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パルワールド炎上騒動の編集履歴

2024-09-28 23:15:30 バージョン

パルワールド炎上騒動

ぱるわーるどえんじょうそうどう

インディーズゲームメーカー:ポケットペアのゲーム『パルワールド』発売に際して巻き起こった騒動。

警告

  • 所謂炎上に関する記事です。
  • 加筆修正の際は、他所のそれらと同様に然るべき慎重さ・冷静さ・中立性をお忘れなく。
  • 本記事は項目の肥大化とその内容に伴いパルワールドの本記事から隔離したものです。騒動に関して、該当記事への追記はおやめください。

概要

株式会社ポケットペアが制作したオープンワールドモンスター育成ゲームパルワールド」のアーリーアクセス開始にともなう一連の騒動。


2024年1月19日の全世界同時解禁から8時間で100万本の記録的な初動売上を出し、2月1日月時点で1200万本の王台を突破(Xboxge-mupasuを含めると1900万)。

steam同時接続最高記録はCounterStrike2を追い抜き歴代2位となった(2018年のP.U.B.G以来の200万人超)。


こうして商業的には間違いなく大成功を収めた一方で、

様々な作品のキャラデザやゲームシステムを堂々と模倣する姿勢・方針に関しては、

  • 「考えなしの単純な引用の張り合わせのみで制作コストを削減するのはいかがなものか」
  • 「他作品からの引用だとして、それが『オリジナル』になるのであれば、今後のクリエイティブ業の衰退に繋がる恐れがある」(これが一連の騒動の一番の根幹ともなっている意見である)

という意見も上げられ、このため、

  • 「オリジナリティとは、そして著作権とは何なのか」
  • 「何をもって『パクリ』と『オリジナル』の線引きとするか」

といった、多くのクリエイターにとって創作の根幹を揺るがしかねない大論争に発展することになった。


パル」のデザインに関する波紋

特に露骨な模倣を受けたユーザーの母体が全世界で1000万を超えるだろう「あちら側のファンからは大量の問い合わせが寄せられ、SNS上の投稿には過激な不買運動や、製作側のスタッフに対する誹謗中傷や殺害予告とも取れる一線を越えかけたものも出た。

これを受け、代表の溝部拓郎氏が誹謗中傷を止めるよう呼びかける事態ともなっている。


検証動画?

海外では「パルの3Dデザインがポケモンのアセットを引き抜いている」と主張する検証動画まで出た。

ただしこれは一般人の検証であり、

  • 検証用に引っ張り出した本家本元の3Dモデルは一体どこから出てきたのか
  • パルワールド側の3Dモデルは未実装データであり、やはりどこから出てきたのか

という致命的な問題がある

内容面も主観に偏った判定印象でこじつけしており、輪郭線やメッシュの割れが一致しているかどうかには触れていない。


模範元への風刺?

溝部氏が過去に任天堂ハードを揶揄するようなツイートをしていたり、『パルワールド』が発売前にポケモンを殺害して解体する二次創作動画をパロったショート動画を投稿するなどしており、ポケモンファンの間ではこのことも批判の槍玉に挙げられることが多い。


同社は以前から既存のゲームの要素を融合させたゲーム作品を作り続けてはいたものの、デザインという一番人目につく部分を借用したり、上述のモンスター解体動画など露悪的な宣伝に手を出したのは今回が初。


キャラクターの類似性も含め、これらの状況から、肯定論者・否定論者共に、パルワールド側が意識してゲームを制作していたのは明白だという点では見解が一致している。


一部では、「茶化したり風刺したりする、所謂スタンダップ・コメディとしての意図もあったのではないか?」という説もある。ただ、そう仮定した場合、意図的な模倣および挑発行為を行ったことを認めることになるため「デザインの借用は芸術につきものであり、そのことで腹を立てるのはお門違いである」という後述の擁護論とは噛み合わなくなってしまうことから、仮にポケットペア側にそうした意図があったとしても表向きはそのことを認めることはないと考えられる。


反論

パルワールドが叩かれている一方、

先輩たちの反応

ポケワールドハイダイとカエデの師弟

とポケモン側の保守的な作風を逆に批判するユーザーもちらほら見られる(ただ、確かにあちらもあちらで多くのユーザーが不満を感じる点も少なくはないものの、大抵はシステム面の不便さや不具合などに関することが多く、作風にまでダメ出しをするのはお門違い、それがやりたいなら最初からそっちをやればいいのに、という意見も多い)。


上述の通りキャラデザだけを見て毛嫌いしている面は強く、ゲームシステムはデザインの模倣元とは異なる面が多く(オープンワールドクラフトサバイバル)、やってみればこれはこれで面白いと評価する声も増えつつある。


また、これとは別に、「キャラクターやコンテンツの模倣は以前から大なり小なり行われてきたもので、パルワールドだけが殊更に非難されるのはおかしい」「少なからず模倣的な要素を含むからといって、その都度コンテンツを潰すようなことをしていけば、逆にクリエイターが委縮して創造の自由性が奪われてしまい、それはそれでクリエイティブ業を衰退させることに繋がる恐れがある」という反論もある(詳細は後述)。


特許権侵害問題

株式会社ポケモンの声明

パルワールドが果たして著作権的に合法か否かの議論がネット上で大きく紛糾する中、2024年1月25日に『ポケットモンスター』の版権管理およびIPビジネスを手掛けている株式会社ポケモンが公式声明を出した。


株式会社ポケモンの公式コメント
お客様から、2024年1月に発売された他社ゲームに関して、ポケモンに類似しているというご意見と、弊社が許諾したものかどうかを確認するお問い合わせを多数いただいております。弊社は同ゲームに対して、ポケモンのいかなる利用も許諾しておりません。なお、ポケモンに関する知的財産権の侵害行為に対しては、調査を行った上で、適切な対応を取っていく所存です。弊社はこれからもポケモン1匹1匹の個性を引き出し、その世界を大切に守り育てながら、ポケモンで世界をつなぐための取り組みを行ってまいります。

コメントが発表された当初、大多数のファンは「何かあったらこちらで対応するから、ファンは騒ぎを大きくしないでほしい」という意味であると解釈し、これ以上騒ぎ立てるのは株ポケ側にとっても迷惑になるという論調が強まっていったことから、パルワールドに関する議論は次第に下火となり、一時はネット上からも完全に忘れ去られていた。


裁判へ

しかし、それからおよそ8ヶ月後の2024年9月19日任天堂知的財産部と株式会社ポケモンが共同で『パルワールド』を提訴したことを発表した


提訴内容は任天堂および株式会社ポケモンにより複数の特許権の侵害があるとしてポケットペアを提訴、侵害行為の差し止めおよび損害賠償を求めるというもの。

ここで勘違いしてはならないのは侵害行為として訴訟されたのはパルのデザインといった著作権ではなく、ゲームシステムやゲームプログラム(例として挙げると捕獲アイテムを投げて対象を捕まえるというゲームシステム)等の特許権であるという事は留意しておくべきだろう。


ちょうど、ポケットペアは翌週から始まるTGS2024で『パルワールド』のブースを出展予定であり、プレイステーション5版の試遊台も設置することが決まっていた。さらに、提訴のおよそ一月前に、ポケットペアはソニーミュージックアニプレックスとの合弁企業である「株式会社パルワールドエンタテインメント」を設立し、グッズ販売やメディア展開等より多角的な分野への進出を発表したばかりであった。


元々、任天堂はよほどのことがない限り特許権を振りかざして特定のゲーム会社を訴えるような行動に出たことはなく(任天堂に限らず、大手ゲームメーカーは今後のゲーム業界の発展のためにある程度の特許の無断利用は黙認している節がある)、ゲーム業界やファンの間では、パルワールド側の一連の挑発的な動向が任天堂および株式会社ポケモンの逆鱗に触れたのではないかとする説が有力である。

また、パルワールドエンタテインメントの出資会社であるソニーミュージックとアニプレックスは、プレイステーションシリーズを発売しているSCEIの関連企業であり(アニプレックスもソニーミュージックの傘下であるため)、任天堂にとってはある意味競合関係にあたる。自社のゲームを模倣したかのようなゲームを支援するソニーグループ側への牽制も兼ねて今回の裁判に踏み切ったという事情もあったのだろう。


また、これにより、1月に発表された声明も、一部の過激なファンを鎮静化させるという目的の他に、パルワールド側にこれ以上挑発的なビジネスを行うことを控えるよう呼びかける、一種の最後通告としての意味合いがあったことが明らかとなった。


ポケットペアの声明

一方、ポケットペア側は、今回の訴訟に対して

  • 「パルワールドの運営及び提供において、中断や変更の予定はない
  • 「訴状を受領次第、必要な対応を行う」
  • 「ファンの皆様のため、そしてインディーゲーム開発者が自由な発想を妨げられ萎縮することがないよう、最善を尽くす」

と発表し、現時点では任天堂および株式会社ポケモン側と全面的に争う姿勢を示している。

まとめると、「大手ゲームメーカーが特許権を口実にインディーの自由な発想に基づくゲームの創作を潰そうとしているから、自分たちはインディーを代表して徹底抗戦する」という趣旨である。


過去の経緯

当初、ポケットペア側は法的問題はクリアしているとの見解であった。


そもそも、作品を世に出すに当たっては厳しい審査が必要となり、配信前にあまりにそっくりすぎて没になったパルもいるようだが、逆に言えばそれ以外は「直ちに法廷に持っていかれるようなものではない」という専門家のお墨付きを得ていたということである(本作はタイトル発表から2年半かけて世に出たので、法的に問題ないという主張が事実であるとすれば、開発中にあちら側世に出した作品との兼ね合いもあったはずで、一定の交渉が行われていたのでは?とも推測されていた)。


「見た目が似ている」という視点から裁判に持ち込めるかどうかについては、訴訟以前から多くの専門家が懐疑的な反応を示しており、事実2020年に発売された『Temtem(テムテム)』が訴訟時点でも健在である。

今回の訴訟の焦点もあくまで特許権であって著作権ではない。これは、上記の事情から著作権絡みで争っても勝てる見込みがないと任天堂および株ポケ側が判断したからだと考えられる。


また、海外の有志が制作した人間のキャラクターとパルを“あちら側”のキャラクターに丸ごと置き換えてしまうMODに関しては、速やかに任天堂およびポケモン公式によって使用を禁止され、『パルワールド』側も既に当時からMODの導入には慎重な姿勢を取っていた(大手MOD共有サイトは既にアップロードを認めないところも出ていた)。

このように、一応、パルワールド側も露悪的な商法こそしていたものの、“あちら側”に対して一定の配慮をしている部分はあったと言える。


訴訟への反応

国内

今回の訴訟に対する反応の殆どが「想像通り」との事であり、驚きの声は少ない。むしろ著作権ではなく特許権侵害での訴訟に踏み切った事に驚く者も少なく無かった。要するに「やっぱりな」である。


少なくともパルワールドがポケモンを意識したゲームであることは、誰が見ても疑いようが無いため、訴えを起こした任天堂側を批判する声は極めて少なかった(まったくなかったわけではない)。


その後にポケットペアによる訴訟に対する声明文が公開されると、その声明内の

  • 当社(ポケットペア)は小規模なインディーゲーム開発会社です
  • インディーゲーム開発者が自由な発想を妨げられ萎縮することがないよう、最善を尽くす

等の文面が、読んだ者にインディーゲームメーカーとしての立場を盾に、任天堂を「インディー業界全体の敵」と露悪的に見せようとしているかのような印象を与えるという指摘が出るようになった。

これにより、それまで自体を静観していた他のインディーゲーム開発者からは「勝手にインディーゲームの代表を気取るな」と顰蹙を買うことになってしまった他、2ヶ月で692億円もの莫大な売り上げを上げたことや、ソニーやアニプレックス等の大企業と蜜月関係を築き、IPビジネスを展開予定だったことを挙げ、「これで今更インディーゲームメーカーを名乗るのはいささか無理があるのではないか」との批判、疑問の声も強まってしまった。

加えて、この主張の是非は置いておくにしても、訴状も受け取っていない段階で被告側が原告側に対してこのような挑発的な声明を出すのは裁判においては絶対にやってはいけない悪手である。これは裁判員も含めた第三者からの心象を悪くするのは勿論のこと、最悪の場合は裁判の結果にも(被告側にとって悪い方向へ)影響を及ぼす可能性もあるため(民事裁判において何かしら声明を出す際には「コメントは差し控える」「訴状を読んで対応を検討したい」等の淡白な内容が多いのもこれが理由)。

そのためポケットペアの企業としての法的対応能力に対する疑問の声まで上がることになった。


なお、パルワールドのPS5版の発売およびTGS2024への出展は予定通り行われており、特にTGSブースは大盛況だったという。一方で、今回の訴訟の影響からか、PS5版の日本での発売は無期限の延期となった。公式はできるだけ早くリリースできるようにするとはしているが、最低でも一連の裁判が決着しない限りは極めて困難と言えるだろう。


国外

一方で、国外では逆にポケットペアを支持し任天堂・株ポケを批判する声が強い


これは、海外ではフェアユースの概念から著作権への意識が日本と比べて低く、本作のパクリ疑惑への問題意識が元より希薄であったことが影響している(だからこそあそこまで爆破的な売り上げに繋がったとも言える)。

またそれにに加え、任天堂がポケモンやスーパーマリオなどのブランドを自社ハードで独占していることに不満を感じている他機種ユーザーが多いこと、更に今回の特許権侵害訴訟を『大手ゲームメーカーによるインディー会社に対する特許ゴロ行為』という見方があることが関係していると思われる。


この問題でもそうであったが、国や地域によって価値観が異なれば、問題の見方も大きく変わるということの好例であると言えるだろう。



社会的影響

すたてんパるわ

YouTuber実況者界隈では、ホロライブのように実況動画を積極的に配信する向きがある一方、にじさんじのように“あちら側”に配慮してか『パルワールド』の配信を一切行っていないケースもある。また、芸能事務所の中にも、“あちら側”の逆鱗に触れることを恐れ、所属タレントに対してSNS上で『パルワールド』に関する話題を挙げたり、プレイ動画を投稿しないよう通達を出したところもあるという報道がある(参考。ただし、ソース元は自他ともに認める低俗ゴシップ誌なのを留意)。


また、パルワールド自身が模倣される側になるという珍事も発生した


パクリか?パロディか?オリジナルか?

この2つの区別は曖昧ではある。


ゲーム漫画アニメ映画といったエンタメコンテンツ、ひいてはそのデザインにおいて、特定の版権作品のパロディやオマージュはそんなに珍しい話ではない。

企画書や設定資料に参考としてキャラデザやモーションなどの元ネタを記してあったり、「よく見れば分かる人には分かる」ようにさりげなく忍ばせることはよくある話である。


そもそもの話、元ネタが存在しない完全なオリジナルなど極めて稀である

多くの場合、既存の作品、辿っていくならば古くから伝わる神話昔話、実在の人物や生物、現実に起こった事件などに何かしら影響を受けたり、参考にしたりしている。

これもまた一概に「パクリであり著作権侵害である」と断言できない一因となっている。

何なら『ポケットモンスター』自体も、他社が確立させたCRPGというジャンルから生まれたものであり、CRPG自体がTRPGの模倣とでも言うべき存在である。


ただし、何かしら既存の版権作品を元ネタとする場合は、表面上からは分からないようにリビルドされることが普通である。

例えば、任天堂の作品で言えば、ポケモンやマリオシリーズの場合、デザインや能力等にウルトラ怪獣ゴジラガメラライダー怪人、海外のカートゥーン作品等が元になっていると思われるものが見受けられるが、それらもちゃんとアレンジを加えており物議を醸すレベルにはなっていない。

エクスレッグ逃げるベトベトンをきょけんとつげきで追うセグレイブ

また、ポケモンに寄せ過ぎて物議を醸したケースは以前にも存在したという指摘もあるが、今回の場合は絵のタッチや色彩から引用元が容易に連想できることが問題とされている。


とはいえあまりにあからさまなパロディは一種のギャグやリスペクトとしてむしろ好意的に見られることもまた然りである。ただ、同時にやり過ぎて公式を激怒させたケースや、特級呪物と化して封印されたケースや、ネタ元に寄せすぎて炎上したケースもやはり存在する。

パルワールドがこれを意識しているかどうかは不明だが、このあたりも、パクリとパロディの線引きを難しくさせる要因になっていると言えよう。


また、創作は長い歴史の中で無限に等しい膨大な数のキャラが日夜、誕生し続けているため見た目が被らないキャラを生み出すのはもはや不可能な数が存在している為、「ありふれた表現の一致」として著作権レスになってしまっているデザインは多く存在する。(ポケモン公式もインタビューで、ポケモンカードに関わったイラストレーターもこの事を言及していた事がある)

参考:京都アニメーション第1スタジオ放火事件の「「パクられた」に関して」

参考:さいとうなおき先生がバルワールドについて言及している動画


他作品への影響(とばっちり)

龍が如く8

ポケモンっぽく描きたかった春日一番の絵

発売がパルワールドのちょうど1週間後と近かったことや、ミニゲームの中に、ポケモンのパロディである「スジモンバトル」「不審者スナップ」があったことから比較の対象として挙げられ、流れ弾を喰らうような形で「スジモンバトル」がトレンド入りしてしまった

ポケモンが上記の公式声明を出した時にジョーク気味に「スジモンの方が対象なのではないか」と言われたり、提訴発表の際も「スジモンは任天堂に筋を通したから許された」「スジモンを仲間にする時もアイテムを投げるのではなくお歳暮を渡して誠意を示すだけだから、特許権の侵害にならなかった」とネタにされたりもした。

なお、『龍が如く』シリーズは、これに限らずミニゲームに様々なパロディをぶっこんでくることに定評がある

しかし、これらは槍玉に挙げられるどころか寧ろネタとして好意的に受け止められることが多い。

これに関しては、「メインはシリアスな任侠もので、これらのパロディはあくまでおまけ」というスタンスを徹底しているからである。

加えて、前作主人公ドラクエ大好きを公言し、「勇者」を自分の理想像として語るなど、他作品へのリスペクト精神を高く持った上で、ブラックな要素を殆ど含まない明るいパロディを送り出したことで、「前作を見る限り今回も元ネタを貶めるような表現は無いだろう」とファンから一定の信頼を得ていたのも大きかったと考えられる。

『パルワールド』の一件が「スジモン」に飛び火したことに関しても、過去作の迷台詞に準えて、「誓ってパクリはやってません」とネタにされた末、「どんな内容なのか気になってきた」「そこまで引き合いに出されるくらいならむしろやってみたいまである」という意見が出るなど、発売元のセガにとっては寧ろ宣伝の上でプラスに働いた面が大きかった

いずれにせよ、「あからさまなパロディ過ぎて、一種のギャグやリスペクトとしてむしろ好意的に見られた」パターンの好例と言える。


ゴッドイーターシリーズ

狩る&喰らう人達

過去に「モンスターハンターのパクリ」と揶揄された経緯があったことから飛び火。今更のようにトレンド入りしてしまった。

担当Pだった富澤祐介氏も反応を示しており、「当時も議論はありました」としながら「現代には現代の議論と、リスペクトが、ジャンルや業界を成長させてくれると期待します」と語っている。

また、モンハンシリーズのプロデューサーの1人であった小嶋慎太郎氏も、「別に個人的には気にしてなかった。マネされてやっと一人前だと思ってたし。元祖として負けるつもりはさらさら無かった。(中略)それぞれがおもろいゲーム作ったら良いじゃん。と思ってた。」と元祖だからこそ言えるいい意味で挑発的なコメントをしている。


2024年3月7日、PS4版三部作をまとめたトリロジーパックが突如配信開始されたが、このとばっちりと関係あるかは関係者のみぞ知る…


類似の騒動

キノコ伝説:勇者と魔法のランプ

『パルワールド』発売と同時期にTwitter広告を載せていたゲーム。

こちらはまだ事前登録受付中だが、広告に描かれたキャラクターや選択画面がこれまたポケモンを彷彿とさせるものとなっており、『パルワールド』に便乗したのではないかという疑惑がもたれている。


勇者のものは魔王のもの

2024年3月24日にDLより配信開始された。

ワンクリックごとに土を掘ってダンジョンを作り、その過程で生まれる魔物たちを使って勇者を撃退するドット絵風RTS。つまり、アレっぽい作品。

アレ自体が勇者魔王」の定番の構図のパロディの何番煎じでありながら独特なゲームシステムでシリーズ化した作品であるため、パロディのパロディと言う立場になる。

本家の方が5年近く続編が出ていない、処女作ライク+買い切り型となると更に昔になってしまうため、ある意味しかたないか。


ロストアーカディア

まんまアレアレを足して2で割ったような世界観だが前者はポストアポカリプスだからそれっぽくみえるだけといい訳が付き、後者に至っては仮面ライダー……特にバトルロイヤル物であった作品の模倣みたいな物であり、例え元ネタが丸わかりでも独自の要素があるなら訴えないという紳士協定が結ばれている状態である。


タマモンワールドコードモンスター大図鑑

本騒動や上記のキノコ伝説が落ち着いて少し経ってから事前登録を開始したゲーム。これまたキャラデザがポケモンのそれに似ている………。しかも後者に至っては「ゲットだぜ!」などとどこかで聞いたようなフレーズも。ある意味「ポケモンを堂々と模倣すること」が今年のブームになっており、そのことを象徴しているのかもしれない。


最後に

このように様々な疑問点を抱えている『パルワールド』であるが、現在ではポケモンとはまた違った面白さを持つゲームであることがゲーム界隈にある程度認知されている。


そもそも、発売5日半で全世界800万本という超大手でも容易に成し得ない偉業をインディーズがいとも簡単に成し遂げたという点に関しては、「うわべだけではない何か」がないと説明できないことは間違いなく、その点に関しては十分評価されて然るべきであろう。


一方で、『パルワールド』側が公式主導で、模倣元とそのファンが不快感や「著作権侵害」を感じるような露悪的・挑発的な宣伝をすることを選択し、実行した(「模範元への風刺?」の項にある通り、意図的に選択した結果と考えるのが妥当)挙句、模倣元を本気で怒らせて裁判沙汰にまで発展してしまったのもまた事実であり、そういった意味では『パルワールド』は一種の炎上商法を行っているとも言える。


「炎上商法で売れたただのパクりゲー」と一蹴するか、「様々な作品の長所を組み合わせてさらに昇華させた画期的な作品」と見るのか。

この『パルワールド』というゲームをどう評価するのかはあなた次第である


関連タグ

炎上 裁判

パルワールド ポケットペア

任天堂 株式会社ポケモン ポケットモンスター/ポケモン


ブレスオブザワイルド ARK:Survival_Evolved モンスターハンターシリーズ


同様に法廷まで行った例


和解、もしくは自然消滅


模倣側の勝利(?)

模倣が多すぎて一ジャンル化、訴えようがなくなった例。

上記の社会的影響の通り、元祖にとっては名誉、有名税ではある。


ビデオゲーム以外の関連タグ

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