『キエテ カレカレータ(良い気分だ)…』
曖昧さ回避はこちらを参照。
概要
本作のメイン悪役で、遠い宇宙のどこかからやってきた謎の寄生生物。
非常に高い知能を持つ反面、肉体が脆弱な生物である為、常に他の生命体に寄生する必要がある。
地球へ侵入した際は、地球防衛軍日本支部・怪獣研究センター生化学研究部所属の青年カブラギ・シンヤを宿主とし活動するようになる。
「キエテ カレカレータ」なる宇宙語が口癖(「私はいい気分だ」に類する意味)で、怪獣に変身する際にもこの言葉を述べている。
尚、カブラギに寄生している時は口数が非常に少なく、稀に話す台詞は殆どが宇宙語ではあるが、一応地球の言語を喋るのも可能(その時はノイズのようなエフェクトがかかる)。表情の変化にも乏しく、常に無表情で行動している(作中での主な表情の変化は、第1話終盤で狂気じみた笑みを浮かべたのと、第9話でのキングジョー絡みの事件、そして第24話でウルトロイドゼロを強奪して自身の計画が最終段階に入った後くらい)。
また、怪獣を固有名詞では呼ばず、別名(「どくろ怪獣」や「異次元超人」等)で呼んでいる。一方、相手となる怪獣が目の前に居る時や、直接呼ぶ際は名前を使う場合もある(テレスドンやブルトン)。
ナツカワ・ハルキと同型のウルトラゼットライザーを手にし(後述する第1話での描写は、カブラギに寄生した際にたまたま拾ったようにも見えるものだが、登場までの経緯を見るに、それ以前から盗み出そうと意図的に動いていた可能性もある)、独自に作り出した怪獣メダルを使う。
怪獣メダルの生成には、インナースペース内に隠し持っている、特殊な機械にその怪獣の体組織の一部を投入して行なっているが、その素材の仕入れはカブラギ・シンヤとして怪獣の残骸処理に従事しつつ、一部をくすねる形で行なっている模様。
ジャグラスジャグラーは彼の存在を知っており(ジャグラー曰く「幾つもの宇宙を渡り遊んでいる(要約)」)、カブラギの様子から彼がセレブロに寄生されていると見抜いていた。また、第8話ではピット星人を利用し、ファイブキングの材料になる怪獣の細胞を集めさせていた。
一方でゼットはともかくゼロやリク達が、セレブロを口にしていない事実から光の国、ひいてはウルトラマン達がセレブロを認知しているかどうかは不明。
第14話を見るに、セレブロの方はジャグラーを知らなかった様だったが、第24話で彼の名を叫びながら交戦していた為、顔は知らなかったものの名前だけは以前から知っていたのかもしれない(その為、カブラギのデスクに宇宙語で書いたウルトラメダルの設計メモを残し、ジャグラーに怪獣メダルを作っている事がバレてしまう)。ジャグラーはセレブロの悪事を応援してはいるが、よりにもよってジャグラーの縄張り=ストレイジにちょっかいを掛けてしまい、彼と敵対する羽目に陥っている。
ウルトラゼットライザー等の複製品を作成する、行動を起こす星の選別眼を持つ等から、生まれ持った知能は高い。
しかし、自身の能力や今までのゲームの成果に自惚れてか、劇中描写からは自分以外の殆どを軽んずる傲慢さや、最低限の道筋しか決めず、行き当たりばったりな行動が目立つ計画性の乏しさ等が災いし、時に自らの首を締めた他、妙な所で素直な行動を採ってしくじったりと、知能の高さに反比例して知性の低さが目立つ。結果、裏で暗躍する策士としては、多分に詰めの甘さが散見される(彼等と比べれば、正に雲泥の差と断言しても良い程。
ウルバトではナヴィからも「思い返せば非常にわかりやすく隙も多かった」と解説されている)。
だが、ゴール以外の中身がない故に(セレブロ自身のアドリブセンスは求められるが)臨機応変に作戦や指針の変更がし易く、途中で意味のない遊びを取り入れる、全てを放り捨てて逃げ易い等のメリットもあり、愉快犯故にその悪辣さは際立っている。結局、セレブロにとっては「『後述の目的』さえ達成してしまえば、それまでの過程などどうでもいい」のスタンスなのだろう。
容姿
PVや第1話終盤、第24話中盤において本体と思われる奇怪な生物が一瞬だけ登場していた他、カブラギのウルトラアクセスカードにもセレブロの本来の姿(と思しき生物)が描かれている。最終話では本来の姿がストレイジの前に白日の下に晒される事態になる。
その実態は、赤い目を持ち、エイとアノマロカリスを掛け合わせたような、かなりグロテスクな姿をしていて、登場初期やウルトラアクセスカードのイラストで誤解されがちだが、体色は緑ではなく毒々しい色をしている。
その知能とは裏腹にあまりにも脆弱な姿をしているが、その見た目だけでは危険性を悟れないのが真に恐ろしい。
活躍
第1話
終盤に登場。
宇宙のどこかでゲネガーグに飲み込まれてしまっていたようで、その残骸に潜んでいた(何らかのトラブルにより飲み込まれてしまったのか、実はゲネガーグに寄生して自身の意のままに操っていたのか、その真相は現段階では不明である。しかし、続く第2話で、ゲネガーグが光の国にあるゼットライザーとウルトラメダルをピンポイントで狙っていた為、ゲネガーグを利用していたのは確かである。また、ゲネガーグは第1話でブルトンを吐き出してウルトラマンゼロを撃退し、第14話ではカブラギがブルトンを使役していた)。
事後処理に当たっていたカブラギが、たまたまセレブロの残骸の入った缶をひっくり返してしまった際に缶から飛び出して、彼に口から直接体内に入り込む形で寄生。同じく残骸に紛れ込んでいたウルトラゼットライザーとオレンジ色に光る物体を回収し、「キエテ カレカレータ…(いい気分だ)」と不気味に囁くのだった……。
以降、第17話までの活躍についてはカブラギ・シンヤの記事を参照。
第17話
怪しすぎる行動を取り続けたせいで、ついに防衛軍から服務規律違反を名目にマークされてしまう。
「カブラギの体に限界が近い」と察していた時に、警務隊保安課隊長のアサノに拘束されそうになるが、何者かの攻撃に怯んだ隙を突き、アサノを押し倒して彼に乗り移ってしまう。
まんまと新しい体と隊長の地位を得たセレブロは、正気に戻ったカブラギを部下と共に拘束し、連行するのであった。
ちなみに、新たに宿主にされたアサノは、カブラギの服務規律違反の報告書を書いた本人であり、カブラギを怪しんで調査した結果、逆にセレブロに寄生されてしまった(まあ、斬撃を飛ばした誰かさんのお陰なのだが)。
第21話
トイレの出入り口の階段でクリヤマ長官とすれ違ったアサノは不敵な笑みを浮かべていた。
その刹那、アサノの左目が赤く光り……。
その後、ヘビクラの前に現れたクリヤマ長官の様子が豹変する。この時にクリヤマ長官に寄生したらしく、以後の長官は過激な言動でストレイジを振り回し、D4レイを撃たせて多大な被害を出させた後にストレイジを解散させる。セレブロにとってストレイジが「後の邪魔になる」と踏んで、クリヤマ長官の体を利用して上層部を掌握して解散に追い込んだ模様。
第23話
冒頭の緊急会見、及び怪獣軍団に放たれたD4レイを(操縦者にダメージを与えつつ)完璧に制御したウルトロイドゼロを見た際に、クリヤマ長官に寄生した状態で目を赤く光らせ、「カレカレータ」と発言しており……。
第24話
ファイブキングに変身して突如ゼットとジャグラーを強襲、ゼット及びジャグラーが変身したゼッパンドンと交戦状態になり(ここでセレブロはジャグラーがウルトロイドゼロを横取りしようとしている意図を悟った)既に制限時間を迎えていたゼットを倒し、ハルキを変身解除に追い込む。直後ゼッパンドンにファイブキングの腹部を貫かれ、一度はダウンするも、倒れていたハルキを人質にジャグラーを脅して挑発。再び戦闘となりゼッパンドンとは相打ちになるものの、ジャグラーのダークゼットライザーを破損させる。その際にベリアルメダルを奪回し、姿を消す(この際、今までメダルを返してもらえなかったのが余程悔しかったのか『これ(=ベリアルメダル)は返してもらうぞ‼︎』とわざわざハルキが意識を取り戻した時を見計らって一喝している)。
その後は密かに基地に戻っており、隠し撮りしていたヘビクラがジャグラーに変身する映像を見せて、マイ達防衛軍に「ストレイジの主要メンバーは既に宇宙人と入れ替わっており、ヘビクラは宇宙人の首領」とのデマを吹き込み、旧ストレイジメンバーを逮捕もしくは射殺を命じる。
そして後日、計画の最終段階に着手。ナカシマ・ヨウコの前で自分の目的を明かした後、彼女に取り憑いてウルトロイドゼロを暴走させ、各地の怪獣管理区域の怪獣達を次々に吸収してデストルドスへと変貌させた。
最終話
ゼットを倒した後、アメリカのロサンゼルス等の世界の主要都市及び迎撃した防衛軍を壊滅させ、人類の唯一残った戦力であるストレイジの動きを察知して襲来。
ハルキの乗るキングジョーとヘビクラの乗るウインダム、そしてバコさんの乗るセブンガーと戦闘。その際にヨウコ(=自身)のコクピットが胸の主砲の奥にある事実を突き止められ、主砲を破壊されてD4レイが撃てなくなった隙に、ハルキによりキングジョー共々空高く上昇しながらコクピットを摘出された。その衝撃で意識を取り戻したヨウコに引き剥がされた後、逃げるようにデストルドスと融合(この際にベリアルメダルを落としてしまい、ヨウコの手に渡りハルキの許に戻った。尚、デストルドスと融合したシーンが流れ、ゲネガーグも同じように融合していたと思われる)。
同じく再びウルトラマンゼットと融合したハルキと再戦し、死闘を繰り広げる。デストルドスと直接融合した為か、新たに損壊した主砲を何度でも再生させる能力を獲得しており、再びD4レイを撃とうとするも、ベリアロクの捨て身の攻撃で主砲を破壊された。それでも尚抵抗し、またして主砲を再生させてD4レイを撃とうとするが、ストレイジの呼び掛けで意識を取り戻したウルトラマンゼット・オリジナルに圧倒された末、渾身のゼスティウム光線によりD4レイをも押し返され、デストルドス諸共、撃破された。
……かに見えたが、撃破される直前にデストルドスと分離したのか、セレブロ自体はまだしぶとく生きていた。
市街地の中、再び暗躍せんと寄生対象を探して這い回っていたが、デストルドスの襲撃により周辺区域の住民は予め避難していた為、新たな宿主にできそうな人間は1人も見つからず、松の盆栽を抱えたヘビクラもといジャグラーに発見・蛇心剣を眼前に突き出され「ゲームオーバー」を告げられる。その直後にオオタ・ユカとカブラギに網で捕獲され、2人に嬉々として解剖を宣告された。
後にウルトロイドゼロ強奪及び、デストルドスによる全世界的破壊活動の主犯として、ストレイジと怪獣研究センター共同で生態調査される事まで判明している。
かくして、『ゲーム』と称して様々な星を滅ぼし、新たに地球の文明を滅ぼすべく、暗闇の中で蠢き続けてきた悪魔は、寄生出来なければ単純な道具に抗えも出来ぬ脆弱さを晒し、策謀の果てに文明に生きる者達の興味の赴くまま、その存在を明るみにされ自らの命を弄ばれる(しかもコミュニケーションすら宿主の声帯頼みな為、悪態を吐こうにも泣いて命乞いをしようにも、相手に理解できる言葉を一言も喋れない)と、ある意味では死よりも惨めで悍ましい、因果応報にして皮肉まみれの末路を辿るのであった……。
リ:ストレイジ
その後の顛末が少し明かされており、ユカによって捕獲後も研究が進められているらしい。
尚、解説の中で『セレブロこそがグルジオライデンを地球に送り込んだ張本人』だった真実が断定されている。これによりセブンガーから続く特空機達そのものが、セレブロにとって文明自滅ゲームの駒だった事実も明らかとなった。
ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀
直接は登場していないが、本作ラストにてゲネガーグで光の国を襲撃した時期とリンクし、光の国がセレブロに出し抜かれた背景が描かれた。
この時、ウルトラ戦士達はアブソリュートタルタロスの暗躍によって起きた混乱の対応に追われており、しかもユリアンがタルタロスの人質にされる大事件により、光の国の警備が手薄な状態になっていたタイミングで事件を起こしていた。
かくしてゼットとゼロの追跡劇が始まり、その顛末は上述の通りだが、襲撃を受けた科学技術局は機能停止に追い込まれるなど意図せずタルタロスと助け合う形となり、この愉快犯は初っ端から火に油を注ぐ最悪の悪事を働いていたのだった。
目的
第24話で明かされた彼の目的は、文明のある星に怪獣騒ぎ等の恐怖を植え付けて、それに対抗する兵器を作らせた後に、それを乗っ取って星を滅ぼす「文明自滅ゲーム」だと語られた(ジャグラーはこれを利用して、ウルトロイドゼロを鹵獲するのが狙いだった)。
また、劇中でジャグラーがセレブロに問い詰めた様に、その過程でギルバリスやグリーザ等の、下手すれば星を容易く滅ぼし兼ねない存在を利用したり、二次被害を出したりする事例もあり、ジャグラーやゼット達が必死こいて対処しなければ、セレブロのゲームが早々に破綻してもおかしくなかった状況が多々あった。しかも、それについて問い詰められても、省みるどころか笑い飛ばしていた。
ゲーム感覚であるが故に、その間に不測の事態が起きても無責任と、今までの黒幕にはない悪質さや外道ぶりが目立つ(ただ、グリーザの件はジャグラーの弁にも一理あると感じたのか、或いは計画の破綻を恐れてかベリアルメダルを投げ渡した)。
本編での行動を見てみると…
- グルジオライデン:未知の存在への脅威を認知させ軍備増強等最終兵器開発の下地を作った。
- 怪獣メダル:メダル単体でも怪獣に融合可能かを検証しており、この時点で既にデストルドスの様な怪獣の構想があったのが窺える。
- ベリアルメダル:ベリアル融合獣の様に合体怪獣の核としてある意味最適な力であり、ゼットライザーを使用して合体怪獣誕生が可能か検証。
- キングジョー:未知のテクノロジーを新兵器開発に利用させる為に介入。
- ファイブキング:ライザーの限界である三体合体を越えた合体が可能か検証。
- ウルトロイドゼロ:肝心の人類自滅の兵器にして合体の器。長官を乗っ取る形で開発や運用試験を後押しする。
…と、愉快犯の行動の裏で全てが文明自滅ゲームを完遂する為の布石であった。
視聴者からは、寄生して文明の自滅を促すセレブロの存在は、文明の選択に干渉しないウルトラマン達にとって、本当に文明が自滅したようにしか見えない為、彼らのマークを避け続けて来たのではないかと考察されている。
しかも、愉快犯である為に、侵略目的の宇宙人と比べ、大規模な資源や労働力(=人間)の奪取等が行われないので、痕跡が残り難い。
尚、光の国も文明がある星にも拘わらず、ウルトラゼットライザーとメダルの設計だけを盗んで逃亡した辺り、流石にウルトラマンだらけの星をゲームの舞台に選ぶ程の命知らずではない様子である。尤も、デストルドスの足パーツにされた怪獣の別個体のような事件を起こしていない以上、寄生自体が不可能である可能性や、光の国の文明の維持によって、その敵対文明や、ウルトラ戦士の力に着眼する連中(例えばユウキ・マイのような人物)に『超兵器を作らせる動機付け』としての価値を見出し、放置している可能性はないでもない。
また、彼の持つ寄生能力は、寄生された記憶や痕跡等の証拠が残り難い為、もしセレブロが絶命しても、解放された人物や一度傀儡となった機関への問題行動への責任追求等と、大きな爪痕を残すと考えられる。特に解放された人物からしてみれば、身に覚えのない状態である為、精神的な負担は大きいだろう(そもそも本体が倒されてしまったら、証拠の出しようがない所は非常にタチが悪い)。
この番組を見ている我々はセレブロの悪行を知っているからこそ、幾等でも彼等を擁護できるが、世間的に見れば、宇宙人の干渉を許してしまった点や、兵器が暴走し、市民の命を危険に晒した点等は、取り返しのつかない過失だからである。現にセレブロの催眠術も無しに兵器開発を強行した人物や、寄生される前は良心的な人物だったクリヤマ長官も、防衛兵器を作る為に止むを得なかったとは言え、グルジオライデンの存在を隠蔽していた点も見逃せない(まあ、その怪獣もこのセレブロが仕向けた存在だったのだが)。
唯一セレブロの存在を知るジャグラーも、防衛軍に素性がバレてしまった為に証人になれず、このような問題を解決するとなると、裏方に潜むセレブロを表舞台に引きずり出す他ない。
最終回では、上述の通りゼットに倒されて遂に人類に存在が露見、ユカとカブラギに捕獲され嬉々として解剖を宣告された。命を弄んだ寄生生物の末路は、自らが弄んだ命から研究を志した者と、最初の寄生対象の2人に弄ばれると、因果応報なものであった。尚、デストルドス内部からヨウコを救出されなければ、セレブロの思惑通りだった訳だが、その救出作戦における最大の功労者は、あろうにもセレブロが「ゲーム」の為に開発を促していた特空機である。文明自滅を目論み兵器を作らせていた筈が、その兵器の存在故に自身の破滅を招くとは、皮肉極まりない(更に指摘すれば、デストルドスで暴れた為に民間人が避難した為、万が一の新たな寄生対象を失ってしまう結果も招いた)。
また、ヨウコの反応、およびカブラギがセレブロを指して「こいつが犯人ですよ!」と発言している事実から、寄生された者は一時的な記憶障害を患うだけと思われ、実際に最終回後に放送された特別編『リ・ストレイジ』では、実際に寄生されていたヨウコが、セレブロの目的について事細かくストレイジに報告した事実が明かされており、これらの事から、切っ掛けさえあれば寄生された記憶が戻ると思われる(その為、寄生から解放された後の描写がないクリヤマ長官、アサノの記憶も元に戻っている可能性が非常に高い)。兎にも角にもカブラギやヨウコの証言に加え、捕獲されたセレブロと決定的な証拠も揃い、ウルトロイドゼロの暴走の真相も無事に明るみになり、ストレイジの潔白も証明されたと広報で示唆されている。
余談
「キエテ カレカレータ」の元ネタは、『ウルトラマン』でイデ隊員が発した有名な「キエテ コシ キレキレテ」(「僕・君・友達」との意味らしい)だと思われる。セレブロの口癖の翻訳も踏まえると、恐らく、“キエテ”が地球の言語で言うところの“私(=I)”に相当する一人称なのだと思われる。
放送では宇宙語と地球語(日本語)訳が同時に表示されると、徹底した拘りぶりで、テレビの字幕機能では、よくある「(宇宙語)」ではなく、カタカナ表記にした宇宙語の台詞が表示された。但し、宇宙語と地球語訳が同時に表示されたのは初使用時のみで、2回目以降は表示されない(後述の「コシ カレカレータ」も同様)。
その後、「コシ カレカレータ」(=よし、いいぞ)なる宇宙語も使用。こちらはテレスドンやブルトンの暴れっぷりを見ての発言で、上記の事例も踏まえれば“コシ”が地球語で“君”=二人称なのかもしれない。
本作は怪獣が中心だった為、召喚ではなく出現した怪獣を利用する宇宙人の扱いとなったが、地球人と同様の思考で日本語を喋る宇宙人ではなく、寄生生物となった。また、当初は毎回異なる人物に寄生する流れとなり、エキストラの中のその辺のおばさんのような人物になる案もあった。
本体は『ウルトラマンティガ』のデスモンをベースに改修されたもの。当初はCGで描写する予定だったが、スケジュールや予算を考えると難しかったことから、意識体や光の玉のような表現で進行するものとしていたものの、監督の田口清隆が持ってきたデスモンをひっくり返したものがイメージに近いものとして、色替えするものとなったが、デザイナーが忙しかったことから、イメージデザインを担当した足木淳一郎がスーツの写真を撮り、それを画像処理ソフトのフォトショップで色を変えたものとなっている。
関連イラスト
関連タグ
ヤプール:ウルトラシリーズにおけるメインヴィランの元祖存在で、セレブロ同様に非常に知能が高く狡猾な反面、単体での戦闘能力が低い他、人間の醜い本質を巧みに利用した計略を進めてくる。
ダークザギ、ビースト・ザ・ワン:「ULTRA_N_PROJECT」におけるラスボスとその尖兵。両者共、人間の肉体を乗っ取って暗躍しており、取り憑いた2人をそのまま自我を消す形で殺害するなど、セレブロより質の悪い側面が目立つ。
チェレーザ:前々作のライバルキャラクターで、地球の人間を乗っ取って活動していた知的生命体(ただしこちらは寄生ではなく憑依だが)。
ウルトラマントレギア:前々作および前作におけるメインヴィランにして最悪な黒幕。
こちらもゲーム感覚(或いは愉快犯に近いノリ)で悪事を働くウルトラシリーズのヴィランである。尚、第16話でのセレブロの冷酷な所業を見た視聴者の中には、『タイガ』における彼の悪行を思い出した視聴者も多かったとか。
ペジネラ:こちらは人間に寄生した事で知性を得た宇宙の寄生生物。
ファントン星人(メビウス版):宇宙語で会話した宇宙人繋がり。
ただしこちらは善良である。
メトロン星人:かつて人間達の自滅を促そうとした宇宙人。
彼らがセレブロのような小型寄生生物でなかったのは、不幸中の幸いと言える。
モネラ星人:同じくゲーム感覚で地球侵略と人類抹殺を目論んだ悪質な侵略宇宙人。
しかも人類抹殺の理由は『人類の存在が自分たちにとって目障りである』と言う極めて身勝手なもので、人類自体を『愚かで無意味なもの』とか『対等に話し合う資格は無い』と徹底的に見下し軽蔑している。
地球の文明を滅ぼす為の兵器を地球人自らに造らせた点も共通する。
ガロ星人:セレブロと同じ高度な知能と、寄生能力を持つ地球外生命。
こちらも他の文明の兵器を奪う行為をした。
チャムダ星人:ウルトラセブンXに登場した宇宙人。宿敵ボーダ星人と戦争中だが、対抗兵器を手にしたことでボーダ星との戦争は激化し、双方は全滅。
自滅した文明の体現者である。
ノワール星人:「怪獣は『生きた資源』」として、彼等の命を弄ぶような非人道的な技術で文明を築くも、怪獣の絶滅によって文明が自滅しつつある宇宙人。
セレブロが遊びに対し、ノワール星人はドライながらも彼らなりの倫理を持っているものの、やっている事はほぼ変わりない。
ドルズ星人:侵略先の住民を誘拐し、侵略兵器として改造すると、見方によってはセレブロ以上に悪辣な存在。
しかもドルズ星人の場合、劇中では倒されていない為、よりヘイトを上げている。
エボルト:仮面ライダービルドに登場した寄生生命体の侵略者。目的こそ違えど、どちらも侵略先に争いを引き起こし技術革新を促進させ、それを利用して侵略を行い、侵略先の住民の愚かさを嘲笑う外道であると言う点で共通している。
ただし、セレブロとは逆に桁違いの強さを誇る本体が直接戦うと言う意味で、まだこちらの方が堂々としている。
人工知能アーク:仮面ライダーゼロワンに登場したヴィランで、セレブロと同じ自分以外を軽んずる傲慢さと邪悪さ、他者に寄生しないとまともに行動が出来ないと共通点が多い。
ハッテナー:同じく文明を滅ぼすゲームを画策した繋がりの戦隊怪人。
そもそも彼が所属している組織自体に生命をゲーム感覚で弄ぶ外道・地球外生命体などの共通点が存在している。
RTA:文明破壊ゲームをこう例える視聴者も。
ラダム:知性は高いが脆弱な肉体故に、高い知能と運動能力を持つ人間への寄生を目的としている寄生生物。
プラーガ:人間に寄生する寄生生物繋がりであるが、こちらは地球の生物である。
フェイスハガー:同じく人間に寄生する宇宙産の寄生生物。どこかセレブロとフォルムが似ているものの、こちらはあくまで中間体に過ぎない。
シャッガイからの昆虫怪物:クトゥルフ神話における同類項。他者を虐げるのを好む、生物に寄生する、優れた知能を持つ等、共通点も多い。
外印:『技術革新の為に争いを求める』と、方向性は異なるも『自らの欲望の為に動く外道』と言う意味では同類。こちらもある意味で命を冒涜する行為をしていた。
コンティニュー:最終回でジャグラーから「不可」と宣告されたもの。当然、もう見逃さないという意味なのだが、コイン(怪獣メダル)もクレジット(ジャグラーにとっての利用価値)も失っている状態と言うダブル……もとい、トリプルミーニングでもある。
更にこの直後に捕獲され人類に存在が露見した為、計画のやり直し以前に逃亡も「不可」と言う、二重三重どころか幾重の意味でのものになってしまった。
ところが…
以下、ウルトラマントリガーエピソードZのネタバレ注意。
何と、脱出して『Z』の世界そのものから逃亡し、『トリガー』の世界に侵入していた事が判明。
脱出に成功した経緯と詳細は一切不明だが、来訪後はこの世界で暗躍していたライラーと手を組み、彼らの計画に協力する事で新たな文明自滅ゲームを行おうと画策。一方、ゲームを潰された逆恨みでウルトラマンゼットへの復讐も目論んでおり、自身を追って『トリガー』の世界に訪れたハルキを罠にかけて寄生し、ケンゴの持つGUTSスパークレンスとトリガーへの変身に用いる3本のGUTSハイパーキーを奪い取り、本作の黒幕にイーヴィルトリガーの力を与えた。
ゼットに寄生した状態でイーヴィルトリガーと組んでトリガーダークやGUTS-SELECTを苦戦させるが、GUTSスパークレンスを奪い返しトリガーに再び変身したケンゴの決死の説得にハルキが呼応した事で彼の体内から放り出される。
尚も悪足掻きとばかりにライラーイブラに寄生し、ボール型デバイスに内蔵されていた怪獣メダルからデストルドスに変身して暴れ回るが、3人のウルトラマンの連携で撃破された。
それでもまだ生きていたが、ヒマリに見つかって捕獲され、真空パック詰めにされた状態でハルキによって元の世界へと連行されていった。
かつての冷静さや周到さは失せており、終始ゼットへの復讐心と、戦いを楽しむゲーム感覚で動いていた。改心など当然していなかったが、敗戦の反省も学習も一切しておらず、最終的には前回同様に敗北して捕えられる事となった。
今度こそ因果応報な末路を迎えてほしいものである。
尚、今回の件で変身者への寄生を介して、ウルトラ戦士を操る事が出来る事が判明した。
ただし、今回は元々ハルキの体にゼットが融合しているという一つの体に元から二つの人格が存在するケースだった(加えて、ハルキの精神力も人一倍強かった)為、寄生後も何度か宿主の抵抗に遭い、満足に肉体を制御出来ていない様子が見受けられた。
この為、寄生先がウルトラマンと変身者が同一の存在である「純粋な」ウルトラ戦士であった場合、もっと深刻な事態に陥っていた可能性が高いという意見もある。
ちなみにだが、セレブロ以外にウルトラ戦士を自力だけで操った事のある者は、デストルドスの一部にもなった怪獣や、メダルが作られたあの御方など、意外にもセレブロと何らかの関わりのある者が多い。
今作のセレブロの協力者であるライラー達の行っていた「最終的にトリガーの光を奪う」計画は、かつてウルトロイドゼロを最終的に強奪したセレブロの文明自滅ゲームと似通っている部分があり、セレブロが何らかのシンパシーを感じて協力関係を結ぶきっかけになった可能性が高い。
一方で、彼らの言っていた「地球は人類自らの手で守らなければ意味が無い」という台詞は、セレブロが操ったデストルドスの誕生経緯や文明自滅ゲームのコンセプトを考えると、中々に痛烈な皮肉となっている。