概要
ウルトラマンと言えば、宇宙の平和のために戦う戦士たち全てのことを差す。
ただし一口にウルトラマンと言っても、この呼び方だと初代ウルトラマン個人の呼び名としての意味合いもあるので、ウルトラ戦士やウルトラ族という呼び方もされる。
最初はM78星雲・光の国(ウルトラの星)の者=『ウルトラ族』(一回だけだがウルトラ星人とも呼ばれた)を差して呼ばれているが、超古代の戦士、ウルトラの星以外の戦士、後天的にウルトラマンへ覚醒する(一体化パターンを除く)等、その生態や歴史、パターンは年々広がり続けている。
特徴と生態
特に多く共通している特徴は、以下の通り。
- 大まかにウルトラマン、またはウルトラセブンのどちらかの姿をベースにデザインされている。
- 口と顎の部分が荒い木彫りのように角ばっている。
- 目は丸みのある形で乳白色、六角形の金色(黄色)が多い。例外として青目や赤目の戦士もいる。
- 銀色の体、赤い体、青い体を基調とする。稀に若干黒が入る事もある。
- 超人的なパワーを発揮し、光波熱線や念力が使用できる他、肉体を実体と非実体とに切り替えることが可能
- 一部、独自に姿を変えたりパワーアップできる能力を持つ。
- エネルギーの消費の関係で、地上では短時間しか戦闘を行えないことが多い。そのためダメージが蓄積しすぎたり、エネルギーが十分でなければさらに戦闘を継続できる時間が短くなり、最悪の場合変身能力を失ってしまう。
- 太陽光などの光からエネルギーを補充するため、ウルトラマンの姿では食事を行わない。ただし、光ならなんでもよいというわけではない。
- 『ウルトラマンZ』第13話での二人のやりとりによると、ウルトラ族は空腹を感じないという。(上記のように、人間や動物のような食事を行わないためと思われる)
- 本来口を経由した食事を行わず、会話がほとんどテレパシーとジェスチャーによって成り立っているため、口が開閉することはまずない(人間態の時を除く)。だが時と場合によっては感情の高ぶり等が影響して口が開くことがある。(過去の例としてウルトラマンゼアスが挙げられ、口が開閉する機構になっている個体ではウルトラマンベリアルが該当する)
- 基本的にエネルギー残量に伴う危険信号としてカラータイマー、およびビームランプが身につけられている。ただし、これを身に着けていない者もいる。光の国ではむしろ付けていない者の方が多い。
- 人間の数千倍以上の寿命(元から変身者の寿命が長い可能性もあるため、後天的にウルトラマンになった者も含むかは不明)を持つ。
- 擬態能力を持ち、元の姿と擬態の姿とを切り替える事ができる。擬態においては、タイミングに応じてその場にあったものや、自分たちの出身地の文化にちなんだものの似姿を取る事が多い。
- 非実体化能力を応用し、別の知的生命体に憑依することが可能。そうすることでお互いの身体的ダメージを緩和し、回復を図る事ができる。憑依先や擬態元と性別が異なっていても(性別不明も含む)、変身において特に問題はない。(例:ウルトラマンベリアル×石刈アリエ/ウルトラセブン21/ウルトライブ)
- ただし、一体化したままだとお互いの人格の境界線が無くなり、二度と分離できなくなることもある。(例:ウルトラマンジャック×郷秀樹/ウルトラマンエース×北斗星司/ウルトラマンヒカリ×セリザワ・カズヤ)
- これについては、光の国のとある科学者の発明によって、完全な合一を回避するための対策が確立され、一定の成果を上げている。
- シン・ウルトラマンでは一体化におけるリスクが独自に追加されている(後述)。
- 変身(憑依元と肉体を代わる/擬態の姿から元の姿に戻る)には、変身前はセーブしている光/闇の力を開放するアイテムが必須。
- 防衛チームが所有する携行機器に自身の因子を滑り込ませる事で、変身アイテムとして自分専用に最適化する事も可能。(例:ウルトラマンエックス×エクスデバイザー/ウルトラマンリブット×GUTSスパークレンス&GUTSハイパーキー)
- 当然だが、アイテムを持っていてもウルトラ戦士と融合していなければ変身はできない。
- 一部の戦士はこれらのアイテムを必要としない場合もあるが、不要である理由は不明。(例:ウルトラマンジャック、チームUSA)
- アイテムを手にしただけでウルトラマンの力を得たために、アイテムさえ得られれば変身できるかのような描写をされた戦士もいる。(例:ウルトラマンロッソ&ブル×湊兄弟)
- ウルトラ戦士同士で融合を行い、光の力を相乗させることで、より強力なウルトラマン(通称:スーパーウルトラマン)への変身を可能とする。(例:スーパータロウ、メビウスインフィニティー)
- 他のウルトラマンに力を譲渡、または継承することも可能。主に新世代ヒーローズに多い。
以上のように特徴をまとめたが、例外的に制限時間を持たなかったり、故郷の年がら年中温暖な気候故に光の国出身のウルトラ戦士たちは寒さに弱いが、それ以外の星や誕生経緯の異なるウルトラマンはその限りではないか不明である等、全てにおいて共通しているわけではない。(常に冬場以上の寒さが想定される宇宙空間での戦闘は問題なく可能であるため、厳密には冷媒への耐性が強くないことになる)
ウルトラマンへの覚醒
最初からウルトラ族として存在していた者もいるが、実は大昔の光の国(ウルトラの星)の住民も含め、以下のように人間(またはヒューマノイド型宇宙人)が後天的にウルトラマンへ進化・覚醒するといった形でも力を得ていることが多い。今のところ、姿や能力のコピー以外で人間およびヒューマノイド宇宙人以外の種族がウルトラマンに覚醒した例はない。(怪物然とした姿でありながら求めていた者はいたが)
- プラスマスパークのエネルギーを浴びる(子孫はすべて最初からウルトラマンの姿)
- 光となって超古代の巨人の石像と一体化する
- 惑星O-50の頂上にある『戦士の頂』の光の環に触れ、素養を認められる
- ただし、いかにその者が優れていても必ず認められるとは限らず、たとえ力は手に入ってもウルトラマンの力ではなく怪獣の力を授かってしまうこともある。
- 地球から光を得る
- ウルトラマンに覚醒するアイテムを手に入れる
- 正体不明の光そのものと一体化する
- 死した友の存在がきっかけで覚醒する
- ウルトラオペレーションを受ける
- 特殊なアーマーを身にまとい、体内に残留した異星技術の片鱗が稼働中の状態で、ウルトラマン由来のエネルギー波を吸収
ただし、ウルトラマンキングやウルトラマンノア(ネクサス)、ウルトラマンエックス、ウルトラマンコスモス、ウルトラマンティガ(マドカ・ダイゴが変身した個体ではなく、超古代に地球へ飛来した最初のティガ)等、出身・誕生経緯が全くの不明な個体も存在しており、その全容は未だ解明されていない。
彼らの「正義」
彼らは戦う術を持たない者たちの代わりに戦い、宇宙に平和を取り戻すため、悠久の時を戦い続けている。
これは紛れもなく善であり、正義の行いであるが、必ずしも我々人間のためだけに戦うわけではない。場合によっては邪悪な怪獣や侵略者同様、人類すら手にかける場合も十分ありうる。「ウルトラマン」とは、決して地球人に無条件で味方するだけの都合の良い殺し屋の代名詞ではないのだ。
事実、地球人が侵略者として断罪されかねなかった件があり、他にも(組織的なものか個人的なものかは問わず)独自の正義観から人類を滅ぼそうとしたウルトラマンもいる。
例(洗脳・闇堕ちを除く):ウルトラマンアグル、ウルトラマンジャスティス、ゾーフィetc…
漫画『ULTRAMAN』では、その正義感が彼らの独自の主観から来るものであったことが危険視され、光の国そのものが全宇宙から『この宇宙にとっての悪』として敵視されるという事例もあった。
悪のウルトラマン
ウルトラマンへの共通認識が「正義を司る光の戦士」であるのは周知の事実だが、悪のウルトラマンに部類される者もいる。
昭和以前の作品ではウルトラマンの偽物たちがその役目を果たしているが、
『ウルトラマンティガ』以降、心の弱さや力への誘惑、欲望に負けて闇に堕ちたり、ウルトラマンの力を私利私欲に利用するなど、様々な経緯で悪の戦士となった者がいることが判明した。
いずれも普通のウルトラ戦士と比べても強力な個体が多く、その造形美や誕生経緯、カリスマ性などから悪役ながらも人気も高い。
シン・ウルトラマンにおけるウルトラマン
「シン・ウルトラマン」においては、光の星と呼ばれる惑星の知的生命体のうち、地球に降着したリピアーという名の個体が現地で「ウルトラマン」と呼称される。
これまでのウルトラ戦士とは異なり、人間と融合したことで逆にスペシウムエネルギーの消耗が激しくなり、エネルギーの残量によって体色が赤から緑へ変化する。そのためカラータイマーは存在すらしていない。
(メタ的には成田亨御大の遺志の尊重と絵画へのリスペクトも大きい)
「宇宙の秩序を守る」「他天体の知的生命体を監視する」「星間戦争用の生物兵器を駆除するべく他天体に来訪する」など、基本的には光の国の宇宙警備隊のような活動を行なっていることが明らかになっているが、その行動は機械的で、一言で表すなら「処理」。任務遂行による周囲の被害や生命体の犠牲も特に考慮していない。
また、光の星の掲げる「正義」とは、「宇宙全体にとって害となる存在」または「他の知的生命体に悪意をもって利用される畏れがある存在」と判断すると、問答無用で恒星系ごと焼き払って処分しようとするなど、見方によっては過激にも映る極めて冷酷なものである。
実際、リピアーは周囲の被害を考慮しなかった結果、神永新二という一人の人間を死なせてしまっている。
それに責任を感じ、同時に神永が命を顧みずに自分よりも力が弱い子供を庇った行為についても理解が追いついていないという意味で驚きを感じたことをきっかけに、地球人に興味を持ったリピアーはその人間と一体化することで、これまでのウルトラ戦士のように、弱き者をいたわり、誰かのために戦うようになっていく。