実際の予告
やめて!ラーの翼神竜の特殊能力で、ギルフォード・ザ・ライトニングを焼き払われたら、闇のゲームでモンスターと繋がってる城之内の精神まで燃え尽きちゃう!
お願い、死なないで城之内!
あんたが今ここで倒れたら、舞さんや遊戯との約束はどうなっちゃうの?
ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、マリクに勝てるんだから!
次回「城之内死す」デュエルスタンバイ!
概要
アニメ「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」第128話のサブタイトルであり、ヒロインの真崎杏子がやらかした遊戯王史上最大といっても過言ではないネタバレである。
ちなみに正確には、アニメ内の表記ではスペースが入り「城之内 死す」である。
※正確には制作側によるサブタイトルの付け方が下手なだけで予告そのものは毎回完璧にこなしている杏子には何の落ち度も無いのだが、世間一般で「ネタバレし過ぎな次回予告」としていじられている事を承知の上でお読み頂きたい。
127話「逆転!稲妻の戦士」終了後の次回予告でその事件は起こったのである。
予告では、城之内克也は闇マリクの持つ神のカード「ラーの翼神竜」の効果によって炎で焼かれるという状況であった。
闇のデュエルによって実際に自らにもダメージが与えられる状態の中、城之内は耐えることができるのかというところであった。
視聴者も城之内が来週どうなるのかハラハラしながら見守っていたに違いないだろう。
そこに次回「城之内死す」である。
こんなことを言われてしまってはもうどうしようもない脱力感に襲われることだろう。
「死なないで城之内!」といいつつその後あっさり「城之内死す」と言い放つ杏子の外道っぷり(※意味二重)は後々まで伝説として語り継がれることとなるのであった。
※視聴者にネタバレする外道さと、杏子≒視聴者とした「エロ戦車行為の復讐に違いない」という下衆の勘ぐりの外道さのダブルミーニングであり、次回予告という手段も相成って、究極のメタ発言となっている。
杏子は第一話から「(カタミって…遊戯のおじいさん死んじゃったのー!?)」という悪気がないミサンドリックな台詞を発しており、こちらは生きていたのがオチであり、序盤遊戯王は「俺と遊戯のを交配させようぜ!」発言など、作中の出来事と読者の印象が違う作風が売りであった。
アニメは原作のエログロ描写がカットされているが、孔雀舞がテントの中の杏子の裸を覗こうとする城之内と本田を制裁するシーン、舞と城之内の間に間男が挟まるシーンなどの原作にないシーンが存在し、東映版とDMの両方で、城之内と本田がアニオリでロマンス要素を増やされておきながら、例外なくアニメオリキャラに振られていた(メアリー・スーを出さないままモテる展開を増やす紳士・淑女的な描写だという解釈もある)。
他の作品でもこういったネタバレは多々あるのだが、この予告は途中まで杏子が悲痛ながらも必死に城之内を応援していながら、「次回「城之内死す」デュエルスタンバイ!」の時だけいつもの明るい調子で言うあまりの落差が、この次回予告を伝説に至らしめたのである。
当の回でも闇遊戯の「耐えてくれ城之内君!」という台詞から「城之内死す」のサブタイトルが表示されていた。
スタッフもなぜこのようなサブタイトルをつけたのだろうかは不明である。
ちなみに遊戯の中の人曰く「(これ以外も含めて)録ってた時は全然気づいてなかった」とのこと。
このあまりにあんまりな出来事は元凶である公式もネタにしており、2016年の映画の舞台挨拶や同映画を話題にした番組で話のタネになることが多かった。
しまいには城之内の声優である高橋広樹氏すらネタにしてしまう始末。
にもかかわらず、残念な事に同年放送されていたHDリマスター版「バトル・シティ編」の127話は映画の宣伝にスペースを割かれ、この予告はカットされてしまう。
「劇場版遊戯王 公開SP! 風間・ケンコバ&メンタリストDaiGoのつっこみ遊☆戯☆王」では公式サイドで伝説の次回予告とネタにしたのに……。
土曜朝のテレビ東京版第1話から開始されているHDリマスター版も並行して放送しているため、そちらに期待したいが、残念ながらこちらもこの予告はカットされた。
ちなみに、デュエルの結果を言えば、城之内はラーの攻撃に耐えている。
攻撃を耐え切った後、闇マリクのターンは終了、ラーは墓地に舞い戻り、闇マリクのフィールドはがら空きになってしまう。
そして城之内は「鉄の騎士ギア・フリード」を召喚したが、そこで安心してしまった部分もあったのだろうか、城之内は攻撃宣言一歩手前で力尽きてしまう。
結果、城之内はデュエル続行不可能とみなされ、闇マリクの勝利となった。
遊戯王シリーズの他のネタバレ
このような本編前からのネタバレは探せば意外と結構ある。
初代では、27話「海馬散る!無敵のトゥーンワールド」、106話「男の花道 本田玉砕」、210話「盗賊王バクラの最期」の予告などが挙げられる。
アニメ『遊戯王5D's』の本編前にあった、龍亞と龍可が紹介する、その回に登場する主なカードを紹介するコーナーでは、その日の切り札カードがネタバレされるというものもある。
例えば、「ダークシグナー編」終盤のレクス・ゴドウィン戦のころでは「セイヴァー・スター・ドラゴン」が紹介されたため、視聴者は「ああ、今回で決着なんだ。」とだいたい分かってしまうのである。
アニメ『遊戯王ZEXAL』では、パック「GALACTIC OVERLORD」のCMがAパート後に流れ、Bパートで初登場するモンスターをネタバレしてしまうという、ネタバレの新しい形を提供したのである(この反省からか、後に発売されるパックに描かれているモンスターがBパートに初登場する場合、CMはその回のBパート後まで流されなくなった)。
ZEXAL47話終了後の予告では「アストラル、死す…!?」なるサブタイトルが登場。
「!?」とついているあたり、嘘予告の予感がビンビンであるが、結局死ななかった。
それでもこちらよりネタにされることが少ないのは、こちらは単なるネタバレ以上に杏子が外道に映るからなのだろう。
アニメ『遊戯王VRAINS』では、「敗北のブレイヴ・マックス」というサブタイトルが登場。
余談
海馬モクバ「おい!城之内のやつ、息してないぞ!」
このシーンで、杏子が手で顔を覆って泣いているような場面があるのだが、それが笑いをこらえているように見える等とよくネタにされている。
また、しばしばMADに登場する城之内の叫び声「イワーーーーーーーーーーク!!」もこのデュエルで登場している。
放送当時は原作も同時進行していたこともあり、視聴者の多くは既に結末を知っていた(2002年1月発売の週刊少年ジャンプ6・7号にて掲載)ため大したネタバレではなかったが、再放送となっては世代的に漫画を読んでいない人が多くなり、ネタバレの話題にさらされた。一方城之内死すのシーンがある原作のタイトルは「不死鳥、舞う!」である。
実際は、城之内はこの後に復活しているため、この予告は嘘であると言えなくはない。
ちなみにこの予告は海馬瀬人Ver.もあるのである。
2016年の3月27日に「Anime Japan 2016」で行われた「遊☆戯☆王THE_DARKSIDE_OF_DIMENSIONS」のステージにおいて、まさかの海馬役の津田健次郎氏の声でこの予告を読み上げる(文章は若干オリジナルと変わっている)というイベントが行われた。
もはや公式が病気。
元は城之内役の高橋氏がモクバ役の竹内順子氏に願い出たものだが、竹内氏が「このネタバレ次回予告は杏子の特権である」と断ったので、それを何故か津田氏が買って出たというものである。
心なしか、「お願い死なないで城之内 ~ これに耐えればマリクに勝てるんだから!」を至極どうでもよさそうに言っている様に聞こえ、高橋氏から思いきりツッコまれた。
このステージは同年の2016年4月19日放送の「アニメマシテ」内でも放送された。
津田「次回「城之内死す」。デュエルスタンバイ!」
高橋「あ、ホントにwwwホントに死んじゃうwwwwwwその予告ホントに死んじゃう奴wwwwwwww」
さらにこの予告は闇マリクVer.も新たに世に出たのである。
ジャンプフェスタで行われたイベント決闘劇場に出演していたマリク役岩永氏に城之内役の高橋氏がリクエストする形で闇マリクが担当する事に。
岩永氏も「マリクが読むとウッキウキ気分になっちゃうけど、それでもよろしければいかがでしょうか!」と快諾し、会場も大盛り上がり。即座に岩永氏から闇マリクに変わり「じゃあ行くぜぇ」の闇マリクの一言から次回予告が始まった。
が、マリクの立場上ナレーションは非常に白々しく、目を閉じれば闇マリクが顔芸しながら城之内を煽る絵が浮かぶ完璧な仕上がりとなり、高橋氏も「死んだなw殺る気満々じゃないですか」と言う程素晴らしい演技を披露して下さった。
後に岩永氏はブログで、イベント出演する時に考えている事はお客様にどれだけ楽しんでもらえるか。である事、当日まで叫ぶ仕事が多く直前まで喉が軽く出血する程に調子が悪かった事、声も出すのが厳しいピンチであった事、会場入りしてからラーの力かと思うほど突然調子が良くなった事、特別なステージである事。と言う裏話を綴っている。
そして更なる余談だが、どういうわけか、元国営放送のアナウンサー・登坂淳一さんもこれらのネタバレ予告をニュース調で読み上げている。ラスト、現場からの生中継に繋げるかのように「デュエル スタンバイ!」とカメラ目線でキリッと締める場面にもご注目あれ。
実のところ
もっともサブタイトルに関しては「メインキャラが死ぬ(あるいは一時的にせよ不幸な形で戦線から離脱する)展開を用いる場合には年少の視聴者のショックを緩和させる(もっとよりよく言うと親側に子どもと話し合いなどをさせて対策を取らせるための猶予期間を与える)配慮の元、あえてネタバレのサブタイトルを用いる」というのは珍しい事では無い。
一方で、そこまでやってなお子どもたちの対ショック防御ができなかった事例もちらほらある。セーラームーン無印ラストショックなどは、その良い例。こうした場合には対策を取れた親たちから「ネタバレサブタイトルで助かった」という声が出る場合もある。(逆に「子ども番組なんだから」と楽観してタイトル詐欺・死ぬ死ぬ詐欺を期待していた親たちからは「子ども番組でここまでやる(本当にメインキャラを死ぬ展開をやる)なんてひどすぎる! 子どもの心を無用に傷つけた! 」と大きな苦情と批判が出た)
このあたりは作品や視聴者にとっても取り方として難しい問題ではあるが、アニメ・コンテンツとして広範囲の年齢のユーザーを相手にする以上、事情にもよるがショック展開におけるネタバレサブタイトルというのは(特に年少者層が触れる可能性が高いコンテンツにおいては)とらねばならない措置である事は事実である。
それを踏まえれば、この場合のネタ化というのは、やはり脚本ゆえのギャップ(あるいは声優の演技)に集約される、という意見も無い事は無い。
別の遊戯王関連&遊戯王以外では
- 初代遊戯王の『渇いた叫び』の映像に出る(東映版に出ず、原作と違う攻撃をする)ブラック・マジシャンと封印されしシリーズ、三話まとめて流される次回予告が『ネタバレし過ぎ』『原作に追いつき過ぎ』と一部の視聴者から不評であった。中盤以降のキャラ(主に魔法使いキャラ)が続々出るまじかる☆タルるートくんのOP以上である。
- 同じジャンプ作品でも、多数ネタバレと言うか回そのものを現したサブタイトルが付けられている。北斗の拳の『さらばトキ! 男の涙は一度だけ!!』、ドラゴンボールの『レッド総帥死す』(正確にはブラック補佐の下剋上がネタバレ)、ドラゴンボールZの『ヤムチャ死す!おそるべしサイバイマン』(ヤムチャしやがって…)、ONEPIECEの『答えを探して 火拳のエース戦場に死す』など。
- 何と、大河ドラマ『おんな城主直虎』にて、『桶狭間に死す』という、どう考えてもフラグなサブタイトルが次回予告で流れた。
- ウルトラマンオーブでは第10話のタイトルが『ジャグラー死す!』というものだった。最終的にはタイトル詐欺だったのだが、タイトルの響きゆえにTwitterや2017年3月のニコ生では「デュエルスタンバイ!」というコメントが溢れた。ちなみに、ウルトラシリーズでは過去にも、「ゾフィが死んだ!タロウも死んだ!」や、「城野エミ隊員が壮絶に死んでいった」など、次回予告、サブタイトルの時点ですべて話してしまうことが少なくなかった。
- テレビ朝日で放送された『アメトーーク』の『スーパー戦隊大好き芸人』にて恐竜戦隊ジュウレンジャーの第42話の次回予告が放送され、ナレーション(『ブライの命はどうなってしまうのか…』)とサブタイトル(『ブライ死す…』)が話題となった。この作品は『ブライ生きて!』という延命期間中のサブタイトルもある。
- ちなみに同シリーズでは、ブライのケースと前後して4年連続で似たような事をやっている(『地球戦隊ファイブマン』第32話「学、死す!」→『鳥人戦隊ジェットマン』第18話「凱、死す!」→ブライ兄さん→『五星戦隊ダイレンジャー』第41話「クジャク大昇天」)。
- 黎明期の『バトルフィーバーJ』に至っては緊迫感を誘うナレーションをやっておきながらサブタイで堂々とネタバレをかました『コサック愛に死す』(第33話)の例がある。
- 実は高橋和希氏の前作の主人公の名前が『ブライ』(天燃色男児BURAY)なのだが、DMスタッフがダブルパロディを意識した可能性もあるのだろうか。
- 漫画家の佐倉色が2016年に自作のプロモーションにおいて公式で(作者との打ち合わせも話し合いも無く強制で)ネタバレされた際に「リアル『城之内死す』をやられた」と憤慨して当時の商業漫画(雑誌連載)からの撤退をほのめかすツイートを連発し、これが漫画業界からの引退と誤解されて一部ネットニュースにまで挙げられる騒ぎとなった。なお佐倉自身は当初より「あくまでも商業のフィールドからの一時的撤退であって漫画を描く事そのものを辞めると言ったわけではない」としており、後にその言葉の通り芳文社(まんがタイム系)より復活している。さらに後、この騒動を主題とした『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』を飛鳥新社より上梓している。
- 城之内以前にも、このようなパターンのネタバレサブタイトルは実際に存在していた。銀河英雄伝説の『魔術師、還らず』である。
- 「城之内死す」と真逆のパターンとして、WJ誌上の『るろうに剣心』で剣心が妻の巴を自らの手で惨殺したと語っていながら、回想編の連載中に「剣心は無事巴を救うことができるか!?」というKYな次回予告が書かれた事件が挙げられる。
- 本田ヒロトも死ぬ死ぬ詐欺をやったことがあり、その時のコマがネタにされている(WJで使われ尽くした手法だったため、死んだと思った人はほぼいなかった)。
- 令和時代には仮面ライダーゼロワンが提供帯で『飛電或人、死す!?』と出したのだが、こちらも生存フラグなのは言うまでもない。(リンク先ネタバレ注意)
- デジモンテイマーズの第35話のサブタイトルが「心優しき勇者レオモン死す!」である。ちなみにレオモンを殺した相手は城之内と同じ声優が担当している。
- デジモンアドベンチャー:の第24話予告ではダンデビモンによって八神太一が死んでしまうらしき事が語られ、「太一、死す」がツイッターでトレンド入りを果たしている。
- 機動戦士Vガンダムでは、次回予告の段階で既に次の話で誰が死亡するのかを淡々と発表してしまうというネタばらしをしている。もっとも、Vガンダムという作品自体が黒富野全開の陰鬱とした作品で、敵味方問わずバタバタと戦死者が出るのだが…
- 機動武闘伝Gガンダムもネタバレ全開のサブタイトルが多いことで知られ、第45話『さらば師匠!マスター・アジア、暁に死す』、最終話『Gガンダム大勝利!希望の未来へレディ・ゴーッ!!』などが有名。特に後者は予告で散々危機を煽っておきながら、サブタイトルで堂々と大勝利とバラしてしまっている。…その大勝利の方法が視聴者の度肝を抜いたのは別の話。
- キューティーハニーFの第22話「炎の中に聖羅死す!父の愛を胸に」というふうに次回予告の時点で葉月聖羅の戦死を普通に発表している。この時のBGMは物悲しげなものになっている。
- 機界戦隊ゼンカイジャーの第19カイ!での東映オフィシャルサイトではモロにこれを意識したようなネタがある。
- 仮面ライダーリバイス28話では提供帯で『オルテカ死す!?ギフはどこへ···』と出た。なお、こちらは或人と違い役者がオールアップを迎えたため、死亡は100%確定であると思われていたが………(詳しくはオルテカの項目を参照)。
- 魔王城でおやすみでは、元々パロディ要素満載の作品である為、第260話「ハーピィ 死す」にてサブタイトルのみならずフォントも遊戯王仕様にするというパロディが行われた。
- 夫婦以上、恋人未満。第4話では遊戯王カードのパロディだけでなく、「俺之内、死す」と題して予告ナレーション、フォント、BGM、ライフカウンターまでパロディすると気合いの入ったパロディがオンエアされた。
- アリス・ギア・アイギスEXでは、最終話のサブタイが「さらば高幡のどか!」だっただけにもしかして、という視聴者もいた。実際は退場フラグとしてではなく……。詳細はリンク先を参照のこと(※リンク先、テレビアニメ版のネタバレ注意)。
夕陽に死す系
- 「〇〇死す」系でありがちな予告。「ウルトラマン夕陽に死す」(『帰ってきたウルトラマン』第37話)、「真っ赤な特攻!キレンジャー夕日に死す」(『秘密戦隊ゴレンジャー』の』第67話)、「トカッチ夕焼けに死す」(『烈車戦隊トッキュウジャー』第10駅)などの例があるが、実際に死んだのは2代目キレンジャーだけである。正確にはウルトラマンジャックとトッキュウ2号は敗れてしまったが何らかの要因で復活したというパターンである。
- 『勇者特急マイトガイン』第14話「ボンバーズ夕闇に死す」も敗北(大破)→復活のパターンだが、新メンバー&新合体を引っ提げての復活と引き換えにトライボンバーとしての登場は当該話が最後となってしまった。
関連タグ
狂戦士の魂(バーサーカー・ソウル):杏子の最初のセリフが「(もう)やめて!」と一部共通している。
犯人はノブちゃんです、犯人はヤス、ブライ死す…:サブタイトルのネタバレ繋がり。