「あんなアホと一緒にするな。俺はあのアホから生まれた悪魔……カゲロウだ。」
「大二を消したのはお兄様、お前なんだよ!」
変身する仮面ライダー
概要
『仮面ライダーリバイス』に登場する悪魔。五十嵐大二の内から生まれた存在であり、彼の幼少の頃から既に存在していた。
セリフや行動の端々から醸し出される兄・五十嵐一輝に対するコンプレックスが彼の誕生に関わっているものと思われるが、それもその筈で小さい頃から家族の中心だった一輝への嫉妬と、兄と比較されず輝ける居場所となるフェニックスでの立場、そして本来自分が成る筈だったリバイスへの変身、その全てを一輝に奪われた事への負の感情が彼をここまでに育て上げた。当の一輝への呼称は「お兄様」、「お兄ちゃん」と、どこか小馬鹿にしたような呼び方をしている。
描写などから、基本的に宿主の意思とは別行動を取る事が多いバイスとは異なり、大二の肉体を乗っ取って徐々に五感を共有していった様子である。
第4話で一輝と和解した筈の大二が次話で嫌悪感を表していたのは、既に体を乗っ取られていた為であった。
最初は鏡に映るようにして大二に接触、意識と体を乗っ取り、大二から意識と体の主導権を掌握してからは逆に大二本人が鏡に映るイメージで話している。
表面化当初は痛覚なども共有できていなかった為か、柔和な低刺激系紳士(マイルドジェントル)の大二が苦手なはずの激辛カレーやコーヒーを平気な様子で摂取していた…が、そもそも痛覚に憧れていたのか破滅的なまでに痛みも含めた刺激の体感に充足を覚える劇物上等野郎(ワイルドジャンキー)だった事が後に判明。リバイスとの交戦でも攻撃で苦痛を感じることにむしろ狂った笑いをこぼしていた(一部の視聴者にはMに見えたとか)。
大二の体でカゲロウとして行動する際は少し髪が跳ね、黒を基調とした衣装に身を包んでおり、よく右腕を曲げて人差し指を顔に打ち付ける仕草をする。
なお、ライオン・デッドマン事件の裏で暗躍していた張本人であると思われ、普段とは雰囲気が違う大二の様子から、ジョージ・狩崎からはその存在を感づかれていた模様。
その狩崎から渡されたベルト・ツーサイドライバーとバットバイスタンプで仮面ライダーエビルへと変身する。
悪魔としての姿はもっぱらpixivでも大二の体で描かれ、視聴者から様々な想像が寄せられていたが第26話にて披露された姿は(大人の都合が絡んだのか大二をコピーしたのかは不明だが)黒衣装の大二の姿まんまであった。
人物像
クールだが家族を大事にしている大二とは違い、攻撃的かつ横暴な性格。宿主のことも「アホ」と吐き捨て、完全に見下している。
バイスが「自由」を欲する深層から生まれた享楽者だとすると、こちらは兄・一輝を上回りたいという願望が極まった「嫉妬」の権化とも言うべき存在であろう。
そのため根本レベルで器が狭く、一輝=リバイスに対しては常に敵意を剥き出しにしており、主導権を握ると徹底的な攻撃を仕掛けようとする等、彼を排除する為ならとにかく手段を選ばない。
曰く「お前が出来なかった(誰を犠牲にしてでも一番になる)願望をオレが代わりにやっている」とも嘯いている。
結果「一輝を自らの手で倒す」事に固執しており、邪魔をするものはたとえ協力関係にあるデッドマンズであろうとも容赦しない。
また、早い段階で暴力以外にもある構想を抱いており、時折不敵な笑みを浮かべていた。こうした何処までも陰湿な在り方は、同じ悪魔のバイスからも「卑怯者」と嫌悪感を抱かれている。
第13話で大二がダイオウイカ・デッドマンの攻撃を受けて気絶した際に再び目覚めるが、狩崎曰くライダーキックを叩き込めば大二の表と裏をひっくり返せるはずとのこと。
逆の言い方をすれば、戦闘の最中に大二=ライブからカゲロウ=エビルにいつひっくり返ってもおかしくないという事も意味しており、第26話までは楽観視できない状況が続いていた。
劇中での行動
- 第6話「エビルの正体!衝撃のショータイム!?」
デッドマンズと接触し、記事冒頭の台詞で自身の名前と存在を明かした。
- 第7話「窃盗!スケボー!?俺はカゲロウ!」
エビルに変身してチーター・デッドマンと交戦中のリバイスを襲撃。だが仮面ライダーデモンズに変身した門田ヒロミと交戦。最初は互角に渡り合うものの戦闘経験を積んできたデモンズに対しては徐々に押され始め、不意打ちでバットダークネスフィニッシュを叩き込み撤退する。
- 第8話「家族の休息、天国と地獄!?」
母の退院祝いで温泉宿に来た際に一輝を暗殺しようとするアギレラを邪魔し、そして彼女を襲撃する。
翌日、サプライズイベントにてカゲロウとしての本性を露わにして一輝を攻撃、エビルに変身して家族の前で抹殺すると言う公開処刑を行おうとした。
戦闘中にアクシデントで持っていたバイスタンプが入れ替わるも、ジャッカルゲノムにチェンジして応戦。
リバイスと一通り交戦した後、「また喧嘩しようぜ?お兄ちゃん…」と捨て台詞を吐いて撤退した。
- 第9話「カゲロウ暴走!五十嵐兄弟…崩壊!?」
詐欺師3人組を襲撃し彼らに無理やりデッドマンズから給与されたブラキオプロトバイスタンプを押させてブラキオ・デッドマンを生み出した。
その後はフェニックスからの連絡を受け、大二を助け出すために駆けつけた一輝と対峙。自分が生まれるきっかけとなった大二の心の闇を暴露し、一輝を精神的に追い詰めていく...
「大二を返せとか言ってたよな?じゃあまずは、俺を倒さなきゃ…」
「ほら、やってみろよ。優しい優しいお兄様…!」
- 第10話「兄と弟、信じる心」
レックススタンピングフィニッシュを放つリバイに対し、攻撃が当たる直前で変身を解除して大二のふりをするという卑劣極まりない戦法を取る。狙い通りに動揺して攻撃を外したリバイの隙を突いて直後に再変身し、バットダークネスフィニッシュによりリバイを撃破。
変身解除へと追い込まれてもなお大二に呼びかけるのをやめようとしない一輝の息の根を止めようとするが、同時にブラキオ・デッドマンを撃破して駆け付けたデモンズが一輝を救出、撤退を許す結果となった。
一般人に危害を加えている以上、もはや私情を捨てるしかないと諭すヒロミ。
しかし、エビルに敗北した直後に実体化が解けたバイスが、密かにカゲロウの脳内に潜り込んだことで大二の意識はまだ完全に消えてはおらず、カゲロウに反旗を翻すチャンスを虎視眈々と狙っていた事が判明。
これを聞いて決心を固めた一輝は、直後に入った狩崎からの連絡でカゲロウの潜伏先へと自転車で駆け付ける。
一輝「待たせたな、カゲロウ」
「やっと俺の名前を呼んだか…!」
一輝「グダグダ考えるのはもう止めたんだよ。お前をぶっ倒す!」
バイスは一輝の指示で、エビルの手により再度発生したブラキオ・デッドマンを迎撃するデモンズの加勢に向かい、リバイとエビルの1対1の戦いが繰り広げられる。
決意を固めてもなおエビルとの実力差は歴然で、リバイはまたも変身解除へと追い込まれてしまうが、カゲロウの中にいる大二を信じる一輝の呼びかけに、ついに大二の意識が覚醒を始める。
精神の中で暴れ始めた大二によって苦しみ出したエビルを見て再び変身する一輝とバイスは、エビルの手元から離れたブラキオプロトバイスタンプを奪取してブラキオゲノムへと変身。
苦しみながらも襲いかかるエビルだが、外側からリバイスのコンビに、内側から大二に攻撃されるという挟み撃ちの状況で形勢は一気に逆転し、最後はリバイスコンビが放ったブラキオスタンピングフィニッシュの前に敗北、爆散。
肉体の主導権は大二に戻り、さらに大二は仮面ライダーライブへと変身する力を手に入れた。
- 第13話「フェニックス危機一髪!」
「久々のシャバの空気は美味いねぇ…!」
さくら「嘘でしょ…?カゲロウ…!?」
「いい反応だ。そんなに俺に会いたかったか?」
オルテカが変身したダイオウイカ・デッドマンの攻撃を受けた大二が意識を失った拍子に復活、エビルに変身し仮面ライダージャンヌに襲い掛かる。最初こそオルテカ、フリオとの3対1で圧倒するがリバイとバイスが加勢した事によりクジャクゲノムに変身したジャンヌとの一騎打ちに持ち込まれ返り討ちに遭う。駆けつけたジョージによって、「カゲロウに乗っ取られてもライダーキックで(フェーズ2のデッドマン同様)元に戻せる」と知らされ、最後はクジャクスタンピングスマッシュで大二に戻った。
- 第15話「撲滅!対決!デッドマンズ!」
「てめぇら…!何の用だ…?」
主人公側でただ一人デッドマンズのアジトに出入りしていたことから、出入り口を訊くためにリバイのライダーキックを受けて再び現れる。
自身に頭を下げて頼み込む一輝に「これは傑作だなぁ!」と言いつつも当然ながら二人の頼み事に対し反発的な態度をとっており、協力する訳が無いと思われた…が、見返りにさくらの激辛カレーを要求。4杯も平らげて(おそらく激辛の余韻による宿主への嫌がらせ目的も込みで)満足したのか、意外にもそのまま乗っ取らず「脳が痺れるぜ…!」と言い残してそそくさ大二と入れ替わり(当然大二は激辛に悶絶)、教えた情報も正確なものだった(しかも描写を見る限り、先にカゲロウが情報を教え、その後で見返りの激辛カレーを堪能していた)。
- 第23話「バイスが乗っ取り…やっぱり裏切り!?」
「この女が死んだら、あのカレー食えねえじゃねえかよ…」
オルテカが変身した仮面ライダーデモンズの必殺技でダメージを受けた大二から入れ替わり再登場。
オルテカにトドメを刺されそうになっていたさくらを庇う形で現れ、上記の台詞を告げてエビルに変身。デモンズに対して捨て身で攻撃を仕掛けて必殺技をぶつけ合う。
「ひとつ貸しだからな…大二!」
変身者の都合か能力が遥かに格上であるデモンズ相手にも果敢に立ち向かい、バッタスコーピオンデモンズレクイエムとダークネスフィニッシュで相討ちになる形で敵を撤退させた。
この戦いでは流石にスペックの差は大きく、自身も大きなダメージを受けて変身解除。
人格も大二に戻り、「カゲロウが助けてくれたのか……?」と困惑していた。
オルテカの発言によると、彼が大二やさくらに味方するような行動をとったのはギフの影響によるものらしいが…?
なお、このシーンはヒロミがデモンズに初変身しエビルと戦った時と敵味方が逆転している。
カゲロウの最期
- 第26話「対決!結末!?闇と光の結末」
前回からギフの影響で活性化が進んでおり、大二の体を乗っ取るべく決闘を挑む。
フェニックスを訪れ、ツーサイドライバーを持っていくついでに狩崎が開発中だった新たなバイスタンプを強引に受け取り工場跡へ移動。
バットバイスタンプを押印し、悪魔を解放する要領で大二と分離すると、予備のドライバーとバットバイスタンプを渡して互いに変身、激突する。
だが、大二がカゲロウの非情さの影響で精神的に強くなったのに対し、カゲロウの方は大二の優しさの影響を受けて弱さが表に出るようになっており、エビルとライブの激突はライブの一方的優勢で進む。
それでも一輝とバイス、さくらとラブコフを見てきた大二はカゲロウとの共存を諦めきれずにいたが、「悪魔に情けをかけるな!」と叱咤するような怒声を飛ばし、最終的には変身解除され敗北。
その戦いで完成した新型バイスタンプを大二のツーサイドライバーに「お前が使え」と装填すると、
「大二……あばよ」
ただ一言だけ「相棒」にそう言い残し、黒い羽根となって消滅していった。
そして、残された力は大二の手に渡り、仮面ライダーホーリーライブが誕生する……。
公式サイトによれば、この行動の真意はギフの影響による意図しない暴走で大二を手に掛けることは自らの美学に反する為に、そうなる前に大二に倒されることで自身の「非情さ」を大二に引き継がせようという「優しさ」であったと解説されている。
…しかし、カゲロウを消滅させる=心の中にある悪を消してしまった大二はカゲロウの思惑とは裏腹に心の中の善悪のバランスを欠いて精神的に不安定になり、無謀な暴走を繰り返すようになってしまい、遂に…。
遂に相棒に(第44話)
「遅えよ大二。てめえ、ようやく俺が必要だってことに気づいたか」
「てめえにしては上出来。気付いただけでも十分だ、大二」
まさかの復活。
実は消滅したのではなくホーリーウイングバイスタンプの中に意識を宿しており、曰く「大二が泣き寝入りするのを待っていた」様子。
ヒロミとの激突を経て「変わりたい」という意志をようやく示した大二に呼応してバイスタンプを抜け出し、群がるギフジュニアやギフテリアンをライブガンで撃退すると
大二「これからは···一緒に戦ってくれるか?」
カゲロウ「お前がだらしなかったら···すぐにでも乗っ取るからな」
と言葉を交わし、第26話同様パーフェクトウイングバイスタンプを大二のツーサイドライバーに押印・装填。
変身に伴い再び大二の肉体に戻り、エビリティライブへの変身を遂げ、大二と共にギフを封じる決定打となった。
戦いが終わると大二を通して一輝とさくら、バイスから温かく帰りを喜ばれる。さくらからは「カゲちゃん」とあだ名をつけて呼ばれ、それに対して「早くカレー食わせろよ」と軽口を返す。
その口ぶりは大二の優しさの影響か言葉こそ以前同様ひねくれているものの、どこか優しさを感じさせるようなものであった。
第45話以後の活躍
- 第45話「終わらぬ悪夢、守る者と守られる者」
奮闘する大二に度々茶々を入れていたが、「勝手に俺の限界を決めるな!力を借りたい時は俺から言う!」と発言したことに喜び、「おいおい、素直になったじゃねぇか」と返していた。
その後、大二が出番を譲る形で表出し、エビルに変身。サーベルタイガー・デッドマンを撃破したがギフの影響で再生されてしまい、更に後ろから強襲されたことで変身解除に追い込まれ、「後ろから狙うなんて卑怯だぜ」とこぼす。おまいう。大二から「集中しろ!」と注意されたが、「お前が教えてくれたらよかったじゃねぇか。」と文句を言ったため、またしても大二に「人のせいにするな!」と注意されていた。
- 第46話「向き合う勇気…真に護るべきものは何?」
以前よりスムーズに表出しており、大二とコロコロ入れ替わっていた。また、大二とともにギフの弱点を考察するなどすっかり一輝たちに溶け込んでいた。
悪魔軍団との戦闘の際には、大二を気遣いながらもおちょくるような口調で声を掛けていたが、案の定物量の差で苦戦を強いられてしまう。そんな中、ヒロミが某弓使いのアメコミヒーローさながらに登場し、ギフテリアン(TURE)を討ち取って援護、「大二!カゲロウ!お前たちの力はそんなもんか!」と叱咤激励した。その際には、「おいおい…、舐めてもらっちゃ…!」「困る!」と大二とともに反論、すぐさま立ち上がり悪魔軍団を撃破。さらにバイスから「俺っちみたいに人間が大好きな悪魔だっているもんね〜!なっ、カゲロウ?」と言われた際には、「お前と一緒にすんな!」と言い返していた。
- 第47話「狩崎の反乱、変身の代償」
一輝の契約の内容を知ってしまった大二やさくらに対して、「何かを得るためには何かを失う、等価交換だ。それを覚悟してお前らも俺たち悪魔と契約したんだろ?」「一輝とバイスがたまたまそういう内容だっただけだ。嘆いても現実は変わらねぇ。」と珍しく正論をぶつけた。さくらは「簡単に言わないで!」と反論するが、カゲロウは「変わらねぇんなら、狩崎を倒すしかねぇって言ってんだよ。」とキツく返答した。これには流石のさくらも「カゲロウの言う通りだよ…。」と言うしかなかった。
- 第48話「覚悟の証明!これが…日本一のお節介!」
ジョージ・狩崎が変身した仮面ライダージュウガに敗れた大二に代わってエビルへと変身し、同じく再変身したジャンヌと共に挑む。ある程度拮抗したものの必殺技を喰らって変身解除してしまいドライバーを奪われてしまうも、バットバイスタンプを地面に押して蝙蝠の大群で眩ませてる間に奪還し、撤退した。
- 最終話「あくまで家族、いつかまた会う日まで」
一輝とバイスの楽しくも辛い戦いが終わった数ヶ月後、ヒロミ達がブルーバードを立ち上げのための準備に勤しむ中、大二に向かって「ブラックバードでも良かっただろう」とちょっかいを出すが、「不穏だしセンスなし。却下。」と返されてしまう。
しかし、「お前のファッションセンスを治してやったのは誰だよ?」と煽り返し、大二から「お前には感謝してるよ。」と言われるとどこか嬉しそうに笑っていた。
残された矛盾点
第44話で復活を遂げたカゲロウだが、その言動や明かされた情報には明らかな矛盾点や食い違う点が多い。
復活時のカゲロウは「自分が必要だと気付くまで、大二が泣き寝入りするまで黙っていた」と発言したが、そもそも第26話でカゲロウが大二に戦いを挑んだ理由は「暴走により不本意な形で大二を倒すことへの抵抗」「自らの非情さを大二に受け継がせる形で身を引く」事が大きな動機であると公式サイトのエピソードガイドに記載されており、設定と描写が食い違いを起こしている。
自身が一時消滅した後、苦悩し迷走していく大二の姿を見て考えを変えた可能性も考えられるが、どちらにしろ描写不足だった事実は変わらない。
これは、諸事情による路線の変更や元々カゲロウの復活とエビリティライブの登場が当初の脚本の予定になかった事が原因の一つとして挙げられる。
結局、以降のエピソードでも設定の齟齬や謎はファイナルステージの他、大二とヒロミを主人公とするVシネマが制作・公開されたが、それらを解消する描写は無く、そのまま放置されている状態となっている。そもそも本編後にそれを描写する必要性は限りなく低いため今後もないと予想される。可能性があるとすれば小説仮面ライダーリバイス及び後続作品の客演回のみと思われる。
リバイス大好きキャンペーン
(当時)消滅後も何事もなかったかの様に大二と共に視聴者からの写真やイラストを評価していた。
本編外での活躍
『バトルファミリア』
「おいおい…、だらしねぇなぁ〜、俺と変われ!」
夏映画『劇場版仮面ライダーリバイスバトルファミリア』では変身後の仮面ライダーエビル共々登場。
同映画の情報公開が第44話の放送より前に行われたため、「本編で消滅したにもかかわらずカゲロウが予告に登場している」と視聴者を驚かせた。ただ、ホーリーライブ初変身時には、カゲロウが変化した黒い羽根の一部が大ニに取り込まれたような演出があり、そこから体内で成長するなどして「何時か復活するのでは?」といった考察は以前からされてはいた。しかし、流石に映画の事前情報公開でネタバレ的に明かされると予想した人はいなかった模様。
今作では、ギフの瞳の影響でバイス、ラブコフ共々暴走状態に陥ってしまうが、ある人物が起こした奇跡の力(ネタバレ注意!)によって暴走は収まり、中盤ではいつも通りのカゲロウが戻ってきた。
なお、本作ではテレビ本編でありそうでなかったライブからエビルへの変身が行われた。
またライブ→エビルに変身する際、大二が苦戦しているのが見るに絶えなかったのか上記の台詞を発して呆れながら変身しており、元太とさくらが来るまで持ちこたえるタフさを見せていた。
『ファイナルステージ』
狩崎が一輝とバイスの記憶を取り戻す実験の際に、深層空間にある一輝の記憶の中の存在としてラブコフと共に登場。うるさいラブコフを叩いており、1クール目前半戦の時のカゲロウのためエビルに変身して一輝に襲いかかる。戦闘の最中にバイスから「さくら特製の餃子カレーが待ってるよ!」と口車に見事に乗せられたことで、「カレーか、最高だぜぇ!さっさと食わせろぉぉ!」と叫んで彼らに味方し、ギフジュニアを倒すという相変わらずの調子を見せた。
『MOVIEバトルロワイヤル』
本作でも登場し、新しく弟として生まれた五十嵐幸四郎を「俺の弟」と呼び可愛がったり、卓球対決ではラブコフ相手に大人げないプレーを行う負けず嫌いな一面を見せていた。
バリデロとイザンギとの戦闘では、エビリティライブから入れ替わる形でエビルへと変身。ジュウガと共にある程度渡り合って見せるなど変わらずの実力を見せつけている。
デザイアロワイヤルの「悪魔マラソンゲーム」では、桜井景和/仮面ライダータイクーンに興味を持ち、変身中の彼の心の中を覗いた。すると彼に潜む悪魔を発見し…カゲロウの顔からは笑みが消えた。
「…お前、何者だ?」
それは期待はずれによる拍子抜けだったのか、それとも予想を超えた闇に対する一種の危機感だったのか。その答えは『ギーツ』本編の終盤で明かされることになる…。
『リバイスForward』
本作でも引き続き登場。エビルマーベラスという新たな形態を獲得している。
しかし、あらすじでは「カゲロウの裏切り」とある。
ファンとしては、「敵を欺くために味方すらも欺くこと」が彼の真意だと思いたいが、果たして…。
ここから先はネタバレです。未見の方は注意!
案の定、ムラマサを油断させるためにわざとアリコーン側に着いていたことが判明。遺伝子研究所前で大二、ヒロミと合流し、エビルマーベラスへと変身して、ライブマーベラスとの抜群のコンビネーションを見せていた。なお、変身シーンの際に足がない霊体のような状態で巨大なメガバットバイスタンプを抱えて大二に叩きつけるなかなかシュールな光景が見れるので必見。
また、誘拐事件の捜査の際は、銭湯から留美を連れていった存在の考察に関して悪魔視点からの意見を大二に伝えて後にわざとアリコーンについた行動が事件解決のヒントに繋がる。
合流の際に、大二から「説明もなしに行動するな!」と注意された際に「察しろよ。」と返答していたが、市村景孝が変貌した怪人態「トランザムザレベル4」との決戦の際に、訳も分からず大二とヒロミによる留美救出のための作戦に乗っており、撃破後にその真意が判明した際、「やるならちゃんと説明しろ!」と注意したものの、大二からは「察しろよ。」と返された。まさに2人らしい会話である。
なお、カゲロウが留美を遺伝子研究所に連れ去ったせいで、後に市村がパニックを起こして怪人態に変貌する際、留美が取り込まれるという最悪の事態が発生しているが、彼がどこまで想定していたのかは不明。少なくともその場面に遭遇した際に大二、ヒロミ共々唖然としていたことから予想出来てなかった可能性が高い。最終的に留美を無事に救い出せたので結果オーライだった。
また、アリコーンのアジトの再捜査に向かってる大二に対してバイクのミラーから「任務に集中できてねぇじゃねぇかよ」と注意したり、アジトの制圧任務で染井に押される大二に「(考えがあるから)替われ!」と言って即座に交代、ジャッカルバイスタンプで自身のスピードを上げて染井を拘束したりと以前より大二との関係性は良好になっている。 トランザムザLv3になった染井が人間は脆くて弱い存在と虐げた時には「脆くていいんだよ、こいつみたいにな!」と言い放ち、一輝とバイス、さくらとラブコフとは違った関係性の答えを大二と共に見つけ出していた。
『仮面ライダージュウガVS仮面ライダーオルテカ』
しあわせ湯にて一輝とヒロミと共に銭湯での我慢対決をした結果、のぼせてしまい負け惜しみを吐いていた。
余談
- 名付け親が不明で、名前の由来も不明。カゲロウと言えば昆虫や艦艇名(またはその由来元の気象現象)が思い浮かぶが…?なお、一部の新聞のTV欄では陽炎と表記されていることもある。
- 消滅と復活を経た現在でも未だに判明していないが、一部では下記の言動を踏まえて自分で名付けたのでは?とする声もある。
- 演者の日向亘は17歳であり、現役の高校生が仮面ライダーを演じるのは『仮面ライダーゴースト』の天空寺タケルを演じた西銘駿氏以来6年ぶりとなる。
- 台本では、大二のふりをしたカゲロウは「K大二」と呼称される。
- 日向が1人2役を務めることが決まった際に、シリーズ構成を担当する木下半太は少し心配していたようだが、望月Pをはじめプロデューサー陣が「彼ならできる!」と後押ししていたという。それが功を奏し、結果的にその選択が現在のカゲロウの人気に繋がった。
- 第8話での一輝に対しての「お兄様」という発言から前作の妹剣士を連想する視聴者が続出し、ところどころでネタにされている。(余談だが、そのお兄様の中の人は「あまり俺を怒らせるなよ···!」という台詞をカゲロウが発したことにも含めて実際にTwitterで反応している)
- そして復活した第44話でも「悪魔使いの荒いお兄様だぜ」との発言があった。
- 第1話における一輝の行動から「大二にバイスタンプを押して(あるいはエビルにライダーキックして)カゲロウを分離or実体化させて追い出せばいいのでは?」と考える視聴者もいる。
- 実際は、上記のとおりライダーキックすると人格が入れ替わることが判明した。
- バイスタンプを押して分離させるのは26話などで行われた。
- 余りにも厨二臭い言動や衣装から、ネット上では「†カゲロウ†」あるいは「†KAGEROU†/✞KAGEROU✞」などと呼ばれている。十字架どっから来た。
- しかも、大二/カゲロウ役である日向公認の表記であることが後に明らかとなった。
- 兄や妹の悪魔のバイスやラブコフと並び立つといっそう2体がマスコットっぽいのに対して(大二の体を借りているとはいえ)現時点では見た目が人間だったり、より厨二感が目立つことからpixivでもネタにされてしまっている。
- カゲロウがカレー好きだと発覚してから、カゲロウに冷酷なイメージを持っていた視聴者に(いきなり辛口を4杯分、からのカレーを食したときのリアクションも手伝って)一種のギャップを感じさせることになり(一部では前述のギャップというのを上手く表現できずネタキャラ化とやや違う表現をしている視聴者もいる)、pixivではときどきバイスやラブコフと2人+1匹揃ってカレーを食す、あるいは「さくらのカレーを食わせてくれるなら共闘する」というどこぞのアイス大好きな腕だけの鳥怪人のようなシチュのイラストが投稿され始めた。 カレーで餌付けとか言ってはいけない。
- そして第23話でカゲロウ自らが言い出す形ではあるが擬似的にこのシチュが実現。更に44話では上述の通り、(食べるところまではいかなかったが)完全一致な発言を飛ばした。
- これまでは人格が変わる度に自らの能力で着替えていたのだが、第23話にて、人格が変わると同時に服も変わっていた。
- 当初こそ手が付けられなかったものの紆余曲折あって一輝と信頼関係を築き上げる事に成功したバイスや、誕生直後よりさくらとは良好な関係のラブコフとは異なり、五十嵐兄弟から生まれた悪魔の中で唯一宿主と長期的に敵対関係を貫き続けている。第13話での再登場からも見て取れるように、隙あらば大二の身体を再び乗っ取ろうとしていた。……が、第23話ではギフの影響とはいえ一時的に大二たちに味方していたので、和解の可能性も日はそれほど遠くないと思われていた。
- ただ、彼らの使用するツーサイドライバーは"悪魔の悪意"と"宿主の良心"の反作用によって力を引き出す仕組みであるため和解した場合は弱体化の様な不都合が考えられる。結果としては、第26話の決闘の末に和解しながらもカゲロウは力の全て大二に分け与えて消滅。ライブの(ある種歪な)強化に繋がることとなった。
- だがそれは大二の心の不安定さを招き、彼を大いに狂わせてしまうことに。結局カゲロウを欠いた状態で安定する事はなく、本人の意図しない形とはいえある意味悪魔らしく場を引っ掻き回す結果になった。
- リバイスの悪魔は「宿主の悪意が尽きない限りは何度でも復活する」ことが示唆されているので、一部視聴者からは「終盤辺りで復活するのでは?」という声もあった。それどころかオルテカ死亡後赤石が作ったフェニックスの闇に直面した大二はあまりの邪悪さにショックを受け、フェニックスを正しい組織に変えようと奔走するつもりが段々と正義とはなにか見失い、暴走を繰り返して孤独になっていくようになり、大二の心のバランスを取らせるためにカゲロウ復活を願う声が多かった。
- その後第44話、満を持して復活。全国の数十万人のカゲロウファンが泣いて喜んだとか。一応劇場版予告にも繋がるようにはなった。
- 第44話にて彼が発した「泣き寝入りする」という言葉は誤用と思われる。
- 泣き寝入りとは「納得できないが引き下がるしかない」というような意味合いであり、この場合は「泣きついてくる」などが適切だろう。(もしくは完全に心が折れるのを待って体を乗っ取るつもりが、見るに見かねて飛び出したか)
- カゲロウが宿主の大二と比べてあまり学がないという表現での敢えての誤用なのかもしれない。
- 最終話でさくらの口から、「大ちゃんとカゲちゃんは終身契約なの?」と聞かれていたことから、今後第26話のようなことがない限り、さくらの言う通り終身契約のままだと思われる。
- 『バトルファミリア』でカゲロウが暴走状態になった時、大二とカゲロウ、両者を演じた日向氏はエビル/ライブのスーツアクターである中田とのアクション稽古を思い出したようである。
- 『リバイス』終了後の2023年1月放送の日曜劇場『GetReady!』に日向が天才ハッカーの白瀬剛人役で出演することが発表された際、その風貌がカゲロウに似ていたことから、「ほぼカゲロウじゃん!」といった声が相次いでいる。なお、性格はどちらかと言うと大二寄りだった。
関連タグ
五十嵐大二 仮面ライダーエビル 悪魔(仮面ライダーリバイス)
カゲロウ召喚の儀:一輝とさくらによる脳筋過ぎる呼び出し方。いじめとツッコんだら負け。
ノーサイドライバー:カゲロウ/エビルの残念な描写に対するネタタグ
ナイスカゲロウ:カゲロウのときたま見せる、かっこいい一面を称賛したpixivタグ。44話ではまさにこのタグに恥じぬ復活劇を見せてくれた。
ベイル:同じタイプの悪魔。
悪魔花:宿主とほぼ瓜二つの姿をした悪魔。宿主の体を乗っ取って黒いダークライダーに変身する点も共通。
亡:前々作の戦力部隊の隊長である銃使いの2号ライダーの中に潜んでいた怪人。2号ライダーの二重人格として表面化して身体を乗っ取った事がある、自身もライダーに変身する、後に実体化する、2号ライダーに変身アイテムを渡した点も共通する。
2号ライダー変身者