概要
アダルトゲームメーカーlilithが発売している看板作品である『対魔忍アサギ』及びそのシリーズ(対魔忍シリーズ)に登場する、超常的な異能を操る忍者たちの総称である。
対魔忍シリーズの世界於いて、人間界に進出して人々を苦しめる魔界の住人、そしてそれと結託する組織、それらに対抗するため、古来より歴史の影でそれら闇の勢力を討伐している。
よく勘違いされがちであるが「『退魔』忍」ではなく「『対魔』忍」が正確な表記である。
これについては非公式な見解ではあるが「魔を退かせるのではなく、魔と対決することを生業としているから」という説が有力である。(作品の展開から「相対するところまでは優秀だから」「勝てるとは言ってない」等と皮肉を言われる事も)
シリーズの原作者である笹山逸刀斎氏曰く、設定的な部分は小説家・山田風太郎の忍者小説を源流にしているらしく、アメコミ(特にMARVELのX-MEN)の影響も受けたとのこと。
能力
シリーズの世界において、日本には世界で唯一魔界と人間界を繋ぐ門(ゲート)が存在し、進出してきた魔族たちに人々が苦しめられていた。
彼らの遠い祖先たちは、この時に人間界を訪れた一部の魔族(主に吸血鬼族で人間との融和を望んだと思われる者)たちと交わり、それにより人魔の混血児が生まれ、彼らが最初の対魔忍となり魔族たちと戦い始めた。
彼らやその子孫たちは、代々受け継がれてきた血に宿っている力を操ることによって、様々な異能を使うことができ、それがシリーズの世界における忍法となっている。
ちなみにこの術を使うための力は作中では対魔粒子と呼ばれており、魔界では魔力と呼ばれる。
それぞれの対魔忍によって扱うことのできる術や戦法は大きく異なり、強さもピンキリであるため、アサギやゆきかぜのような魔界から一目置かれるほどの実力者から、まるで戦闘に向かないような人物まで様々。
上記の経緯からもわかるように、対魔忍は言い換えれば人間界にやってきた魔族の末裔とでも言うべき存在でもあり、同時に、敵と同質の力を持ちながらも、それを社会秩序と正義のために行使している存在でもある。
ただ、何世代にも渡っているためか、桐生によれば対魔忍の持つ対魔粒子と魔族の持つ魔性の力は性質が異なるらしい。
対魔忍RPGにおいて、イングリッドが対魔忍について若輩時代のリーナに説明する描写が有るが、「(心願寺紅や鬼崎きららの様な高位魔族の子女を除いた)対魔忍の魔力は若輩者のリーナと比べても下だが、魔族が生まれ持っての魔力に胡坐をかいている者が多いのに対して、自分の個性を見極めた上で修練を積んでいるので大概の魔族以上に厄介で手強い相手だ」と評している。
組織
全作共通
忍者ということもあり、いくつもの家系や流派が存在し、古来から続く一族による枠組みは現在でも根強く残っており、多くは家系によってまとまっている。
主となる家系とその当主を頂点とし、その下に主家の親類や側近の家柄などの傍家が続き、彼らが更に下忍の家系の忍たちを従えている。
上述したように対魔忍の異能は血筋によるものであるため、血を残すためにそれぞれ血族で集まって忍里が形成され、時代によって時の権力者と結びつき、彼らの支援や命を受けて、現世に現れた魔族を討伐することを任務としてきた。
しかし、その力が人間に対して向けられたこともあったようで、戦乱の時代においては大名に雇われた別の対魔忍同士で争われたこともあり、特定の里にルーツを持つ対魔忍の間に禍根を残している。
シリーズの舞台となる近未来においては、基本的に政府直轄の組織である内務省公共安全庁(初期は公安調査庁)の調査第三部(セクションスリー)の下に一本化されており、それまで各里に分かれていた対魔忍たちは、政府が新たな居住地として作り出した人工都市の五車町に集まって暮らしている。
ここに対魔忍の養成機関となっている学校の五車学園が存在し、次の世代の育成も行われており、卒業までに忍法に覚醒すると適性により、各部隊の下に配属される。
それぞれの部隊で指揮を執る部隊長を総括する存在である対魔忍総隊長は、調査第三部の部長とやり取りし、共に政府と対魔忍を繋ぐパイプ役となっている。
危険と隣り合わせの仕事であるため、殉職者も多い模様(実際、OVAではモブの対魔忍が敵の襲撃で死亡するシーンがある)。
そうしたことも背景にある…かは定かではないが、結婚などを契機に、愛する人と共に生きる道を選び、対魔忍を辞める人物もいるようである。
対魔忍RPG
本作においては「政府の走狗になって才能と将来性のある若手を使い捨てにする現況は間違っているのでは?」と主張し始めた主人公の父が反乱に追い込まれて一門が粛清される、主人公とその姉の後見を買って出てくれた恩人が対魔忍同士の勢力争いの煽りで一門諸共に見殺しにされるなど、一概に正義の集団とは言い難い暗い面も描写されている。
そもそも、内閣情報調査局の局長である峰舟子自身がアサギと朧によって失脚したアサギの内祖母で井河長老衆のボスであった葉取星舟であり、国益や「人間に加害する魔族の抑止」と言う組織の目的より自身の私怨と欲望を優先させて対魔忍の虐殺を目論み、部下はおろか我が子をも平気で捨て駒にする態度に、最終的に仲間であった神田旅団にすら愛想を尽かされる程の腐敗ぶりを見せている。
また、魔族側も上述したように人間を襲撃する悪党・外道が多くいるのも確かだが、魔界が弱肉強食の過酷な世界である故に、中には迫害を逃れるために人間界に逃げてくる者もおり、そうして闇の街に住むようになった者たちも、自分達の勢力圏では治安維持に留意していたり、人間に誘拐された魔族の救出に精鋭が出動する等、必ずしも絶対悪というわけではない。
更には魔族の中にも、対魔忍や彼らと通ずる組織に協力的な者もおり、上述した魔界での迫害故に魔族嫌いの魔族がいたりもする。
そうした面もあり、『対魔忍RPG』世界では時期・状況的にも良識派が次世代の教育の責任者に就任したことや、穏健派の魔族との接触と協力関係の構築により、共存共栄が軌道に乗りかけてきている。
敵組織の代表格とされてきた企業グループ『ノマド』も、裏の顔が凶悪な犯罪結社である本家シリーズとは異なり、「魔界の停滞と秩序に耐えられなくなった魔族の受け皿」を理念として設立されたのと同時に「魔界から逃れた魔族が無闇に人間に危害を加えないよう律する」と言う条件で人間の協力者を取り込んでいるので、社会的には必要悪とも言える存在となっている。
また、魔族の住む魔界に一般的に出回っている技術は人間社会の中世~近世初期レベルで、乗合馬車が主要交通手段になっている程であり、物語の時代では人間が作り出す文明の利器に興味を持ったり、使い方を覚えて輸入を喜んだりするような魔族も出てきている。
その結果として、魔界からの輸出品が人間社会にも出回るようになっているのだが、魔族側としては必ずしも悪意で輸出している訳では無い。
更に本編62章『紅き血の秘録』では、五車の対魔忍とノマドの間で停戦協定が結ばれた上に、その17年前の時点でもノマドのトップであるエドウィン・ブラックが(ある理由から本家シリーズとは別人のように変貌していることもあって)、妻の心願寺楓を通じて当時の対魔忍の有力勢力であったふうま一門と共存に動いている描写が有るので、ノマド側の視点から見ると『自分達は前から相利共存の落し処を望んでいるのに、対魔忍同士の諍いで迷惑を被っている』とも言える。
主にその原因だったのは、対魔忍側において最近まで主導権を握っていた井河長老衆の悪政によるもので、魔族の中では穏便派なノマドを仮想敵に設定し、外祖父の下で育てると言う形で実質的な人質にしたノマド首領が溺愛する姫様を懐柔して魔族の穏健派とのパイプ役として活用するどころか、迫害した挙句に五車から叩き出して共存の落し処を望むノマドを態々怒らせ、ノマドとも敵対関係にある本当に危険な過激派である死霊卿一派を利する結果となっている。
ただ、そのノマドの内部においても、最近までブラックの意向に理解があるイングリッドを中心とした派閥と、彼女らと敵対するフュルストを中心とした派閥とで、ノマド以外の勢力も巻き込む抗争が起こっていたこともあったため、どっちもどっちな面もある。
対魔忍GOGO!
五車学園に魔界からの留学生が在籍していることが明らかとなっており、RPG世界と比べて人魔の交流がより進展していることが語られている(ただし、ノマドが既に壊滅状態になっていたり、心願寺紅が五車学園に学生として在籍しているなど、『RPG』世界とは相違点もいくつか見受けられるため、また別の世界の話と考えられ、本編でも主人公の発言からそのことが示唆されている)。
この結果、魔族の対魔忍という本編ではありえないような存在も登場している。
なお、魔族の入学を許可したのは「そういうヤツがいた方が面白いだろう(意訳)」というアサギの意向もあったらしい。
対魔忍一覧
原作シリーズ
対魔忍アサギ
対魔忍ユキカゼ
対魔忍紅
対魔忍アサギZERO
ママは対魔忍
アプリシリーズ
決戦アリーナ
- ふうま時子
- ふうま災禍
- ふうま天音
- 天宮紫水
- 神村舞華
- 眞田焔
- 篠原まり
- 七瀬舞
- 紫藤凜花
- 上原燐
- 磯咲伊紀
- 磯咲伊織
- 由利翡翠
- 蓮魔零子
- 黒田巴
- 柳六穂
- 星乃深月
- 弓走颯
- 喜瀬蛍
- 四條如月
- 大島雫
- 志賀あさつき
- 甲斐原菜央
- 鉄華院カヲル
- 池波蓮
- 結城炎美
- 文月
- 雨垂ナツメ
- 珠方院沙夜花
- 美戸理珠奈
- 八津愛子
- 詩嶋麦
- 氷室花蓮
他多数
対魔忍RPG
- 相州蛇子
- ふうま亜希
- 鬼崎きらら
- 獅子神自斎
- 上月佐那
- 鳳朱華
- 死々村孤路
- 出雲鶴
- 望月卯奈
- 仲森奈々華
- 羽鳥志津香
- 清水神流
- 霧原純子
- 鷹司みこと
- 熱川るみ
- 相馬成美
- 鬼蜘蛛三郎
- 八百比丘尼
- 葉隠真千子
- ツバキ
- 陽炎
- 篝
- 石川あむ
- 掛原鷹臣
- 櫛延澄香
- ふうま廻
- 御影小梅
- 臼橋乃々
- 綴木みこと
- 速水心寧
- 日ノ出陽葵
- 井河扇舟
- 葉取星舟
- 大林あずき
- 琴ノ葉暦末
- 天野レナ
- 持田めぐみ
- 八代桃香
他多数
アクション対魔忍
他多数
対魔忍GOGO!
男性対魔忍
アダルトゲームという事もあって女性の対魔忍が目立つが男性の対魔忍もいる。
しかも男性対魔忍は女性対魔忍と同じく好事家の間では大人気で、高値で買い取られるほど価値が高いらしい。
シリーズで登場した名有りの男対魔忍は以下の通り。
カッコ内は初登場作品。
- 八津九郎(対魔忍アサギ2)
シリーズ初の男対魔忍で紫の兄。
元は軍のレンジャー部隊所属でかなり有能であり、話がすぐ解決しかねないからか展開上、遠くに追いやられる事が多い。
ゆきかぜとは両思いだが、大抵NTR展開になる。ちなみに2人は展開の都合上、ヤれないという裏設定がある。
- 沢木浩介(対魔忍アサギ3)
アサギの婚約者だった沢木恭介の弟で、彼の死後は彼女に育てられ、五車学園に通う。3で敵のスパイに嵌められ窮地に陥る原因を作ってしまったり人質だったり不憫な役回りにされている。
紅の祖父。
かつてはふうま八将の中で最強と目されたが、娘の楓と孫の紅を救うために魔界に突撃して重傷を負って隠居した。対魔忍RPGではそもそも娘と娘婿が相思相愛な上に孫二人も人間社会で受精しているので、魔界に突撃する必要が無く、失脚こそしたものの物語開始時点でも健在だったが、物語中で肺病が悪化して余命幾何も無くなってしまい・・・。
シリーズ初のエロシーン有かつ、女体化する男対魔忍。
対魔忍RPGの主人公でふうま家の当主。
忍術の才能は無いが知略と指揮に優れる貴重なタイプの対魔忍、彼がいると周囲の対魔忍の知能レベルが数段上がるため、ファンからつけられた別名が外付け知能。主人公故に(エロ方面で)アサギや紅達ぐらい酷い目に遭う事がわりとあるが。
男の娘、女装対魔忍。
対魔忍の例に漏れず(回想では)酷い目に遭う。
- 甲河零(対魔忍RPG)
朧の弟。忍法に開眼しない事から親戚中から蔑まれてノーマルな性癖にも拘らず女装しての任務を押し付けられ続けた挙句に、アスカの母の身代わりにされて男性機能を失ってしまい・・・
- 西園寺爆斗(対魔忍RPG)
ふうまの同級生。
女装した鹿之助を女と勘違いして追っかけていた。
- 西園寺炎斗(対魔忍RPG)
西園寺爆斗の兄。
火遁衆の一つ、玖番隊の隊長。
- 時来善鬼(対魔忍RPG)
水城家に仕える冥界の執事。
ボケが酷い。
敵陣営「内閣情報調査局」の対魔忍。
- 金崎銃兵衛(対魔忍RPG)
ふうまの幼なじみ。
現在はギャングとして活動中。
ふうま家の対魔忍で、一度は離反するも小太郎と出会い再び帰順し、以降は彼に忠義を誓う。
男性対魔忍としては(男の娘キャラを除けば)初のプレイアブルキャラクターでもある。
- 鴉野魎馬(対魔忍RPG)
過去回想で登場した、井川長老派の対魔忍。
- 村雲源之助(対魔忍RPG)
逸刀流における凜子の兄弟弟子。
火遁衆の面々。
敵陣営のボスでアサギの師匠。
- 鬼崎創(対魔忍RPG)
きららの父。
妻を手に掛けたとされ娘に恨まれていたが…。
- 一ノ宮表衛(対魔忍gogo!)
学園の教員も兼ねるサイボーグ整備員。他のgogo!オリキャラ例に漏れず、彼もアレな性格をしてはいるがまだ良心的な方。また純粋な"男性教師の対魔忍"はシリーズ全体でみても珍しいのかもしれない。
対魔忍の実態
劇中での「忍び」とは思えない短慮さや単純さ、脳筋っぷりはファンからも「頭対魔忍かよ」とネタされることがしばしばある。
まぁ、作中登場する敵方の魔族や軍人も大体そんなもんなんだが…(早い内に主人公が捕まってエロいことされなきゃ話が始まらないが、最終的にそんな主人公に敵方が負けてくれなきゃ話がまとまらない。制作陣の苦悩は察するに余りあるといえよう)。
もっとそれが浸透し始めたのはアサギではなく対魔忍ユキカゼシリーズからであるが。
が、実際のところは「空間切断」「概念攻撃」「概念武装」「ノーモーション発生0F即死技」等なんでもござれな化け物集団(流石に名ありのキャラに限るが)であり、捕縛どころかおいそれと相手できる存在ではなく、生半可な罠は罠ごと踏み潰されてしまう。
とは言えそんな対魔忍でも拮抗が精一杯なうえ向こうが乗り気でないから蹂躙殲滅戦にならないだけなのが、対魔忍が相手にしなければならない上級魔族であり、時にはガチの神格(※)すら相手にする羽目になる
※例えば自分はその手の話が無いのに結婚を祝福しなければならない(厳密には夫はいるのだが構ってもらえてない)事で完全に捻くれてしまった結婚の女神ジュノは、玩具認定のふうまへの嫌がらせのためだけに、ふうまの周囲の女性を手当たり次第ウェディングドレスにして発情させたり、重い生理で気が立ちすぎて、ふうまのシコティッシュから回収した精子を使用して男女問わずふうまの子を孕ませまくる(擬似妊娠であり中にいるのは胎児ではなく魔力の塊、そのため出産も堕胎も発生しないが、ほっとくと永遠にボテ腹&悪阻という悪辣な性質を持つ)という地獄を作り出しており、あのアサギを孕ませたうえ真正面から打倒する(妊娠していた事で体調不良や重心の狂い、ボテ腹という数kgのデッドウェイト等多大なデバフが掛かっていたのもある。ただし女神ダキニの加護と上位魔族リリノーエの助太刀と言う援護が有ったにも拘らず一撃で無力化され、ダキニの加護で辛うじて命が助かった程の惨敗である。)という凄まじい力を見せている。重ねて言うが結婚の女神であり、戦闘は本職ではない。
だからこそ奴隷商は"元対魔忍"ブランドに高値をつけ、娼館オーナーはバイト感覚で自分から志願してくれる"元"対魔忍娼婦を無思慮に、或いは客の誰かに危害を加える為の前準備と察して居ながら受け入れているのだが(ターゲットに指名されるためにはそれなりに名が売れなければならない、名が売れるということはつまり「ターゲットでない客に買われる」ということで即ち「店の利益になる」ということである。)
劇中における捕縛劇はTRPGでいうファンブルを4〜5回連続で出したレベルの致命的失敗を繰り返した果てにたどり着くあまりにもか細い可能性の話であり、よく見ると設定上いくらでも状況を打開できる場面が存在する。
そもそもの脳筋体質や短慮さは実のところ教育が悪く、アサギの前世代においては上層部のほぼ全てが腐敗し切っており、金や権力のために対魔忍を派遣娼婦の如く差し出す様な事態が常態化していた。
その口実に単独で任務に就かせ、しょーもない罠にかかる猪突猛進の馬鹿であってくれなくては困る為、そういうふうに教育されたものが殆ど。
甲河系やふうま系の対魔忍はまだしも比較的個人の尊厳を重視しており、主君や大切な人間を守る為に特攻覚悟の突撃や敵わない事を理解しつつも殿軍、陽動を買って出る等の描写は有れど、積極的に仲間や子飼いの部下を使い捨てる前提の作戦はあまり行わない傾向にある(甲河一門壊滅の際に幼少のアスカが時間稼ぎに残った側近に「絶対に生還しろ」と指示を出していたのは一例。囮役を強制された零も一応は治療されているので捨て駒として完全に見殺しにされた訳ではない)。
また、ふうま一門は『人間に無闇に危害を加えない魔族なら事情によっては共存や協力の余地がある』と考える傾向が強く、迫害を受けている半人半魔族を真っ向から擁護したり、陰で気遣っていたりしている他、魔族相手の外交担当者を置いていた時期もある。
逆に、最大派閥である井河系の対魔忍において下忍は使い捨ての道具扱いであり、徹底的な捨て駒として教育するばかりか、魔族には生存権も何も無いと言ったスタンスが基本で、自分達のテリトリーで大人しく暮らしていただけの人畜無害な魔族も平気で虐殺してきた。(上述の外交担当者を「魔族とつるむ裏切り者」として直接暗殺しに動いた事もあり、その際、身動きを取れなくする為だけに近くの魔族の村を焼き討ちし逃げてきた避難民で周りを囲んだ上で避難民ごと攻撃したり、部下にダメージを押し付ける忍術で躊躇いなく捨て駒にした挙句返り討ちにされている)
人数と言う点では井河系の対魔忍が圧倒的であり、若手の使い捨てや魔族の排除路線に逆らったふうま一門も最終的には人数と物量で潰されてしまっており、当時の井河のトップである葉取星舟に甲河一門が勝利したのも『内紛で井河が真っ二つに割れたタイミングで、甲河と同盟したアサギ側を星舟側が包囲した処を逆包囲して奇襲』した上に朧が後見していたふうま時子がふうまの残党を率いて加勢した等の要因が重なっての事である。
その為、アルフォンス達、オーク一族の穏健派は個人的に知り合いなふうま一門の小太郎・紅や学生であるまりに対しては友好的に接していても、『必要も無いのに魔族を虐殺して来た井河一門』のトップであるアサギを嫌悪している。
対魔忍は魔力を様々に応用出来る魔族と比べると『原則的に使える忍法は一種類』と言う制限が有る分、指揮や編成・教育が難しいのだが、その問題を下忍の使い捨てと言うやり方で無理矢理克服した井河系の対魔忍が最大の勢力を築き上げて他の流派を滅ぼして現在に至っている。
心願寺一党の様に精鋭同士を相互支援させるやり方を採用している流派も有るが、連携が巧みな分、代役・予備戦力を用意するのが難しく、一旦連携を崩されると後が無い、連携している仲間を見捨てられずに無事だった方が却って酷い目に遭うと言う問題を抱えているが故に物量で押す井河系の対魔忍に押し切られて物語の時代においては勢力を縮小させている。
そして、下忍を使い捨ての道具にする以上、彼等が使い捨てにされる現状に対して疑問を抱かないよう入念に洗脳教育を施し、下忍の使い捨てに反発する他流派を機会を見つけては潰して来た結果が現況である。
また、忍術の独自性の結果発生し得るトラブルを、短慮な対魔忍として挙げられる、秋山凜子を例にして説明する。
彼女の忍術"空遁"は、空間跳躍や空間切断により、ありとあらゆる防壁をすり抜け大概の防御も貫徹し、1キロ以上先から何の前触れもなく「次元切断による攻撃判定を発生」させ「一切の防御手段を無視して両断」したり、攻撃を空間転移させ続けることで一瞬千撃すら可能という超強力な術であり、本人も逸刀流の剣士なので、カタログスペック上、正面切った戦闘では"ただでさえ強い逸刀流の技が縦横無尽に防御不能で襲いかかってくる"し、暗殺でガチった場合"姿を現すことなくターゲットが何が起きたか理解する前に斬撃で狙撃かまして真っ二つどころか粉微塵"も余裕という非の付け所がない噛み合わせなのだが
その超長距離移動性能から「突出しやすく、孤立しやすい」というデメリットを孕んでおり、本人が猪武者気質であるため「予備戦力・援軍運用」「非発見潜入調査」ならともかく、それ以外の「身分詐称潜入」「潜入暗殺」や「侵攻作戦、破壊工作」に向かわせてしまうと深入りして二進も三進も行かなくなりがちである。
更に、本人の真面目過ぎる性格と強過ぎる責任感が災いした結果「まず上に報告をあげるべき」事態でも「逸刀流絡み」「自身の知己」「名指しの決闘や任務、呼び出し」などがあると義理人情を優先し報告を怠って独断専行する事が非常に多い。
そして強力すぎる事が災いして「いざとなれば暴れれば負けない」と甘く見積もった結果「暴れたら即死」の呪術的魔術的契約を結ばされ好き放題される事が多い。
また、凜子の能力が強力な事は確かだが、忍術・魔力の流れや空間の狭間に潜んだ相手も見る事が出来る、一度でも直視した相手なら探知も索敵もやり放題等の対処策を持っていたり、通常の手段で防御不能なのは事実だがやっていることはただ真っ二つにしているだけなので、普通に切られたぐらいでは大したダメージを受けない様な相性が致命的に悪い相手も存在する世界観なので過信は禁物、と言う事を理解していない。(しているつもりだが、肝心な時に忘れている)
そもそも、先のイングリッドの対魔忍評で言及されている様に、高位魔族の子供を除く対魔忍の絶対的な魔力自体は若輩者の魔族にすら劣るので、自身と似た適性を持つ魔族や他人の忍術や魔力の妨害に長けた相手が出てきたら魔力の強さで負けてしまうし、イングリッドの様に鍛錬や教育を重視する魔族も存在しているので敵が生まれ持った魔力に胡坐をかいて鍛錬や戦術を疎かにしている保証は何処にもない。
また頭が固い(というか発想が貧困)ので「潜入任務」と聞いた場合、わざわざそこに就職(潜入)して信頼を稼ぐという他に方法がなかった場合に熟慮の末取る"かもしれない"くらいにはあまりにもまわりくどすぎる手段を取る。
潜入任務の目的は基本的に「情報収集」であり「結果的に欲しい情報が取れればいい」のだから静流のようにその場に腰を落ち着けて長期的に情報の窓口になる必要があるならともかく、襲撃先や標的の情報を知るだけなら馬鹿正直にわざわざ文字通り"潜入"せずとも空遁を利用した覗き見、短期"侵入"即時脱出を繰り返すなどでセキュリティガン無視の無法を働ける術を持っているにもかかわらず、である。
タチが悪いのは凛子は座学においてはトップクラスに優秀なので側からみるとそんなバカみたいな短慮をやりそうにない才女であり、報告をこまめに入れる真面目な忍だから報告なしの独断専行なんかやるとは上司視点では考え難く、ちゃんと鍛錬を怠らず自己の向上を続ける努力家であり常日頃驕りまくっている訳ではない点。
それが故に自分の頭があまり良くない事を自覚している、ゆきかぜがよりによって凛子をブレイン及びバディとして頼ってしまった(恋人の姉というのも理由にあるのでこれ自体発生する可能性が高い選択ミスという罠)結果が対魔忍ユキカゼシリーズである。(一作目も二作目も上記の手段で凛子一人でどうにでも出来る任務にわざわざゆきかぜを連れて馬鹿正直に潜入して調教される羽目に陥っている)
そしてカタログスペック上は完璧超人なのでゆきかぜに限らず彼女に憧れるものは多いのがまた酷い
一族が集めた資料の研究に没頭していた、ふうま小太郎が劣等生扱いされていた点を鑑みると、座学そのものが実際の任務で必要とされる知識や戦術・戦略と乖離しているとも考えられる。
そして恐ろしいことに凜子のみに限った話ではなく、作中既に大人の者や、過去の何かが由来で自分を卑下しているなどで及び腰、痛い目に遭いつつ何とか生還した者以外の者が程度の差はあれど、「調子に乗りがち」「熱くなって突出する」「いざとなれば暴れれば負けないと驕る」「カタログスペック上は完璧超人」はほとんどの登場人物が共通して抱える性格的不安要素であり、忍術が潜入に向かない、あくまで自分起点という"能力的に不可能"であるが故に突出しようがないだけであることが殆ど。
忍法至上主義に陥っている面もあり、一見非力そうでも特定の相手に対しては格上相手でも天敵に近い能力を持っていたり、忍法の覚醒が遅れている者を見下し、派手な忍法の持ち主ばかりを称賛する風潮も対魔忍RPG序盤では際立っていた。
過去話では其れが更に顕著であり、朧の弟の零は忍法に開眼していないだけで親戚中から蔑視されて男娼として皆が嫌がる任務を押し付けられ、挙句に妊娠中のアスカの母の身代わりにされて男性機能を喪失してしまった。
朧はその様な対魔忍の現況に憤って、弟に転職を勧めていたが、男性機能を失った事で転職すら不可能となってしまった零は自暴自棄になった挙句に死霊卿の手下に堕ちてしまう。
それでも腐らず、奴隷にならず生き残っている連中は「教育抜きで違和感を察知し的確な対処ができるほど幼い頃から頭脳明晰な者」か「戦術も戦略も何もなく、罠を全て踏み潰して蹂躙できる化け物」或いはその両方であり、その筆頭格である井河アサギは若い頃それが嫌で対魔忍を出奔していたが色々な事情があって帰還、腐敗した上層部を皆殺しにし、あらためてしっかりとした教育機関を作っているのが現状なのである。
上記の組織項目で書かれている様に、対魔忍RPGの世界では上層部のやり方に異議を唱え、若手を使い潰すシステムの改革を志した者はアサギ以前にも居たが、絶大な力を持つ娘婿と言う切り札があったにせよ、追放で済んだ心願寺幻庵はまだマシな方で、正面から「才能のある若手を使い捨てにする現況を変えるべきだ」と主張したふうま弾正は子供達を襲撃されて2人に付けていた若手部下達を虐殺された挙句に謀反を起こしたとの口実で粛清され、上層部から距離を取りつつも弾正の遺児達を後見していた甲河一門は死霊卿一味の襲撃の際に見殺しにされて壊滅している。
組織を改革するには現上層部を殲滅しなければ話にならない事は、穏便で漸進的な改革を試みた弾正と幻庵の失敗で明白であるし、ふうま一門の討伐の傷から上層部が立ち直っておらず、人間社会に侵出している魔族の中ではまだしも穏便なノマドが主導権を握り、尚且つ対魔忍同士の内輪揉めに嫌気が差しているあのタイミングでなければアサギ達のクーデターは成功しなかったであろう。
が、上層部は腐敗していたとはいえ無能ではなく(本当に脳筋の馬鹿しか居なければそもそも対魔忍という政府機関を存続させる意味はないため、「短慮浅慮な猪武者」と「圧倒的な実力で任務と対外圧力をこなす優秀な忍」を両立させていた手腕は特筆すべき点がある……と言いたいところなのだががもし政府機関として後者を要求しているのであれば以上のような状態はとっとと国が介入して粛正して然るべきであり、それをしていないというのは、結局のところ政府が必要としているのも現実の自衛隊や警察組織とは一線を画した、政府の都合で存在まるごと闇に葬れる捨て駒に過ぎない)、改革を急ぎ過ぎた結果あちこちに手が回らなくなり、教育側の人手が足りず、未だ前時代の脳筋短慮体質が残っているのが実情(上述の凜子やゆきかぜが悪例)である。
むしろ、外交関係を打ち壊されたノマドを始めとする外部からの前世代への不信が払拭されていないにもかかわらず、「自分たちは大丈夫」という意識が少なからずある分、今の方がヤバい(過渡期には確実に発生する世代なので、アサギが無能というわけではない)
また、忍術によって出来ることが非常に多岐に渡る癖に、個人につき一種類という専門性と任務の危険性から人員の消耗度が高過ぎるせいでそれらを的確に把握、運用出来る指揮官タイプのものが居ないのもそれに拍車をかけている。
一応任務上の隊長等は存在するが「基本的には個々で好きに動き、要所要所で全体の方針だけを決める」ことが殆どで、大抵隊長も前線に出てしまう為全体の把握が出来ず、各個撃破を狙われたり、拉致洗脳された仲間に背中から撃たれるなどの悲劇も起きる。
その今まで居なかった"的確に把握運用出来る指揮官タイプ"であるふうま小太郎が殆どの者から「一緒に戦うと気持ちよく戦える」と評価されるのもこの辺が理由である
そもそも、現場指揮官や前線の参謀に有能な人格者が居て、マトモに指揮をする気があるのならそういう消耗戦は先細りになるのが明白&増援や伏兵に対応出来ないため絶対に取るわけもなく、下忍の使い捨てと言う井河の伝統に疑念を抱きかねないので、其れらしき人物が出てきたら暗殺等の手段で徹底的に排除されていたと思われる。
某蛇曰く「兵士は戦場で最も高価な戦闘単位の一つ」その質と数と士気の維持の為だけに、飯およびその良質な保存という敵一人殺せず、負傷兵の傷も治らない部門に全世界の軍隊が少なく無い金を投入していることからもそれは明らかであり、それを軽視するやり方は大昔からまるで価値観が変わってない=進歩していない現れである
余談
シリーズの人気から、現在は「魔物や悪の組織と戦う忍者」の一大ジャンルとなっており、本サイトではパロディも多く存在する。
ボディスーツを基調としたなんともエロチックな格好(通称対魔忍スーツ)が特徴(女性に限らず男性キャラクターもピチピチなボディスーツを着る人物も存在するが)ということで、このタグはそんな対魔忍のような格好をしたキャラクターが描かれたイラストにつけられる事がある。
具体的にどのような格好をしているのか知りたい人は関連イラストを参照すべし。
検索してみるとR-18イラストも多いので要注意(原作もR-18作品である)。
なお、実際の対魔忍スーツは対魔粒子の吸収を助ける効果があり、それによりヘタな鎧より頑丈であるらしい…が、さすがに魔族の蛮力の前では限界があるのか、Hシーンではズタボロにされるか局部を丸出しの状態にされるかのどちらかであるため、頑丈という設定を実感できる機会はあまり多くない。(というかちょくちょくなんでも無いハサミで切られている、その辺はエロゲ故に気にしたら負けである。)
ちなみにGoogleで対魔忍と検索すると「対魔忍貸そうとして先生に見つかった。あだ名が対魔忍になった」のコピペブログも見つかる。一見の価値はある(と思う)。
近年は全年齢向けの作品もそれなりにリリースしているが、それでもアダルトゲームという先入観は根強く、全年齢版の発表時には「健全な対魔忍」という一見して矛盾しているかのような慣用句が生み出された。
2021年12月17日にはアイドル対魔忍というリアルアイドルプロジェクトがtwitterのトレンド入り、対魔忍を知る者、対魔忍を知らない人にとっても困惑するようなパワーワードが爆誕してしまった。なお、実写での対魔忍自体はこれ以外にも前例がある(ただし、いずれもアダルトビデオ作品である)。
2023年には対魔忍RPGExtasyの配信前後でそれに関連してX(Twitter)での外国人ファン同士による投稿で、「Yes,Taimanin」という謎ワードが見られた。
また、対魔忍シリーズを代表する言葉(?)の「感度3000倍」を英訳した「Sensitivity x3000」も…