名字
みょうじ
概要
他国のファミリーネームに相当し、主に日本人の家の名として使われる。苗字とも書く。日本の名字はアジア圏で最も種類が多く、十数万~三十万種あると言われている。
中国・韓国や前近代の日本の姓・氏とは本来は別のもの(人名の項目を参照)だが、しばしば混同されている。
日本では、明治時代より前、庶民は名字を持たないと誤解されることもあるが、あくまで公的に名乗ることが出来なかった(公文書に記載されなかった)だけで、大半の者は普段の生活で名字を使っていた。寺の記録や個人の手紙など、私的な文書では、農民や町人であっても、きっちりと名字が残っている場合が多い。
ただし、江戸時代の農民同士の金の貸借証文で相手の名前の後に「御名(苗)字失念」と書かれているものの見付かっており、実の所は「江戸時代は農民・町人でも現代の名字に相当するものを持っている場合も有ったが、それが親しい知人も含めた他者に知られていたかなどはケース・バイ・ケース」が実状に近いと言える。
更には、現代の名字に相当するものは、武家と公家では発祥・起源が違い、当然ながら武家と公家では「現代の名字に相当するものを何と呼んでいたか?」も違っていた、というややこしい事態となっている。
実は1801年(享和元年)の「苗字帯刀の禁令」まで、庶民が名字を名乗ることを禁止した明文化した法は無く、それまでは、あくまで慣習として庶民は名字を名乗らなかっただけである。しかも、この69年後の1870年(明治3年)には「平民苗字許可令」が施行され、「平民も公的に名字を名乗る」ことが許可された。つまり、日本で法的に庶民が公の場で苗字を名乗れなかったのは、69年間だけだったりする。
この「平民苗字許可令」はあまり徹底されなかったため、改めて明治8年に「平民苗字必称令」が施行された。この法令では、基本的に「先祖伝来の苗字を名乗る」ように指定している。新たに苗字を作る事は「先祖伝来の苗字がわからない場合」と、あくまで例外扱いとなっており、庶民でも普通は先祖から名字を受け継いでいた事を物語っている。
pixiv百科事典に記事がある名字(日本)
以下のリストに実在する名字を50音順で記載。
下の一覧にない名字がありましたら追加して下さい。
※読み方が複数ある名字(例:東(あずま、ひがし等)、金城(かねしろ、きんじょう等))は、いずれかの読み一つにだけ記載してください。
※名前以外の意味を持つものについては「人名・キャラ名に関連した誘導・分岐記事」への追加もお願いします。
あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま行
や行
pixivにイラストが投稿されていない名字
ら行
ら行 | ||||||||||
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ら | ||||||||||
り | ||||||||||
る | ||||||||||
れ | ||||||||||
ろ | 六ヶ所 |
余談・トリビアなど
- 名字が「あ」から始まる人は、学校生活を送る際に出席番号が1番だからという理由で先生からクラス委員をやらされたり、授業中の問題にとりあえず指名されたりという率が高いと言われる。
- 地域によって名字の偏りがあるため、名字によって出身地が分かることもある。例えば「比嘉」や「金城」は沖縄県でよく見られる名字である。
- 創作においては珍名字がよく使用される。その作品のキャラが有名になると実際の珍名字の人はちょっと気まずい。
- 実在の疑わしい名字を幽霊名字(幽霊苗字)と呼ぶ。例えば『涼宮ハルヒシリーズ』に登場する涼宮ハルヒなど創作で見られる「涼宮」は一見実在していそうだが現実では確認されていない名字である。
- 日本で最も多い名字は「佐藤」である。ちなみに日本人のおよそ1割は藤が下につく名字だと言われている。(「斉藤」「伊藤」「加藤」「後藤」など)
- 最も画数が多い名字は「躑躅森(つつじもり)」。画数はなんと54字あり、手書きで名前を書く場合は苦労するだろう。二位は53字の「雲類鷲(うるわし)」。
- 最も文字数が多い名字は「勘解由小路(かでのこうじ)」と「左衛門三郎(さえもんさぶろう)」。現在実在する名字の中では唯一の五文字の名字である。
- 名字は家庭裁判所で手続きをすれば改姓することができる。ただし、改姓しないと社会生活に著しく支障を来すなどの「やむを得ない事由」がない限り許可されない。やむを得ない事由とは、身近に同姓同名の人がいて紛らわしかったり、奇妙な名字や正確に読むのが難しい名字などが当てはまる。