概要
ジムリーダーは、ポケモンの強さを競うための施設「ポケモンジム」の責任者(※)。一般のゲームに於ける中ボスでもある。
プレイヤーであるポケモントレーナーは、特定の地方にあるポケモンジムを全て制覇することで初めて、各地方ごとにあるポケモンリーグへの挑戦権を得ることができる。従来のRPGで言うところの中ボスや各マップ最深部のボスに相当する。
※ガラル地方では少々定義が異なり、各地の「スタジアム」で主人公たちを待ち受ける「ジムチャレンジ」の関門たる凄腕トレーナーたちのことを指す。「スタジアム」がジム代わりであり、厳密にいうとガラルにジムは存在しない。
各地方シリーズ共通してジムの数は8つだが、バージョンごとにジムリーダーが異なる場合がある。また、ダブルバトルであるフウとランや、プレイヤーが最初に選んだポケモンで対戦相手が変わるデント・ポッド・コーンなど、ジムリーダーの人数が8人を超える場合もある。
仕事はジムへの挑戦者(第8世代はジムチャレンジャー)と戦い、挑戦者が勝てばジムバッジを授与することである。同時にジムのある町の代表として、治安の向上に努める役割を負うこともある。
副業として兼務しているジムリーダーの方が多く、メリッサやハチクのように本業としての姿もゲーム内で確認できる者や、ジムリーダーとしての勤務中も一貫して(本業としての姿である)覆面レスラー・マキシマム仮面としてふるまうマキシのような者もいる。
各ジムリーダーは原則として1つのタイプを専門としている。
これはリーダーに限った話ではなく、その部下にあたるジムトレーナーも同じ。さらにジムによっては、ジムの仕掛けに至るまでそのタイプのイメージで統一されている(氷タイプのジムの仕掛けが滑る床であるなど)。
もちろん例外もあり、1つのタイプを専門としないリーダー、専門でないタイプのポケモンを繰り出してくるリーダー、ジムリーダーのタイプとほとんど関係ない仕掛けが施されたジムもある。
あくタイプのポケモンを専門とするジムリーダーが第7世代まで不在だったが、ポケモン剣盾であくタイプの専門のネズが登場したことをもって全てのタイプのジムリーダーが出揃った。
ジムリーダーは挑戦者の実力に応じて使用するポケモンを変えているという設定がある。シナリオを進めていくと後半のジムほど強くなっていき、最初に挑むジムと最後に挑むジムでは実力にかなりの開きがあるのはそのため。ジム用とは別にプライベート用のポケモンを持っているジムリーダーもいる。
例としてヒオウギジムのチェレンは前作の手持ちとジムリーダーとしての手持ちに大きく違いがあり、また作中最初のジムである事から挑戦者(プレイヤー)に合わせてかなり弱体化した手持ちで登場している。
つまり、普通に冒険しているだけでは本気のジムリーダーと戦うことはほぼできない。が、作品によっては、冒険を終了した後にジムリーダーが本気を出して戦ってくれることもある(HGSS、ピカブイなど)。
第8世代の剣盾では、四天王が不在で、本気のジムリーダーが四天王のポジションにいる関係上、初めてストーリー内でジムリーダーとの本気勝負が実現した。
ジムリーダーの認定方法は世襲だったり前リーダーの指名だったりと様々。不在になったジムを見て通りかかったトレーナーがリーダーに就任することをいきなり決めて本当にリーダーになるケースまである。
また、かつてヤマブキシティには2つのジムがあり、統一試合を行って1つに絞ったことがある。
ガラル地方ではこの地方なりの特別な決まり(恐らくポケモンリーグの公式規則とは異なる)として、メジャークラスとマイナークラスという階級分けがジムリーダーに存在し、メジャークラスのジムリーダー8人は年1回チャンピオンの座を狙うトーナメントに出場できる権利を得る代わりに、トーナメントの特別枠(アマチュア参加枠)の選別のためのイベント「ジムチャレンジ」の担当者となる義務を負う。マイナークラスのジムリーダーにはジムチャレンジに参戦する義務が無い代わり、チャンピオンの座を狙うチャンスも無く、チャンスが欲しければメジャークラスのジムリーダーに公式戦で勝って入れ替わりを狙うほかないようだ。
ジムリーダーの起源についてはよく分かっていないが、少なくともガラル地方では70年前からあるとの事。その歴史はモンスターボールより古い(シャガの回想録より。彼が子供の頃、人々はポケモンを連れ歩きにして行動していた)。
サン・ムーンではポケットモンスターシリーズでジムリーダーが登場しない初めてのタイトルとなり、代わりにキャプテンという役職が存在する。
こちらでは主人公はジムではなく、試練と言われる戦いに挑む。最終的なボスはジムリーダーではなく、キャプテンが管理するダンジョンに潜む「ぬしポケモン」となる。
キャプテンの7名が従来のジムリーダーに当たるポジションといえる。
詳細はキャプテンの個別記事を参照。
ゲーム上での立ち位置
「ポケモンのタイプ一覧」にある通り、ポケモンのタイプは第8世代現在で18もあり、タイプ同士の相性表が18×18で作られるほど非常に複雑かつ難解な仕様となっている。
その中でジムリーダーは、ある特定のタイプに絞って挑戦者を待つことで、タイプ相性を理解させるチュートリアル的な役目を果たしている。
初代・第3世代・第4世代(HGSS除く)にいわタイプのジムリーダーが配置されていたのは、御三家として選べるくさ・ほのお・みずの3タイプが弱点を突けるか、もしくは効果が薄いかのどちらかになるため、タイプ相性という概念を理解させるのに最も適当だからという事情がある。
また、ポケモンBWでは主人公が選んだ最初のポケモンに有利なタイプのリーダーと戦うことになっており、第8世代ではくさ・みず・ほのおのリーダーと順番に戦うため、最初に選んだポケモンに対する理解を深めさせようという動きも見られる。
また、第2世代・第6世代にてはがねタイプ・フェアリータイプが追加された際には、必ずそのタイプを使うジムリーダーが同世代に登場している(あくタイプは四天王に登場)。
ジムリーダー一覧
ジムリーダー名 | ジム名 | 使用タイプ | 獲得バッジ | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
カントー(赤緑) | |||||
タケシ | ニビジム | いわ | グレーバッジ | ||
カスミ | ハナダジム | みず | ブルーバッジ | ||
マチス | クチバジム | でんき | オレンジバッジ | ||
エリカ | タマムシジム | くさ | レインボーバッジ | ||
キョウ | セキチクジム | どく | ピンクバッジ | ||
ナツメ | ヤマブキジム | エスパー | ゴールドバッジ | ||
カツラ | グレンジム | ほのお | クリムゾンバッジ | ||
サカキ | トキワジム | じめん | グリーンバッジ | ||
カントー(金銀) | |||||
アンズ | セキチクジム | どく | ピンクバッジ | ||
グリーン | トキワジム | 複数のタイプ | グリーンバッジ | ||
ジョウト | |||||
ハヤト | キキョウジム | ひこう | ウィングバッジ | ||
ツクシ | ヒワダジム | むし | インセクトバッジ | ||
アカネ | コガネジム | ノーマル | レギュラーバッジ | ||
マツバ | エンジュジム | ゴースト | ファントムバッジ | ||
シジマ | タンバジム | かくとう | ショックバッジ | ||
ミカン | アサギジム | はがね | スチールバッジ | ||
ヤナギ | チョウジジム | こおり | アイスバッジ | ||
イブキ | フスベジム | ドラゴン | ライジングバッジ | ||
ホウエン | |||||
ツツジ | カナズミジム | いわ | ストーンバッジ | ||
トウキ | ムロジム | かくとう | ナックルバッジ | ||
テッセン | キンセツジム | でんき | ダイナモバッジ | ||
アスナ | フエンジム | ほのお | ヒートバッジ | ||
センリ | トウカジム | ノーマル | バランスバッジ | ||
ナギ | ヒワマキジム | ひこう | フェザーバッジ | ||
フウとラン | トクサネジム | エスパー | マインドバッジ | ||
RS ミクリ / E アダン | ルネジム | みず | レインバッジ | ||
シンオウ | |||||
ヒョウタ | クロガネジム | いわ | コールバッジ | ||
ナタネ | ハクタイジム | くさ | フォレストバッジ | ||
スモモ | トバリジム | かくとう | コボルバッジ | ||
マキシ | ノモセジム | みず | フェンバッジ | ||
メリッサ | ヨスガジム | ゴースト | レリックバッジ | ||
トウガン | ミオジム | はがね | マインバッジ | ||
スズナ | キッサキジム | こおり | グレイシャバッジ | ||
デンジ | ナギサジム | でんき | ビーコンバッジ | ||
イッシュ | |||||
デント、ポッド、コーン | サンヨウジム | トライバッジ | ※1 | ||
アロエ | シッポウジム | ノーマル | ベーシックバッジ | ||
アーティ | ヒウンジム | むし | ビートルバッジ | ||
カミツレ | ライモンジム | でんき | ボルトバッジ | ||
ヤーコン | ホドモエジム | じめん | クエイクバッジ | ||
フウロ | フキヨセジム | ひこう | ジェットバッジ | ||
ハチク | セッカジム | こおり | アイシクルバッジ | ||
シャガ (B) | ソウリュウジム | ドラゴン | レジェンドバッジ | ||
アイリス (W) | ソウリュウジム | ドラゴン | レジェンドバッジ | ||
イッシュ(BW2) | |||||
チェレン | ヒオウギジム | ノーマル | ベーシックバッジ | ||
ホミカ | タチワキジム | どく | トキシックバッジ | ||
アーティ | ヒウンジム | むし | ビートルバッジ | ||
カミツレ | ライモンジム | でんき | ボルトバッジ | ||
ヤーコン | ホドモエジム | じめん | クエイクバッジ | ||
フウロ | フキヨセジム | ひこう | ジェットバッジ | ||
シャガ | ソウリュウジム | ドラゴン | レジェンドバッジ | ||
シズイ | セイガイハジム | みず | ウェーブバッジ | ||
カロス | |||||
ビオラ | ハクダンジム | むし | バグバッジ | ||
ザクロ | ショウヨウジム | いわ | ウォールバッジ | ||
コルニ | シャラジム | かくとう | ファイトバッジ | ||
フクジ | ヒヨクジム | くさ | プラントバッジ | ||
シトロン | ミアレジム | でんき | ボルテージバッジ | ||
マーシュ | クノエジム | フェアリー | フェアリーバッジ | ||
ゴジカ | ヒャッコクジム | エスパー | サイキックバッジ | ||
ウルップ | エイセツジム | こおり | アイスバーグバッジ | ||
*ガラル | |||||
ヤロー | ターフスタジアム | くさ | くさバッジ | ||
ルリナ | バウスタジアム | みず | みずバッジ | ||
カブ | エンジンスタジアム | ほのお | ほのおバッジ | ||
サイトウ (剣) | ラテラルスタジアム | かくとう | かくとうバッジ | ||
オニオン (盾) | ラテラルスタジアム | ゴースト | ゴーストバッジ | ||
ポプラ | アラベスクスタジアム | フェアリー | フェアリーバッジ | ||
マクワ (剣) | キルクススタジアム | いわ | いわバッジ | ||
メロン (盾) | キルクススタジアム | こおり | こおりバッジ | ||
ネズ | スパイクタウン | あく | あくバッジ | ※2 | |
キバナ | ナックルスタジアム | ドラゴン | ドラゴンバッジ | ||
*パルデア | |||||
カエデ | セルクルジム | むし | ※2 | ||
コルサ | ボウルジム | くさ | ※2 | ||
ナンジャモ | ハッコウジム | でんき | ※2 | ||
ハイダイ | カラフジム | みず | ※2 | ||
アオキ | チャンプルジム | ノーマル | ※2 | ||
ライム | フリッジジム | ゴースト | ※2 | ||
リップ | ベイクジム | エスパー | ※2 | ||
グルーシャ | ナッペ山ジム | こおり | ※2 |
※1デントの場合「くさ」、ポッドの場合「ほのお」、コーンの場合「みず」。
※2町中にジム要素が配置され、最後はスポーツ場兼ライブ会場でジムリーダーと戦う。いわば町全体がジムの役割を果たしている。
区別用タグ
アニメ版のジムリーダーについて
アニメ版では、多くの非公認ジムが存在しており、ジム監査官の審査を通過した者が公認ジムとして認められるようになっている。
また、公認ジムを再監査する事もある。アニメ版ではハナダジムの再監査が描かれており、この際はポケモンセンターのジョーイがジム監査官を務めていた。
ジムリーダーが不在の場合、他のトレーナーが代理で管理を行う事もある。『無印』ではジムの経営から手を引いたサカキに代わり、四天王のキクコがトキワジムのジムリーダーを兼任していた。『XY』ではサトシの旅に同行していたシトロンの代わりに、代行ロボットのシトロイドが務めていた。
また、代理がいればジムリーダーが長期にわたって不在としても問題ないらしく、特にタケシは『無印』『アドバンスジェネレーション』『ダイヤモンド&パール』と3シリーズに渡りサトシと旅を続けていた。
アニメ・ゲーム問わず、実力さえあれば家族で経営・世襲を行っている場合が多く、ジムリーダーの一族には相当な実力を持っているトレーナーが多い(パンジー、コンコンブル、リモーネなど)。
ジムバッジを渡すかどうかは各ジムリーダーの裁量に委ねられている。特に『無印』では、戦闘の決着がついていなくともサトシのトレーナーとしての資質を認めバッジを渡す例が多かった。
アニメでのジム戦は、3対3バトルでポケモンの交代はチャレンジャーのみ可能というルールで行われることがほとんどである。
『ベストウイッシュ』のサンヨウジム戦では、デント・ポッド・コーンのうち一人をチャレンジャーが指名しバトルをするというルールだったが、サトシが三人全員とバトルを希望したため実質的に3対3バトルとなった。
『オレンジ諸島』では、アニメオリジナルキャラクターがジムリーダーとして登場しており、ジムによってはポケモンバトルを行わず、ポケモンによる射撃対決や海上レースを行うなど特殊な形式で勝負が行われた。
『無印』を原作とした小説『ポケットモンスター The Animation』では、4回続けて挑戦者に負けるとジムリーダーの資格を剥奪されるという設定があった。現在もこの設定が生きているかは不明だが、『ベストウイッシュ』では作中で3連敗してしまい立場が危ういジムリーダーがいた。
余談
ポケモンジムの入り口には石像が置かれているのがお約束だが、2021年に「ジムに置いてある石像」として、グッズ化された。(プレミアムバンダイ)
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ポケモン世界の役職
各町・地域の顔役:ジムリーダー、キャプテン(ポケモン)、しまキング・しまクイーン
その他:フロンティアブレーン サブウェイマスター バトルシャトレーヌ