「滅びの定めにすら見放された我が永遠の慟哭……空よ!雲よ!憐みの涙で!命を呪えぇ!!」
プロフィール
真名 | 虞美人 |
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クラス | アサシン |
性別 | 女性 |
身長 | 160cm |
体重 | 49kg |
出典 | 史記、漢書(ゲームマテリアル)/ 史実(書籍マテリアル) |
地域 | 中国 |
属性 | 秩序・悪・地 |
好きなもの | 物言わぬ命 |
嫌いなもの | 人間 |
設定担当 | 虚淵玄 |
ILLUST | toi8 |
CV | 伊瀬茉莉也 |
身長・体重は宝具を使用する度に若干変動する。
あまり真面目に肉体を再生するつもりがないらしい。
概要
『Fate/Grand Order』に登場するアサシンクラスのサーヴァント。レアリティは☆4。
第2部3章『人智統合真国 シン』の最重要キャラクターの一人であり、開催から1週間後のピックアップ召喚2と共に実装され、それ以降は同章クリア後にストーリー召喚へと追加されている。
ベディヴィエールと並ぶネタバレ要素の多いキャラであるため、閲覧には注意。
真名
項羽の恋人として歴史に名を残す女性、「虞美人」。中国では「虞姫」とも呼ばれる。
肝心の項羽との慣れ染めは『史記』にも『漢書』にも一切記載されておらず、垓下の戦いの部分で初めて「傷心の項羽の傍にはいつも虞美人がおり、項羽は片時も彼女を放すことがなかった」と紹介された。後の世に「四面楚歌」と呼ばれる絶体絶命の状況に陥った際、項羽は運命を悟り、
力拔山兮氣蓋世(力、山を抜き 気、世を蓋う)
時不利兮騅不逝(時、利あらずして 騅逝かず)
騅不逝兮可奈何(騅の逝かざる 如何すべき)
虞兮虞兮奈若何(虞や虞や 若を如何せん)
と彼女に詠い、虞美人はそれに合わせ剣舞を踊った。
これが今生の別れとなり、この後項羽は包囲をかけた漢軍へと突撃。帰らぬ人となる。
後の世の創作では、虞美人は項羽の出撃に先んじて自ら首を切り自害したとされている。
翌年の夏を迎えた虞美人の墓の周りには、可憐な雛芥子(ヒナゲシ)が咲き乱れたという。
そして型月世界におけるその正体は、星が産み出した精霊・真祖であったとシナリオでは述べられていたが、ゲーム中のマテリアルで断言されている通り、厳密には真祖とは生命としての目的が違う別種の吸血種であり、地球の内海から発生した表層管理の端末、即ち受肉した精霊である。
驚異的な能力や不死性を有するが、型月吸血鬼に見られる吸血衝動はなく、栄養摂取手段の一つとして吸血行為を行うことができるという類のもの。吸血行為を行えることから吸血種に分類されている点ではORTと同様だと言える。普段は森羅万象から少しずつ魔力を提供して貰っていた。
最愛の項羽が死亡した後も、死ぬこともできないまま2千年以上もの間放浪しており、人類からのおぞましい羨望と恐怖を向けられ、聖堂教会からは代行者を差し向けられるなどして、人間への憎悪と不信感を募らせていた。そんな虞美人に目をつけたのがカルデアの初代所長マリスビリー・アニムスフィア。彼は、もし人間がレイシフトに耐えられなかった場合の保険として、より強い身体を持つ人外の協力者を求めていた。マリスビリーに対しても不信感しかなかったが、既に人を恨む事にすら疲れきっており、彼の「地球上にもう真祖の居場所はなく、人間達も真祖を放置することはない」という見解にだけは同意できた為、カルデア入りを決めた。その正体を隠すために「芥ヒナコ」というカバーストーリーを与えられた上でAチーム(クリプター)の一員となったのである。
人物
一人称は「私(わたし)」。
極度の人間嫌いという部分は芥ヒナコ時と同じであるが、本来の彼女は無気力な性格ではなく、むしろ人間嫌いを爆発させたような刺々しい人物であり、敵に対しては常に殺意を全開にしている。
特にその過去から、人間自体に対する憎悪は感情を通り越した生理的嫌悪のレベルであり、その度合いはアヴェンジャー適正持ちと言われても違和感がないほどである(下手をすればそれ以上)。
クリプターとして振る舞っていた際の無気力に見えるその態度の正体は、己の本質を看破されまいとあらゆるコミュニケーションにおける深入りを徹底的に拒絶し、徹底的に存在感を隠すことを目的とした演技だった。しかし極端に拒絶を示してしまうとかえって目立つため、その結果として出来上がったのが「最低限の社交辞令は言うが深入りはしない・させない」という人間像である。
旧カルデアのメンバーからはあまりにも人が変わったと評されていたが、これはひたすら素性を隠すことに徹して人間になりすましていたためで、要は変わった後の人格こそが彼女の素である。
本をいつも片手に持っていたものの、実は本の内容など全く読んでおらず、本で自分の顔を隠しつつ、気づかれないように他のAチームのメンバーを観察し、全く信用することなく警戒を続けていた。クリプター同士の定例会議での映像通信においても、本当に無気力な性格の読書好きならば、本に目をやりつつ皆の目線を無視して会話しても良さそうなものだが、その目線は本に対しては向けられていなかった(本人曰く「一応読んだが大して面白い内容じゃなかった」との事である)。
因みに中国異聞帯においては本を持っている場面がない。ただこれは、本で表情を隠す必要がないのは勿論だが、民への儒学を徹底的に嫌う異聞帯の王から敵と看做されないよう意識して本を持たないようにしたのかもしれない(事実、民が少し詩文を覚えただけで排除対象になっていた)。
クリプター同士の争いに無関心だったのも道理。人間を憎悪している彼女なのだから、人間のありかたを巡って争う異聞帯同士の衝突に興味などあるはずもなかった。もし蘇った異聞帯の中に彼女の関心を惹くものが無ければ、クリプター達にすら牙を向いていた可能性も大いに考えられる。
その一方で最愛の項羽に対してはかなり弱く、彼女の目的は「項羽様に二度と戦ってほしくない」というもの。始皇帝はその本心を知って項羽を人質に取る発言によって彼女の暴走を抑えていた。
厳密に言うのなら「種族としての人間」は別に嫌いな訳では無く、あくまで嫌っているのは「人間の文化的社会=不自然的生態」である。強い生命が狩猟などによって弱い生命を糧にするという自然の摂理は好ましいと思っており、人間もそうやって生活する分には嫌な顔はしないとのことらしい。それらを自在に破壊し再構築できるほどの科学技術の行使に対しては怒りを爆発させる。
人外同士でも「人間そのものには興味は無いが、人間が織りなす歴史に興味がある」というマーリンとは逆と言え、超越者の割には一時期とはいえ人間社会で生活していたせいか、人外感覚が薄いメンタリティの持ち主といえる。また長生き故か、それとも無茶な肉体の使い方の影響か、肩やら腰やらが絶望的に凝っていた。あまりにも酷過ぎて、懇意にしている按摩でも癒しきれないほど。結果按摩の達人の治療(物理)を喰らった際は、凝りこそ癒えたものの、その際に受けたあまりの激痛に「項羽様にしか聞かせたことが無いという情けない悲鳴」を上げてしまった模様である。
このメンタリティのためか人類の脅威レベルの厄ネタであっても自分や味方に関係ないのなら、放置しておく性質なようで異星の神の正体と為したことに気づいても放置したり、『フロムロストベルト』ではデイビットの背後に存在する物に気づいても関わるなと釘を刺す程度で済ませている。
活躍
自分の居場所を確保するため、表向きはクリプターとして始皇帝に接近。彼が戦争を決めれば戦略兵器である項羽が駆り出されるため、異聞帯闘争そのものに気づかせないよう、空想樹の存在を巧妙に隠していた。黙ったまま接していては嘘が露呈することを考えた彼女は、証拠を提示せず信用できない形で空想樹や剪定事象のことを報告。目論見通り、始皇帝はその事実を一笑に付した。
始皇帝の統治により極めて安定しているはずの世界がなぜか、異聞帯としては拡張の気配を全く見せていなかったのも、この工作に原因があったと思われる(この影響で空想樹が開花を終えているにも関わらず、お約束の種子との戦闘がない)。結果として工作は上手く行ったようで、クリプターの定例会議においては、始皇帝の異聞帯を「領土拡大に適していない」とまで言い切っていた。
カドック達がカルデアを倒せなかった事に憤っていたのも、彼らに来られると中国異聞帯に真実が漏れてしまう可能性があったためである。そして、中国異聞帯へとやって来たカルデアの面々と対決するが、流れで共闘していたコヤンスカヤが仕掛けた罠により重傷を負った事から、自らのサーヴァントである蘭陵王を捕食し、そのエネルギーによって真の姿である「虞美人」へと覚醒する。
後に始皇帝に身体データを提供した見返りに項羽を払い下げられ、共に異聞帯の片隅で終末まで生きてゆくことを考えるも、汎人類史における自分と虞美人の経緯を知って項羽は再び戦場へ。
最終的に項羽をカルデア側に倒されたことで完全に憎悪に染まり、空想樹に自らの生命力を捧げ主人公達を殺そうとするが、彼らの在り方を認めた始皇帝の援護もあり空想樹は切除されてしまった。生命力を使い果たした彼女は後悔から怨霊となりかけるが、そこで始皇帝の口八丁が始まる。
曰く「項羽を悲しませるような最後を遂げてしまうのが心残りならば、そうしないようにするのは簡単だ。かつての項羽の志を引継ぎ、人理を守る英霊となれば良い」「唯一項羽の真実を知る其方が座に入れば、その知識も座に持ち込まれ、項羽も人理の守護者として認められ英霊としての再会が叶うかも知れない」と。その場ではすぐ返事をせずにそのまま消えるものの、その後、彼女は英霊の座に登録され、人間を嫌いながらもかつての項羽と同じく人理を守る立場となったのだった。
続く2019年3月20日では、早々に彼女の「幕間の物語」が追加され、彼女のその後を描いた一種のアフターストーリーとなっている。まあ、後半の内容は何とも彼女らしいポンコツだった……
能力
戦闘時には真紅の魔力を纏う二振りの剣を振るい、不死者特有の捨て身と、精霊種特有の豪快な魔力放出を得意とする。その不死身と無尽蔵の出力故に、生半可な魔術師やサーヴァントでは到底太刀打ち出来る存在ではない。その一方で、不死身故に今まで自らの無事を気をする必要がなかったことや、誰かと共に戦う事が一切なかったという生涯を送ってきた弊害により、戦闘における技術面・集団戦闘における指揮や戦略の方は “ド” がつくほどの初心者レベルという欠点も抱えている。
コヤンスカヤからも「マスターとしての資質には乏しい」と称されており、自身の幕間ではこの欠点が色々と散々な形でクローズアップされている(その詳細はぜひその目で視聴して頂きたい)。
因みに、これだけ強力な存在ではあるのだが意外にも力の規模としては妖精・精霊の平均的なものであるらしく、妖精圏にて登場したモースと同程度とのこと。彼女が驚異的なのは出力である。
モーション中では、双剣を振るって斬り付けたり、赤い魔力の散弾を飛ばす他、遠隔操作して斬り刻む、ドリルのように旋回させて投げつける、頭上に放り投げて投下するなどの攻撃を見せる。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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藤丸立香 | C | A+ | D | A+ | E | C+ |
保有スキル
気配遮断(B) | アサシンのクラススキル。自身の気配を消す能力。加えて精霊種としての特性上、自然環境での効果は大幅に増幅され、逆に人工環境での効果は減衰する。 |
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受肉精霊(A) | 受肉した精霊種である事を表す。自然界とマナを共有出来る精霊種である為、魔力を自らの体内に蓄えるのでは無く、外界から無尽蔵に汲み上げる事が可能。ただし"人型"という形態に縛られている以上、供給は無限でも出力に限界があり、実際に行使出来る魔力量は人型の英霊としての領域に留まっている。 |
仙界羽人(A→A+) | 道教思想に語られるところの仙人であり、不老不死。その肉体を維持する為に自然界からの干渉が及ぶ為、結果として彼女は人型という形態に縛られているとも言える。彼女の肉体データは始皇帝の真人躯体の参考元ともなった。 |
吸血(C) | 動植物を問わずあらゆる生命体から一定量のエネルギーを剥奪し自身で利用する事が可能(噛みつかなくても可能)。厳密には吸血行動とは異なるが、この能力の為に吸血種として認識され、歴代の代行者達から迫害を受けてきた。 |
宝具
呪血尸解嘆歌(エターナル・ラメント)
- ランク:C+
- 種別:対軍宝具
- レンジ:1〜20
- 最大捕捉:100人
「泣いて許しを乞うが良い!」
「滅びを知るモノ、何れ安らぎを得る果報者達よ。我が羨望(せんぼう)!我が憎悪(ぞうお)!死の痛みを以って知るが良い!!」
自らの肉体を放棄することで限界を超えた魔力を暴走させ、呪詛による異常気象を引き起こした後、改めて肉体を再構成するという荒技。霊核を環境と共有している精霊種ならではの自爆技と言える。なお、肉体の再構成はあまり真面目にやるつもりが無いようで、宝具を使用するごとに体格が若干変動するのだとか。劇中では、自身の体組織を呪詛を凝縮した雨として降らせている。
詳細は該当記事を参照。
ゲーム上での性能
カードバランスは《Arts:1/Quick:2/Buster:2》。HPは13000と、☆5アサシンクラスであるクレオパトラとほぼ同等のレベルである。しかし一方でATKは8000に満たないという極端なHP偏重型である。
「受肉精霊」「吸血」という2つのNP獲得スキルを持ち、どの攻撃も多段ヒットするためNP効率が良く、宝具の撃ちやすさ、回転率は全体宝具持ちアサシンの中でもトップクラス。さらに「受肉精霊」及び「仙界羽人」はスキルマまで育てるとCTの切れ目無しで使えるので継続的な耐久力及びNP獲得量は全鯖の中でも上位に入るだろう。宝具のバスターアップも「魔力放出」並みの上昇値を誇り、弱体解除があるのでデバフにも強く防御無視もあるので確実に大ダメージを叩き込める。
しかし宝具発動時に、自分に付与されているバフを消してしまうという非常に重いデメリットがある。今の『FGO』はサポーターのバフを集めて殴る、という戦い方が主流でありそのお約束に真っ向から反している。強化解除後にかかるBusrer性能アップ自体は「魔力放出」スキルに匹敵する強化率を誇るため、スターを量産したのちに宝具+BB→EXでそれなりの爆発力は発揮できる。
一応「仙界羽人」のスキルレベルを上げればそのデメリットを踏み倒せるようになるが、そうするには「仙界羽人」をLV10にする必要があるので育成にかかるコストが非常に重く、その強化解除耐性も1ターンしか継続しないため味方バッファーか自分自身どちらかの動きを大きく制限してしまう。スキルLV上げの素材も、第2部3章実装の「閑古鈴」「暁光炉心」に加えて、需要の多い「虚影の塵」「宵哭きの鉄杭」と重いラインナップなのも辛い所である。2020年8月7日に虞美人強化クエストで「仙界羽人」の強化解除耐性が3ターンに増加、攻撃力アップ3ターンが追加された。これにより火力も幾分改善され、更に強化解除耐性が3ターンに伸びたおかげで宝具の連射がやりやすくなったのはもちろん敵の強化解除に対して強気に出れるようになり、使い勝手はかなりよくなった。
紅閻魔・紫式部・セミラミスといったサーヴァントが仲間にいればスキルや宝具で強化解除耐性を付与できるため、デメリットの対策になる。詳細は同じく強化解除が天敵の彼女の項目を参照。
それに加えてATKが極端に低く、アサシンのダメージ下降補正も相まって素殴りの威力が非常に低い。宝具のバスターアップ倍率は高いが、自分のATKに引っ張られるせいで宝具威力自体は伸びにくいのも難点と言える。ただし、スキルや魔術礼装による「オーバーチャージの段階アップ」および「スター集中」に限り、宝具での強化解除発動前に問題なく機能するという抜け道が存在する。
総括すると耐久しながら宝具を回転させることに特化した全体アタッカーで本領発揮にはスキルレベルをかなり上げてやる必要がある大器晩成型。上手くやれば全体宝具をブン回して連打するというド派手な戦い方を堪能できるのだが動かし方が非常に難しく、低ATKな上に味方の補助を受けにくいせいで火力を出しづらいのが難点と言える。単騎の方が活躍できるのは描写通りだろうか。
2つのNP獲得スキルを持つので宝具の発動自体はしやすく、周回適性はそれなりなもの。高難度においては宝具の回転率、デバフに滅法強い点は評価できるがやはり火力面が足を引っ張る、という見方が主流である。概念礼装(黒の聖杯など)でテコ入れしてあげるのが一番堅実だろうか。
ボスとして
LB3で敵対する際にはスタンを無効化する耐性を持ち、チャージ増加スキルを二つも持つため宝具使用のターンの計算が難しい難敵。本編中で2度戦う機会があるがどちらも特殊スキルでの補強やチームを組むサーヴァントの存在も相まってLB3攻略での難所とされている。魔性特性を持つので魔性特攻を持つサーヴァントをぶつけてもいいだろう。特に、本編配信直前のイベントで配布された護法少女は魔性特攻スキルと強力な単体宝具の持ち主であるため、心強い味方になってくれる。
- 1戦目
HPは約67万で、特殊スキル「地精吸引」を使って毎ターン宝具を撃ってくる。コヤンスカヤが味方に毎ターンガッツをかけてくれるのだが、蘇生後のHPは10%しかないため、追加効果の呪いによるスリップダメージに耐えられない。1ゲージ破壊すれば戦闘終了となるため、とにかく速攻で倒す事を心掛けたい。殿の面々に指令紋章「コード:キュアー」を付けまくれば、確実に倒せるだろう。
- 2戦目
終盤のボスラッシュの次鋒で、項羽とタッグを組んで戦いを挑んでくる。
宝具回転の早い彼女と高火力バーサーカーである項羽が並んでいるというだけでも厄介なのだが、自身か項羽のHPゲージが1回ブレイクされると項羽に5ターンの間クラス相性不利を打ち消す状態を付与する「外法・転変万華」を使って援護するため、速攻をかけるのが難しい。項羽の方もブレイクスキルによって、5ターンの間通常攻撃時にスキル封印や宝具封印を掛けるようになる事から、安定した戦略は望めないため、令呪や聖晶石によるコンティニューも視野に入れるべきだろう。
全体攻撃宝具のキャスターで彼女の方を優先しつつ項羽も削っていくというのが基本。
後衛には、項羽対策でフォーリナークラスや男性特攻持ちを置いておくと良いだろう。
バリエーション
2020年水着イベント『サーヴァント・サマーキャンプ!』では、ランサーにクラスチェンジして水着姿で登場。芥ヒナコ時と同じツインテール姿となっている。詳細は該当記事を参照のこと。
関連人物
生前
長きに渡り愛する男。彼女の逸話は、そのほぼ全てが項羽との愛の物語となっている。
永き時を生きる中で極度の人間嫌いであった虞美人だが、彼とは同じ「人ならざる者」同士として想いを寄せ合い、永い時の中でその愛を貫き通していた。彼女の根本的な行動理由はほぼ彼の為であり、クリプターとして参加したことも始皇帝の元に下ったのも全て彼への想いが原因である。
サーヴァントにライダークラスを希望していたのは、項羽を召喚するつもりだった為。彼女を寵愛した汎人類史の項羽は「人型」であったことから有名な愛馬の関連で「ライダー」クラスと判断したのかも知れないが、項羽が英霊の座に登録されていなかった為に召喚できなかった。その後始皇帝の最後の言葉通り、彼女が英霊となることで初めて項羽も英霊の座に記録されることになる。
サーヴァント化し、カルデアに召喚される項羽は姿や戦闘能力こそ異聞帯由来であるものの、そのベースは汎人類史の彼であり、互いに再会を心より喜び合うマイルームボイスは必聴ものである。
汎人類史における項羽の死後に知り合った知己。どういう経緯かは未だに不明である。
クリプターとしてサーヴァントを使役するにあたり、数ある英霊の中から召喚できなかった項羽に代わり彼を選んだ。生前より面識があり、主君の命令で毒を飲み自害した際、その死を看取った。
人外である自分を恐れるどころか「面白い方」と逆に好意的に接するという、呆れる程にお人好しな人柄から、人間嫌いの虞美人も蘭陵王は信頼しており、カルデアに来てからも気軽に声をかけられる数少ない存在である。人間を貶す発言をした際も生前守る国や民を持っていた彼の立場には配慮し謝罪するなど誠意を見せていた他、自身の大雑把さを案じての小言も渋々聞き入れている。
実は以前から、度々閻魔亭に訪れていたことがあるらしく、顔見知りの間柄であった。
人ならざる者同士気が合うのか、人間嫌いが大爆発している彼女が気を許せる数少ない相手。
彼女の事を「えんまちゃん」と呼んでいる等、丁稚の雀達も含めてかなり親しい友人である様子。
項羽と出会う以前の知り合いであり、信奉者。別れの挨拶をする仲ではあったらしい。
彼女からは「ぐっ様」と呼ばれており、虞美人に死を与えるために研究を重ねていた。
Fate/Grand Order
カルデアのマスターとして敵対した人物。そして、カルデア職員としての後輩にあたる。
理不尽上等の相当な敵意を向けている。今まで何だかんだ多くの敵と闘い、道を交えてきた主人公だったが、ここまで対話も理解もなく殺意のみに終始した態度をとったのは彼女が初であった。
カルデアに召喚された際は、半ばヤケクソじみた態度で契約を結ぶが、態度は敵対時よりも柔らかくなる。だがマスターとサーヴァントという一種の上下関係には不満があるようで、(すでに崩壊した)組織内序列では自分の方が「先輩」だと主張してくる。上司や後輩には恵まれていたが、先輩という立場の人物は今まで居なかった彼/彼女にとっては、ある意味新鮮と言えるのかもしれない。
同じ人間嫌いであるため向こうは非常に馴れ馴れしく接している。だが虞美人の方は、その傍迷惑かつ不謹慎な行動の数々にかなりイラついており、一度出禁を命じるもまるで聴き入れなかった。
一方で真の力を出した時の危険性については理解しており、彼女との戦いでは慢心が消えていた。
中国異聞帯の王で一応の協力者。キリシュタリアの「芥が彼の話をするときはポーカーフェイスを崩し、ため息をつくほどの人物」という評通りの大人物で、劇中では一貫して虞美人を翻弄する。
その為かカルデアで再会すると、異聞帯から徒歩で来たというそのトンデモぶりに驚愕する。
他者との関係を絶っていた中で、唯一本を閉じて話をしたとされているクリプター。
一族に由来する独自の観察眼によって、ヒナコが人間でない事を当初から察していた。
ただしそれ以上を追求する気は無かった為、詳しい素性までは把握していなかった模様。
クリプターのリーダーだが、あまり接点はなかった。が、ある出来事の中で正体を知った際に「まさかアレだったなんて」と酷く狼狽された。また吸血種という事で流水を渡れないのではと心配されていた(もちろん虞美人は渡れる)。またその際「昔の知人に似ている」「飽きるまでは人理修復に付き合ってやる」と面と向かって言うなど人間嫌いな彼女としてはかなり高い評価を出した。
同じく人外仲間である鬼種系サーヴァント。日本出身なので「大和の鬼」と呼んでいる。
人間に仇をなす存在でありながら、人理を守るカルデアにいることを訝しんでいる様子。
自身の幕間の物語において「人間よりも神霊の方が相談しやすい」と、マスターとの距離感とカルデアでの立ち位置を考える上で相談した、3人の神霊(女神)サーヴァント達(人間を依代にした擬似サーヴァントだが)。3人は虞美人にアドバイザーとしてうってつけの人物を紹介するのだが……
上記の3人が満場一致で推薦したアドバイザー。なお、その後で3人はお仕置きされた模様。
確かに生前や過去に英霊として召喚された経験などを考慮すれば適任なのだが、どう見ても女神でなく依り代の推薦です、本当にありがとうございました。エミヤ本人はドッキリかと困惑した。
こちらは別の並行世界において、人間を装いつつ身分を偽っていたサーヴァント。
人間に失望したという点も共通するが、お互いの性格上、相性は悪いと思われる。
それぞれ、元Aチームと深く関わることとなった「ガイアの怪物」と「精霊」達。
また、フォウについてはその正体を見破っていたあたり、流石はパイセンである。
主人公が来る前からカルデアに所属していた者同士で、実は色々と共通点の多かった人物。
ヒナコの側が他人を遠ざけていた事もあって互いの正体に気づく事は無かったようだが、この事実によって一部のプレイヤーがマリスビリー及びカルデアという組織への疑惑を更に深めてもいる。
カルデアの初代所長であり、自らの正体を知りつつもスカウトしに来た人物。
彼女も最初の認識は「幾度となく関わって来た智の亡者」であり、当然信用などしていなかった。上記の発言も虚言なのは分かっていたのだが、彼に牙を剥き、爪で引き裂いてやるには自分はもうあまりにも疲れすぎていた事。そして彼の言葉が真であれ嘘であれ、その指摘は正鵠を得ている事。彼曰く「この一世紀は君にとっては悪夢だったはずだろう、そして次の一世紀を経た先にはもはや隠遁の場所など地上には見当たらないだろう」ということもあって、そのスカウトに応じた。
その他
十二世紀頃に作られた真祖の姫なのだが、性格は虞美人と正反対の気まぐれであーぱー。
こちらはヒトの形をしたヒト以上の力を持つ男性との出会い(と十七分割された責任)によって、人間側に友好的な存在になった精霊種である。また、基本的に不死身な点でも共通している。
かつて山嶺法廷から追放された仙人であり、十官の番外。面識があるのかまでは不明だが、タンゲレによる攻撃を受け止めた際に「項羽の剛力はこの程度ではなかったぞ。虞ならば、もっと興趣をそそるいなしかたをしただろうさ」と、彼らを知っているかのような言葉を投げかけている。
余談
ファンからの愛称は劇中でも度々呼ばれている「ぐっちゃん」。
なじみである閻魔亭の雀たちは実際にこの愛称で呼んでいるようで、半ば公式でもある。
またはそれから派生した「ぐっさん」、主人公への先輩風から「パイセン」などが主流。
クリプターとしては初の、大令呪(シリウスライト)について一切触れないまま退場したメンバーとなったが、後にYouTubeの特番において、奈須きのこ氏直々に「不要な異物としか感じなかった為、早々に自分で切除した」ことが明かされた。少なくとも、大令呪はカルデアの残存技術ではどうやっても摘出できないものらしく、改めて生命としてのスケールが違う事を思い知らされる。
ネタバレの塊の存在ではあるのだが、彼女は第2部3章をクリア後にストーリーガチャに追加される、いわゆるスト限枠の鯖であるため、普通ならこれをクリアした後にしか召喚する手段がない。
が、何事にも抜け道はあるもので、彼女が含まれるPUガチャ及びクラス別PUなどであれば人理修復前のマスターでも彼女を召喚できてしまう。勿論そのまま一緒に人理を修復することも可能。
見方を変えれば、2019年春時点においてはAチームで唯一、人理修復の旅に出れるということでもある(英霊の“座”には時間の概念が存在しないから召喚可能、という言い訳も一応は通じる)。
第2部のシナリオを知らないマスター&ヒナコとの面識が無かった主人公はいいのだが、問題はロマニ以下カルデア所員である。何せヒナコ本人は所員達と面識があるうえ第1部~1.5部においてはレフ・ライノールのテロによりコフィンの中で凍結中。そんな中でヒナコ当人が英霊として召喚されるのである。気まずいなんてレベルではない(ただ彼女はまだマシな方で、最近になって気まずいでは済まされないレベルのやべえ奴との人理修復の旅に出られる可能性が出てきてしまった)。
なお彼女自身LB3までの記憶を保有した状態で現界しており、カルデアの事情も完全に把握している。英霊として唯一クリプター陣営から舞い戻ってきた彼女を見てマスター初め所員達がどんなリアクションをしたのか、そして彼女はカルデアでどういう風にして過ごすのか、興味は尽きない。
さらに、年に1回行われている☆4サーヴァントの無料配布キャンペーンでも入手できる。
しかも初めて配布対象になった1800万DLキャンペーンが2019年12月配信のLB5の約1ヶ月前というタイミングだったために「無料配布クリプターパイセン」などの形で盛大にネタにされてしまい「ぐっちゃん」がTwitterのトレンド入りをするという事態になった。ある意味彼女らしいか……
ストーリーのシナリオ担当が『Fate/Zero』の執筆を担当した「あの」虚淵玄であり、しかも前ストーリーのクリプターは最終的に死亡したため、ヒナコの行く末は死にオチでも生ぬるいものになるのでは……?と多くのマスターは案じていた。が、ヒナコ=虞美人はビターな目にはあったものの、最終的にはまさかのカルデア陣営に加わる形となり、胸をなでおろしたファンも多かった。
サーヴァント化したことでクリプターでは唯一イベントへの出演が叶ったことで、彼女がある程度救われる形になったことはほぼ固まったと言える……が、出る度にポンコツ度が増していくと評判。幕間の物語でスパルタクスや赤兎馬が冷静にツッコミにまわっている時点でお察しである。
pixivではネタとして、カルデアに召喚された後に項羽との再会を願って主人公にガチャを引かせる姿や、項羽が絡むと途端にポンコツになる姿が描かれることも……大晦日に放送された特番アニメでは、アイキャッチ時のイラストで彼女がガチャで爆死をしている。無論彼女がそこまでして狙うサーヴァント等項羽以外いないわけなので……この扱いは担当絵師も公認のネタだったりする。
さらに2000万DLキャンペーンにおいて恒常☆5サーヴァントの無料配布が行われることが発表された際には、主人公に項羽を貰うように色んな手段であがく彼女が様々な場所で描かれたのだった。
人理修復の適性
ヒナコ改め虞美人も人理修復の適性は低く早期に脱落するメンバーの1人としてあげられている。彼女の人物像から、マスターとしての指揮能力の低さかやる気の無さの何れかが原因と思われる。
関連イラスト
再臨状態(特に未再臨~第1再臨)で見た目が大きく変わるため、人によって描かれている姿が異なる。未再臨では「芥ヒナコ」の面影を残す眼鏡に三つ編み姿をしており、インナーを着ている。
そして再臨後は大胆にもインナーがなくなり、髪は解かれて眼鏡もなくなる。扇情的でありながら美しいこの容姿が「虞美人」としての本来の姿となる。この格好について本人は「正体バレてるんだから変装しなくていい」と開き直っているらしいが、自身の幕間の物語において蘭陵王からは現代に応じた格好をするようにと忠告(というより露出が高くて慎みが無いと注意)されている。
関連タグ
Fate/GrandOrder アサシン(Fate)Cosmos_in_the_Lostbelt 人智統合真国シン
別名を「虞美人草」といい、漢字では「雛芥子」と書くため、偽名の「芥ヒナコ」の元ネタと思われる。吸血鬼の数ある特徴の1つとして「元の身分に縛られる」というものがあり、偽名は本名と簡単に結び付けられるアナグラムや、捩り程度のものしか名乗れない吸血鬼は多い。伝承では項羽のために命を絶った虞美人の亡骸の近くに咲いたことから「虞美人草」の異名がついたという。その花言葉は「別れの悲しみ」「七色の恋」等。