「せっしゃ食い物ではござらん!!食われるくらいなら食ろうてやる!!!」
「ひかえおろーーー!!!」
「"モモ"は…"天下無敵"をあらわすことば!!」
「……!!拙者の名は!!!」
「光月モモの助!!!ワノ国の"将軍"になる男でござる!!!」
「ルフィは!!必ず勝つ!!!」
※この記事は単行本未収録のネタバレ情報を含みます。 |
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概要
モンキー・D・ルフィ率いる麦わらの一味が“新世界”のパンクハザードで出会った鎖国国家「ワノ国」出身の少年。
登場当初は目立った活躍こそ少なかったもののゾウ編でその正体がワノ国の郷「九里」の大名にして、元ロジャー海賊団の船員である光月おでんの息子であることが明かされる。その後も徐々に詳細が明かされていき、ワノ国編では物語の中心人物になった。
まだ幼いために未熟と言える部分が多々あるが、本人もそれを自覚しており精神的・肉体的に奮闘を重ねている。
プロフィール
本名 | 光月モモの助 |
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年齢 | 8歳→28歳(身体のみ) |
身長 | 110cm→不明 |
肩書き | 元麦わらの一味、ワノ国九里大名跡取り→ワノ国将軍 |
悪魔の実 | 人造ウオウオの実 モデル“青龍”(動物系幻獣種)失敗作 |
覇気 | 見聞色 |
武器 | 大業物「天羽々斬」 |
出身地 | モビー・ディック号 船上(育ちは偉大なる航路 新世界 ワノ国 九里) |
誕生日 | 10月7日(桃太郎の日) |
星座 | てんびん座 |
血液型 | X型 |
好物 | 白桃、おでん |
初登場 | 単行本69巻 第684話『やめるんだベガパンク』 |
CV | 折笠愛→下野紘(成人期) |
人物
容姿
三白眼に薄い眉毛が特徴の少年。青みの残る月代に黒髪の茶筅髷を結っている。衣装は桃の実や花が描かれたピンク色の着流し姿。
しのぶのジュクジュクの能力によって身体を成熟させた時の姿は父・おでんを髣髴とさせる屈強な体つきと精悍な顔立ちで、腰辺りまで伸びた黒いザンバラの長髪をなびかせ、身長もルフィを見下ろせるくらいかなりの長身になった。
言動
一人称は「せっしゃ」(覚悟を決めた時などでは漢字になる)で、語尾に「ござる」を付けて話す。
父である光月おでんはまさに豪放な傑物だったが、モモの助自身はどちらかといえば家来の錦えもんに似ており、侍らしさを強調したような性格でかなりの頑固者。当初は恩人であるルフィたちに対しても傲慢な態度が目立ち、彼らの言動の節々に「無礼者!」と怒って(文字通り)噛み付いたりしていた。
また幼い子どもであるが故に未熟な面があり、自身や仲間の命運がかかった選択の前では「無理でござる!!」の一点張りをすることもあった。
スケベ
一方で、8歳にしてかなりのスケベであり、自分が小さく幼い事をいい事に、何かに付けてナミやロビンの胸元や太ももに抱きついたり、一緒に風呂に入ったりしている(このときの彼の表情はとてつもないゲス顔をしている)。同じくスケベなサンジやブルック、錦えもんの3人からはその都度(嫉妬による私怨も含めて)叱責の言葉が飛んでいる。こうした好色な面は、彼よりも幼いころ遊郭に入り浸りだったという実父からの遺伝なのだろうか…。
親睦
一方で、その心根には大名家の跡取りとしての責任感や優しさも持ち合わせており、パンクハザードでは頑なに食事を拒む自分に対しても親身に接しようとしていた子供の身を案じ、イヌアラシ・ネコマムシの二人がいがみ合う様に我が事のように心を痛め仲裁に入るといった行動に現れている。ルフィたちとの旅を通して彼らに心を開いてからは、年相応に無邪気な笑顔を見せることも多くなった。
また、ルフィを通して知り合ったワノ国の少女・お玉とは心身の年齢が近いことから仲の良い友達となっている様である。
侍として
また幼いゆえカイドウの襲撃やドフラミンゴの凶行、両親との死別などトラウマは多くあり、ときには家臣以外の他者になかなか心を開かず、ときにはトラウマを想起させる物事の前に泣き崩れた。それでも光月跡取りの息子として「侍」であらんと気丈に振る舞い、行動や責任を常に心がけている。また、亡き両親の仇を討てるよう強くなるために日々剣術の修行に励んでいるなど、強い〝信念〟の持ち主でもある。
将来性
頑固な上に女好きでお調子者ともとれる部分はあるが、何だかんだで優しさや真っ直ぐさ、そしてしっかり責任感を持ち合わせているため、今は年相応に未熟でも大成する可能性は十分にあると言えるだろう。
能力
悪魔の実
桃色の東洋龍に変身できる。後述にある体格変化から鑑みて、能力者の肉体年齢に合わせた龍へ変身するようで、初登場時は小型の子龍だった。大きさや角の形状などに差異があるも、その姿は奇しくも両親の仇でもあるカイドウと酷似しており、モモの助本人や家臣たちもその姿に複雑な心境を抱えている。忌避感を抱いているため能力は不安定で何度も情緒不安定時に変身してしまっている。
…一方でルフィたちからは、小さすぎるため「ウナギ」と思われることも。
まだ自分で制御できず自覚もないが、自分の周囲に雲「焔雲」を出現させ、それをつかむことで空中を移動することが出来る。曲がりなりにも身体強化される動物系ゆえか大人でも一人くらいなら飛行してなくても乗せて運ぶことは一応可能。
しかし、子どもということもあり実力と練度は不十分であるため、能力を使用できる幅も狭く、その強さもカイドウのウオウオの実の能力程に発揮できるわけではない。
また、動物系の特徴の1つである人獣型に変身したことはない。
この実の正体は、ベガパンクがカイドウの「血統因子」から作り出した「ウオウオの実 モデル“青龍”」のコピー「人造ウオウオの実」である。世界政府から引き渡しを要請されたが、完璧主義なベガパンクは色が違うというだけの理由で「失敗作」と断言。パンクハザードに死蔵されていた。
鬼ヶ島討ち入りの終盤にて、ルフィの頼みに応えるべく家臣であるしのぶの能力で肉体を28歳のものまで成長させたことで、カイドウを連想させる巨大な龍に変身できるようになった。また、当初は出来ることが増えたわけではなかったが、規模が桁違いになっている。
その後、焔雲の生成に成功し鬼ヶ島の墜落による被害を防いだ他、緑牛との戦闘で熱息(ボロブレス)の発動にも成功している。
基礎戦闘力
子供であるため未だ充分に戦うことは出来ないが、両親の仇を討つ一心で剣術修行に励んでいる。麦わらの一味との航海中はゾロから多少なり指南を受けていたようで、彼の教えに従い「スナッチ」という掛け声で素振りをするようになった…が、後にワノ国で再会したお菊からはその掛け声を止めるように注意されてしまった。大人に成長した後は、耐久力が格段に上がっており滅多な事では痛みを感じなくなっている。
覇気
基本的な2種類の覇気(武装色・見聞色)の中でも、見聞色を持っている。見聞色の中でも人の"声"を察知する能力が高く、その精度はヤマトの見聞色を上回る。実際、共に行動していた際にヤマトはモモの助に屋上にいるルフィの状態を確認していた。
特殊な力
ルフィや魚人島のしらほしと同様、本来喋るはずのないものの声を聞き、会話するという(返事の方はルフィは未だできない)特殊能力がある。かつて実父・おでんも、深海の海王類や象主の声を潜在的に聞きとっており、遺伝によるものなのか否かは今の所不明瞭である。
過去
誕生〜両親との別れ
28年前、光月おでんがワノ国を出国し、最初に上陸した島で光月トキと出会ってから2年経ったある日、2人が乗船した白ひげ海賊団の母船であるモビー・ディック号で誕生する。白ひげ海賊団の面々からは「たまご」や「こんぶ」といった珍妙な名前が候補に挙がるが、父おでんは"天下無敵"を表す"モモ"という単語が入った"モモの助"という名前を名付けた。
出生から2年後には妹である日和も産まれ、白ひげ海賊団とともに航海を続けていたが、ある日上陸した島でおでんは後の〝海賊王〟ゴール・D・ロジャーと出会い、彼のスカウトもあっておでんはロジャー海賊団に移籍。この決断に伴ってモモの助も母のトキと日和とともにロジャー海賊団に籍を移し、新たなる航海を開始。
上空10000mにある空島スカイピア、まだ海列車が開通していなかったウォーターセブン、シャボンディ諸島、海底10000mにある魚人族が暮らす魚人島などに上陸し、世界の広さを体感する濃厚な冒険を続けていたが、ワノ国の海域に差し掛かったところでトキが病に倒れてしまい、船医クロッカスからこれ以上の航海は不可能と診断されてしまう。モモの助はトキと日和、そして家臣としておでんに同行していたイヌアラシとネコマムシとともにワノ国で船を降りることになった。そして父・おでんとは、母・トキの強い進めもあって航海を続ける事から、しばしの別れとなりワノ国で帰りを待つ事にもなった。
しかし、その頃ワノ国は既にカイドウ及び黒炭オロチの手によって荒廃し始めており、光月家転覆を目論むオロチに命を狙われることになってしまう。
25年前にロジャー海賊団はラフテルに上陸し、解散したことで世界のすべてを知ったおでんがワノ国に帰還。国中の民衆はおでんならばオロチの圧政を終わらせてくれるという期待を抱いていたが、国すべてを人質に取られたおでんは裸踊りで犠牲者が出ることを阻止することしかできず、何も事情を知らない民衆は怒りを募らせ、結果モモの助は「バカ殿の息子」、「うつけ者」と嘲られることになった。
20年前、約束を破棄されたことで遂に怒りを爆発させたおでんは家臣と共にカイドウを討とうとするものの、黒炭ひぐらしがマネマネの実の能力でモモの助の姿のコピーを取っていたことが原因で敗北してしまい、その戦の3日後には家臣全員の命を救った上で殺害されてしまう。そして光月家を完全に滅ぼすことを目論んだカイドウは次の標的としてモモの助を狙い、九里のおでん城を襲撃。
この際、モモの助はカイドウに名を尋ねられるも恐怖のあまり名乗ることができず、結果殺されることはなかったものの燃え盛る城に放置されてしまう。
その後、モモの助はトキに駆けつけた錦えもんたちと共に、トキの能力・トキトキの実で20年後の未来に飛び、光月家を再興するよう頼まれる。当初は自身が子どもであることを理由に「無理でござる」の一点張りをしていたが、錦えもんの説得もあり20年後に行くことを決意。
結果としてモモの助自身は助かったものの、これはたった1日の間に妹・日和と引き離され、両親と別れる辛苦の一人立ちであり、この時はまだ不安事項の多い過酷な未来を歩み始めるのだった。
ゾウを目指して
20年後のワノ国に到着後、建てられた自身の墓及びワノ国の現状を把握し、僅かながらもまだ光月家の味方はいることが判明。更にモモの助はおでんが生前にゾウのミンク族は光月家の兄弟分であると話していたことから、ワノ国を取り返す戦の助太刀を要請すべくゾウに向かうことを決意。共にタイムスリップしてきた4人の家臣の内、菊の丞を敵の情報収集のためにワノ国に残し、錦えもん、カン十郎、雷ぞうと共に出国。この際、敵を少しでも減らすべく、モモの助は錦えもんと親子である芝居をすることになった。
しかし出航時に敵に見つかったことで追われることになってしまい、更にゾウにたどり着く前に船が大破し、雷ぞうと離別。その後流れ着いたドレスローザにはカイドウと通じていたドンキホーテ・ドフラミンゴがおり、モモの助はパンクハザード行きのタンカーに誤って1人で乗船してしまい、錦えもんとカン十郎とも逸れることになってしまった。
更にたどり着いたパンクハザードではシーザー・クラウンが誘拐した子供たちを実験体として扱う惨状を目の当たりにし、逃げ出そうとする中で空腹のあまりベガパンクの失敗作である人造悪魔の実を口にしてしまい、皮肉にも自身が憎むカイドウと同じ龍に変身する能力が身についてしまう。そして混乱する中深く掘られたゴミ箱に誤って落下してしまい、脱出することもできず、助けも来ない日々を過ごすことになった。
活躍
最後の海 新世界編
パンクハザード編〜ドレスローザ編
シーザーの秘書モネと交戦の末に誤ってゴミ箱に落下してきたルフィと邂逅。当初ルフィが海賊と名乗ったことで警戒するもカイドウのような圧倒的な恐怖を感じなかったモモの助は嘘だと判断した。その後もルフィと会話を交わす中でシーザーの悪行の数々を打ち明け、ルフィがゴミ箱を脱出しようとした際には無意識に焔雲を生み出して空を駆け抜け、共に脱出。ルフィがシーザーと対峙した際には茶ひげの側でシーザー撃破の瞬間を見届けた。
研究所脱出後、自身を助けに来ていた錦えもんと再会。本来の身分及び現在の立場を隠す演技を続けつつも歓喜の涙を流した。そしてルフィ率いる麦わらの一味は海賊であれどカイドウのような悪人ではないと錦えもんに教えられたことで落ち着きを取り戻し、笑顔を見せるようになった。
その後、カン十郎を助けにドレスローザに戻るべく錦えもんと共に麦わらの一味の船に乗船し、パンクハザードを出航した。
ドレスローザに向かう航海の最中には子どもの特権を存分に発揮し、サンジ、ブルック、錦えもんのスケベ3人組から羨ましがられる行為を次々と行っていた。
翌日、ドレスローザにたどり着くがモモの助はサニー号で留守番をすることになる。しばらくは同じく留守番で残っていたナミたちと微笑ましい遊びをしていたが、突如ドンキホーテ海賊団のトレーボル軍の一員ジョーラが襲来し、全身を能力でアート状態に変化させられてしまう。更にサニー号もアートになってしまい状況は悪化するものの、ブルックが機転を利かせたことでジョーラを撃破。変化は解除され、自身も仕返しと言わんばかりに竹刀でジョーラに一撃打ち込んだ。
ドフラミンゴの七武海脱退が偽装であったことが明らかになり、更にビッグ・マム海賊団の海賊船が出現した際にはナミがルフィに進言したことで、モモの助はサンジが統率するぐるわらの一味及び人質として捕らえたシーザーと共にゾウに先行することになった。
ゾウ編
ドレスローザ出航後、ビッグ・マム海賊団の追撃を躱し切り、翌日には無事にゾウに到着。しかし巨大な象の背にあるモコモ公国は旱害のジャック率いる百獣海賊団の一部隊の魔の手によって崩壊していた。しかしジャック本人はもう国を出ていたこと、残っていた真打ちのシープスヘッドをサンジが容易く撃破したことで事態は好転し、更にシーザーが毒ガスを中和し、チョッパーの指示のもとぐるわらの一味総出でミンク族の救護活動をしたことで事態は収まった。
事態収束後、モモの助は錦えもんたちが合流するまで正体を隠すため、そして心が落ち着かない現状に違和感を覚え1人部屋に籠もることを選択。そのためサンジがビッグ・マム海賊団に連れ去られる現場にはいなかった。
ルフィ一行が到着した翌日、錦えもんがドレスローザで無事に合流したカン十郎と共にモコモ公国に到着したことでモモの助も外に出て合流。
そしてイヌアラシとネコマムシが一触即発の状態になっていたところに現れ、仲裁。この場で雷ぞうの安否を確認し、同時に麦わらの一味に自身の正体が錦えもんではなく九里大名であった光月おでんの跡取りであることを明かした。
その後、くじらの樹の中で雷ぞうと再会し、錦えもんたちの口から麦わらの一味及びローに対してワノ国の現状が説明される。そして錦えもんはルフィとローにワノ国を取り返す戦いの助太刀を要請するが、ルフィはこの頼みを一度拒否し、侍たちの大将であるモモの助に言うよう促す。
「カイドウを倒しだい!!!」
モモの助は勇気を振り絞って助太刀を要請する言葉を発し、満足したルフィはそれを承諾。麦わらの一味・ハートの海賊団・ミンク族・ワノ国の侍たちによる忍者海賊ミンク侍同盟が結成された。
その後、同盟の今後の行動方針を練る中でモコモ公国を滅ぼしたジャックが再びゾウ目前まで襲来。だが、その時モモの助はルフィと共に象主の声を聞く。
その中で象主は大昔に罪を犯したために歩くことしか許されていないことを知らされ、同時にこの状況を打開するために一度だけ敵を攻撃する許可を求められる。モモの助は混乱するも、ルフィはモモの助の声しか届かないと察し、モモの助に指示を出すよう促す。そしてモモの助は象主に対してジャックを追い払うよう命令を出し、象主は自身の鼻を大きく振りかぶり、大幹部であるジャックを含めた百獣海賊団の船員とその船数隻を一度の攻撃で沈めた。
この一連の騒動で何故自身の声だけが象主に届いたのか疑問に思ったモモの助は錦えもんにしばらくゾウに残留させてほしいと頼み込む。しばらくゾウを護らなければならないと感じていたイヌアラシの口添えもあり、モモの助はゾウに残ることになり、同盟は「ワノ国先行チーム」、「不死鳥マルコ探索チーム」、「サンジ奪還チーム」、「ゾウ残留チーム」の四手に分かれることになった。
ワノ国編
第一幕
「ゾウ残留チーム」はワノ国に2番目に到着。モモの助は再会した錦えもん及びハートの海賊団と共に本拠地と定めた九里のおでん城跡地で潜伏生活を送る。
「サンジ奪還チーム」が目的を果たしてワノ国に到着したあとは本拠地で成り行きでルフィと共に行動していたお菊と再会し、自分たちが20年前のワノ国からタイムスリップしてきたことと、20年前に起きた惨劇について錦えもんと共に語る。
その後ルフィが合流前に起こした騒動を聞いたカイドウが突如九里に襲来。カイドウの熱息によっておでん城跡地は更に破壊され、ルフィもカイドウに一撃で沈められてしまったものの、モモの助はカイドウに見つかることなく無事にその場をやり過ごすことに成功した。
第二幕
錦えもんが発見した家臣のアシュラ童子と再会するも、ただただ衰退の一途を辿る20年を過ごしてきた彼からは「光月家が20年間ワノ国を捨てていたブランクは戻らない」と吐き捨てられてしまう。
アシュラ童子と別れた後はお菊と共に編笠村に赴き、既に崩壊している村で暮らすくの一志望の少女お玉と親交を深める。この際妹である日和について尋ねられたが、モモの助は誰もが死体を確認したわけではないことから生存していることを信じてはいるものの、危険の渦中にいる自分達が日和に接触すればその命が危ないことから、あえて日和を探すことはせず、決戦で勝つまでは会わないという意志を示した。
その日の夜、九里ヶ浜に記憶喪失を起こしたビッグ・マムが漂着。共に行動していたチョッパーは警戒するも、モモの助とお玉は兎丼に収監されたルフィを救出する好機と捉え、翌日にはビッグ・マムを連れて兎丼に向かうことになる。
やがてたどり着いた囚人採掘場では敵に見つかることを避けるため最初は龍の状態で外にいたが、お玉が突入したのと同時に採掘場に突入。ルフィたちが採掘場を制圧したあと、囚人たちはルフィが海賊であると知り反感を持つも、モモの助が現れたことでその疑いを晴らし、戦の先にある希望を見出した。
ルフィが修行のために採掘場に残る中、モモの助は討ち入りの最終確認のために雷ぞう、お菊と共に先に編笠村に帰還する。この際、天狗山飛徹から生前のおでんが愛用して二本の大刀のうちの一振り「天羽々斬」を見せられるも、モモの助はまだ預かっていてほしいと伝えた。一方、もう一振りの「閻魔」は鈴後に身を隠した日和の意向もあってゾロに継承された。そして3日間経過したあと、討ち入りのために編笠村を出発し、同志たちの集合場所である兎丼の常影港に向かった。
第三幕
赤鞘の侍たち及びしのぶと共に常影港に到着するも、天候が大荒れのうえに港には破壊の跡があり、更に4200人の同志たちとその全員が乗れる船がまったく現れず、孤立無援の絶望を味わうことになる。モモの助は日を改めようと進言するものの、もう潜伏生活を続けるのは不可能と感じていた錦えもんたちはこの進言を棄却し、たまたま置いてあった小舟で荒れる海に飛び出して鬼ヶ島に向かおうとする。
その後、長い間行動を共にしていたカン十郎が敵の内通者であることが発覚し、モモの助はカン十郎に捕縛されてしまう。更に百獣海賊団の巨大戦艦が3隻出現し、絶体絶命の状況になるもの、このタイミングで麦わらの一味とハートの海賊団、そしてキッド海賊団が合流。状況が僅かながらも打開され、更にオロチの家臣である居眠り狂死郎が傳ジローという正体を明かして参戦し、同時に行方不明になっていた4200人の同志及び花の都で捕まってしまっていた1000人の侍たち、そして狂死郎一家の200人が到来。そして彼らが無事であった理由が錦えもんの策略出会ったことを傳ジローから知らされる(実際のところは錦えもんが康イエによって書き換えられた判じ絵を読み間違えていただけ)。
しかし流れが討ち入り勢に一気に傾く中、モモの助はカン十郎の手から逃れられることができず、連れ去られることになる。この際、討ち入りに向かう同志たちの邪魔をしないよう、自身のことは気にしないよう全員に伝え、ルフィからは「必ず助ける」と伝えられた。
鬼ヶ島到着後は一度カン十郎の目を盗んで短刀を用いて拘束を解き、逃げ出すもカン十郎から逃げ切ることができず、更にカン十郎の掌に傷をつけたことで彼の怒りを買い、顔全体が腫れ上がるまで叩きのめされる。オロチ及びカイドウに引き渡される際には辛うじて意識はあったものの、最早一人で動くことは出来なくなってしまっていた。
侍たちの戦意を削ごうとオロチはモモの助の公開処刑を画策するが、処刑直前にカイドウは全部下の前でワノ国を本格的に海賊の帝国に変える「新鬼ヶ島計画」について話し、もはや不要な存在となったオロチを斬り捨ててしまう。更にモモの助も始末しようとするが、この際モモの助は20年前に名前を聞いた際に答えなかったことから、もしおでんの息子でないのならば今すぐ処刑を取りやめると促される。だがモモの助はその言葉を鵜呑みにすることなく、自身の名前の由来である"モモ"が"天下無敵"を表す言葉であることを添えながら自身の名前は光月モモの助であり、ワノ国の将軍になる男であると宣言した。
その後赤鞘九人男が揃い踏みして処刑場に到着し、彼らの一撃と共に決戦が開始される。モモの助は未だ処刑場から逃れられずにいたが、レイドスーツを装着して透過能力を行使したサンジに救出される。しのぶに保護された後は突如現れたヤマトから協力を申請されるが、ヤマトが最初の名乗りでおでんという名を使ったことでモモの助としのぶは彼女を警戒し、しばらくはヤマトから逃げ回ることになる。だが、飛び六胞のササキの猛攻から身を護られたことでヤマトを信用することに決める。
鬼ヶ島がカイドウの手によって浮遊し始めた頃、モモの助はヤマトからかつてワノ国及びこの鬼ヶ島にロジャーの実子にしてルフィの義兄であるポートガス・D・エースが訪れていたことを明かされ、ヤマトが聖書(バイブル)として持ち続けていた「おでんの航海日誌〝おでん漫遊記〟」を譲渡される。
ヤマトと別れた後、モモの助は航海日誌を一通り読解し、自身が死んではならないことを感じ取る。カイドウに敗北したものの何とか戦線復帰した錦えもんとお菊と合流するものの、お菊は生きていたカン十郎によって刃を突き立てられてしまい、錦えもんはカン十郎を斬り伏せた後にルフィを打ち破って鬼ヶ島から転落させたカイドウの急襲の一撃を受けてしまう。モモの助はこの一連の出来事に涙を流しつつも、近くにいた蛙のメアリーズを通してルフィが必ずカイドウに勝つことを戦場全体に伝え、しのぶと共に鬼ヶ島からワノ国本土の兎丼まで避難することに成功した。
その後、ハートの海賊団によって救助されたルフィと合流するが、ルフィから「龍になって鬼ヶ島まで飛んでくれ」と頼まれる。
再び戦場に戻る覚悟を決めたモモの助はしのぶに懇願し、彼女のジュクジュクの実の力で現代において本来の年齢である28歳の肉体まで一気に成長する。結果、獣型の姿もカイドウに瓜二つの巨大な桃色の龍に変貌した。
しかし身体が大人になっただけで高所恐怖症はそのままなため相変わらず飛行出来ずに停滞していたが、ルフィの一喝によって覚悟を決めてパンクハザード以来の飛翔に成功。
しかし恐怖から目を閉じたままでの飛行だった為、鬼ヶ島のライブフロア→城内2階→城内3階を破壊し飛び回りながら何とか屋上まで移動に成功する。そしてカイドウの目の前で再び「光月モモの助!!!ワノ国の将軍になる男でござる!!!」と名乗る。
その後ルフィの発破でカイドウに噛みついたことで四皇に一撃を入れたことになり、自信を身につける。そして花の都に迫る鬼ヶ島を止めるようルフィに頼まれる。
合流したヤマトから「龍の飛び方」を教えてもらい、高所恐怖症も克服したが、カイドウが生み出した焔雲が連戦で体力を消耗したことで不安定になり、鬼ヶ島のひび割れた岩盤が崩壊を開始。
モモの助は焔雲を生み出すことで鬼ヶ島の浮遊を継続させようとするも、能力をまだ使いこなせていないため上手く生み出すことが出来ず、更にヤマトが鬼ヶ島内部の爆弾処理に向かったことで一人で奮闘することになる。焔雲生成は一度諦め、カイドウの焔雲を引っ張ることで花の都から遠ざける作戦に変更した。
その後、ワノ国近海まで到達していたかつてのジョイボーイの仲間であることが発覚した象主から声をかけられ始める。爆弾の対処を終えたヤマトが再度合流した際にはそのことを話すと同時に、おでんが望む開国に対する自身の不安を打ち明ける。だがその間にルフィがゲルニカの妨害を受けてまたしてもカイドウに敗北し、"声"が消えてしまう。
モモの助はもう誰も死なせたくないとしてカイドウに降伏しようとするも、ヤマトに降伏した後に起こる現実を突きつけられた上で叱責され、意志を改める。そして象主から「ジョイボーイが帰ってきた」と告げられると同時にルフィが復活し、ルフィがジョイボーイであることを直感する。
能力を覚醒させたルフィの自由奔放な戦いを眺めていたが、その間に鬼ヶ島の崩壊が進み、結局自身が焔雲を作らなければならない状況に陥る。
ヤマトの応援の元奮闘するが、やはり出るのは小さい雲ばかり。出し方など分からないためとにかく全力で出そうと試みた結果、カイドウほど精巧ではないものの鬼ヶ島を支えるのには充分な大きさの焔雲を放出することに成功する。ルフィが決着をつける直前だったため急いで鬼ヶ島を括ってその場を離れ、無事に着地させることに成功した。
その後、象主に「開国」はまだ見送る旨を伝えた後、(これはおでんの日記の一部が意図的に抜かれていたことやおでんの想定がどこまで正しいか不明という判断から来たもの。また、国の復興が急務である中で無理に開国をしても余計に荒れる可能性も高かった)ワノ国近海で起きた海底火山噴火に動揺する民衆を落ち着かせるため、動ける赤鞘を乗せて花の都へ向かう。
民衆は都の上空に現れた龍をカイドウと誤認してパニックになるが、自分はカイドウでない事を伝えて怯えをやわらげ能力を解除する。
そして、赤鞘九人男の生存を民衆に明らかにした後、おでんの愛刀の一振り『天羽々斬』を受け継いだ自らの口でカイドウら百獣海賊団およびオロチを討ち果たしたことと自らがおでんの遺児であることを改めて宣言。さらに誓いを込めた口上と共に自身が将軍に見合うだけの大器であることをワノ国民衆に認めさせた。
「父がくれた拙者の名は"天下無敵"の意味をもつ!!」
「拙者がひきいたこの国はかれた大地も「桃源郷」に変えるだろう!!!」
「そのために働き!!力を貸してくれ!!!」
「20年の時をこえ!!皆を救いにやってきた!!」
「これより拙者「光月モモの助」が!!!「ワノ国」を統治いたす!!!」
このモモの助の宣言によって長きに渡るワノ国の暗黒時代は完全に終焉を迎える。
またプロローグによってモモの助が後の世に広く認められるワノ国の「名将軍」となることも明らかとなった。
激戦を制して麦わらの一味恒例の宴が盛大に行われている中、海軍本部大将"緑牛"アラマキが来襲した際には「ルフィの敵」としてヤマトや赤鞘九人男と共に立ちはだかる。モリモリの実の能力に苦戦を強いられるも、いずれワノ国を出立するルフィたちの力を借りず、自分たちだけで外敵を撃退できるようにと奮戦し、遂にはカイドウの"熱息"を彷彿させる火炎放射能力を覚醒させて戦局を押し返す。
予想以上に激しい抵抗にアラマキも本気になりかけるが、突然国外から放たれた凄まじい覇王色の覇気によって状況を察し撤退。形はどうあれ結果的にルフィたちも国も守り切る事に成功する。なお、その一部始終はルフィにも見られていた。
無事に宴も終わり、日常が落ち着きつつある中、モモの助は麦わらの一味がいつの間にか姿を消している事に気付く。なんと彼らはモモの助と錦えもんを除いた関係者には既に挨拶を済ませ、ワノ国から出立する準備をほぼ終えていた。
ワノ国の面々の中で最も付き合いが長かったはずの自分たちには一切挨拶が無かった事に憤慨しながら、同時にルフィたちとの日々を思い出しながら常影港へ突撃。しかし、そこで自分たちを待っていた麦わらの一味を目にした途端に号泣し、ルフィたちに国に残ってほしいという本心と父母の仇であるカイドウを討ってくれた事への感謝を叫ぶ。
それに対してルフィはモモの助に麦わらの一味の旗を渡し、モモの助を弟のように思っている事、一緒に冒険はできなくてもモモの助は仲間である事、そして(ヤマトや錦えもんも含めて)海賊をやりたくなったらいつでも迎えに来る事を伝えていよいよワノ国を後にした。
「兄」から託された旗を手に、モモの助は共に見送った錦えもんに向かって(「父である光月おでんの背中を追う」のではなく)「いつの日か光月おでんを超えてみせる」事を宣言するのだった。
エッグヘッド編
ルフィ達がワノ国を出港してから暫く経ったある日、突如世界各地で発生した大地震がワノ国にも起こった際、後ろ姿でのみ登場。
余談
- モデル
モデルは、当初父を演じていた錦えもんと合わせ『子連れ狼』の大五郎。
名前に関しては、日本のおとぎ話『桃太郎』と、昭和の名優・中村錦之助とされる。
- モチーフ
ワノ国編において、モモの助はきび団子を生み出すことの出来る少女とも交流しながら鬼ヶ島へ行き、父・光月おでんの仇である巨大な角を持ち金棒を武器に闘う四皇を討つ事を目標としている。
また、彼と共に名前にモンキー(猿)がつく本作の主人公や父の仇の息子のイヌイヌの実の能力者も同じ目標を抱き闘っている。
これらの要素を踏まえてモチーフは「桃太郎」という考察がされており、特にヤマトの能力が判明した原作1019話辺りからはほぼ主流となっていた。
しかし原作1048話、覚醒したルフィが「猿神銃(バジュラングガン)」なる技を繰り出したことで、その形態のモチーフがバジュラングを別名に持つインドの猿神「ハヌマーン」という説が急浮上。
ハヌマーンは叙事詩『ラーマーヤナ』に登場し、主人公の王子ラーマに協力してランカー島に住む羅刹の魔王ラーヴァナを倒す、という役回りで、そもそも『桃太郎』の元ネタが『ラーマーヤナ』という学説もあることから、これに当てはめてモモの助のモチーフはラーマ、という考察がされている。
また「時間を跳躍して変わり果てた故郷に送られる」「最終的に跳躍した分の時間をその身に受ける」と言う要素から、浦島太郎もモチーフの一つと考えられる。
- 〝天下無敵〟を表す言葉
作中で光月おでんが言っていた通りに、落葉小高木「桃(モモ)」へ由来する言葉の中に「天下無敵」がある。
正確には、桃(モモ)の花言葉として「チャーミング」「気立ての良さ」「私はあなたのとりこ」といった語句がある中で、桃(モモ)の果実へ「天下無敵」の比喩が用いられている。由来は幾つか挙げられ、神話で「桃を投げて鬼を追い払った」という逸話や上記の考察(モチーフ)でも触れた童話の英雄譚から連想されたものが考えられる。
また「桃(モモ)」の性質「果実が多く実る」に由来し〝強い生命力の象徴〟ともされている。本作「ONEPIECE」に登場する光月モモの助が辿った人生を顧みると、偶然に獲得した動物系の能力も併せて〝生きる力〟を奮い起こす場面が散見され、名前に在る〝モモ〟と関連して感慨深くなりそうである。
- 開国
五老星は象主が霧の中に消えたという報告を聞き、「ワノ国が開国しないのならば支配は不可能」という判断を下しており、「向こうには余程の切れ者がいる」と口にしている。
遡ってカイドウ戦が佳境に差し掛かったころ、カイドウが敗北次第、ワノ国を世界政府直轄地にする事を決定していたことや、後に明かされた情報などから鑑みて、現状で安易に『開国』の選択肢を採っていればオロチ以上の人間の屑の支配下に置かれる可能性があり、モモの助の「現状のまま開国はしない」という判断はワノ国を救ったことになる。
関連タグ
モンキー・D・ルフィ ロロノア・ゾロ ウソップ サンジ トニートニー・チョッパー ニコ・ロビン フランキー ブルック ジンベエ
赤鞘九人男…錦えもん カン十郎 雷ぞう ネコマムシ イヌアラシ 菊の丞 アシュラ童子 河松 傳ジロー
しのぶ…光月家の一員でモモの助に長く深く協力した
しらほし…その特殊な能力繋がり
ミニリュウ/ハクリュー…(色違いが)ピンク色の東洋龍繋がり。一度進化してしまえば元に戻れない事も、ジュクジュクの実の力で20年成長したモモの助と共通している。また、外観はウナギに見えなくも無い。
桃井タロウ/ドンモモタロウ…本作品の系列会社制作かつ放送時間も同じ戦隊に登場する桃太郎モチーフの戦士。ちなみにモモの助役の折笠氏も9年前に敵幹部役で戦隊に出演している。