系譜に「ひとがた」のタマゴグループが与えられている。
タマゴグループの種類と所属傾向
- かいじゅう
文字通り特撮ものに登場するような、怪獣の要素を持ったポケモンがこのタマゴグループに所属する。勘違いされやすいが、カラカラ系やカビゴンはりくじょうグループではなく、こちらに所属する(こらそこ、「スロットが1個空いてるんだからりくじょう複合で良いんじゃ?」とか言わない)。
あまり怪獣らしくないヤドンもこちらのグループで、進化した姿を見ればこのグループに所属する理由がわかる…かもしれない。
意外にもメグロコ系やズルッグ系はこちらに属さない(ズルッグ系はドラゴングループに所属している為)。
『剣盾』以降は所属者が減少傾向にあり、見るからに怪獣らしいセグレイブはこのタマゴグループにカテゴライズされていない。
余談だが『ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン 公式ガイドブック 完全ストーリー攻略+アローラ図鑑』ではタマゴグループの解説の際に、タマゴグループを印象付けるためか、メリープとガバイトのつがいの例を出している。哺乳類をモチーフとしたポケモンと爬虫類のような見た目のポケモンを例に出した辺りに当該攻略本製作者のこだわりを感じる。
- こうぶつ
ギアルやイシツブテといった、機械や石、人工物をモチーフにしたポケモン達が多く所属する。性別不明率も高い。
氷やゴミの要素を持つポケモンもこちらにカテゴライズされている。とりあえず硬いものが多く所属するグループといった所だろうか(あるいは人"工物"に引っ掛けたシャレなのだろうか?)。
ただし、ココドラ系やタテトプス系はこのグループに属していない。例外として、進化前がむしグループに属しているヌケニンはこうぶつ単体のタマゴグループとなっている。ただの抜け殻だからだろうか。よってタマゴを作れるのはメタモンだけという事になる。
- しょくぶつ
体に植物の要素がある、または植物そのものがモチーフのポケモンに多いグループ。
一方で例外も多いグループであり、草御三家ではキモリ系やモクロー系は属していない(前者はかいじゅう+ドラゴン、後者はひこう単体グループに属しているから)。
この他ヤナップやリーフィアなども対象外となっていたり(三猿やブイズとして括られる事が多いからであろうか?)、ダダリンは藻屑が本体なのだが、体の大半が錨で構成されているためか「こうぶつ」単体となっている。
- すいちゅう1
みずタイプが多く属する。
他のすいちゅうグループと比べて、水辺に棲む脊椎動物や、陸でも活動できる無脊椎動物モチーフが多く所属する傾向にある(ゼニガメ、アメタマ、コアルヒーなど)。
タマゴが明確に存在するマナフィはタマゴでの量産が不可、フィオネは後述の手段でないとタマゴが生まれないが、このグループとようせいグループに属する。
魚モチーフであっても進化系などの関係ですいちゅう2には属さない種(例:タッツー系、クズモー系、マンタイン、ハンテールなど)やすいちゅう2やすいちゅう3と掛け持ちしている種も存在する。
この他にもスロットが1つ空いてるのに、海獣モチーフのミジュマル系はなぜだかこのグループには属さないなど水生生物モチーフのカテゴライズは複雑であり、厳選する際には注意したい。
- すいちゅう2
みずタイプが多く属する。ここに属するポケモンは全て魚類がモチーフである…と言いたい所だが、マーイーカやオクタン、ホエルコ系などの例外もある。
一度魚を経由するオクタンや厳密には哺乳類とはいえ、漢字で「鯨」と書くクジラモチーフのホエルコ系ならともかく、生涯無脊椎動物なマーイーカが唯一、カテゴライズされている理由は不明である。
- すいちゅう3
みずタイプが多く属するが、他のすいちゅうグループに比べて例外が多い。
主に原始生物や水中に棲息する無脊椎動物モチーフが所属している…とはいえ、幾ら何でもアーケンやアーケオスがこちらに属しているのはおかしいというツッコミがある(他の恐竜型がすいちゅう3には属していないから)。
スコルピ系が所属しているのはモチーフの祖先が水中で暮らしていた事から、マケンカニ系が所属しているのはモチーフが甲殻類のヤシガニである事によるものと思われる(ただし、ヤシガニの成体は海では満足に活動できない)。
- ドラゴン
その名の通り、ドラゴン系や爬虫類系、のポケモンが多く所属する。
その外見からかいじゅうと混同されやすいが、かいじゅうとタマゴグループを共有している者は思いの外少なかったりする。
進化すると外見がドラゴン系に近くなるヒンバスやコイキングやチルットもこのグループ(ヒンバスの進化系はどちらかといえばリュウグウノツカイに近いのだが。
また、チルタリスはコカトリス、バクガメスはタラスクがモチーフなのでこのグループで間違いない)。人型っぽい外見のズルッグ系統もここに属する。
ただし、アローラナッシーは原種からしてドラゴングループに所属していない為、カウントされない。また、爬虫類モチーフでもゼニガメ系統やカムカメ系統はこちらではなくかいじゅうグループに属する一方で、同じく亀がモチーフのコータスはドラゴンだったりと非常にややこしい。ツタージャ系もりくじょうグループ扱いである。
余談だが、ワニモチーフはこちらには属さない他、軟体動物のナメクジモチーフであるヌメラはすいちゅうグループのどれにも当てはまらず、ドラゴングループ単体としてカテゴライズされている。
- ひこう
わかっていると思うが、非行グループではない。主に、鳥類やコウモリ、翼竜などの飛行できる有翼生物モチーフが多く所属する。もちろんひこうグループであるので、とりもどきであるシンボラーもカテゴライズされている。鳥とタマゴを作れるとりもどきとはこれ如何に…
飛行能力を捨てたネギガナイトも進化前の関係でこのグループに属する。
ちなみに、デリバードはすいちゅう1と陸上の複合である為、このグループには属さない(ペンギンモチーフとはいえ、コイツは水中での生態は確認されていない上に、飛行できるのだからこちらの方が合っているような気もしなくはない)。
- ひとがた
ただし、他のグループにも言える事だが、進化前がタマゴグループ未発見であるポケモン(いわゆるベイビィポケモン)を除き、たねポケモン時代からこのグループを有さないポケモンは所属していない。つまり、ほのお御三家はこの法則に大体引っかかってしまう。
- ふていけい
流動状態や霊体など決まった形を持たないポケモンが所属。ただ、明らかにひとがたグループなラルトス系、どう見てもすいちゅう型であるシビシラス系など、なんでこのグループなんだ…というポケモンも多い。すいちゅう系グループと並んで初見殺しの一つとなっている。
- むし
昆虫をはじめ、クモやサソリなどいわゆる広義的に『虫』(節足動物)と呼ばれる生物がモチーフ。ヤドカリがモチーフであるイシズマイ系も生態の関係上、タマゴグループ「こうぶつ」を兼ねている他、ヤドカリは節足動物である為にこのグループでも大丈夫だろう。
ナックラー系やグライガー系も終始むしタイプにこそ属さないが、虫がモチーフとなっているので、必然的にこちらのグループにカテゴライズされている。
カタツムリは軟体動物だが、でんでん虫と呼ばれているのでチョボマキ系もこちらの括りになったようである(タイプ上でもむしとなっている)。
- ようせい
見た目が可愛らしいポケモンや、妖精または小動物をモチーフにしたポケモンが所属する。
ポケモンの看板とも言えるピカチュウもここに属する(厳密にはりくじょうとの複合)。
いかつい外見のオニゴーリやグランブルも進化前の関係上、こちらに属する。
ただし、全員がフェアリータイプに属しているわけではないし、フェアリータイプ=ようせいグループではない。また、タマゴグループの存在自体が、フェアリータイプの実装以前から存在していた為、ある意味フェアリータイプの先輩のようなものである。
余談だが、穴久保版「ポケモン」の初期設定においては主人公のピッピとピカチュウが従兄弟の関係とされていた。当時はまだタマゴの概念は無かったものの、のちに両方ともようせいグループに属することになったため、今考えてみるとこの作品の独自設定では珍しくつじつまが合う。
- りくじょう
所属するポケモンの殆どが哺乳類モチーフとなっている。この関係で海獣モチーフ(ホエルコ系、ミジュマル系、パウワウ系、ホエルコ系、タマザラシ系、アシマリ系)もこのグループに属する。
最も所属するポケモンが多いタマゴグループになっている。なお、翼手類で属しているのはコロモリ系だけ。
ちなみに哺乳類以外をモチーフとした所属者も数多い。
爬虫類系ではアーボ系、ハブネーク、コータス、カクレオン、ツタージャ系、メグロコ系、ズルッグ系、メッソン系、スナヘビ系など陸生爬虫類モチーフが中心であり、鳥類モチーフではカモネギ、デリバード、アチャモ系、ポッチャマ系、コオリッポと主に飛べない鳥モチーフが属している…が、カモネギやデリバードは普通に飛行できてしまう。
意外にもダチョウモチーフのドードーはりくじょう複合ではない。あまり飛ばないんだし、こちらに所属させても良かったのではなかろうか?
なお、両生類モチーフで属するのはウパー系のみ。天狗モチーフのタネボー系はひとがた複合か?と思いきや、こちらに属する。
- せいべつふめい
ヒトデマン系、マナフィ、フィオネ、ロトムとこうぶつグループのポケモンが所属する。このグループとタマゴを作れるのはメタモングループのみ。え?ヒトデマンは雌雄同体で誰とでも恋愛関係になれるだと?はてなんのことやら。
RS期の公式攻略本では、メタモンが解禁される予定を直前まで隠すために、このグループを便宜上タマゴみはっけん扱いとした。
- メタモン
メタモンのみ所属。
このグループはタマゴ未発見グループやメタモン同士を除き、あらゆる性別の、あらゆるポケモンとタマゴを作る事が出来る。生まれるポケモンは、メタモンではない方のポケモンとなる。例外として、マナフィとタマゴを作るとフィオネが生まれる他、ニドラン系とタマゴを作ると、♂♀のどちらかが生まれる。
- タマゴみはっけん
ベイビィポケモン、伝説のポケモン、アンノーンなどの特別なポケモンがこのタマゴグループに所属する。殆どが性別不明なので無理もあるまい…。「アニメだと子供のいるポケモンもいたぞ!とか、シントいせきイベントのアレはなんだ!」というツッコミは禁句。
また、ベイビィポケモンが進化する事で他のポケモンと交配出来るのに対し、逆にニドラン♀は進化する事でこのグループに放り込まれてしまう。生殖能力を犠牲にして、戦闘力を手に入れたという事なのだろうか。
そして、ベイビィポケモンがタマゴ未発見扱いなのは…つまりそういう事である。
♂あるいは♀が片方だけ存在する準伝、そして♂♀両方いるヒードランもこちらに属する。
関連タグ
穴久保版「ポケモン」…前述の通り、ポケモン同士の血縁関係(?)に言及した初の作品。しかも金銀が発売される前。